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テストベッド研究開発運用室 室長 河合 栄治 ほか16名

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Academic year: 2021

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■概要

当室では、最先端のICTを実基盤上に展開して実現性 の高い技術検証を行うための大規模実基盤テストベッド と、模擬された基盤を一部組み合わせることで多様な環 境下での技術検証を行うための大規模エミュレーション 基盤テストベッドについて、それらの実現に求められる 研究開発を実施するとともに、基盤環境の構築、運用を 行っている。

今中長期の目標としては、大規模実基盤テストベッド について、超高速通信環境における多様な通信に対応し たネットワーク制御や大容量高精細モニタリング、分散 配置されたコンピューティング資源及びネットワーク資 源の統合化等の実証基盤技術の確立を掲げている。

初年度となる平成28年度は、100 Gbpsを超えるよう な超高速ネットワークを性能目標として高精度なモニタ リングを実現するための並列アーキテクチャの開発、

IoTテストベッド実現に向けたゲートウェイによるユー ザ機器接続機能及び計算機資源提供の高度化、超広帯域 ネットワークアプリケーションによる実証実験等に取り 組んだ。なお、大規模エミュレーション基盤テストベッ ドについては、3.11.2.3北陸StarBED技術センターを参 照いただきたい。

1 . 超高速ネットワークにおけるモニタリングのため の並列アーキテクチャの開発

超多数の機器が社会に広く展開、ネットワークに接続 され、ビッグデータ処理を伴うIoTサービスを提供可能 にするためには、その管理手法の確立が不可欠である。

IoTでは機器側の能力に制約があることが多く、またそ の数が膨大であることから、IoT機器が接続されるネッ トワークにおいて管理機能を担うことができる仕組みが 期待されている。

このネットワークにおける管理機能を実現する重要な 技術の 1 つがモニタリング技術である。IoTモニタリン グは、観測地点数が膨大となるIoT機器に近いアクセス ネットワークではなく、バックボーンネットワークで一 括的に実現できれば、管理コストの低減につながる。そ こで当室では、超高速ネットワークで多数のデータフ

ローを個々に高精度でモニタリングすることのできる仕 組みの研究開発を行っている。こうしたモニタリング技 術は、IoTの管理機能として有用なだけでなく、テスト ベッド機能としても有用であり、各種実証実験において 検証対象の振る舞いを評価するために必須の機能であ る。

平成28年度は、近い将来普及が期待されている400 Gbpsネットワークでの高精度なモニタリングを想定し、

パケット蓄積及び実時間解析の並列アーキテクチャを神 奈川工科大他との共同研究により開発した(図 1 )。

FPGAハードウエアのシミュレーションやOSSによるシ ステム評価を通じて、16並列度でのハードウエア処理 部により、求められる性能の実現が可能という検討結果 を得た。その一方で、既存OSSではソフトウェア処理部 の性能に課題があることを明らかにした。

2 . IoTテストベッド実現に向けたゲートウェイによる ユーザ機器接続機能及び計算機資源提供の高度化 テストベッドを用いたIoT技術の実証実験では、それ を支える基盤技術の検証に加え、ユーザと直接的な接点 となるサービス技術やその利用に伴う社会への影響の検 証にも焦点を当てたものも多い。その場合、実証実験の ための基盤環境構築のコストを小さくし、サービス実証 や社会実証により注力できるようにすることが求められ る。

そこで当室では、簡易かつ柔軟なテストベッド基盤環 境構築を実現するため、テストベッド基盤の資源管理の

テストベッド研究開発運用室

室長  河合 栄治 ほか16名

3.11.2.2

技術実証、社会実証に対応したテストベッドの研究・開発・運用

図1 400 Gbpsネットワークモニタリングアーキテクチャ 低速I/F

汎用IPコア 400GbE

マルチ レーン

波長分離 PCSから パケットを復元

分散データ配置 および解析

FPGAハードウエアの シミュレーションにより 性能を評価

STORMによる解析処理を想定した データ配置のプロトタイプを実装し システム評価

※ Physical Coding Sublayer

パケットを64bitで分割しパラレル伝送する層

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3

   ●オープンイノベーション推進本部 3.11.2 総合テストベッド研究開発推進センター

高度化手法や、ユーザサイトの各種資源とテストベッド のユーザスライス資源の統合管理仕組み等の研究開発を 通じて、ユーザのテストベッド基盤環境構築コスト低減 化に取り組んでいる。

平成28年度は、テストベッドの広域分散クラウド基 盤において、従来の仮想マシンに加えてベアメタル及び コンテナもサポートし、多数の計算機環境の一括かつ短 時間での設定、起動を可能にすることで、実証実験環境 構築の柔軟性を向上した。また、IoT技術の実証機能を 拡充するため、SDNにより制御、管理可能なゲートウェ イを用いたユーザサイトと既存テストベッドの接続方式 を開発した(図 2 )。これにより、IoT機器や計算資源 等を含むユーザサイト及び既存テストベッドで構成され る実証実験環境の統合的な制御基盤を構築した。

3 . 超広帯域ネットワークアプリケーションによる実 証実験

当室では、100 Gbpsの超高速ネットワークテストベッ ドJGNを活用した超広帯域ネットワークアプリケーショ ンの実証実験に取り組んできた。特に、将来の8K放送 の時代を見据え、そのコンテンツ制作系で求められる 8K非圧縮映像の長距離伝送実験を行ってきた。

平成28年度は、それまで国内での実施にとどまってい た約26 Gbpsの8K非圧縮映像セキュア伝送について、

SC16において日米間で成功した(SINET、WIDEプロジェ クト、神奈川工科大、TransPAC、Pacific Wave、Internet2 等の国内外の研究機関及びネットワーク機器ベンダ企業 と の 連 携 に よ り 実 施 )。 ま た 同 イ ベ ン ト で は、 約 150 Gbpsの日米間超高速ファイル転送の実証実験にも

成功した(国立情報学研究所(NII)等と共同で実施)。

8K非圧縮映像伝送は、将来的にはフルスペック8Kと なり、現在主流となっている超高速ネットワークである 100 Gbpsを超え、144 Gbpsもの帯域が必要となる。そ こで、さっぽろ雪まつりにおいて、このフルスペック 8K非圧縮映像を既存の100 Gbps回線を活用して伝送す ることを想定し、フルスペック8Kではないものの、100 Gbpsを超える109 Gbpsの8K非圧縮映像及び16チャン ネルハイレゾ(192 kHz、24 bit)音声の伝送を、JGN を含む複数の国内100 G回線を用いてマルチパス分割伝 送することに成功した(48組織と共同で実施・図 3 )。

図2 ゲートウェイを用いたユーザサイトと既存テストベッドの接続方式 仮想化

物理リソース

VPN

仮想化 物理リソース

ユーザが ネットワークを 設定(負荷高)

NICTが 要望を聞き スライスを 設定

NICTがユーザ ローカル環境 含めスライスを 設定

ユーザは

ネットワーク設定から 解放される

ユーザ ローカル 環境

ユーザ ローカル 環境 テストベッド

スライス

テストベッド スライス

SDN GWにより スライスを延伸

従来のテストベッド基盤環境 拡張されたテストベッド基盤環境

図3 100 G超の8 K非圧縮映像及び16チャンネルハイレゾ音声の マルチパス分割伝送

映像 109Gbps JGN・SINET5の

複数の100Gbps回線を 利用して配信

8Kカメラ2台での広画角映像

8Kモニタ

個々のフローの 到着遅延時間の違いを ネットワーク経路制御で

調整 ハイレゾ 音声 音声収録 1Gbps

映像 109Gbps

立体音響システム

参照

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