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[ 月 ] 金融財政ビジネス第 3 種郵便物認可の察知や近未来の予測などが可能になれば 利用者個々のニーズに即したサービスの提供や業務運営の効率化 新産業の創出などが実現できる可能性がある(図表2) 世界的には既にそのような事例が生じつつある 以下では ビッグデータ解析によ

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Academic year: 2021

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全文

(1)

役割

付加価値

変化

  2000 年代初めから徐々に、一 般のビジネスシーンにも登場してき た「 ビ ッ グ デ ー タ 」。 今 や こ の 言 葉 を聞かない日がないほど、世間にも 浸透してきたが、ビッグデータが登 場した当初と現在では、ビッグデー タ解析に期待される役割・付加価値 が変化しつつある。   ビッグデータが登場した当初は、 その量的側面に注目が集まった。す なわち、従来のシステムでは取り扱 いが困難な大量のデータを処理する こと自体が付加価値であった。しか し、その後の I C T 技術、情報通信 技 術 の 進 展 に よ り、 「 高 解 像( 事 象 を構成する個々の要素に分解し、把 握・対応することを可能とするデー タ) 」「高頻度(リアルタイムデータ など、取得・生成頻度の時間的な解 像度が高いデータ) 」「多様性(各種 センサーからのデータなど、非構造 なものも含む多種多様なデータ) 」、 などの多種多様かつ大量のデータが 生成・収集・蓄積されるようになっ た結果、需要者・利用者の視点に立 って大量・高速・多種多様なデータ からいかに価値創出するか、に重点 が移りつつある(図表 1 、 5 ㌻) 。   ビッグデータ解析を可能とする技 術も、このようなニーズに合わせて 進展し、バッチ処理に強みを持つ技 術やストリーム処理に強みを持つ技 術などが開発された。ビッグデータ 解析対象となるデータ特性や、ビッ グデータ解析の目的に応じて、最適 な技術を選択する必要があるため、 ビッグデータの解析者(データアナ リスト)には、 I C T 技術の知見に 加え、自社のビジネス環境に関する 深い理解も求められるようになった。   大量データのリアルタイム処理が 力を発揮する分野として期待されて いるのが、インフラ関連産業へのビ ッ グ デ ー タ 分 析 の 適 用 で あ る。 電 力・ガス、水道、交通といった社会 インフラは、 24時間 365 日の稼動 が前提となっており、各種データの 大規模リアルタイム処理により異変

を変

日本

個人情報

整備

急務

日本総合研究所 総合研究部門社会 ・ 産業 デ ザ イ ン 事業部 ア ソ シ エ イ ト デ ィ レ ク タ 段野孝一郎

先行する欧米

解 説   ビッグデータ分析技術が進化するに伴い、その付加価値は大量データの一括処理から大規模リアルタ イム処理へ移りつつある。リアルタイム処理の付加価値が発揮できる分野としては、社会インフラ関連 産業への適用が期待されており、既に諸外国ではビッグデータ解析の活用によって、社会インフラの在 り方が変わりつつある。しかし、ビッグデータ活用で先行する諸外国と異なり、日本ではパーソナルデ ータの取り扱いに関する指針が定まっていない。日本において、より一層のデータ利活用を進めるため には、ライフログなどのパーソナルデータの取り扱いに関するルール・ガイドライン整備が急務である。 だ ん の ・ こ う い ち ろ う  京 大 大 学院工学研究科博士前期課程修 了卒。 07年、 日本総合研究所入社。 環境 ・ エネルギー、 通信 ・ I C T 、 資 源 ・ 水 ビ ジ ネ ス を 領 域 と し た 事 業 戦 略 ・ マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 立案に関するコンサルティング を担当。  

(2)

の察知や近未来の予測などが可能に なれば、利用者個々のニーズに即し たサービスの提供や業務運営の効率 化、新産業の創出などが実現できる 可能性がある(図表 2 )。 世界的には既にそのような事例が 生じつつある。以下では、ビッグデ ータ解析により新たな付加価値を創 出している事例を紹介する。

電力

  日本を含む世界では現在、電力消 費量をリアルタイムで取得するスマ ートメーターを導入し、リアルタイ ムでの需給の「見える化」を通じて、 精緻に需給管理を行い、節電・省エ ネを行う取り組みが進められている。 しかし、スマートメーターの ような情報機器が需要 家末端に数千万台とい う規模で導入されると、 従来の電力ネットワー クがサイバー攻撃にさ らされるリスクが飛躍 的に増加する恐れがあ る。また、需要家が検 針データなどを改ざん し、電力料金支払いを 回避しようとする不正 も報告されている。   このような数千万台 規模の機器の状態監視 に、大規模リアルタイ ム処理が力を発揮する。 米電力大手のアメリカ ン・エレクトリック・ パワー( A E P )は、 需要家に導入したスマ ートメーターに加えて、 各種システム、発電・ 送配電設備などの稼働 状況をリアルタイムでモニタリング し、 1 日 5 億件にも上るログ情報を 分析することで、ネットワークの異 常・不正を監視している(図表 3 )。 新技術を活用したIT分野で の新しいビジネスの創出 ①需要者・利用者の視点 ②大量・高速・多種多様なデータからいかに価値創出  するかに重点 ③ビジネス・組織・制度のあり方を見直す主体的対応 既存産業のIT活用による競争 力強化・新領域への進出 異分野の産業や社会システム の融合による新産業創出 「データからの価値創出」が付加価値の時代 「ビッグデータの処理」 が付加価値の時代 IT・データを活用した 新ビジネス ITと既存産業の融合 による新ビジネス IT・データを媒介とした 異分野融合による新産業 データ量の爆発的増加/産業の裾野の拡大 I T 融 合 新 産 業 の 創 出 の 実 現 ①IT企業・供給者中心の視点 ②大量データ自体に注目 ③既存のビジネス・組織・制度を  前提とした受動的対応 多 種 多 様 な モ ノ が ネ ッ ト ワ ー ク 化 (出所)経済産業省資料を基に日本総研作成 〈図表1〉ビッグデータの付加価値の変化 グローバル(シームレス)化、情報量の増大、 ネットワーク化、リアルタイム化、スマート化、自立分散化、… メーター、センサー技術の高度化(収集対象の多様化) ICT環境を 取り巻く社会 集める ・計測・生成 ・連携 ・統合 ・蓄積 ・見える化 ・制御 ・表示 ・配信 つなげる まとめる 考える 発信する (特に無線)通信技術の高速化、多様化 各種フォーマットの統合、共通化 大量の否定形データ(ビッグデータ)の 予測分析、人工知能(リアルタイム化、大規模化) ビッグデータから抽出された意味情報の活用 (新しいビジネスの創出) 現在 従来 量的拡大 (実証段階) ICTの役割が進化 未来 行政 金融 エネ ルギー 交通 医療 教育 防犯 質的向上 量的拡大 (目指す社会像) I C Tの 役 割 様 々 な 分 野 の 複 合 サ ー ビ ス に よ る           ﹁ エ コ シ ス テ ム ﹂︵ 生 態 系 ︶形 成 持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 収 集 統 合 分 析・ 活 用 (出所)日本総研作成 〈図表2〉ビッグデータ活用が変える社会インフラのあり方 イベントキャプチャー&ロギング スマート メーター 各種システム 発電設備 データ収集 フィルタリング &学習 ユース ケース 分析 インシデント 管理 可視化 流通設備 ネットワーク 機器 フィルタリング/パターン分析/相関分析 可視化 シグネチャー ベースのフィ ルタールール ダイナミック なウオッチリ スト生成 高速処理 振る舞いベー ス の パ タ ー ン検出 頻度、配列、  スコアリング ダイナミック な 検 出 ル ー ル策定 インシデント マネジメント インシデント のワーニング レベルに応じ た 対 策 の 自 動実行 リアルタイム の見える化 地理的なマッ ピングと攻撃 のリンク分析 攻撃の可視化 を 踏 ま え た ル ー ル や ウ オッチリスト の調整 (出所)AEP公開資料を基に日本総研作成 〈図表3〉AEPのネットワーク監視の取り組み

(3)

電力

  また、諸外国ではスマートメータ ー導入を契機に、得られた電力消費 量をビッグデータ解析することで付 加価値を向上させ、マーケティング に活用する事例が登場している。米 オーパワーは、電力会社向けにビッ グデータを活用した省エネルギーサ ービスの提供を開始し、電力利用デ ータのビッグデータ解析プラットホ ームとして高いシェアを獲得してい る。同社のサービスでは、家庭の世 帯情報や設備情報、エネルギー消費 実績などのビッグデータを解析し、 同一属性のセグメント間での比較分 析を通じて、顧客に省エネ余地を通 知している。顧客からは非常に好評 で、 12年 7 月時点で全米トップ 10を 含 む 75の 電 力 会 社 と 契 約 し、 約 1500 万世帯へ省エネレポートを 発行しているという。さらに近年で は、フェイスブックと連携して節電 コミュニティーを構築しており、同 コミュニティーに参加すること で、他人と競争しながら節電を 楽しむことができる。このよう に、オーパワーのプラットホー ムは、電力会社と顧客の新たな コミュニケーション手法として も注目を集めている(図表 4 )。   こうした I C T 技術の利活用 は、顧客とのコミュニケーショ ンのみならず、エネルギー会社 の業務プロセスを刷新するツー ルとなる可能性もある。英国は 日本とは異なり、小売会社がス マートメーターを導入する責任 を負っているが、英石油・ガス 大手 B G はスマートメーターの 活用可能性にいち早く気づき、 その恩恵を活かすべく積極的にスマ ートメーターの導入を図っている。 同社では、スマートメーターから得 られるデータを業務系ユーザーへの 営業に活用している。スマートメー ターから得られるエネルギー消費実 績と、設備属性、気候条件、気温推 移などのデータとの相関を分析し、 同一セグメントとの比較から省エネ 余地を見出し、節電支援や省エ ネ機器の販売につなげている。 これまで小口の業務系ユーザー は規制下にあったが、自由化後 は料金が高くエネルギー消費量 も高い小口の業務系市場は主戦 場の一つになる可能性がある。 ただし、小口かつ業種が多岐に わたるため、顧客を囲い込むう えでは、効率的な営業・マーケ ティングが必須となる。今後、 日本でもメーターデータを活用 した小口顧客のマスカスタマイ ゼーションを活用した新サービ スが普及し、小口業務系ユーザ ーも自由化や技術進展の恩恵を 享 受 で き る よ う に な る だ ろ う (図表 5 )。

水道

予防保全最適化

  米国ワシントン D C を本拠とする D C ウオーターは、スマートメータ ーやマンホールなどに取り付けたセ ンサーデータ、メンテナンス履歴な どを総合的に分析することで予防保 全を強化し、更新問題への対処に道 筋を付けた。   200 万世帯の顧客を持つ D C ウ オーターは、日本の水道局と同じく、 電力会社 電力供給 請求代行・節電 請求 代行委託 電力・顧客情報 料金請求、 節電情報、 クーポン 天候等の情報 手数料 電力料金 オーパワー 分析 消費者 第三者機関 量販店など 機器販売 機器購入 (出所)オーパワー社公開資料を基に日本総研作成 〈図表4〉オーパワーのビジネスモデル ③情報配信 ①スマートメーター設置 ④営業提案 (節電コンサル・      省エネ機器推奨など) ②省エネ余地の分析   設備属性   気候条件   気温推移との相関   月次推移 等 タブレット 端末 業務系ユーザー (小売等) ビッグデータ ④ ① BG (出所)BG公開資料を基に日本総研作成 〈図表5〉BGのメーターデータを活用したマーケティング

(4)

あることから、センサーデータや点 検記録、メンテナンス記録、天候な どのビッグデータを統合的に分析し、 将来予測を行うことで、メ ンテナンス計画を最適化し ている。   具体的には、スマートメ ーターの設置場所、配管の 勾配、地質など設備の形式 や使用期間、埋設深さなど の静的なデータの他、変動 パラメーターとして、過去 のメンテナンス履歴や気象 情報なども加味して分析し、 予測モデルを作成している。 そして老朽化状況や不良率 を基に、緊急性の高いとこ ろからメンテナンスを進め るという仕組みである。さ らに、分析結果に基づいた 断水や漏水の早期発見も可 能になり、顧客を訪問する 回数が減少し、その結果と して生じた余裕で予防保全 業務にこれまで以上に時間 を割くことも可能になった とされている(図表 6 )。

交通渋滞緩和

  米国の交通情報提供会社インリッ クスは、 1 億台の車両プローブから 収集するデータに加え、過去の交通 量や天候、地域イベントを加えた複 合的なビッグデータ分析により、渋 滞を予測するサービスを提供してい る。渋滞予測情報は、利用者のカー ナビにフィードバックされる他、交 通局や統計局などでも活用されてい る。興味深い点としては、当該サー ビスを投資ファンドが積極的に利用 している点だ。特にセール時期など は、主要な小売店舗周辺の渋滞情報 から売り上げの好不調を予測し、株 式取引に活用しているという。ビッ グデータの分析結果をどう使うかと いう点において、異業種の知見が参 考になる好例である(図表 7 )。 デ ー タ の オ ー プ ン 化 と法整備 の 必要性   社会インフラへのビッグデータ解 析の適用はまだ始まったばかりであ るが、より一層の活用を図るために は、様々な異種データを突き合わせ て分析する試みが必要だろう。社会 インフラ分野では、これまでは分断 されていた電力、ガス、水道、交通 といった分野がデータ流通を通じて 融合し、結果として社会インフラの 効率的な維持管理や活用にもつなが っていく可能性がある。特に前述し た米インリックスの事例では、当初 は交通局や政府系機関、研究機関向 けのビジネスを考えていたところ、 ファンドも当該データを活用すると いう当初予期していなかったビジネ スモデルが実現した。   留意しなければならない点として は、多くのビッグデータが、利用者 のライフログなどのパーソナルデー タを含むことが挙げられる。社会イ ンフラ関連であれば、前述したオー パワーや B G の例のようなエネルギ ●ワシントンDC、メリーランド州、バージニア州の200万世帯が顧客 ●老朽化したインフラへの対処が課題   ▶延長1300マイルの配管の平均使用年数は77年(通常の耐用年数は40∼50年)   ▶延長1800マイルの下水道管路の大部分は1800年代∼1900年代初頭に埋設 DCウォーターの 抱える課題 センサー・データ (スマートメーター含む) 将来予測 (老朽化・不良率) 点検記録 テキスト分析 予測モデル 根本原因の究明 プロセス改善 メンテナンス計画 メンテナンス記録 天候など 固定パラメータ ●現場データ:付近の建物数、建物用途、勾配、土壌の質 ●設備データ:設備タイプ、運用年数、素材、マンホール数、管渠埋設深度 変動パラメータ ●メンテナンス履歴、点検履歴、設備取替の有無、メンテナンス内容(テキストレポート)、降雨量、過去の浸水等の事故歴 (出所)IBM「スマート社会におけるスマート生活へ」を基に日本総研作成 〈図表6〉DCウオーターの予防保全に、向けたビッグデータ活用 プローブデータ 交通量DB インリックス 渋滞情報 投資ファンド 官公庁 天候DB 地域イベントDB (出所)インリックス公表資料を基に日本総研作成 〈図表7〉インリックスの交通渋滞予想モデル

(5)

ー消費に関するデータは、パーソナ ルデータの典型である。エネルギー 消費のパターンを分析することで、 利用者の在・不在や生活パターンな どを把握することも可能であるため、 その取り扱いには留意しなければな らない。水道の消費状況や、交通の 利 用 状 況 に つ い て も 同 様 で あ る。 J R 東 S u i c a 利用履歴のビッグ データ販売時に問題となったように、 消 費 者 の プ ラ イ バ シ ー 保 護 と 新 産 業・新事業創出のための規制緩和を バランスさせていく必要がある。   その点において、グローバルな競 争環境とのイコールフッティングの 観点が非常に重要になる。米国や欧 州は、産業創出を優先させる基本姿 勢を貫いており、パーソナルデータ 活用に向けた社会実験でも日本に先 行している (英国 m i d a t a など) 。 日本は諸外国と比べて、個人情報の 保護意識が高い傾向にあるが、過度 に配慮する余りに、日本の I C T 産 業の国際競争力を削ぐ結果となって しまってはならない。より一層のビ ッグデータの利活用を進めるために、 データ利活用に関するルール・ガイ ドライン整備が急務である。

参照

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