• 検索結果がありません。

高度衛星通信技術に関する研究開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "高度衛星通信技術に関する研究開発 "

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

3.2 新世代ワイヤレス研究センター

3. 2. 2 新世代ワイヤレス研究センター 宇宙通信ネットワークグループ

グループリーダー  鈴木龍太郎 ほか 34名

高度衛星通信技術に関する研究開発

【概 要】

衛星通信の技術実証として、技術試験衛星Ⅷ型「きく 8 号」(ETS−Ⅷ)を用いての超小型携帯端末(300g程 度)による航空衛星通信を含む高度移動体衛星通信実験、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を用 いての世界最高速の 1.2Gbps衛星通信実験を実施した。また、国民の安心・安全を支える基盤技術としての衛 星通信技術実証を推進するとともに、東日本大震災の災害対策支援として WINDSによる臨時衛星回線接続を 実施した。

衛星搭載通信機器高度化の研究としては、通常時には大容量の基幹回線、災害時は小容量の多数回線へ変換 する等、再構成可能な中継器の開発を進めるとともに、将来のデータ伝送系に必須な 10Gbpsクラスのミリ波・

光衛星通信の基礎技術研究を進めた。

一方、衛星通信を支える宇宙基盤技術としては、衛星間隔を 10m 精度で決定できる受動測距技術の研究、衛 星の信頼性の向上を図るための宇宙における遠隔検査・操作技術の研究開発を実施するとともに、宇宙実証の 機会を増やし高度な衛星搭載機器の開発を促進するための小型衛星等による軌道上実証手段の研究を推進した。

【平成 22年度の成果】

(1) ETS−Ⅷによる高度移動体衛星通信実験

① 衛星の「食」時の約 0.1度の大型 S帯展開アンテナ指向変動 を確認し、ビーム形成回路の制御により変動幅を約 2.5dBから 1dBに低減できることを実証した(図 1)。

② 衛星追尾アレーアンテナを航空機に搭載し、航空機 SAR データのリアルタイム伝送を実証した。

(2) 地上/衛星周波数共用携帯電話システム技術の研究開発

① 地上システムと衛星システムの干渉評価シミュレータの精

度向上のため、車両及び航空機等を使用した携帯電話システムの送信電力測定を実施し、基地局からの干 渉が主要因となることを示した(図 2 )。

② アンテナ給電部及び DBF部の要素試作を実施した。

(3) WINDSによる高速衛星通信実験

① 622Mbps/1.2GbpsTDMA方式通信装置改良により、622Mbps×2波伝送および衛星通信では世界最高 速の 1.2Gbps多地点 WINDS通信を達成した。

② WINDSの搭載機器や地球局の機能を活用した具体的なアプリケーションの研究開発を重視し、サバイ バビリティ・アプリケーションや HD画質以上の高精細画像伝送等の実証実験を実施した(図 3)。

27

60m㕲ሪ

NICT 4ྕ㤋

⁀※‵⁆ᑠ㔠஭ᮏ㒊

HUB

㑅ᢥ౑⏝

5G STD- T71

SIP

䝃䝞䜲䝞䝡䝸䝔䜱䞉䝕䝰 䝛䝑䝖䝽䞊䜽ᵓᡂᅗ

60m㕲ሪ

䜹䝯䝷

⥲ົ┬ᾘ㜵◊✲䝉䞁䝍䞊

᝟ሗ⟶⌮Ჷ ග✵㛫

㏻ಙ

5G STD-T71

NICT4ྕ㤋 㻻㻰㼁

2.4G IEEE 802.11b

IP

(WINDS)

SIP 㻴㼁㻮

⿕⅏ᆅ㓄⨨⏝

↓⥺䝯䝑䝅䝳䝹䞊䝍 WINDS

䝯䝕䜱䜰 ኚ᥮

ග㏻ಙ

⿦⨨

ග㏻ಙ

⿦⨨

5G STD-T71

㻵㻰㼁 ග✵㛫

㏻ಙ

㻴㼁㻮

㻴㼁㻮 䜹䝯䝷 㻴㼁㻮

IP

WINDS

2.4G IEEE 802.11b

5.2G IEEE 802.11a (W56)

図3 サバイバビリティ・アプリケーション実験

ᣂ਎ઍࡢࠗࡗ࡟ࠬ⎇ⓥ࠮ࡦ࠲࡯ ቝቮㅢାࡀ࠶࠻ࡢ࡯ࠢࠣ࡞࡯ࡊ

ᇢ஛ᡛ̮̮ӭࢍࡇ≋ઃ࠘ᇢ஛ɥ↹ׅዴ≌

ؕעޅᡛ̮̮ӭࢍࡇ≋ઃ࠘ؕעޅɦ↹ׅዴ≌ 図2 都市部および郊外における受信強度変化

図1 軌道上での大型展開アンテナ特性測定

᪂ୡ௦࣡࢖ࣖࣞࢫ◊✲ࢭࣥࢱ࣮ Ᏹᐂ㏻ಙࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢢ࣮ࣝࣉ

㻙㻠㻜 㻙㻟㻡 㻙㻟㻜 㻙㻞㻡 㻙㻞㻜 㻙㻝㻡 㻙㻝㻜 㻙㻡

㻞㻜㻦㻟㻜 㻞㻝㻦㻟㻜 㻞㻞㻦㻟㻜 㻞㻟㻦㻟㻜 㻜㻦㻟㻜 㻝㻦㻟㻜

㼀㼕㼙㼑䠄㻶㻿㼀㻕

㻾㼑㼘㼍㼠㼕㼢㼑䚷㼍㼙㼜㼘㼕㼠㼡㼐㼑㼇㼐㻮

᫂▼

ᒣᕝ

໭஑ᕞ ᶓ㡲㈡

㮵ᓥ 㣗᫬㛫ᖏ

yoshida Title:p027̲029-3̲2̲2.ec7 Page:27  Date: 2011/09/26 Mon 18:43:13 

(2)

③ APEC電気通信・情報産業担当大臣会合に合わせて災害推定シ ステムのデモンストレーション実験を実施した。

(4) 適応型衛星通信技術の研究開発

① スキャンニング型可変スポットビームアンテナ技術として、

ビーム指向方向やビーム径を可変とするアンテナビーム形成技 術を開発した(図 4)。

② 多値変調技術、誤り訂正符号化技術及び送信電力制御等の組み 合わせにより、Ka帯における回線マージンとして 30dB以上を確 保し回線稼働率が 99.99%以上を確保できることを示した。また、

マルチビーム及び偏波多重技術等を総合して周波数利用効率が 10倍以上得られることを示した(図 5)。

(5) 衛星搭載用再構成可能な通信機器の研究開発

① 中継器の高機能化・高信頼化を図るため、回路構成を再プロ グラム可能な FPGAデバイスを用い、打ち上げ後も中継器の構 成を変更可能とする再構成通信機の衛星搭載モデル(EFM)の 開発を完了した。

② 再構成通信機 EFM の宇宙実証手段として、国際宇宙ステー ションでの通信および観測ミッション実験について提案し、実験 の可能性検討を開始した。

(6) 光衛星通信に関する研究

① 衛星搭載用光衛星通信機器・要素技術の研究開発として、宇 宙用光ファイバアンプを開発した。放射線試験、振動試験等の宇 宙環境試験を終了し、衛星搭載性を確認した。

② 複数の光変調方式に対応可能なデジタルコヒーレント受信機 の地上試験モデルを開発した。3Gbps、6Gbpsの BPSKおよび 6Gspsの QPSK復調機能を FPGAを用いて開発し、今期目標の 10Gbps以上の伝送速度を達成した(図 6)。

③ 空間量子暗号機器による 1.37kmの空間量子鍵配信実験をビル 間で実施し、大気ゆらぎのデータをシンチロメータにより同時 に計測した(図 7)。また、ESA量子鍵配布実験国際協力の合意 により、トピカルチーム会合に参加し、国際協力を推進し、

ウィーン大との共同研究を実施した。

④ 総合伝送速度 1.28Tbpsを達成した超小型光無線通信装置の実 用化に向け、精追尾機構に関する設計技術を民間企業等に技術 供与するとともに大学や研究機関との共同研究を進めた。

(7) ミリ波衛星通信の研究開発

① アンテナ素子毎に光ファイバと変調器を用い、レーザダイオー ドの温度と電流を制御する方式の光制御フェーズドアレーアン テナをマイクロ波帯において実証した(図 8)。

② ミリ波衛星通信回線の降雨減衰補償技術では、複数の Ku帯衛 星の降雨減衰データを取得し、衛星軌道ダイバーシチにおいて方 位差を 40度とれば良いことを明らかにした。

3.2 新世代ワイヤレス研究センター

28

図4 可変スポットビームアンテナ機能試 験装置

ගไᚚBFN㒊

E/O㒊䠄#1 䠅

O/E㒊 䝛䝑䝖䝽䞊䜽 䜰䝘䝷䜲䝄

ග䝇䜲䝑䝏 ග䝣䜯䜲䝞

ග䝣䜯䜲䝞 E/O㒊䛚䜘䜃O/E㒊 䠄ບ᣺᣺ᖜ/఩┦ศᕸ ᐃ⿦⨨䜢ྵ䜐䠅

E/O㒊䠄#2 䠅

図5 適応型デジタル中継器と対応する地球 局装置を接続した総合試験環境の外観

図6 デジタルコヒーレント光 BPSK復調 ボード

- Data rate: 2.488-Gbit/s - Optical coherent BPSK - Wavelength: 1.5 PPm - Free-running LO

図 8 光制御フェーズドアレーアンテナの構

図7 空間量子鍵配信実験(ビル間 1.37km)

Bob

Hotel New Otani

Hotel New Otani Bob

~1.37km Alice

Alice ce

ANA Intercontinental

Tokyo Hotel P

yoshida Title:p027̲029-3̲2̲2.ec7 Page:28  Date: 2011/09/26 Mon 18:43:16 

(3)

3.2 新世代ワイヤレス研究センター

(8) 精密軌道管理技術に関する研究

① 通信衛星の通信信号相関を用いる多地点受動測距方式 を開発するとともに、主局における測距機能および遠隔局 を含む2局に拡張したリアルタイム測距機能を実証した。

実用衛星通信システムに適用し、運用した結果世界水準の 10倍の精度(10cm)を得、軌道決定精度 1m(RMS)を 実現した(図 9)。

② NICTが開発した Cバンド及び Kuバンド衛星の通信信 号を受信し衛星の軌道位置を監視する可動基線干渉計、C バンド可搬型小型干渉計、光学望遠鏡による静止衛星軌道 観測システムを組み合わせ、静止衛星軌道監視の長期的運 用を実施した。特に混雑が激しい軌道位置に対し、高精度

(衛星の赤経、赤緯値で 1 〜 5 /1,000 度レベル)の連続監 視データを取得し、衛星運用機関へ情報提供すると共に、

望遠鏡画像に基づく静止衛星の経緯経度情報をインター ネット上で提供した。

(9) 小型衛星を用いる宇宙実証の研究

① UK-DMC衛星を用いたハンドオーバー実験を実施。こ れにより、小型衛星においても大容量のデータダウンリン クが可能となった(図 10)。

② 50kg級の小型衛星搭載用の小型光ターミナルの概念設計を実施。さらに EM / FM の設計・製作に着 手した。

( ) ETS−Ⅷ、WI10 NDSを用いた災害時対応

① 航空機搭載合成開口レーダ(Pi-SAR2)による観測データを、航空機上から衛星(きく 8号)経由で、

地上へと伝送する実験に成功した。これにより災害時に迅速に対応し、観測追加の指示を受けるなどイン ターラクティブな観測運用が期待される(図 11)。

② 東日本大震災に際して、東京消防庁の支援要請に基づき、WINDSを用いて東京消防庁作戦室(大手町)

と緊急消防援助隊指揮支援本部(気仙沼市)との円滑な情報共有を実現した(図 12)。また、物資輸送拠 点となった松島基地と入間基地を WINDS回線で接続しネットワーク環境を提供した。

29

図10 UK-DMC衛星によるハンドオーバー実験

ᐇドᐇ㦂඲య䜲䝯䞊䝆 ほ 䜶䝸䜰

⛣ື᪉ྥ

ほ 䝕䞊䝍䝎䜴䞁䝸䞁䜽 䜲䞁䝍䞊䝛䝑䝖

䝝䞁䝗䜸䞊䝞䞊

ほ 䜶䝸䜰

ᆅ⌫ᒁ䠎

ᆅ⌫ᒁ䠍 ほ 䝉䞁䝍䞊

⾨ᫍB

⾨ᫍA

⾨ᫍC

図9 リアルタイム多地点受動測距の原理

図12 WINDSを用いた災害対策活動支援システム 図11 ETS−Ⅷによる観測データ伝送システム

yoshida Title:p027̲029-3̲2̲2.ec7 Page:29  Date: 2011/09/26 Mon 18:43:17 

参照

関連したドキュメント

イプ FPGA である.しかし FPGA 内部のレジスタ(フ..

Binary PSK(BPSK)やQuadrature PSK(QPSK)方式といったディジタル変調方式と,これらの変復調 機構成について解説する.

究開発が行われた。波長 1.3μm のシステムに利 用されていた InGaAsP 半導体レーザーを 1.55μ m 帯で 400Mbps

   水田における輪作の安定化を目的に開発

13 高い環境耐性を有するキャリアコンバータ技術の研究開発開発 ㈱デンソーほか4者 H28~H30 14

(Tokyo QKD Net wor k)を構築し、様々な盗聴攻撃の検知実験、及び完全秘匿なテレビ会議システムの試 験運用を行った(図

マルチパス軽減手法の選定・開発 まず平成 27 年度に,マルチパス軽減手法につい

主な成果 1.高速・大口径エピタキシャル結晶成長装置(CVD *