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「そば」 種子 におけ る発芽期の生長過程 につ いて

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(1)

「そば」 種子 におけ る発芽期の生長過程 につ いて

飯 塚 義 富 * ・ 村 上 哲 男* *

fy=

緒 言

「そば」の起源 をしらべ ると,「そば」は, 中央ア ジアの原産 であ るといわれ,上代 の頃,大陸か ら日本へ渡来 し,各地 で栽培 され るよ うになった とい う。

我 国では,既 に,奈良,平安 の時代 に,備荒 食糧 として相 当広 く栽培 されていた よ うであ り, ),and ter

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* 生物化学研 究室

**食品科学研究所

(2)

146 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 5 号 (1972)

「続 日本紀」に よれば,天正 天皇の養老6年(722年)の夏,雨 が降 らず大飢鐘 に見舞 われた。 その時 の 7月に「そば」を植 えるよ う命令が下 された と伝 え られて いる1.)

このように「そば」が,山地や 荒廃地 で,あるいは飢健 の年に備 荒 食糧 として植 えさせ られ たのは,

「そば」の生育 力が大変 強 く, また,格差 の激 しい気候 風土に も耐 え うる植物 であ るため であ る。

普通, 「そば」は播種 后,75日程度 で収穫 す るこ とが 出来 る。 この よ うに「そば」の生 活力は,㌧他 の食糧 生産 を目的 として栽培 され る多 くの種子植 物 には, あ ま り見 るこ との 出来 ない興 味 あ る事 実 であ る。

ここで考 え られ るこ とは, 「そば」を含 む 多 くの種子植 物が休 眠状態か ら発芽成長 を示 す場合, まず未発芽 の種子 が発芽過程 に入 り, さらに進 んで幼芽,助根 の伸 長 を見 る時期 とな る。 この時 期 には,腫乳 中の貯蔵養分 が どん どん と消 費 され,や が て種子 内の養分 をも枯 渇 して しま う。 そ して幼苗 は全 く独立 した生育体制 に入 るが, この一般 的 な休 眠か ら発芽 への現 象 とは別 に, 「そ ば」種子 には,特 有の 内部 的発芽過程 が 見 られ るのではなか ろ うか と推察 す るのであ る。

先 に述べ た一連 の過程 におけ る,核酸, 蛋 白鷺, 水分 の役割 は, ホル モ ンな ど とともに特 に重 要 な もの で, いずれ も生命維持 に不可 欠物質 であ る。 それ故 に, これ らを調べ るこ とに よ り,逆 に「そば」種子 の発芽, ひいては,休 眠現 象の解 明に一考 察が加 え られ るのでは なか ろ うか と考 え, 著者 らは「そば」種子 の発芽 を通 して見 られ る

,RNA

量, 純 蛋 白質 量, 水分 量の時間的相互変化 に焦 点 をあわせ てみ た。

ⅠⅠ 実 験 方 法2・ 3・ 4)

「そば」種子 は,綿利製粉 K.K.よ り提供 して もらった,昭和46年 度収穫 の熊本産 の もの で, そ れ を水撰 ,塩 水撰処理 後,比重 1.0-1.33の種子 を撲 り分 け,ドライ7- で乾燥 した もの を 実 験 に使用 した。

RNA

の定量

「そば」種子 を25g秤量 し,水飽和 させ た脱脂綿上 に播 き, 25oC に調節 した恒 温器 中で生育 させ 8時 間間隔 で48時間にわた り

RNA

量 を測定 した。

① 試薬調製

ベ ン トナ イ ト溶液の調製 5)

100gのベ ン トナ イ ト (和光純薬 ) を1.52の蒸溜水 に加 え,ブ レンダー で均一 に分散 させ 15分 間静 置す る。沈下 した粗粒 がはい らない よ うに注意 して,分散 液 を遠心 管 に移 し,遠心操作(2,500 r.pm ,1m .. 5i n)を行 ない沈法 を除 き,上 清部 をつ いで遠心操査 ( ,0 rpm ,1m850 .. . 5i n.)に よ り 分離 して,上 清 を捨 て,残 った沈法 に 0.1モル EDTA溶液 を600ml加 えpH7.0に し,7■レンダー

を用 いて再 分散 し,25℃ で48時間指 梓 を続 け る。

tl I

(3)

飯塚義 富 ・村上哲 男 :「そば」種 子 におけ る発芽期の生長過 程 につ いて 147

再 び遠心操作 (2,500r.p.m.,15min.)を行 ないその上清部か ら 8,500r.p.m.,20min.の遠心 操作 でベ ン トナ イ ト沈法 として回収す る。 これ を 0.01モル 酢酸-酢酸 ナ トリウム緩衝 液 (pH 6.2)に再分散 し,同上の低速,高速遠心操作 を 2回 くり返 して EDTA を洗い去 る。

最終 的に得 た,沈漆 を 0.01モル酢酸 一酢酸ナ トリウム緩衝 液に再分散 してベ ン トナ イ ト保存 液 とす る。 その 1mlを とり,ベ ン トナ イ トの乾燥重量 を測 って保存液の浪度 を決め てお く。

Fig 1

I

(4)

8

14 近 畿 大 学 股 学 部 紀 要 第 5 号 (1972)

トリス緩衝液飽和 フェノール溶液の調製

液体 フェノールに対 して,約20%程度の トリス緩衝液 を加 えて,試薬びんの中で よ く振 とうす る。静置後,表面に水屑が数mm分離 (一昼 夜放 置 )す る様 な状態にす る。

(

診RNAの抽 出

RNAの抽 出操作 はフェノール法6)7)8)に従 った。(Fi 1)g,

「そば」種子 を,0.01モル トリス緩衝 液 (pH7.4米 山薬 品製)を30m1,ベ ン トナ イ ト溶液10ml, 海砂

5m

me h)0gと共に乳鉢 で よ くす りつぶ し,ホモ ジネー トを調製す る。

調製 したホモジネー トに, ト1)ス緩衝液飽和 フェ ノー ル溶液 7 3

s -30 0 (2

lを加 えて,30分間ゆ るやか ) n.

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に棺拝す る この間にフェノールに よ り変性 した蛋 白質 は,遠心操作 (1 0r ,15mi

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に よ り水屑 とフェノール層 に分離 した中間に出現す る。遠心操作の終 了後,残撞以外の液層部分 Fi 2)g.

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をただ ちに ビー カーに移す。

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2 Fig

ビー カの液層部分 をガラス遠心管に入れて遠心操作 (40,00rpm...,5mi n.)に よ り再 び,水屑, 変性 蛋 白層, フェノール層 に分 け,遠心管の上部 よ りピペ ッ トで水層部分 を得 る- (1 一万,). 遠心管 中に残 ったフェノール層お よび不 溶性蛋 白質部分 は, ビー カに移 し, トリス緩衝液 20ml

C o 0 を加 えたの ち,7

不溶性蛋 白質部分 に残存 していた RNAは,上部の緩衝 液 (水屑 )部分 に抽 出 されて くるか ら遠 の恒 温槽中で 5分 間ゆ るやかに斗覚拝す る。これによ り,フェノール層お よび,

心操作 (100,00rpm ...,15min.)

5 . 一 p

に よって, この水屑部分 を得 る (東洋 i紙 No

) (2 - 一

p )

2 )( 1

得 られた( の水屑部分 を別 々に, i過 A )し、 その各々の音戸液に存在す る 蛋 白質 を除 く意味 で,等容 の トリス緩衝 液飽和 フェ ノー ル溶液 を加 えて,15分間ゆるやかに振 と

5 . (

うを行 なった後,遠心操作 No

0r.

0 40,

( pm_,5min.)に よ り,上部の水屑部分 を得 る。 これ をi戸過 1) A)し,i戸液に等容の トリス緩衝 液飽和 7 1ノール を加 えて同上の操作 で

,

沖液 を得 る。(

(5)

放壌発 言 ・村上哲 男 : 「そ J桂 子に おけ る発芽 期 の生長過 程 につ いて 149

(2)の両液 をあわせ て 1つにす る。 この 炉液 (水屑部分 )に0.15モルの酢酸 カ 1)ウム溶液 となるよ うに,酢酸 * 1)ウム を加 えて, ガラス棒 で, よ く摺拝す る。続 いて 2倍 答のエチルアル コール を 加 える。 この時,iJ一,液 中にカ リウム塩 として存在 していた RNA,DNAの両核 酸は,沈澱 して く

くるか ら (Fig.3)両者の形態上の相 異 を利用 して DNAをガラス棒 に巻 きつけて除去す る。

る。 Fig 3

DNAを完全に除去 したの ち RNAの沈澱 してい るアル コール溶液 を ドライアイスの入ったア イ スボ ックス (‑1oOC以下 )中で一時間静置するoその後,遠心操作 (4,00 rpm,5mi0 ... n.)によ り RNAの沈澱 を集め,100mlのエチルアル コールに分散 させ た後,アイスボ ックスで,一夜放 置

した後,再 び遠心操作 (4,000r.p.m.,5min.)を経 てRNAの沈澱 を集め,100mlのエチルアル コールに分散 させ ア イスボ ックス中で一時間静置す る。

それか ら遠心操作 (,0rpm,5mi.400... n)に よ り最終的に RNAの沈澱 を得 る。 この RNA7汰c) 澱 を40mlの蒸溜水に溶解 し,混入 してい るエ タノール を除 くためにエバ ポレー ターに よ り20ml に迄, 浪縮 し, これ を原液サ ンプル とす る。

(

彰 RNAの定t

核酸 は 230‑240m〃に吸収 の壌小,260m〟 に極大値 をもつ とい う核酸特有の性質 を利用 して RNAを定量 した。

原液サ ンプル を20:1(蒸溜水 :サ ンプル)に希 釈 し,分光 々度計 (UV‑Vis Spectrophot0‑

metrHiahe tciP rieknEl r)に よ り20 30me 1‑ 6 mpの範囲で UVの吸収 スペ ク トル を測定 した。

また別 に絶 品 RNA(和光純薬 )に よ り,検量線 を求めてお き, この検量線 か ら原 液 サ ンプルの RNA量 を定量 した。

耗蛋 白賞の定1 (Barnstei。法)9)

「そば」種子,約 1.5gを正確 に秤量し,水飽和 させ た脱脂綿上 に播 き,25oCに調節 した恒 温器 中 で生育 させ8時間間隔 で48時間にわた り測定 した。

「そば」種子を海砂 (20‑30mesh)2gとともに乳鉢 です りつぶ し,蒸滑水 100mlを加 えて,ビー

ヽ■

(6)

0 5

1 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 5 号 (1972)

カー に洗 い流 し,10%ミョウバ ン溶液 2mlを加 え*60Coの揚浴上 で 10分 間加 温す る。つ いで 6%

5

12. lを加 え よ く棺 拝 し,

硫 酸 銅 溶液 2 lを加 え 5分 間権拝 し, 次 に %水酸 化 ナ トリウム溶液 2 水酸 化 銅 を生 成せ しめ る と同時 に タ ンパ ク質 を沈澱 回収 す る。

5m

i

静 置す る と凝集 状 の 沈澱 は徐 々に沈降し上 澄み と分 か れ る。上 澄み をひだつ きにお った 戸紙 (東 5m

洋 i戸紙 N 5o.A)にあけ, 沈澱 に水 を加 えて静 置,傾 斜 法 に よ り,硫 酸 イオ ンの反応 (洗液 の一部 を と り,‑規 定 の塩 化 バ リウム溶液 l を加 え る。も し硫 酸 イオ ンが存 在す れ ば 白色 沈澱 を 生 ず る)が な くな る迄 , 洗 浄 を くり返 し,終 了後 沈澱 を全部,炉紙上 に 洗 い流 して, 蒸溜水 で数

02m.

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;

回洗浄 す る。 沈澱 と折紙 は,6 でほぼ乾 燥 し,沈澱 とt,紙 を‑諸 に ケル ター ル分解 フ ラス コに移 し, ケル ダー ル法 に従 い全 窒素 量 を測定 す る。

1を乗 じて純 タンパ ク質 量 とす る。

63. 0〜 80Co

窒 素 量 に「そば」の窒 素 ‑蛋 白質 換算係数 水 分量 の定 量

播種 床 よ り各 時 間帯 の 「そば」種 子 5gを秤 量 し, 播種 後 48時 間 までは 4時 間 間隔 で測定 し, 0

2

それ以後 は 2時 間毎 に, 7時 間,96時 間,1 時 間後 の水分 を赤 外線水分 計 製 ) を用 いて測定 した。

2

Ⅰ Ⅰ Ⅰ 結 果

4 (日本 測定 器研 究所

8 発芽期 におけ る「そば」種 子 の生長過 程 を4 Fig.

時 間 に わ た って,形 態的 に観 察 した。

4には「そば」種 子 の断面 図 を示 して い る。

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二 .

* フィチン態,無機 リン酸の形て存在するリン酸をリン酸アル ミニウムの形にする。

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(7)

飯塚兼 吉 .村上 哲 男 :「そ I種 子 に おけ る発芽 期 の生 長過 程 につ いて 151

播種後 8時間 では, 「そば」種子 の内部 に幾分 か水気 をお びてい るよ うであ るが 出芽 以前 の段 階 であ る。1

伸 び 32時間〜4

6時間 では出芽 直前の段 階 に まで進行 してい る ことが わか る。2時 間で幼根 が 1‑2mm 0時間 にかけ て さらに伸長 し,48時間にお いては,主根 に対 し側根 か 出現 す る。

4

中 は

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量 の時間的変化 を示 すが, 図の縦軸 に「 g

i 5 g .

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そば」種子 25 (播種 時の重 量 )の

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量 を mg単位 で示 し,横軸 は播種後 の時 間であ る。

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図の曲線 は,実験 結果 の平均値 であ り, その上下 に引いた緑 はバ ラツキを意味す る。

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量 の極小値 が見 られ る。

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量 を示 す曲線 は,全体 に右上 が りの傾 向 を示 し,播種後 8時 間,32時 間の二箇所 で

には,純 蛋 白質量の変化 を示 す が,縦軸 に純 蛋 白質量 を%で表 わ してい るO

播種後, 8時間迄 は,純 蛋 白質量の変化 は 見 られ ないか以後著 しい増加 を示 し, 時間 では極 大値 を示 し, その後急激 な減 少傾 向にあ り3

i 6 g . F

16

時 間で,極 小値 をとった後,40時間迄 増加 してい る。

(8)

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近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 5号

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(9)

飯塚義富 .村上哲 男: 「そば」純子 におけ る発芽期の生妓過 れJにつ いて 153

播種 後の水分量の変化 は ,Fig.7 であ るが, 水分量 は播種 後 4時間迄 は急激に上昇 し, その後 48時 間迄 はゆ るや か な上昇 を示 す。又,水分量の変化 を一時函数 的に増 える もの として直線式 を 求め たのがFig.8 であ る。

図 中, 水分 率 を y軸 に と り ,x軸 には, 測定時 間 を区切 った もの であ る。 その結果 , 4時間後

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の水分 は, y ‑ 20 0.0

3+

03.96 x で上昇す るこ とが わか った。

Ⅵ 考 察

以上 の結果 を概略的 にみて, わか るこ とは,水分量が一定 の割 合 で上昇 してい るのに対 して,

RNA

,純 蛋 白質量 は, ほぼ同様の動 き 10)ll)を示 し両者共播種 後 8時間 ,32時間 目で停 滞 あ るい は, 減少 を示 してい る。 この よ うに

RNA

と純 蛋 白質量が, ほぼ同様 の動 きを示 す こ とは , 6・ 7)

知 られてい るこ とであ るが,我 々は, ここで上 記 した 2つ の時間の意味す る ところ を考 え さらに こ うい った 2つの s geta の存在す るこ とを前提 として, 考察 を加 えた。

(10)

154 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第 5号 (1972)

播種 後 の「そ

」種子 は,その内部 に貯 え られ た澱粉,脂肪, 蛋 白質 な どの貯蔵養 分 を利用 して 生長 してゆ くの であ るが,播種後 の時 間経過 に伴 って,種子 内の含有水分率 は一定 の割合 で上昇 す るの てあ り ,播種 後 4時間以内で早 くも,始 め の 14%よ り 20%を越 えるに至 る。また, 中山 12)

らの小麦種子 の場 合 をみ る と,最初 の水分 12‑13%よ り 16‑17%に至 るまでに呼吸量 (排 出炭 酸 オス量 )の著 しい増大 を示 してい る。

この こ とか らもわか る様 に,細胞 内‑ の水 の取 り込 み量が あ る量 を越 える と,呼吸 量 と共 に, 細胞 内ての代謝 活性 も著 しい増大 を示す こ とが考 え られ る。

実験結果 よ り,「そば」種子 の場合 , 4時間以 内 で物質代謝 が活発化す るであ ろ うと考 え られ る。

一万, これ とは逆 に,呼吸 に よって消 費 され る基質の減少 に伴 い, 発芽種子 の乾燥重 量 は次第に 減 少 して行 くこ とにな り, 呼吸の最終段 階 で生成 され る

ATP

は生長点 (幼根 の伸 長点 )ての物質 合成 に使 われ る。 この他,貯 蔵 されて い る糖 質類等 もア ミノ酸生 成へ の代謝線上 に乗 り移 り,坐 長 点 では, これ らか

, ATP

により,エネル ギーの供 給 をうけて蛋 白質 に合 成 されて行 くの であ る。

先 に も述べ た よ うに,一般 に RNAは, 大体 蛋 白質 と同 じよ うな傾 向 を示 し,特 に細胞分裂 が 盛 んに行 われてい る と思 われ る部位 に 多い こ とか ら,幼根の伸長 は, 発芽種子全体 としての乾物 量の消費 を伴 いなが ら RNAお よび蛋 白質量の増大 につ なが る もの であ る。ここで ,4時間 目以降 よ り活発化 しは じめ た細胞 内代謝 を考 えなが ら, 冒頭 の 2つの stageの存在意味 を考 iてみる と, まず 8時間 目の純 蛋 白質量の停滞 お よび RNAの減 少は ,16‑24時間以降の幼根 がほほ 出そろ う 時期 の前段 階 にあ た るわけ であ る。次の 32時間 目の減少 は ,40‑48時間 目よ り著 し く見 られ る主 根 お よび側根 の生長 をひか えての予備段階 とも言 うべ き時期 と考 え られ る。

この両者 に共通 してい る, 内部 的条件 (環 境 )は第 1に内部 的養分平衡 の変化 であ る。す なわ ち, 代謝面 での質 的変化 であろ う. 第 2には,成長 をひか えてのエ ネル ギー源蓄積 の時期 と考 え られ

る。何故 な らば,呼吸量 の変化 を調べ ていないの で,確 か では ないが, もし,両時期(8,32時間 ) に呼吸量の著 しい増大が見 られ るな らば,貯 蔵養 分 の呼吸基質 としての供 給の必要性 か ら生長 点 での RNAおよび純 タンパ ク質量の増大 を, お さえて い るため であ る と言 え るか もしれ ない。

播種後 16‑24時間 目の stageお よび 40‑48時 間 目の stageにおけ る RNA, 純 蛋 白質量 の増 大現 象は,幼根 の伸長 (原形質量の増大 )度 か ら考 えて, うなつ け る ところであ る。

こ うい った種子 の休 眠お よび発芽現 象に対 す る研 究 は,今 後 ます ます必要 とされ るであろ う理 想的貯蔵条件 の設定 に‑貢献 をな しうる もの と思 われ る。

Ⅴ 要 約

「そば」種子 の発芽 を通 してみ られ る RNA量,純 蛋 白質 量, 水分量の時間的相互 変化 を しらべ た。

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(11)

飯塚 兼吉 ・村上哲 男 : rそば l種子 におけ る発芽 期の生長過程 につ いて 155

実験 は,「そば」種子 を水飽和 させ た脱脂線上 に播種 したの ち, あ る定め られ た時間に各々の方 法 で (RNA :フェノー ル法, 純蛋 白質量 :Barnstein法,水分 :水分計 )で測定 したo

RNA量は,全体 的 に増加 の傾 向にあ り, 8時 間,32時 間に その極小値 を有 した。

純 タンパ ク質量は, 8時間迄 は変化 しなか ったが, 以後急上昇 して16時間 で極 大値, 32時間 には極小値 を有 していた。

水分 量 は, 4時間迄 は急激に上昇す るが, 以後 48時間迄 は,ゆ るやか な上昇 であ った。又, 4 時間 目以降 の水分 は, y ‑ 20.003

+

0.396 xで上昇 す る。

発芽過程 にお いて水分量 は, ほほ一定 した増加 を示す。RNA量 ,純蛋 白質 量 は,ほぼ 同様 の動 きを示 し,楢種 後, 8時間,32時間 員で停 滞 ない しは,減少 とい った, 2つ の stageが存在 した。

Ⅵ 文 献

(1)河野友美, 食品大辞典,508 (1970)

(2) lANC.CALDWELL andJ.FRANK HENDERSON,AnalyticalBiochemistry34,(1970) (3) MurryP De tc e , era . us h rPi eCh mb nr a o,nadArh r on egJ BilCh m ,4 .1716 )tu K rb r,. o. e .2 351(98 () C Kis n4 . d o ,K S Kib. . ry R K R lh

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(5)蛋 白質 ・核酸 ・酵素編集部,核酸実験 法, (1966) (6)水 野畳 樹,核酸 の一般 的分離 ・定 量法, (1969) (7)生物化学実験研 究会,生物化学実験法, (1970) (8)三 浦謹一郎,核酸 の化学,12(1966)

(9)小 原哲二郎 ・鈴 木隆雄 ・岩尾裕之 , 食品分析‑ ン ドブ ック,45 (1969) (10)植物生理学会報,Vol.3,35 (1963)

( l l )

和 田 ・佐 藤 ・太 田共著,基礎 細胞学,82 (9916 ) (21)中LL,発芽 生理学,8J 6 (98)16

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l .

参照

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 よって、製品の器種における画一的な生産が行われ る過程は次のようにまとめられる。7

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