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C3欠損症における遺伝子変異と臨床像の相関に関する研究 当科で解析した3例および報告例の解析

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Academic year: 2018

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学 位 論 文 審 査 の 概 要

博士の専攻分野の名称 博士 (医 学) 氏 名 大 倉 有 加

主査 教 授 小 池 隆 夫 副査 教 授 今 村 雅 寛 審査担当者 副査 教 授 佐 藤 典 宏

副査 教 授 有 賀 正

副査 准教授 田 中 淳 司

学 位 論 文 題 名

C3欠損症における遺伝子変異と臨床像の相関に関する研究

当科で解析した3例および報告例の解析

申請者は、C3欠損症の自験例3家系を含めた報告例26家系34症例を対象とし、臨床像 を解析し、遺伝子型と表現型の相関について検討した。C3遺伝子変異の位置がCUB

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ドメ インよりN末側に存在する症例では感染症が、TEDドメインよりC末側に存在する症例 では自己免疫性疾患が主症状となることを示した。後者では実際には変異C3蛋白は存在 し感染症コントロールに寄与していること、さらに遺伝子変異がC3dフラグメント上に存 在することに注目し、C3dとcomplement receptor 2 (CR2)のinteractionの破綻が自己免疫性 疾患発症のリスクとなる可能性を示した。

公開発表に際し、今村教授から実際にヒトの系ではC3dやCR2の異常に関する報告があ るのか質問があった。田中准教授よりC3欠損症で認められる多彩な症状はC3分子の欠損 で一元的に説明可能か質問があった。佐藤教授より易感染性と自己免疫疾患の両者を有す る症例をどのように説明するか、また表現型が二分されることに気づいた経緯などに関す る質問があった。小池教授よりN末側に変異を有する場合蛋白の大きな欠失につながるが 自己免疫性疾患を発症していない理由、またC3は補体の中心的役割を果たしているにも 関わらず他の先天性免疫不全症より重症感が感じられない理由に関する質問があった。最 後に有賀教授よりこの仮説を証明するための今後検討すべき課題に関する質問があったが、 申請者はいずれの質問にも妥当に回答した。

本研究はC3欠損症の症状は一様ではなく、遺伝子・表現型相関を初めて指摘したこと に意義があり、今後、存在していると仮定した変異C3蛋白の同定方法を検討することに より、C3分子の機能解明につながる可能性がある。

参照

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