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看護教育制度についての日中比較研究
教科・領域教育専攻 国際教育コース 席海艶
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研究目的中国の看護をとりまく状況は先進国 と比較すると量的にも、質的にも様々な 面で問題がある。特に看護教育の面では 改革がここ数年ある程度達成されたも ののいまだ社会の期待に十分に応えて いるとは言いがたい。
本稿では、日本と中国の看護教育制度 について、看護教育のカリキュラム、看 護師資格、看護師養成体制、看護師臨床 実習に焦点を当て比較検討し、課題を明 らかにするとともに、将来の中国の看護 教育制度に何が必要なのかを検討するO
2 研究の方法
日本と中国の看護教育制度における、
看護教育のカリキュラム、看護師資格、
看護師養成体制、看護師臨床実習の現状 などについて文献調査を行う。
3 分析結果
まず看護師養成体制について、整理す る。日本では看護師になるのは、高校卒 業後、 3年課程の看護系大学または2年 課程の看護系短期大学、看護師専門学校 を卒業し、看護師国家試験を受験する方 法と、准看護師課程を経て進学課程とい われる看護師課程に進学し受験資格を 受験する方法などがあるが、さらに学士 編入を含めると 10種類以上の看護師へ の道がある。このような看護教育制度の 多様さは、看護職を希望する人々にとっ
指導教員 石 村 雅 雄
て個々人のニーズ状況にあった教育機 会が提供されていると言える。しかし、
制度をきちんと理解していない場合に は結果として看護師への道が遠回りに なる可能性もある。これに対し、中国で は、看護基礎教育の課程は日本より簡略 と言える。高校卒業後の大学看護教育 4
‑5年課程もしくは短期大学看護教育 2
3年課程、さらに、中学校卒業から看 護養成の看護専門教育2‑3年課程があ
るのみである。看護教育内容の問題とも 関わってくるが、それ以上に看護教育制 度の多様性の保障をし、かに図るかという課題を抱えていると言える。
看護教育のカリキュラムの内容につ いては、次のように総括される。本稿で は、中国の上海交通大学本科課程と日本 の徳島大学本科の課程の比較と
、中国山
東省益都看護師養成学校課程と日本の 徳島看護学校養成所課程の比較、さらに 中国の興安盟技術学院課程と日本看護 短期大学課程の比較を行った。日本と中 国で最も異なっているところは共通基 礎分野である。日中双方とも共通基礎分 野の科目は重視しているが、中国におけ るそれは理論的な枠組みが明確ではな く、内容も古いものや重複が見られる。中国の看護教育の科目数は全体的に見 れば日本より数が少なく、科目分類もあ まり細かくなく、選択科目も少ない。日
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本の看護教育科目は分類が細かく選択 科目の幅が広い。また、看護専門分野が 占める割合が大きい。看護教育面から見 れば、中国では看護基礎の課程の中の社 会看護学、人間関係とコミュニケーショ
ンなどの人文的な内容のカリキュラム 編成の比重が低く、看護専門分野の特徴 が十分に強調されておらず、独立的な看 護課程体系がまだ形成されていないと
いう問題が見られる。
看護師臨床実習については、中国にお ける看護臨床実習は l年 (=52週間)で あり、最後の
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週間で学校に戻り、試験を受けた後に卒業となる。日本にお ける看護師臨床実習は
4月 1日から 1 1
月 30日の 8か月であり、実習を終わっ た後に学校に戻ってからまだなお1
学期 間の授業がある。つまり臨床実習が終わ った後も授業があり、実践を振り返った り、過程、実践と理論を結びつけたりし ていくプロセスが重設されている。看護師資格制度については、日本の看 護師の免許には有効期聞がないのに対 し、中国では
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年に一回更新が必要とさ れている。この更新の際には「継続教育J の単位取得が必要とされる。更新制のな
いことについては看護師という職の安 定性、「安定した職業生活」の保障、そ して、退職しても免許は生涯認められ必 要に応じて職場に復帰できる可能性な どを考えると、有用性があると考えられ る。それに対し中国では、免許更新のた めには継続学習に熱心である必要があ り、「ギラギラとしたJ積極性を持たざ るを得ない。反面日々進化する最新の看 護技術・知識の修得という点では更新制 度にも有用性があると思われる。今後、中国で看護教育制度の改革を進
めていくには、看護教育の大学化の目的 が単に知的レベル・学歴を高めるだけで はならないと考える。看護の患者に対す る看護実践の能力と質を高めることが 重要なのであり、看護実践と看護教育と をし、かに結び付けるかについて十分な 検討が必要であると考える。そして、他 国の経験を取り入れると同時に、国の看 護ニーズに応えるものを目指すことが 重要であると考える。