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減 価 償 却 問 題

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(1)

被価償却の本質

最近にιなって減価償卸問題が税法上における固定資産一の耐用年数の改Eを契機として再び論議の対象としてとりあげ

られるようにたった︒会計学上において減価償却の重要性について注目を喚起するように放ったのは︑資本主義的た機

械的生産制度の拡大︑従って固定資産の増大が顕著とたった時期から始ったのである︒企業における経営資本は資本財

即ち資産として企業活動の源泉を形成し︑固定資産を取得する為に要した資本的支出は各営業期の収益を獲得する源泉

として︑即ち間定資産の耐周年数を基準として毎期に減価償却なる手段を一通じて各営業期の収益的支出として割当負担

せしめられるのである︒換言すれば︑減価償却は資本的支的を収益的支出に還元する計算方法である︒企業の所有する

資本はその内部資本たると外部資本たるとを問わヂ︑すべて営業活動の為に使役せられるものであり︑従って営業設備

その他の諸資産は営業収益をあげる源泉と友り︑此等資産に投下せられた資本が一営業期間内に回収せられる時はとれ

を収益的支出とたし︑相当長期にわたる使用にたえる時は乙れを資本的支出とみゑすととは周知のととである︒

然してとの資本的支出である固定資産が収益的源泉として還元せられる場合︑即ち減価償却費が算定せられる場合に

如何たる基準によってたされるかが問題と放るのである︒それは減価償却のもつ機能を如何に考えるかとゅう問題であ

最近の減価償却問題

(2)

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って︑減価償却に対する木質観の相違によって種々の立場がでてくるのである︒減価償却をもって司走資産わ時価を見

出す計算方法であると考え︑叉は実質的資産の維持回復を計る為の再調達資金の準備ιないし蓄積を企図するものである

とする考えと︑成果計算及び原価計算におけゑ費用叉は原価の捕捉手段であると考え︑又は減価償却は市価等の変動と

は関係ゑ︿間定資産に特有たる減価算定の方法であるとする見解がある︒それは減価償却ゑる手段によって財産計算上

の機能を達成せしめんとするか︑損益計算上の機能を達成せしめんとするかの見解の相違に基づくものであって︑

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5

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︶とに相当すると考えM

1︶ られる︒此の点に関する論争は会計学に占おける目的観︑従って又貸借対照表の目的に関するものであ︑り︑それは叉評価

現論の問題として深き関聯をも勺のであるが︑我々は会計の目的を損益計算にありと考え損益計算をもって利潤確定計

算と費用補償計算との両計算を目的とするものであると考える限りに於ては︑減価償却費の算定をたさんとする目的は

損益計算及び原価計算における費用又は原価を補捉せんとするものであり︑それは規則的であり又継続的た計算方法で

たけねばたらね︒固定資産の再調達価格たいし市価の変動を考慮し︑実質的た資産を維持せんとする見解は︑減価償却

友る計算手段をもうて価値調整計算たりと考え︑企業の財政政策の手段であるとするものである︒或る学者にょうては︑

かかる方法をもづて価値回収計算たりと考え︑前述の如き見解をもって価値移転計算であるとする︒減価償却はその本

質として価値移転計算であると同時に価値回収計算であれJて︑資本的支出として投下されたる資本が収益的支出として

価値移転計算がたされると同時に︑即ち損益計算及び原価計算にゐいて費用補償計算がたされたろ後に利潤の確定をみ

るのであって︑かかる費用補償計算を通とて価値回収計算がたされるのである︒投下資本の回収を実質資本維持の観点

よりたさんとする者は︑減価償却現論と固定資産評価瑚論との混同を来すものであり︑両理論の俊別を我々は要請する

のであって︑評価論上における時価主義たいし再調達価格による評価主義と減価償却瑚論とは全く別個のものである︒

(3)

企業会計原則はその一般原則において損益計算書及び貸伯仲対照表に共通する基本原則として︑真実性の原則︑正規の

簿記の原則︑剰余金の原則︑明瞭性の原則︑継続性の原則︑安全性の原則及び単一一性の原則の七原則を規定するのであ

るが︑各原則に通守る基本的珂論は︑正規の簿記によって取引を収入と支出にかからしめて収益と費用を計算し︑規則

的にして継続的友処珂方法をもって真実たる営業損益乃至純損益を算出友すべきであるとするのである︒然かも営業損

益の計算はその期間計算であるとゅう特質から考えて︑期間収益に対応すべき期間費用の算定を正確になすことが規定

されているのであって︑一営業期間内に発生せる収益とこれに対応すべき費用を営業損益と営業外損益とに区別して計

算し︑期間計算と直接に関聯をもたたい取引はこれを剰余金計算書に計上することを規定するのである︒かかる企業会

計原則の規定は減価償却をもって費用補捉の手段と考えるものであり︑語意的考慮に基づ︿減価償却費の計上を排除す

るものである︒論者の所謂価値回収計算たるものは営業収益に対応すべき営業費用を構成するものではたく︑従勺てそ

れは資本剰余金計算書に計上されるのである︒然かも評価損益の具現せるものは利益剰余金計算書にh

ととを規定するのである︒即ち回定資産の再評備損益はこれを資太取引として資本剰余金に計上し︑間定資産の売却損

益は利益剰余金に計上することを規定するのである︒我々はζの点に関して︑企業会計原則は経済的観念であると同時

に法的観念であるから︑企業の自・自伝る再評価による間定資産の価値修正を認めるのではたくて︑原則は取得原価を基

本とするのであるが︑現下の如きインフレ1ション時に於ては実質資太維持のために必要注一件評価基準を法的に規定し︑

再評価を必要とする場合にはとの基準により価値の修正をたすことを認め︑これを資木剰余金に算入するととを規定す

るものと到解するのである︒企業会計原則に於ては財政政策の考慮に基づく再評価により間定資産の時価表示をたすζ

とを認容するのではあるが︑基本的には原価即ち取得原価主義を原則とたし︑然かも安全性の原則が一不すが如き費用に

ついては発生主義を︑収益については実現主義をその別論的根拠とするかぎりにゐいては︑固定資産の時価表示はこれ

長近の減価償却問題

(4)

を例外的に認容するものであると理解せざるを得友い︒

新の如く理解するζとによって︑減価償却は損益計算及び原価計算における費用叉は原価を補捉ずる為の計算方法で

あって実質資本維持の為めの計算手段でたいととが解明たじ得たと思うのである︒

さて次に減価償却費の発生する原因についてこれを考察すると︑

2︶ 

︵ 安 −

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1

︶規則的た主観的減価

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3

︶利潤留保のさつを挙げて

3︶ おり︑ドイツ産業合理化協会の﹁原価計算の基礎笑﹂によれば︑︵

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︶消費若しくは消耗︵︿

2ZZ

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− 長 ︶

︵b︶技術的経済的発展による減価︵同三者母言語含宮町時

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あるのである︒然かも如何たる考慮が実際に問題として採りあげられるかとゅう点にたると従来は必守しも明瞭ではな

かったのであって︑各企業の会計目的の如何によってそれぞれ相違するものであると考えられ︑減価償却友る手段によ

って種々の目的が達成されたのである︒後述する如く必示しも減価償却はその木質的理解のもとに実施されたかったの

であって︑初めは企業の単たる主観的立場より減価償却を利潤留保又は利潤調節の為に利用し︑費用補捉手段とは考え

友かったのであり︑叉国家即ち税務当局は減価償却費の計上を最初は否定する態度をとったのであるが︑後には租税の

軽減たいし調整の手段とたすようにたったのである

op

我々は会計学の研究が過去にたされたような単怒る個別企業の悉

意的計算制︑度の究明から次第に社会経済的統一計算制度の確立への努力が友されつつある時に沿いて︑減価償却の本質

を究明しその統一的概念を確立するととによって適正友る費用又は原価を発見し︑従って叉適正たる利潤を算定すると

とが契緊の要務ぜあると考えるのである︒かかる見地から減価償却費の発生の原因を

1

2

3

︶財務的考慮にもとづく減損の一一一者に区別してその質的及び量的訟費用性たいし原価性について考察せんとする

(5)

2︶ 

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3︶ 

ー 渡価償却問題の歴史的発展

企業会計において減価償却費が費用又は原価として︑即ち費用捕捉手段として認容されるようになづたのは最近のこ

Jて︑それまでは利潤留保又は利潤調節の手段として利用されたのである︒従うて国家は租税徴収上から課税の

対象としたのであろ︒然るに生産設備の拡大とともに間定資産の増加をきたすように友り︑固定資産の会計処理が企業

会計の中心問題となるに従って︑減価償却費が費用又は原価として認められるようにたり︑企業利潤を決定するに先立

︒て収益よりとれを控除する計算制度が普及するにつれて︑国家の徴収する所得税と減価償却とに闘する問題が発生し︑

企業者と税務当局との間に利害の対立を生ゃるようになったのであるc我が国における減価償却問題は主としてかかる

関聯にゐいて問題を提起したのであって以下その経過を省察してみたい︒

最初に税務当局が減価償却費を損益計算及び原価計算における費用又は原価として認めたのは大正七年の固定資産減

価償却年数に関する大蔵省内規が制定せられたととにある︒然しとの内規は主として法人所得税及び営業収益税査定の

基準として設定せられたものであって︑その一理論的根拠が薄弱であり︑加うるに時代の進展は益々企業者との意見の対

立をみるようにたり︑その結果昭和四年に東京商工会議所の改正要望が起り︑又昭和五年には日本経済聯盟から実際調

査に基づく改正要望がなされたので︑遂に昭和十二年に改正をみたのである︒との改正においては全般的に同定資産の

最近の減価償却問題

(6)

宮大経一済論集

堪久年数︵当時の用語例による︶が短縮せられ︑その特色とするととろは従来は物理的減損のみを基本として堪久年数

が定められたのであるが︑当時の新興産業の諾設備が競争の結果特にその職能的減損が発生する危険︑即ち陣懐旧式に

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の危険に曝されているととを考慮して堪久年数の短縮を認めたζとである︒然しζのようた

2

Eが反された直後に北支事変が勃発したので︑それが支那事変として拡大するに及んで当時の戦時産業︵時局産業︶

にはその適応性を哀失ずるに至ったのである︒その理由として次のことが挙げられたのである︒︵

1

︶戦時下の時局産業

は最ムへ按業度で生産をたず結果物理的減損の増大を来たし︑その修繕推持も困難た為に一半時に比して甚しく堪久年数の

短縮化を来す︒︵

2

︶戦時においては軍需品製造機械は日進月歩の新発明新改良が行われ︑又従来の規模設備の増大が要

請せられる為に旧式減価を招来する︒︵

3

︶兇にかかろ戦時需要に対する諸設備は物資関係より価額騰貴が余儀たくせら

れ︑又戦後におけろ平和的設備への転換が困難であるから適当た対策が講ぜられねばならぬ︒新の如き瑚白から戦時経

済を基調とする物理的減損︑職能的誠損及び財政的考患に基づく減損に対する特別た償却が行われねばたらぬとしたの

である︒かかる要望に対して政府は昭和十三年六月にその必要を認め︑大蔵省主務局は全国各税務監督局に対して改正

内規を通牒したのである︒その改正内容は従来の固定資産別の年数表が産業別のそれに改められ︑資産の性能よりもそ

の使途によって区別を設けることと友り︑特に戦時関係産業の回定資産にういて従来の四分の一乃至三4分の一の短縮が

行われたのである︒向当時工作機械製造事業法が制定せられ︑同法は工作機械の急速たる拡充をはかるために︑設備完

了後五ヶ年内にその六割を強制償却せしめ若し償却ができない時は政府がその全捕を補給したのである︒児に昭和十四

年になると政府は戦時産業に対して特別の増加償却を認め︑同年四月以後の新設︑増設又は製造にかかるものについて

は︑その取得価格のコ一分の一についてゴ一年間に均等償却をたすことを認めたのである︒かくて戦時産業の減価償却は次

のご方法が併用されるととになった︒︵

1

(7)

の方法により算出した償却金縮︒︵

2

1を減価償却費として計上するととが認められたのである︒

さて斯の如く大正七年に犬蔵省主税局の内規制定があうて以来一二同の改正が行われたのであるが︑減伺償却費の算定

が復雑となり︑戦時関係産業はその取得した固定資産について取得時期の如何によって

1

規定の適用資産

2

︶昭和十四年の第三次改正規定の適用資産3︶前記以外の昭和十一一年の第一次改正規定の適用資

産等に区別整却するととが必要とたうたのであろ︒そこでこのようた計算の復雑性と困難性を排除し︑しかも単に戦時

関係産業のみではたく︑あらゆる産業に適用される会社同定資産償却規則が昭和十七年九月に制定公布されたのである︒

との規則の特徴は1︶問定資産別と業積別ゐ一両耐用年数表が併用されたことであり︑従来よりも三割程度の綬縮がな

されておることである︒向昭和十四年の第三次改正におけろコ一年間均等償却規定は戦時産業に関すろ限りその適用をみ

2

︶戦時中にゐける減価償却eの強制定規であることであろ︒即ち戦時にゐける個別企業の任意的償却を否

定し戦時産業たると平和産業たるとを問わやy全産業に強制したととである︒︵3︶従来の減価償却規定は単に税務当局の

内規であったが︑しかも税務計算上の規定であったが︑との規則は会社一経山口統制︑原価計算及び税務計算の共通規定で

あることである︒当時は会社の経却については会社経出税制令︵昭和十五年十月︶の制約を受け︑原価計算にういては

原価計算規則︵昭和十七年四月︶の制約を受けていたのであろが︑減価償却に対する態度は必ずしも一致をみ︑なかっ柁

︵c d

︶ のでこの規則によって統一されたことは大たる意義があるのである︒

さて会社固定資産償却規則は戦時的強制償却を規定するものであったので昭和一一十年八月の敗戦確定とともにその効

カを哀失し︑我が経済界も一時的困乱におちいったので減価償却問題は世人の関心を失ったのであるが︑統制経済の再

発足により再び重要たる関心事−とたったのである︒叉インフレ1ションの進行ば資本の蓄積と企業の再建を阻害するよ

Hば近の減価償却問題

(8)

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うにたり︑経済界は縮少再生産の過程を辿らざるを得たいようにたった結果として経済九原則の実施とたり︑とれ︐を契

機として経済界は変則的デフレ1ションの傾向を示し︑業界に相当の影響を与えたのであるが︑生産増強にともたう輸

出の振興とゅう基本的経済再建の傾向を示すようにたり我が国経済界の健実たる発展を予測されたのであるが︑

三十五年六月の朝鮮動乱の勃発を基因とする特需と︑米国を中心とする軍備拡張による世界的インフレ1ションの傾向

は︑統制経済から自由経済に再転換しつつある我都圏の経済界に再びインフレ1ションの傾向を発生せしめたのである︒

さて敗戦後との減価償却に関する強制規則は︑戦時中における特別償却規定であづたので昭和一一十一一年度に全面的た

改正が行われ︑新たに簡素化等の見地から耐用年数たどにつき全面的た改正が行われた︒しかしそれは充分た検討を加

えられヂ︑単に戦争勃発前における平時態勢に戻す意味で耐用年数の延長が注されたのである︒然るにシヤウプ税制使

節団の勧告にもとづく昭和二十五年及び昭和一一十六年における税制改革を契機として減価償却について大き友改正が加

えられるととに怒った︒却ち昭和二十六年五月三十一日附で政令第百七十一号及び第百七十ご号をもって所得税法施行

規則の一部及び法入税法施行規則の一部を改正する政令が公布実施されたのである︒その特徴は税法上の強制

規定であるととである︒昭和十七年の償却規則は会社経関統制令及び原価計算規則に対する共通規定であったが自由経

済への復帰とともに︑原則として企業会計は法的制約を受けるとと友︿企業会計原則は指導教育的意味を有するのみで

1

︶ 

あり︑叉改正証券取引法により制約を受ける会社に対して公認会計士の強制監査が行われるのであるが︑減価償却に対

する具体的規定を欠如しておるのである︒叉原価計算上においても昭和二十一二年コ一月に原価計算規則が制定公布にたっ

ておるが︑それは物価統制令第十爪条に基づ︿強制規別であって︑自由経済に復帰した現在に唱おいてはその強制カを衷

失したのである︒従って改正償却規定は税法上の強制規定であって︑減価償却費の最高額を規定するものである︒︵2

一固定資産の個別償却法と綜合償却法を認めたのみでか仏︿︑更に綜合償却法と分間償却法の選択を構築物及び機械装置に

(9)

ついて認めたととである︒叉減価償却法の外に取替資産については取替法を認めたととである︒︵

3

構成︑材質︑製作方法等について犬蔵省で定める特別の事由に該当するとともに犬蔵省令に規定する耐用年数と著し︿

異なる場合には︑国税庁長官の承認を受けて別個の耐用年数により減価償却費を計上するととができるととである︒

4

︶改正所得税法施行細則及び法人税法施行細則と回定資産の耐用年数等に関する省令が施行規則と同一日附で制定応

布されたのであるが︑主として償却範囲額︑償却過不足額の処到等に関して規定するのであるが︑特に償却不足額の特

別償却を認容したととである︒︵

5

︶耐用年数表が従来より非常に詳細と友り機械及び装置以外の有形回定資産︑機械及

び装置︑無形固定資産︑農業用固定資産︑陳腐化した機械及び装置等の五つの耐周年数表と︑牛馬果樹等の使用又は収

穫可能の年数表並びに固定資産及び牛馬果樹等の償却率表との七表を規定するのであうて耐用年数は相当の短縮が認め

さて今回の改E競走は単に政府機関により独断的に決定されたのでゑ︿広︿経済界の意見を徴して作成されたもので

あうて︑間定資産の耐用年数を物理的減損のみに基礎を求めやy職能的減損をも加味して効用持続年数の概念が採用され

1︶ 経過の詳細並びに各場久年数表及び耐用年数表については拙著﹁工業会計概説﹂第十六章戦時下の減価償却問題を参照のこと

2︶ 会社固定資産償却規制別の内容及びその批判については拙著﹁工業会計概説﹂第十七章減価償却の強制規定についてを参照のζ

税法上の減価償却についての批判

我が菌における減価償却問題は主として税務当局と経済界との見解の相違に基づく論争を中心として発展して来たこ

最近の減価償却問題

(10)

とは既述の通りである︒数次の改正規定による耐周年数の短縮化はその目的とするととろ物理的減損に対する考慮より

も職能的減損に対する考慮がその基調をたすもののように考えられるのである︒然かも戦時中は特に財政的考慮に基づ

︿誠損が多分に加味されたと考えられるのである︒勿論減価償却・たるものは物理的減損と称せられるものであっても︑

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く場合が多く︑特に職能的減損にたると多分に不明瞭たものと友るのである︒しかし前述の減価償却の本質に関する見

解から具体的に損益計算上の費用として叉原価計算土の原価として如何なる点まで減価償却が認められるべきかを考察

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について考えてみると︑それば減価償却の本質的部分を形成するもの

で去って︑営業損益計算上の費用叉は原価計算上の原価を構成するものと考えられる︒常物理的減損は使用による消耗

︿︿

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§5

55

と時の経過による自然の消耗とを意味するのであるが︑災害によ宕損耗はむしろ危険

WCと考えてその特別償却費は損益計算においては利益剰余金の減少高として叉原価計算における非原価項目

として処理すべきである︒即ち物理的減価としては正常的減価償却︵属︒ョ

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第二に職能的減損については多少議論のあるととろであって︑陳腐旧式による廃化︵︒宮

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用叉は原価として認めるととはその不確実性を増大するものであって︑過去の経験又は統計資料等によってその確実性

を予測し得るものに限ってとれを認めるととについては異論がたいようである︒即ちその質的た費用性又は原価性は認 を減損として費

めるが︑その量的た費用性叉は原個性については議論の生ヂるととろである︒

第三の財政的考慮に基づ︿誠損は全く将来への考慮に基づ︿ものであってその費用性叉は原価性についてはとれを認

(11)

めたいことが至当である︒それは全く悉意的つヨロE

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たものであり︑利潤留保又は利潤調節の手段であって︑

減価償却たる手段を通じて利潤調節職能︵

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質に違背するものである︒企業が社会的存在物であり︑その経静性が社会的相関関係を有する以上はかかる考慮の必要

である乙とは勿論であるがその費用性叉は原価性を認めることは適当では友いと思う︒

税法上の減価償却は︑大正七年の大蔵省主税局の内規制定において物理的減損を主として堪久年数が定められたので

あるが非理論的であったので昭和十二年五月臨時租税増徴法の実施を契機として第一次改正が行われたのである︒ζ

改正で堪久年数の全般的短縮が行われ︑職能的減損をも加味したのであるが︑それは減価償却現論からみて適当と考え

られるのである︒しかし昭和十三年六月支那事変特別税法による増税を機会に行われた第三次改正は戦時関係産業に対

する特別償却を認めた産業別年数表の制定であって︑平時における減価償却は勿論のとと戦時に−おける物理的減損及び

職能的減損を容認せるものであって︑物理的減損についてはその平時たると戦時たるとを問わ?とれを費用又は原価と

して認め得るが︑戦時的た職能的減損についてはその量的限界が問題とたる︒当時の低物価政策という観点からみても

利潤の減少高として考えるを適当と思う︒倫経済界の要望としては戦後対策としての財政的考慮に基づく減損をも考慮

すべしとたしたのであるが︑それは全く減損として認められるものでた︿利潤で補償されるべき問題である︒しかるに

昭和十四年四月に租税増徴を機として臨時租税措置法中改正法律案の提出に際して第三次改正が行われたのであるが︑

その特棋は生産カの維持拡張とゅう趣旨から戦時産業の取得回定資産価格の三分の一に対し三年聞の均等償却を認めた

工作機械製造事業法における取得固定資産価格の六割につき五年間の強制償却を認めた規定とともに︑そ

れは明瞭に減価償却理論の本質を逸脱して減価償却費の認容を以って政府補助金たいし奨励金に代替せしめたのである︒

かかる政府当局の見解は昭和十七年九月の会社回定資産償却規則に沿いても戦時規定であるとゅう見地から継続され

最近の減価償却問題

/¥. 

(12)

たのである︒財政的考慮に基づ︿減損として考えられるととは企業の継続維持を前提とするものであり︑従って固定資

産が償却しつくされた時に再び購入すべき費用即ち再調達価格の補償である︒即ち減価償却たる計算一手段をもって価値

調整計算たりと考え︑企業の財政政策の手段であると考えるものである︒かかる見解は排除すべきであると思う︒

さて今回の改正規定はシヤウプ勧告に基づく税制改革を契機として昨年から約一ヶ年にわたって官庁︑経済界及び学

界の協同研究の成果をまとめて発表されたものであり︑戦前及び戦時中の規定と比較すると劃期的改正が放されたもの

と考えられる︒昭和一一十一一年の改正は戦時中の耐用年数が短縮化されすぎた点があるとして旧戦時産業の国定資産につ

その他の産業D司定資産については一一割程度の延長がたされたのである︒しかるに今次の改正は物理的耐

用年数と職能的耐用年数・との結合による時論的基礎に基づ︿効用持続年数の概念の採用がなされ︑然かも固定資産の耐

用年数と修繕費との関係︑即ち資本的支出と修繕費との限界にういて詳細たる研究が行われた結果として標準的耐用年

数の作成がなされ︑将来陳腐化の事実が発生した場合には特別償却を認めるととによづて実状に即応すべく努力し︑たこ

とである︒尚具体的には青色申告をすろ法人にづいては

︵こ製造方法の激変

使

︵ホ︶按業度の急上昇等の為にその耐用年数が法定耐用年数と著しく異ι

には当局の承認を受けて実情に即した耐用年数を設定たし得るとされる︒叉青色申告を放す法人について償却不足瀬を

繰延べて特別償却とすることが認められたことである︒正常的減価償却はこれを損益計算︵営業損益計算︶及び原価計

算における費用又は原価として認められるが︑予測せざる陳腐化による特別償却並びに償却不足額の繰延べはとれを利

益剰余金の減少高として又は非原価項目として処理するを至当と考える︒尚本改正規定には財政的考慮に基づく誠価は

否定されておると考えられるのである︒

(13)

自 吾

さて以上に沿いて減価償却の本質を究明したる後に我が国にゐける税法上の減価償却問題の経過す︸概観して︑史に減

価償却の本質ば損益計算及び原価計算にゐけろ費用又は原価の補捉手段なりとの観点から税法上の減価償却に対する態

度を批判したのである︒前述せるように減価償却の要因として物理的減損︑職能的減損及び財政的考慮に基づく減損の

一二分類に大別したのであるが︑基本的要因と考えられる物理的減損についても︑例えば機械についていえば当該企業が

その本来の目的とする種類︑規格︑品質の製品を生産する為に使用に耐え得る年数をゅうのであうて︑運転不能に至る

までの字数をゅうのでないと一応ゐ規定はたし得るのであるが︑製造方法︑接業度等の相違によれJて必ヤしも明確では

たいのである︒職能的減損についても陳腐旧式による廃化とゅうことが考えられるが︑例えば製造コストの安日新しい

械機が出現した場合には従来のものが物理的には使用可能であっても︑採算上不利になる場合の耐用年数であると考え

られるが︑それば国際的水準を基準としてゅうのであるか︑園内的水準を基準としてゅうのであるかの問題がある︒物

i︶ 珂的減損よりもその推定に一層の困難をとも友うのである︒大蔵省主税局長平田敬一郎氏の論説にも︑減価償却の問題

は租税負担の公平︑企業経理の適正化︑国民経済の維持発展等の点から綜合的に検討されたければたらぬとして物埋的

減損と職能的減損との関聯について﹁わが国の企業の設備は戦時中酷使したり或は戦後において資金不足等から修理保

存が不十分であって︑その改善をはかるととが急務であ﹁るととは一般に言われている通りである︒殊に国際貿易市場に

おいて競争し得る﹃廉価にして優良たる商品をつくるためには︑企業の機械設備等について飛躍的友改善が加えられたけ

ればたらたいととは一般に指摘されている通りである﹂と説述せられ職能的減損を相当考慮に入れ友ければたらたいと

されるのである︒我々は所謂効用持続年数友る概念がかかる見地より設定されたものであれば賛意を表しがたいのであ

最近の努価償却問題

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(14)

骨岡大経済論集

る︒戦前及び戦時中の間定資産については既に特別償却の方法をもって財政的考慮に基づく減損が認められたのであるQ

若しかかる特別償却によっても倫その損失が補償されたかったとしでも敗戦という現実は戦時損害の補償を打ち切らざ

平田氏は職能的減損の補償であると称せられるがそれは明瞭にー財政的た配慮であって︑過去に実施された戦時災害補

償の打ち切り措置を再び填補せんとする企図である︒最近は資本の蓄積が問題とたり︑シヤウプ勧告による再評価の強

制が企業の任意友る措置にまかされるようにたり︑減価償却友る手段を通じて資本の擁護たいし損害の補填がたされん

とする傾向がある︒我々は企業のみが戦時災害の補償を受けるととは不替︑成である︒職能的減損への考慮は戦後に新設︑

拡張︑製造せられた回定設備についてのみ友されるのが至当であると考える︒効用持続年数表の作成がかかる意味で合

四的共礎に立って立案せられ︑各企業の特殊事情によ勺て政府当局の承認のもとに変更せられるものであれば今回の改

正規定に我々は賛意を表するものである︒

1U 平岡敬一郎氏﹁減価償却の諸問題﹂企業会計三巻一号

︵昭和二十六年十一月十日︶

参照

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