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公 開 シ ン ポ ジ ウ ム 「 近 代 日 本 の 偽 史 言 説 そ の 生 成 ・ 機 能 ・ 受 容 」

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Academic year: 2021

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公開シンポジウム「近代日本の偽史言説   その生成・機能・受容」

小  澤   

一・第二会議室において、立教大学日本学研究所主催、立教大学SFR﹁グローバルヒストリーのなかの近代歴史学﹂共催により、公開シンポジウム﹁近代日本の偽史言説  その生成・機能・受容﹂が開催された。﹁チ﹂、﹁ア﹂、﹁ひ使﹂、﹁イス・トは日本で死んだ﹂、﹁東北に古代王朝が存在していた﹂といった、研究者ならずとも、まっとうな学問教育を受けたものであればおそらくは一顧だにしない言説群が、近代日本には、そして今に至るまで、わたしたちの周囲には存在する。本シンポジウムの共通テーマは、かような偽史言説である。

  史︵pseudo-history, false historyか。は、ず、史︵history historiographyい。いに立ち入って検討することは困難であるため、ここでは、史料批判という近代学問的な手続きを経て抽出された歴史的事実にもとづいて構築された、過去の世界を描出する一つの物語、としておきたい。重要なのは、私達が接する歴史叙述は、第三者による再現可能性をそのディシプリンの中に内包する近代的学問という、プロフェッショナルからなる学者共同体の承認を経ている、ということである。この点が歴史と偽史を分かつひとつのポイントではないかと考える次第である。

  その上で偽史とは何かを問うたとするならば、それはつまり、近代学 問の承認を経た歴史に対抗する、オルタナティブとしての別の物語という位置が与えられるだろうか。そうしたオルタナティブたる偽史は、必ずしも近代学問手続に従った第三者による検証を必要としない。こう偽史を紡ぐものは、自分が偽史を試みているとは考えてはいない。巷間で承認される偽史とされるものこそが真の歴史である、自分こそが真る、る。で、偽史を広めるものもいるのだが。かような偽史言説については、これまでも、と学会周りを中心に、多くの紹介が試みられてきた。単行本としてまとまったものとしては、長生﹃偽﹄︵筑房、年、くま文庫、二〇〇一年︶藤原明﹃日本の偽書﹄︵文春新書、二〇〇四年︶実﹃ト﹄︵楽社、例である。偽史言説は、近代以降の日本社会が生み出したサブカルチャーの一分野として、大学の歴史学科での研究成果が提供しない日本近代史の﹁裏面史﹂として、多くの人の心を捉えてきたように思われる。同様の事例は日本だけではなく世界各地で確認することができ、たとえばケー﹃幻﹄︵上下、社、ド・ェ﹃捏﹄︵原房、は、とりわけ西洋における偽史の事例とその背景を的確に解説している。しかし、近年、サブカルチャーとして、いわばおかしみの対象でもあった偽史言説が、突如実態をもってメディアを席巻した。江戸しぐさとよばれる、史料上の根拠がないにもかかわらず江戸時代にあったとされる

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