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厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)
小児がん拠点病院を軸とした小児がん医療提供体制のあり方に関する研究 分担研究報告書
「分担課題名 小児がん拠点病院・診療病院の看護体制と課題」
研究分担者 井上玲子 東海大学健康科学部看護学科 教授
研究要旨
小児がん拠点病院(以下;拠点病院)15 施設および小児がんを診療する連携病院
(以下;連携病院)164 施設に勤務する看護師に対し、看護体制の現状と課題を明ら かにするため、日本小児がん看護学会と共同でアンケート調査および意見交換会を行 った。結果、拠点病院 13 施設、連携病院 21 施設の看護師 71 名が意見交換会に参加 し 46 名からアンケートを回収した。アンケートでは、小児がん看護を専門とした看 護師の人材配置は十分でなく、看護の充足を求める意見がみられた。さらに小児がん 看護の専門性を高めるための研修の充実と、参加できる環境整備の課題も明らかにな った。意見交換会では、人材の配置の現状と充実に向けた研修に対する希望や提案が みられた。今後、小児がん看護の専門性をもった看護体制の構築と配置に向けた仕組 みづくりが必要と考える。
A.研究目的
拠点病院および連携病院の看護体制の現 状と課題を明らかにする。
B.研究方法
第 14 回日本小児がん看護学会学術集会 の場を利用し、日本小児がん看護学会(以 下;学会)との共同で、拠点病院および連携 病院の看護体制の現状と課題を明らかにす るため、看護師の意見交換会を実施した。事 前に拠点病院 15 施設および連携病院 164 施設の看護部長あてに、意見交換会への参 加依頼文書を送付。さらに学会の配送物に 同文書を同封し、会員へ案内した。
参加者に対しアンケート用紙を配付、会 の終了後に回収した。アンケートは「人材の
配置・意見」「小児がん看護研修に関する意 見」等とした。数量データは単純集計し、記 述データは内容を類似性に沿って分析した。
(倫理面への配慮)
本研究は当該年度以前に研究が開始され、
当該年度はその継続の実施であり、すでに 研究者の所属施設の倫理審査会指針を遵守 している。
C.研究結果
拠点病院13施設、連携病院21施設の看 護師71名が意見交換会に参加し、そのうち 46名からアンケートを回収した。回答者の 属性は、師長7名、主任6名、副主任1名、
小児専門看護師10名、がん関連認定看護師 7名、スタッフナース11名、未記入4名で
- 105 - あった。
1.看護師の人材配置について
回答施設の小児がんに対応できる専門看 護師や認定看護師、研修を修了した看護師 等の人材配置は14施設のみで、その他の 施設はいない、もしくは十分とはいえな いとの意見だった。その理由として配置 されても移動が多い、十分な人数が確保 されていないため看護の質の確保が難し い、成人がんの関わりが中心等であった。
2.小児がん看護研修について
病院内研修もしくはブロック内の研修 で、小児がん看護に関する充実した研修 を実施している施設は4施設で、他42施 設が研修がされていない、もしくは研修 に参加できない状況であった。その理由 として研修場所が遠方であること、休暇 の確保が困難、病院の理解が乏しい等で あった。
D.考察
看護師の人材配置は、拠点病院と連携 病院含め十分といえない状況であった。
また小児がん看護研修は、受講環境の不 整備があげられる。小児がん医療提供体 制は、患者家族を中心に据えた多職種連 携の中で構築される。第 3 期がん対策基 本計画に向けて小児がん看護が一定の質 が担保でき、地域間格差の是正をめざし た仕組みづくりが望まれる。
E.結論
1)小児がんに関わる看護師の人材配置は、
病院で充足されていなかった。
2)小児がん看護研修は、小児がん看護にか かわる看護師が十分に受講できる環境では なかった。
3)拠点病院および連携病院で、小児がん看
護を専門にした看護師の配置、育成ができ る仕組みづくりが望まれる。
F.健康危険情報 該当なし
G.研究発表 1.論文発表 該当なし
2.学会発表
1)井上玲子、内田雅代、田村恵美、小児が ん拠点病院の療養環境・資源の実態調査、第 14回の本小児がん看護学会学術集会、日本 小児血液・がん学会誌、53(4)、453、2016.
2)井上玲子、内田雅代、田村恵美、小児が ん拠点病院の看護業務に関する実態調査、
第14回の本小児がん看護学会学術集会、日 本小児血液・がん学会誌、53(4)、454、2016.
3)熊木みゆき、井上玲子、田村恵美、小児 がん拠点病院の相談支援センターにおける 看護師の業務内容と役割の実態調査、第14 回の本小児がん看護学会学術集会、日本小 児血液・がん学会誌、53(4)、440、2016.
H.知的財産権の出願・登録状況 (予定を含む)
1.特許取得 該当なし
2.実用新案登録 該当なし 3.その他 該当なし