日本小児循環器学会雑誌 13巻3号 500〜501頁(1997年)
第6回浜松小児循環器談話会
期日:平成8年10月26日(土)
会場:アクトシティ コングレスセンター 世話人:伊熊 正光
1.当院にて心電図上T波異常を認めた症例につ いての検討
国立療養所天竜病院小児科
岩島 覚,竹内 浩視 国立療養所天竜病院精神科
松本 英夫,斉藤 巨,鈴木 雅乃 近年,分裂病や摂食障害等の低年齢発症の報告が増 加し,抗精神病薬等の有効|生がいわれ始めているが,
若年者への抗精神薬の投与量,副作用について詳細は 不明である.特にフェノチアジン系抗精神病薬はQT 延長など循環器系副作用の報告が散見される.当院に てフェノチアジン系抗精神病薬を投与されていた患児 10名のうち心電図異常を3名に認め頻脈,QT延長等 であった.今後は抗精神病薬の若年者への投与は増加 すると思われ循環器系副作用について注意が必要であ ると思われた.
2.JRA(若年性関節リウマチ)の経過中にみられ た刺激伝導障害及び不整脈
遠州総合病院小児科
日々野健一,相川 博之,桜井 適朗 我々は,急性期に心伝導障害を伴ったJRA(若年性 関節リウマチ)の1例を経験した.経過中,心筋原酵 素に変動はなかった.1度房室ブロック,左脚ブロッ
ク,房室解離等の不整脈がみられ,プレドニゾロン投 与にて安定したが,心電図上T波の日内変動のみ残存
した.
3.γ一グロブリン治療が不応であった川崎病2症 例についての検討
共立湖西総合病院小児科
福岡 哲哉,中島 寛明 浜松医科大学小児科 伊熊 正光 症例1は,1歳9カ月男児,再発例.γグロブリン
治療を総量4g/kgまで使用したが,速やかに反応せず,
発熱などの臨床症状の消退まで約1カ月を要した.後
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浜松医大小児科 伊熊 正光
遺症は残さなかった.症例2は3カ月男児,不全型の 経過を示し,γ一グロブリン400mg/kg/day×5使用した が再燃し,冠動脈瘤を残した症例である.投与時期,
追加投与の是非について苦慮した2例であったため,
検討し報告した.今後,これらの症例に対しての一般 的な治療法の確立が待たれる.
4.高齢者のASD(手術未施行例)
聖隷浜松病院循環器内科
鈴木 保孝,杉本 光繁,八木 勝宏 鈴木 和仁,島谷 和弘,志賀 剛 松尾 高,井上 康夫
近年学校検診の普及にともない幼児期・小児期での 心房中隔欠損症(ASD)の根治術が増加しているが,
その適応を考えるうえで自然歴が重要と思われる.今 回その参考にするため3例の手術を行っていない高齢 者のASDを提示する.
症例1は80歳女性で,62歳の時軽い心不全で発症,
ASDの診断を受け手術を勧められたが拒否,その後内 服治療で日常生活は普通に行っているが,心不全・肺 炎で4回入院をしている.
症例2は68歳男性で,45歳の時Asr)の診断を受け,
手術はしないまま内服加療,65歳よりま不全出現する ようになり本来であれば手術の適応と思われたが,胃 進行癌がありそのまま内科治療を継続している.心不 全は徐々に悪化している.
症例3は76歳女性で,小児期より口唇よりチアノー ゼを認め,22歳の時先天性心疾患の指摘を受けている.
27歳で出産,その後も軽労作での息切れは自覚してい たが普通に生活しており,45歳当科初診ASD, Eisen−
menger syndromeの診断で内服加療継続している.現 在も症状の変化はなく心不全増悪,肺炎などでの入院 はなく経過している.
5.浜松地区の学童心臓検診精検で発見された異常 について
聖隷浜松病院小児科
瀬口 正史,西尾 公男 横山 岳彦,鬼頭 秀行
Presented by Medical*Online
日/」\循誌 13(3),1997 501−(99)
聖隷三方原病院小児科
安田 和志,大木 茂,和田 力也 平成8年の学童心臓検診で精査を要した学童(小学
一一年生,中学一年生)のうち,310名が2つの病院で精 検を実施された.このうち,異常が発見されたのは9
例(3%)であった.不完全右胸ブロックからASD 2
例,ST異常あるいは深いQ波から心筋肥厚4例,
WPW症候群からEbstein奇形1例と.ヒ室性頻拍1
例,心室性期外収縮から心室頻拍1例であった.Presented by Medical*Online