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港湾・空港などの広域地盤の耐震対策に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

港湾・空港などの広域地盤の耐震対策に関する研究

稲田, 雅裕

https://doi.org/10.15017/4060256

出版情報:九州大学, 2019, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

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氏 名 : 稲 田 雅 裕

論 文 名 : 港湾・空港などの広域地盤の耐震対策に関する研究 区 分 : 乙

論 文 内 容 の 要 旨

港湾や空港の整備にあたっては、地盤の安定性、沈下といった問題に対して、常時必要とされる 機能を確保できるよう計画されることに加え、その中でも重要な施設については液状化被害を回避 する耐震性まで考慮されなければならない。特に造成表面そのものが滑走路やエプロンなどの基本 施設となる空港や港湾のコンテナターミナルなどでは、被災時にあっても厳しい平坦性や排水勾配 を確保することが要求される。液状化被害に関しては、地盤の液状化問題が認識されたのが比較的 最近のことでもあり、液状化対策が考慮されずに建設されたが、その施設の重要性に鑑み、港湾・

空港の運用が開始されてから液状化対策を講じなければならないケースも増加してきている。

しかしながら、港湾や空港が建設される広域地盤は埋立履歴や埋立材料も様々であり、分散した ボーリングなどのサンプリング調査で地盤の全体像を確実に把握することが出来ないなど、いわゆ る地盤リスクが常に伴う。地盤リスクの存在を前提として、如何に施設に求められる供用性を担保 した合理的な計画・設計・施工を行うかが課題である。

本研究では、羽田空港沖合展開事業及び福岡空港耐震化事業で実施した耐震対策を検討、実施す る過程で得られたデータや知見を通じて、広域地盤の耐震対策に関する調査・設計・施工及び地盤 改良効果の評価方法を考察し、施設の要求性能を確保するための合理的な計画・設計・施工・事業 評価方法のあり方を俯瞰的に明らかにすることを目的としている。

第1章では、本研究の背景、特に基軸となる羽田空港沖合展開事業及び福岡空港耐震化事業の概 要を述べるとともに、本研究の目的及び論文の構成について記している。

第2章では、羽田空港沖合展開事業において我が国で初めて建設された耐震滑走路の設計とその 事業効果について述べる。先ず広域人工地盤の不均一性を確率的に取り扱うことにより広域地盤の 液状化に伴う不同沈下による被災程度を予測する手法を確立し、実務設計に適用したことを述べ、

予測計算によって明らかとなった被災を軽減・防止する方策として、滑走路新設部直下の液状化対 策工法としてサンドコンパクションパイル工法(SCP 工法)を適用したことを概説する。さらに、

地盤改良工事の程度の差によって平坦性のみならず舗装構造の損傷程度にも差が出ることを FEM 計算により定量化し、その修復量と事前の対策費用とを比較することで地盤改良工事実施の合理性 を評価するといった手法を確立した。

第3章では、既設滑走路を供用しながらの夜間の空港運用停止時間帯で液状化対策の地盤改良を 実現するために考案され、羽田空港で液状化対策工法として初適用されたスランプ値3cm程度と流 動性が極めて低いモルタルを地盤中に圧入して地盤密度を増大させる静的圧入締固め工法について 述べる。本工法の適用性を確認するために羽田空港及び福岡空港で実施された試験施工について概 説し、施工前後の地盤調査から得られた改良効果について述べる。また、地盤中へのモルタル圧入

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を単なる間隙置換ではなくせん断現象に伴う負のダイレイタンシー(体積圧縮)と捉えて考案した 静的圧入締固め工法の新たな設計法を提案する。さらに、本工法の地盤改良効果について、従前は 水平方向の地盤内応力の増加を考慮しておらず過小評価していた点を指摘し、孔内水平載荷試験や 弾性波探査を適用して水平方向地盤内応力の増加を反映した新たな合理的改良効果の評価方法を提 案する。

第4章では、供用中の既設滑走路直下の液状化対策工法として考案され、羽田空港で初適用され た水ガラス系溶液型恒久薬液を地盤内に注入して間隙水を薬液で置き換えることにより液状化強度 を増加させる薬液注入工法について述べる。本工法の適用性を確認するために羽田空港及び福岡空 港で実施された試験施工について概説し、施工前後の地盤調査から得られた改良効果について述べ る。併せて、薬液注入工法で改良された試料から求めた繰返しせん断応力比と一軸圧縮強さの比例 関係から目標設計基準強度の設定をできることなど薬液注入工法の設計法について提案する。また、

薬液注入工法の場合、同じ固結工法である深層混合処理工法等のように改良後の強度が高くならな いため、改良後地盤の試料採取時に乱れの影響を受けやすいことが課題であることを指摘し、従前 の改良後地盤からサンプリングして採取した試料を用いて求める一軸圧縮強さによる改良効果の管 理ではなく、試料採取時の乱れの影響を受けない原位置でのサウンディング調査手法を基本として 改良効果を簡便に評価する管理手法に転換すべきと考え、その具体的手法を提案している。

第5章では、福岡空港で実際に薬液注入された改良地盤において、前章で提案した改良効果評価 手法の妥当性を検証するとともに、施工不良地盤の修補工事の場合はさらに特別の工夫が必要であ ることを述べている。

第6章では、前章までに論じた研究を総括し、本研究の結論としてとりまとめた。

参照

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