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中尾佐助スライドデータベースと大学リポジトリとの連携に向けて 公開シンポジウム・論文集 – 人文系データベース協議会

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Academic year: 2018

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中尾佐助スライドデータベースと大学リポジトリとの連携に向けて

Toward System Cooperation between Sasuke Nakao Slide Database

and Institutional Repository

小島 篤博, 青木 茂樹, 泉 正夫, 宮本 貴朗

Atsuhiro Kojima, Shigeki Aoki, Masao Izumi, Takao Miyamoto

大阪府立大学大学院

人間社会システム科学研究科

,

大阪府堺市中区学園町

1-1

Osaka Prefecture University, 1-1, Gakuen-cho, Nakaku, Sakai, Osaka

概 要: 大阪府立大学では、故中尾佐助博士がフィールド調査において撮影した資料をデータベース化した中尾 佐助スライドデータベースを開発、公開している。2000 年の公開以来、数度のシステム更新を経て現在に至るが、 基本的な設計は開発当初から大きく変更されておらず、長期的な運用が懸念されつつある。一方、近年ではデジ タル資料の機関リポジトリへの集約により、永続的なアーカイブ化が進められている。本報告では、中尾佐助スライ ドデータベースのこれまでの運用状況とともに、大学リポジトリとの連携を考慮した今後の展望について紹介する。

Abstract:Library and science information center of Osaka Prefecture University maintains a slide image database

taken by the late Dr. Sasuke Nakao. Since 2000 when the system was made to the public, it has been updated several

times as the basic structure remains unchanged. In recent years, such research materials are being gathered on persistent

digital archives in the institutional repositories. This paper describes the present state of the Sasuke Nakao slide

database as well as a prospect of the system cooperation between the database and the University's institutional

repository.

キーワード: 中尾佐助, 照葉樹林文化論, 画像データベース, 機関リポジトリ

Keywords: Sasuke Nakao, theory of evergreen forest culture, image database, institutional repository

1.はじめに

大 阪 府 立 大 学 学 術 情 報 セ ン タ ー に は 、 照 葉 樹 林 文 化論[1]の提 唱 者とし て名高い 故・中 尾佐 助大 阪府立 大 学 名 誉 教 授の 旧 蔵 書 、 雑 誌、 ス ラ イ ド、 遠 征ア ル バ ム 、 フ ィ ー ル ド ノ ー ト 、 ス ク ラ ッ プ ブ ッ ク な ど 膨 大 な研 究 資料(中尾佐助コレクション)が保存され、大阪府立大 学 の 特 色 あ る コ レ ク シ ョ ン の 一 つ と な っ て い る 。 こ れ ら のうち写真やスライド、フィールドノートなどについては、 スキャナにより画像データとして読み取り、Web上で閲 覧 可 能 な 中 尾 佐 助 ス ラ イ ド デ ー タ ベ ー ス と し て 公 開 さ れている。

現 在 公 開 の対 象 と な っ てい る の は、 中 尾 資 料 のう ち

22,000 枚のス ライドであり、こ れに撮 影場 所 や日時 な どのメタデータを付与した上で、キーワードや場所、日 時などにより検索することができるようになっている。学 術 的 ・ 文 化 的 な 研 究 資 料 を デ ジ タ ル ア ー カイブ 化 し 、

インターネット上に公開する試みは他にもなされている が、本システムの特徴は、研究者が個々の画像ごとに 独自のキーワードやコメントを付与する機能を有するこ とである。大阪府立大学では1997年よりこのデータベ ースの開発を進め、公開から約 20 年を経た現在まで に幾度かシステム更新を行ってきたが、基本的な設計 は当初のものをそのまま踏襲している。研究機関が独 自に開発したシステムは、研究 者個人の努力 によるも の が 多 く 、 異 動 や 退 職 に よ り 運 用 の 継 続 が 難 し く な る などの懸念を抱えており、人文系データベースの分野 においてもメンテナンスを中断せざるを得なかった例も 聞かれる。

一方、近年では、大学などの研究機関が所蔵する論 文や図書、研究資料等を機関リポジトリとして集約する 動きが進んでいる。中尾佐助資料に関しても、資料の 一部であるフィールドノートが大阪府立大学学術情報

(2)

リポジトリ OPERA に収容されている。機関リポジトリに 収容された資料は、永続的な URI を与えられ将来に 渡って利用可能であることが期待できる。したがって、 前 述 の 独 自 開 発 型 デ ー タ ベ ー ス と 機 関 リ ポジ ト リ を 横 断 的 に 連 携 す る こ と で 、 長 期 的 に も デ ジ タ ル ア ー カ イ ブとして利用できることを担保しつつ、その時代に応じ た 独 自 機 能 の 追 加 を 実 現 す る と こ が で き る と 考 え ら れ る。

本 論 文 で は 、 中 尾 佐 助 ス ラ イ ド デ ー タ ベ ー ス の シ ス テム構成について紹介するとともに、大学リポジトリとの 連携により、デジタルアーカイブとしての継続性と独自 機能の実現の両立を目指した将来構想について述べ る。

以下、2では中尾佐助資料の概要について紹介し、 続いて3では現行システムの概要について説明する。 4 で は 、 デ ー タ ベ ー ス の 構 成 と シ ス テ ム の 具 体 的 な 機 能について説明し、5で大学リポジトリの連携について 展望する。最後に6でまとめる。

2.中尾佐助資料について

大 阪 府 立 大 学 が 保 管 す る 中 尾 佐 助 コ レ ク シ ョ ン は 、 旧蔵書3,500冊、雑誌60タイトル、著書18点、学術 論文 88 点、新聞・雑誌等の記事 552 点、スライド約

28,000点、遠征アルバム77冊及び写真ネガ、スクラッ プブック94冊、記録ノート116冊、フィールドノート19 冊等からなり、中尾佐助コーナーにおいて閲覧に供し て い る[2]。 こ の う ち 、 ス ラ イ ド フ ィ ル ム は 1955 年 か ら

1984 年 の 海 外 調 査 に お い て 撮 影 さ れ た も の で あ る 。 遠征アルバムには、1935年頃から1950年代前半のカ ラースライドにするまでものが白黒写真で残されている。

写 真 帳 の 写 真 の 番 号 と ネ ガ の 番 号 が 併 記 し て あ り 、 個々のスライドを特定できるようになっている。

大阪府立大学学術情報センターでは、これら中尾資 料 の デ ジ タ ル ア ー カ イ ブ 化 を 進 め て い る 。 ま ず 、1999 年より第1期開発として、中尾が1958年にブータンの フィールド調査を行った際のスライド画像1,300枚を対 象とし、個 々のスライド にキー ワードや場 所、 日時など を 関 連 付 け る こ と で 、 キ ー ワ ー ド の ほ か 地 理 的 、 時 間 的条件から目的の画像を検索することができる画像デ ー タ ベ ー ス を 構 築 し 、 公 開 し て き た[3][4]。 こ れ に 続 く 第 2 期開発として、2006 年度より、残りのカラースライ ド 画 像 に つ い て も キ ー ワ ー ド 付 与 な ど の 作 業 を 行 い 、 第1期公開分と合わせて約22,000枚の画像データベ ースとして 2009 年より公開している(図 1)。後述する 研究者支援機能は、この第2期において実装したもの である[5]。

さ て 、 これ ら のス ラ イ ドフ ィ ル ムの 形 態 と し て は、 個 々 のスライドのマウントに、1 枚ごとに識別番号 が付与さ れ て い る 。 こ の 識 別 番 号 を も と に 、 フ ィ ル ム ご と に 分 類 整理され、保管されている。例えば、“N58-54-12”は、

1958年に撮影された、54番目のフィルムの12コマ目 となる。この他、スライドの情報を得る手がかりとしては、 中 尾 自 身 の 著 作 で あ る 『 秘 境 ブ ー タ ン 』[6]、 『 ヒマ ラ ヤ の 花 』[7]、 『 ブ ー タ ン の 花 』[8]が あ り 、 フ ィ ー ル ド ノ ー ト (3 冊)とブータンのアルバム(12 冊)が揃っていた。ま た、フィールドノートには、キャンプ地と標高、キャンプ 地 か ら キ ャ ン プ 地 へ の 移 動 行 程 や 天 候 等 が 明 記 さ れ て お り、 スラ イ ドを 特 定 する 際 に有 用 な 情報 を得 る こ と ができた。

3.現行システムの構成

3.1

システムの設計

現 行 の 中 尾 佐助 ス ラ イ ドデ ータ ベ ー ス は 、 以下 の 機 能を有している。

(1) ユーザ登録・管理

(2) さまざまな条件によるスライドの検索

(3) コメントやキーワードの付与

(4) ブックマークの付与

2 システム構成図

(3)

まず、ユーザごとに作業履歴等を保存するため、研究 者 向 け 機 能 の 利 用 に あ た っ て は ユ ー ザ 登 録 を し て い た だ い て い る 。 ユ ー ザ は 、 利 用開 始 時 に パ ス ワ ー ド に よ る 認 証 を 行 い 、 以 後 の 作 業 は そ の ユ ー ザ に 関 連 付 けて記録される。なお、研究者専用機能を利用しない 場 合 は 、 ユ ー ザ 認 証 な し で 検 索 や 画 像 表 示 な ど の 基 本的な閲覧機能が提供されている。

ス ラ イ ド の 検 索 は 、 キ ー ワ ー ド 、 日 付 、 番 号 、 お よ び 一 覧 か ら の選 択 の い ず れ か の方 法 に よ り 行 う こ と が で きる。スライドを特定した後、必要があれば、そのスライ ドにコメントやブックマークを付与することができる。コメ ン ト は 、 ス ラ イ ド の 内 容 に つ い て 自 由 記 述 形 式 で 記 入 することができ、公開の可否も選択可能である。また、 ブックマークに登録しておけば、あとで簡単にアクセス することができる。

以 上 の よ う な 要 件 を 考 慮 し て シ ス テ ム 構 成 を 検 討 し た 結 果 、 図 2 に 示 す よ う な 3 階 層 型 シ ス テム (3-tier

system) と し て 実 現 す る こ と と し た 。 こ れ に よ り 、 一 般 ユ ー ザ か ら の ス ラ イ ド 検 索 や 、 特 定 ユ ー ザ に よ る デ ー タ 編集作業などは Web インタフェースにより行い、その ためのビジネスロジックは Web サーバ上に実装し、さ らに基本データ構造やそれらの関連性は RDBMS に 格納することができる。

Web サーバの構成はApache とTomcatにより実装 し、動的なペー ジ生成 には JSP(JavaServer Pages)を 利用している。JSPでは、サーバ側の処理をJava言語 で 記 述 で き る た め 、Web か ら の 要 求 に 応 じ て 動 的 に

SQLを組み立てて、RDBMSにクエリを投入するなど、 き め 細 か な 処 理 を 行 う こ と が 可 能 で あ る 。 バ ッ ク エ ン ド の RDBMS と し て は PostgreSQL を 採 用 し て お り 、

JDBC(Java Database Connectivity)を介してTomcat上 の Java と接続している。また、ODBC(Open Database

Connectivity)を介してMicrosoft Accessなどのデータ ベース・フロントエンドと接続することで、容易にデータ の編集が可能となっている。

3.2

データベースの定義

スライド画像をキーワードから検索するには、適切な キ ー ワ ー ド を ス ラ イ ド に 対 応 付 け る 必 要 が あ る 。 ま た 、 キーワードやコメントを付与した作業者を記録するため には、ユーザ情報についてもデータベースに格納する 必要がある。本研究では、これらの項目を組み合わせ、 図3 データベースのE-R

1 スキーマ一覧

スキーマ 内容

slide スライドの基本情報

slide_set スライドセット単位の情報

itinerary フィールド調査の旅程

keyword キーワード情報

description 文献のテキスト

slide_keyword スライド=キーワード対応表

slide_description スライド=テキスト対応表

person 登録ユーザ情報

comment ユーザが付与したコメント

(4)

1つの検索システムとして機能するようデータベースの スキー マ設 計を 行った。 本シ ス テ ムの スキー マ の関連 を表したE-R図を図 3に、また、スキーマの一覧を表

1に示す。

ここで、slideは個々のスライドの基本情報(撮影日時、 場所、画像ファイル名など)、keyword はキーワード情 報(キーワード、英表記、同義語へのリンクなど)、また

person は登録ユーザ情報(ユーザ名、パスワード、氏 名、連絡先など)を保持している。

3.3

スライドの検索

キ ーワ ード によ る スライ ド の検索 は、 ユー ザ が入 力 し たキーワードと適合するレコードを keyword テーブル から検索し、そこから slide_keyword を辿ることで目的 のslideを選択する。また、複数のキーワードを指定す る場合は、それぞれ選択されたスライドの集合に対し、 積集合や和集合をとることができる。

実際のキーワード検索画面を図 4に示す。キーワー ド と し て 利 用 でき る 文 字 は、 漢字 、 ひら が な 、 全 角 カ タ カナ、英数字である。また、個々のキーワードに対して、 前方一致、後方一致、部分一致、完全一致、アルファ ベ ッ ト の 大 文 字 小 文 字 の 区 別 も 指 定 で き る よ う に な っ ている。キーワードを指定して「検索」をクリックすると、 該当するスライドのサムネイル画像が一覧表示され、さ らにサムネイル画像を選んでクリックすると、スライド画 像 と とも に キ ー ワ ー ド 、 コ メ ン ト など の付 随 情 報 が 表 示 される(図5)。

3.4

データの編集

スライドの基 本情報 として、 キーワード やコ メントを追 加 す るこ とができ る。 キ ーワード を付 与す るため には、 ま ず 対 象 の ス ラ イ ド を 選 択 す る 。 例 え ば 、 先 述 の 検 索 により選択されたスライド画面の下には編集メニューが 表示され、ブックマーク、キーワード、コメントを付与で きるようになっている。ここで「キーワードを付与」という リンクをクリックすると、キーワード編集画面が表示され、 新たなキーワードの追加や既存のキーワードの削除が できる。なお、既存のキーワードは、付与者自身または 管 理 者 によ っ てし か 削 除 で き ない よ う に 制 限 さ れ て い る。

新たに入力したキーワードが、既存の keyword のテ ーブルに存在しなければ、新たにkeywordのレコード を追加する。同時に、slide_keywordのテーブルにレコ ードを追加し、それぞれslideとkeywordとの関連付け を行う。

コメントの付与についても、キーワード同様、対象スラ イドを選択したのち編集メニューから行うことができる。 「コメントを付与」をクリックすると、図 6 のようなコメント 編集画面が表示される。この画面は、コメントを公開す 図4 キーワード検索画面

5 スライド編集画面

(5)

るかどうかのチェックボックスと、自由記述形式でコメン トを入力できるテキストボックスから構成されている。そ れぞれ入力し、「送信」ボタンをクリックすれば、対象ス ライドにコメントを付与することができる。

4.大学リポジトリとの連携

4.1

現行システムの課題

ここまで現状のシステム構成について述べてきたが、 将 来 的 な 課 題 と し て 、 い か に本 シ ス テ ム の サ ー ビ ス を 長 期 的 に 継 続 し て い く か と い う 懸 念 が あ る 。 研 究 資 料 のデジタルアーカイブは永続的なアクセスが期待され る一方、独自開発されたシステムでは OS やサーバソ フ ト ウ ェ ア の サ ポー ト期 限 や 、 ミ ド ル ウ ェ ア の 開 発 停 止 など寿命がある。多大な労力を費やして構築したデー タベースも、一定期間ごとにシステムを更新し続けなけ れば、やがて利用できなくなってしまう。

本システムも、当初はLinux 2.2上にJavaベースの

WebサーバであるJigsaw 2を基盤にJava Servletとし て実現し、DBサーバはWindows NT 4.0上のOracle

8に接続する2サーバ構成で構築した。しかしながら、

Jigsawの開発が停止しJavaベースのWebアプリケー ション基盤はApache Tomcatプロジェクトに移行したた め、第2期ではRedHat Enterprise Linux 5、Apache 2.0、

Tomcat 6、そしてRDBMSはPostgreSQL 8に更新し た。現行システムではCentOS 7、Apache 2.4、Tomcat

7、PostgreSQL 9に更新している。Web アプリケーショ ンのトレンドは現在も変化しており、PHP のほか Ruby

on RailsやPythonが普及し、更には開発当初には存 在 し なか っ た マッ シ ュ ア ッ プ 型 の 様 々 な サ ー ビ ス が 登 場してきている。

蓄積したデータを将来に亘って安定的に提供し続け る た め に は 、 よ り 汎 用 的 ・ 公 共 的 な 基 盤 を 利 用 す る の が確実であると考えられる。近年、大学や国立研究機 関で集約が進められている機関リポジトリは、まさに研 究資料を蓄積する目的で開発されたものである。大阪 府立大学においても、オープンソースのデジタルアー カイブシステムであるDSpace[9]を採用した学術情報リ ポジトリOPERAを運営している[10]。このリポジトリには 中尾コレクションの一部も収容されており、図 7 にフィ ールドノート(1958年8月16日-10月26日):ブータン の掲載ページを示す。DSpace は多くのデータ形式を サポートしており、画像データをそのメタデータとともに 蓄積・ 管理で き るため、本 シス テムのスライド 画像を移 行するこ とがで きれば、長期的 に安定した デー タの管 理とサービスを維持することが期待できる。一方、検索 方 式 は 画 一 的 で あ り 、 基 本 的 には テ キ ス ト の パ タ ー ン マッチングのみとなってしまうため、現在本システムが 提供しているような地図から撮影場所を絞り込んだり、 撮 影 日 時 で 検 索 し た り す る な ど の 独 自 の 機 能 は 実 現 できない。

4.2

将来の構想

そこで、本システムの将来構想として、画像データや そ れ に 付 随 す る 基 本 情 報 は 大 学 リ ポ ジ ト リ に 収 容 し 、 独自の検索機能は別システムとして分離して、2 サー バを連携することでシステムを実現することを検討して いる。図 8 にそのシステム構成を示す。現行のシステ ム に 蓄 積 さ れ て い る ス ラ イ ド 画 像 デ ー タ と そ の 基 本 情 報 は 、 リ ポ ジ ト リ に 収 容 可 能 な デ ー タ 形 式 に 変 換 し て 移行する。その際、個々のスライドに付与されたキーワ

8リポジトリとの連携

(6)

ードは、テキスト形式で出力してメタデータの一部とす る 。 リ ポ ジ ト リ が サ ポ ー ト し な い 独 自 の 検 索 、 例 え ば 地 図や日時からのスライド検索はカスタム検索サ ーバ上 で 行 い 、 検 索 結 果 の ス ラ イ ド 画 像 の み リ ポ ジ ト リ 上 の

URIにリンクする形でページを生成する。

これにより、スライド画像を含む基本的なデータは大 学 リ ポ ジ ト リ 上 で 長 期 的 な 参 照 を担 保 し つ つ 、 独 自 機 能は別サーバに分離し、万一サービスを継続できなく な っ た 場 合 で も 基 本 的 な デ ー タ だ け は リ ポ ジ ト リ 上 に 残すことができる。

更 に は 、 カ ス タ ム 検 索 サ ー バ を 実 現 す る 際 、 地 図 上 の位置の参照はGoogle Maps APIなど外部サービス を利用したり、キーワードはLinked Data[11]やRDFに 準 拠 す る こ と で汎 用 性 を高 め た り す る など 、 独 自 開 発 が必要な部分を徐々に縮小していくことも考えられる。

以 上 の 構 想 に 基 づ い て 、 現 在 は シ ス テ ム の 基 本 設 計を行なっている段階であり、基本機能の分離を実現 したパイロットサーバを開発する予定である。

5.おわりに

大阪府立大学が保管する中尾佐助資料をWeb上で 検 索 可 能 な 中 尾 佐 助 ス ラ イ ド デ ー タ ベ ー ス と 、 そ の 永 続 的 な 利 用 を 目 指 し た 大 学 リ ポ ジ ト リ と の 連 携 に つ い て述べた。本システムは以下のURLで公開しており、 研究者登録をしていただければ、キーワードやコメント を 付 与 す る こ と も で き る 。 関 連 分 野 の 研 究 者 に ご 利 用 いただければ幸いである。

http://nakao-db.center.osakafu-u.ac.jp/

謝辞

本 研 究 に お い て 、 デ ー タ ベ ー ス の 要 件 お よ び 機 能 改善について有益なご助言いただいた山口裕文大阪 府 立 大 学 名 誉 教 授 、 な ら び にデ ー タ ベ ー ス の運 営 に 日々ご協力いただいている大阪府立大学学術情報室 の皆様に感謝の意を表します。

参考文献

[1] 中尾佐助. 中尾佐助著作集 第IV巻 照葉樹林 文化論. 札幌, 北海道大学出版会, 2006. [2] 大阪府立大学総合情報センター編. 中尾佐助

文献・資料総目: 照葉樹林文化論の源流. 堺, 大阪府立大学総合情報センター, 1997. [3] 富坂敏子, 小池利栄子, 小島篤博, 石井敬三,

宮本貴朗, 山野美贊子. 中尾佐助資料スライド データベースの構築と利用者間情報共有への 展望. レコード・マネジメント, No.41,

pp.818, Nov. 2000.

[4] 小島篤博, 宮本貴朗, 富坂敏子, 小池利栄子, 石井敬三, 山野美贊子. 貴重文化資料デジタル アーカイブのWebによる検索・共有システム

の構築. 電子情報通信学会技術報告,

ET2001-31, pp.6168, Jul. 2001.

[5] 小島篤博, 青木茂樹, 宮本貴朗. 中尾佐助資料 公開のための画像データベースの構築と運用. 公開シンポジウム「人文科学とデータベー ス」, Vol.16, pp.18, 2010.

[6] 中尾佐助. 秘境ブータン (岩波現代文庫). 岩 波書店, 2011.

[7] 中尾佐助. ヒマラヤの花. 東京, 毎日新聞社,

1964.

[8] 中尾佐助, 西岡京治. ブータンの花. 東京, 朝 日新聞社, 1984.

[9] “DSpace Official Site”. http://www.dspace.org/

[10] “大阪府立大学学術情報リポジトリOPERA”.

http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/

[11] T.ヒース, C.バイツァー (武田英明監訳).

Linded Data: Webをグローバルなデータ空間に

参照

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