003 試 作 ロ ン グ ・ カ ク ン タ ー の 特 性 ( 1 )
指 向 特 性 に つ い て の 考 察
三 木 良 太 , 荒 木 等
Perfor・mαnce Characteristics of Long Counter. (1) On the directionality of long counter.
By Ryota MIKI and Hitoshi ARAKI Little has been reported on the directionality of weI1‑known long counter. Measurements were made on the directionality of the long Counter modeled after the original Hanson‑McKibben counter and some improvement was observed after the modification on outer paraffin shield.
I
緒 冨1947年にHansonとMcKibbenによって発表さ れたいわゆるロング・カウンター (Longcounter) は,中性子モニターとして,あるいは中性子東モニタ ーとして広く用いられている。この種のカウンターの エネノレギー特性については,多くの実験者の報告があ るが,その指向特性についてはあまり報告されていな い。今回, Cockcroft‑Wa1ton型中性子発生装置の 中性子モニターとして,標準型のロング・カウンター を製作した機会に,その指向特性を測定し,更に外側 のパラフィン層を増して指向特性を改善する試みを行
ったので以下に紹介する。
E
装 置試作ロング・カウンターは, HansonとMcKib‑
ben(1)の発表したオリジナノレにできる限り忠実に製作 した。その各部の形状及びす法を Fig.1!乙示す。た だし使用した BFs計数管は, Westinghouse社製 WL‑6307 (rt2.55cm, 26.5cm長)である。計数装置 として使用したのは,前置増巾器(三菱製),比例増巾 器,スケーラー及び高圧安定化電源(いずれも理研 製〉である。中性子源はNumec社製Pu‑Be中性子 源(約1.4 x 106n/sec)を用いた。
E 測定方法及び測定結果
まず実際にカウンターを利用する際にγパックグラ ウンドが存在する可能性があることを考慮して,比例
増巾器のディスクリミネーターの設 定点を定める測定を行った。すなわ ち高圧電源及び利得切換スイッチを 一定に保ち, Pu‑Be中性子源と
60COγ線源 (20mc) に対する計 数値をディスクリミネーターの設定 点を変えながら測定した。その結果 を Fig.2ζ示す。この結果より,! ディスクリミネーターの設定点を
Fig. 1 試作ロング・カウンターの正面及び断面図
200 (Ful1 Scale 1000 div.)に定 め,以下はすべてこの状態で測定し
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200 400 600 800 1000 Discriminator Level
Fig. 2 BFs計数管の計数値とデ、イスクリミネーターの関係 1500
cpm CdキャッフJ・の却介
500
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50 100 150 200 250 (mm) Fig. 3 ロング・カウンター内のBFs計数管の位置による計数値の変化た。なお高圧電源は常に 2000V !己保った。 BF8計数管の先端が, 中央部の円筒形/'fラインの前 次に BFs計数管の位置による計数効率を調べるた 面から約1.8cm突き出した時,計数効率が最高とな めに, BFs計数管をロング・カウンターに最も深く ることを知り,以下の測定は乙の状態で行う乙とにし 挿入した位置から徐々に引抜いて,計数値の変化を測 た。なお,乙の際に BFs計数管の有効部分の最先端 定した。その結果を Fig.3 ~と示す。との結果から, は円筒形ノぞラフィンの前面とほぼ一致しているととに
‑ 16‑
なる。 となったが,このことだけでは,先の指向特性の悪さを これらの予備実験を行った後,原子炉室内において 説明できない。なお念のため厚さO.5rnrnのCd板で ロング・カウンターの指向特性を測定したところ指向 BFs計数管全体をおおって測定したと乙ろ, 13"‑'15c 特性が意外に悪く,カウンターを90。回転した場合の prnの値を示し,壁面などの反射・散乱によるかなり 計数値は, 0。方向の60%近い値を示した。とのため指 の熱中性子の存在が確認された。
向特性のくわしい測定を行う前に,更に予備実験を行 以上の結果から,ロング・カウンターの外側のパラ うことに予定を変更して,次の測定を行った。 フィン層によって充分に減速されないままB20S層を 裸のBFs計数管による測定。 Pu‑Be中性子源を 通過し,内側のパラフィン円筒内部で熱中性子化され 計数管から約270crnの距離におき測定したところ, て BFs計数管に検出される中性子の寄与を予想し 計数管の方向に関係なく 160"‑'167cpmの計数値が得 て,外側のパラフィン層をどの程度増せば指向特性を られた。との結果から炉室の壁面及び周囲の物体によ 改善できるかを見当つける実験を行った。その配置と って,かなり熱中性子化が行われている事実が明らか 測定結果をFig.4に示す。 Fig.4の計数値がほぼー
300
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cpm BFJー d
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100
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10 20 30 40 (cm) 50
減速パラフィン層の厚さ (x) Fig. 4パラフィン層の減速効果測定結果
ベエ?浮'N.
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畢位:mm定となるのは,散乱によって側方と 後方から BFs計数管に達する中性 子によるものと考えると,パラフィ
ン層が15crn で約 15~ちに計数値が 減少することになる。そこでロング
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Fig. 5 追加減速パラフィン層
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・カウンターの外側に Fig.5 Iと示 すパラフィン箱をかぶせ, B20S層 の前に最小15crn厚のパラフィン層 があるように改造し,改造前と改造 後の指向特性を測定した。その結果.
はFig.6I乙示す。ただし乙の測定 の際には,壁などによる中性子の散
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Fig. 6 改造前及び改造後のロング・カウンターの指向特性
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乱,反射をできるだけ避けるため に,屋上にロング・カウンターと中 性子源をおき,その聞に屋上に通ず る階段があるように配置した。この 結果からロング・カウンターが中性 子源に対して600以上偏れている場 合には,追加したパラフィン層が有 効に働いていることが確認された。
なおこの指向特性の改善を更に進め るための資料をうる目的で,BFs計 数管の長さ方向に沿う位置による感 度の変化についても測定を行った。
すなわち中性子源に対じて一定の位 置に,外径11.Ocm,内径2.7cm, 厚さ 2.1cmのドーナツ状のパラフ
ィン塊を配置し BF3対数管をそ のなかに通して左右に動かし, ドー ナッ部分以外をCd板でおおって測 定した。その結果をFig.7に示す。
またロング・カウンター内部の BFs計数管に沿った計数値の変化 を,計数管を長さ 2cmずつ残して Cd板でおおい, Cd板でおおわれ ない部分を移動して測定した結果と それに Fig.7に基く補正を施した 結果を Fig.8I乙示す。
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Fig. 7 BFs計数管の長さ方向の感度特性
‑ 18‑
60
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40
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20
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12 16 20(cm) ロング・カウンター内部のBF8計数管の長さ方向に沿う先端よりの距離 Fig. 8 ロング・カウンターの中心部における熱中性子密度分布〈相対値)
百 考
察ロング・カウンターの指向特性は意外に悪く,特に 反射,散乱の多い小さな部屋で使用する場合には,直 接カウンターに到達する中性子以外の寄与が極めて大 きいととを考慮に入れる必要がある。中性子源とカウ ンターの部屋の内部における相対的位置が変更される 場合は,特に注意を要する。パラフィン層を増せば,指 向特性はかなり改善できるが,その反面重量と寸法が 大きくなり,せまい測定室での使用の妨げとなるおそ
れがある。更に中性子のエネノレギーによる指向特性の 変化も考慮する必要がある。 Fig.7及びFig.8の結 果から,ロング・カウンターの指向特性の改善と計数 効率の向上を計るべく,今後の研究を計画中である。
(1964年3月31日受理)
一 参 考 文 献 ー
(1) A. O. Hanson, J. L. McKibben, Phys. Rev., 72, 673 (1947)
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