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仲敷, 憲和

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Academic year: 2021

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

エネルギー生産によって生じるCO_2や吸着性物質の 海域における輸送過程に関する研究

仲敷, 憲和

https://doi.org/10.11501/3123114

出版情報:Kyushu University, 1996, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

2司5 深海底で、のCO2の拡散

105 104

103 10 102

3

4

5

6

7

工aSゾ食時世

CO2の海洋中隔離法のーっとして、 深海底にCO2を貯留する方法が考えられている。

図・2.5.1に、 液体CO2の希釈倍率と海水のpHの関係を示す。 貯留された液体C027留まり の周辺では、 周囲海水にCOヮが溶解するが、 貯留点近傍では、 溶存したCOっの濃度が高

い領域が出現するため、 周囲環境への影響を評価する必要がある。

深海底に貯留されたCO2の周辺では、 2-3-2で示したCO2の溶解 による海水の密度増加 や、 乞3・3で示したCO2と炭酸塩堆積物の中和反応、が起こることが予想される。 本節では、

これらの効果を 考慮した数値モデルを用いて、 深海底に貯留されたCOzの挙動について 定性的な検討を行う(Nakashiki, et al. (1993))。

(大隅ら(1992)) CO2の希釈率

液体COzの希釈倍率と海水のpHの関係 図-2.5.1

モデルの概要

図-2.5.2に、 深海底で、のCO2の輸送・拡散過程の概略を示す。 深海底に貯留されたCO2 は、 海底の液体C02�留まりから海水に溶解する。 COzが溶解した海水は、 底層水の流れ や、 乱れによって輸送・拡散される。 本計算では、 海水中に溶存したCO2の漉度を計算

するとともに、 炭酸塩堆積物との中和反応、を計算に取り入れるため、 海水中のカルシウ

(Ca2+)や重炭酸イオン(HC03 -)についても計算を行った。

2・5・1

ムイオン

5��2 KH = 10J cm"'/s KV = 1 cm2/s

周囲環境

H2C03 = 3.716 x 10・5 mole/1 Ca2+ = 1.0 X]O・2 mole/1 HCO了 = 2.35 x 10・3 mole/1

Z

基礎方程式

本研究では、 密度増加の効果やCO2の拡散を検討するため、 3次元の平均流モデルを 用いた。 各基礎方程式を、 以下に示す(Nakashiki, et al. (1993))。

、‘.,,,d,t ,aE‘、

-・・ ・園田園・圃・・ ・・・ ・・・・・・・・ ・・・

'

海底境界層

-・・ ・・・・圃・圃・ ・・・ ・・・・・・・・ ・・・ ・圃・・・圃・・ ・・・ ・・・・・圃・・ ・・・ ・・固・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・圃・・ ・・・

pa pa a''''''' 司Ll勺''B・

m m 一己

CC昆ポ「v

i -

-

流 一-一一 lu H

V 手白

K K

: ,

, :

5 cm/s

Y

底層流 -連続式

ðu ðv ðw

� 一ー一一一 -

ðx . ðy 聖 ðz

100 m

\

匂悦�<;�号、密度増加

でm;熊本、. 相〉

j容解

(2.5.1 )

-運動方程式

U 一ゥ-

40てd

A

U一 ゥY

「dv一「AU

H A +

u一 ヴトA

「O一「d

H A + p - x

、。てAV

1一仏

+

dnu てぴ「

X u 一 + v

「AU一AU「

VJ 一 u + W

一白

av

l

ap a2v a2v a2V +w一 az 二 一 一一+Au一 po ay H aX2 一 +A,, H ay2v az2 - A- ðv ðv ðy 一 一一一­

dt - dx ' dy

(Nakashiki,et al.(1993)) 深海底で、の液体CO2の輸送・拡散過程

図-2.5.2 (2.5.2)

住+ uE主+vaw+W21=一 旦主 主 。 - l ap a2w h a2W

説 ax 3J az p o b EずAH E+ AHFA V 37

-36ー -37-

(3)

-炭酸(H 2CO 3)の保存式 海水の密度

二酸化炭素が溶存した海水の密度 重力加速度

渦動粘性係数の水平、 鉛直成分 渦動拡散係数の水平、 鉛直成分

中和反応による生成・消滅項

PO

acl acl acl acl a2Cl dcl a-Cl

一一+u一一+v一一 +w 一一=KH 一一一+ KH一一一+Kv一一一+QJ dt - dX ' dy ,. dZ - -"

dX2 . --.. dy2 --. dZ2

p g

AH、 Ay KH、 Ky

QぃQ2、 Q3

(2.5.3)

-カルシウムイオン(Ca 2 +)の保存式

dCヲ一一二+u一二+v一一二+wdCヲ dCラ dC勺一一=KH d-C勺---+ KH一一一二+ Kv一一一二+Q2d-Cヲ グC今

dt , - dX ' . dY '.. dZ A.n dX

2

. A.n dy2 ' A.V dZ2 (2.5.4 )

である。

2-3-2の測定結果より、 CO2の溶存にともなう海水の密度増加は、 以下のようになる。

-重炭酸イオン(HC03 -)の保存式

dC3 dC3 dC3 dC3 __

i

c司 d2C司 d-C3

一一+u一一+v一一 +w 一一=KH 一一ι+KH 一一ι+ Kv一ι+Q3 dt . - dX . .

dY ... dZ --" dX2 ' --11 dy2 '--v dZ

2

(2.5.5)

p

=

Func.( [HC03J,

P 0

)ニp

0

+α・[H2C03]

α= 1.29 X 10-2 (g / c m3) / (mole/ l) (2.5.9)

-塩分の保存式

ここに、

S = const. (2.5.6)

α 実験定数

-水温の保存式

である。

T = const. (2.5.7)

-海水の密度

(2)

計算条件

図-2.5.3に、 計算領域および各境界での境界条件を示す。 計算格子間隔は、 水平方向 にはムx=ムy =250mで、均ーとし、 鉛直方向には、 海底面から100mまではムz = 10m、

それ以上は漸増させて、 最大ムz =60mとした。

輸送・拡散現象に大きな影響を及ぼす底層流や乱れは、 海底地形等に大きく依存する。

本計算では、 計算を簡単にして各過程の効果を明らかにするため、 単純な海底地形を用 いた。水深は3500mとし、 平坦な海底地形を仮定した。この水深で、は、 液体CO2は海水

より重いため海底面に溜まることになる。 また、 海底面は、 全て炭酸塩堆積物に覆われ ているものとして、 海底面での中和反応を計算した。

底層流の大きさは、 四国海盆の水深3519mの地点で、海底面上6mから151mの水深で>ìJ!IJ定 された流速データ(金成(1988))を考慮して、 5cmjsと 仮定した。 実際の海底において は、 流動は慣性振動の影響を受け周期的な流れとなるが、 本計算では一方向流を仮定し た。底層境界層内では乱れが大きいため、 鉛直方向の渦動拡散係数が大き いことが予想 される。海底起源の過剰122R nの測定結果(梶浦編( 198 5))に基づいて、 境界層の厚さ

を100m, 鉛直渦動拡散係数を100cm2 / sとしたO

また、 CO?が溶存した海水のプルーム内の拡散係数は、 拡散の空間スケールが小さい

p = func.

(T,

S

P)

(UNESCOの式) (2.5.8)

X、 y、 Z 水平方向、 鉛直方向の座標

時間

水平方向、 鉛直方向の流速成分 圧力

炭酸(H2C03)の濃度

カルシウムイオン(Ca2+)の濃度 重炭酸イオン(HC03 -)の濃度 水温

塩分 U、 V、 W

P C C C T S

n6 円4U 円同dn〈U

(4)

CO2

計算格子(水平方向)

CO2

計算格子(鉛直方向)

o IOOOm

L..o...品...J

[m

o

o 1000m

L....ーム... 占J

図・2.5.3 計算領域 (Nakashiki,et al.(l993))

表-2.5.1 計算ケース (Nakashiki,et al.(1993))

計算ケース C02の溶解による 炭酸塩堆積物との 液体C02の海水への 海水の密度増加 中和反応 i杏出量

考曙 平衡状態 飽和

2 考慮 溶解速度 飽和

3 考慮 洛解速度 港出フラックス

(クラスレートなし)

4 考慮 溶解速度 溶出フラックス

(クラスレートあり)

-40-

CO2 {留まり近傍では小さく、 プルームが流下 ・拡散して空間スケールが大きくなると と もに大きくなり、 最終的には深海底での流動場自体の拡散係数の値になると思われる。

プルーム内の拡散係数は、 沿岸域でのプルーム内の拡散係数の評価法(Brooks (1959)) と同様に、 拡散幅の関数として与えたO

KxニKyニ0.01 B4/3、 Bニ2ぽσ

σ . ∞っ濃度の拡散の標準偏差 である。

[cm2/s] (2.5.10)

計算に用いた渦動粘性係数、 渦動拡散係数の値を図-2.5.2に示す。 水平方向の渦動粘 性係数、 渦動拡散係数は、 Ax=Ay =kx=k y=105cm2/Sで、あり、 全領域で全て均一値 とした 。 鉛直方向の渦動粘性係数および渦動拡散係数は、 底層境界層内ではAz=Kz = 102cm2/ s 、 それ以外の領域ではAz=kz=1cm2/ s とした。

海洋中の炭酸(H2C03 )やカルシウムイオン(Ca2+)、 重炭酸イオン(HCO3 -)の 濃度は、 太平洋深層水の値に基づいて仮定した(新妻訳(1981)) 。 図-2.5.2に計算に用 いたH2∞3およびCa 2 +、 HC03ーの初期濃度を示す。

深海底でのco2i留まりの範囲は、 500mX 500m (2 X 2メッシュ)と仮定した。 CO2i留ま りから海水中に溶解するCO2のフラックス(FC 02)は、 海底付近の流動や乱れ、 その 他化学的な諸条件に強く依存すると考えられる。 本計算では、 Aya, et. al. (1993)の室内 実験結果に基づいて、 液体CO2{留まりの表面にクラスレートが生成した場合と、 生成し ない場合の2ケースについて計算を行った。

F C02 = ρC02 ・ K. 51

、� t __

、ー_ \,_. v、ー、

ρC 02 . 液体CO2の密度 = 23.47 (mole!l) K : 単位面積当たりのCO2の溶解速度

51

=8.5×10-7(m3/s/m2)

= 3.9 X 10-7 (m 3 /s/m 2 ) 液体cOzi留まりの表面の面積

-41一

(クラスレート無し) (クラスレート有り)

(m2)

(2.5.11)

(5)

である。 実際には、 底層流による努断効果やクラスレート生成に伴う発熱など、 液体 C02�留ま りの表面では複雑な混合・溶解過程が起こっていることが予想されるが、 この

ときの溶解速度は、 上 述の測 定値の中間にあると思 われる。

計算は、 COっの溶解による海水の密度増加、 および海底での炭酸塩堆積物との中和反 応の効果を考慮して、 4ケース行った。 溶解速度については、 比較のため液体CO2�留ま りの直上で飽和濃度に達している場合 (溶解速度最大)について計算を行った。 また、

炭酸塩との中和反応についても、 速度論的な取り扱いをせず、 瞬間的に中和反応が起こ る場合 (反応速度最大)について比較計算を行ったO 表-2.5.1に、 計算ケースを示す。

2・5・2

CO2と海底堆積物の中和反応

2-3-3より、 CO2と炭酸塩堆積物の中和反応は以下のようになる。 CO2と炭酸塩堆積物 の反応速度は、 次式で示される (大隅ら(1992)) 。

CaC03+Ir CαC 03 + H 2C 0 3 Ca C0 3

一> C a2+ + HC 0 3- (Reaction rate : k)

-> C i+ + 2HC 0 3- (Reaction rate : k2)

ー> C a2-+ HC 0 32- (Reaction rate : k3)

したがって、 系全体での溶解速度は、

Yd二k1 [H+] + k2 [H2 C 03] + k3

[H+] = [H2 Cα] / [ HC 03-] X 1.43 x 6.8 x 10-7 となる。 ここに、

γd

k1 k 2

k 3

[H +J

溶解速度 (mole/ cm 2

s)

7.94X 10-6 3.16X 10-8 6.31XIO-11 水素イオン濃度

(2.5.12)

(2.5.13)

である。 CO2と炭酸塩堆積物の反応による生成 ・消滅項QJ、 Q2'" Q)は、 以下のように 考える。

-42-

Horizontal Section

(m) 2000

1000

Case-l

O -2000

(m) 2000

1000

Case-2

MIN. 4. 90E+00 MAX. 7. 12E+00

"'

- '"

8000 (m)

MIN. 4.08E+OO MAX. 5. 98E+00

o ・'・ 』 ・ 1 ・ ,....,.. ... -r--r--r-.... ,..., ー�"""""-' I .・

-2000 0 2000 4000 6000 8000 (m)

2000 (m)

JOOO

Case・3

O -2000

(m) 2000

1000

Case-4

O -2000

単位(pH)

MIN. 5. 62B+00 MAX. 7. 50E+OO

\

\

-....-,‘" ・ F ・ ..-..-..-..-,.-o 2000 ,. ...-.・ I4000

'

. ・、 I 6000 I I・ 8000 (m) 単位(pHl

MIN. 5. 89E+00 MAX. 7. 71E+00

- ,. ...,...,...・ ,..-、,--,--....-....-..,...,.-

o 2000 4000 6000 80'00 (m)

単位(pHl

図・2.5.4 計算された海水のpHの分布 (水平分布、 海底面)

-43-

(6)

o (海底面に接していない計算セル)

Computational Results

Q)、 Q2、 Q3=

(2.5.14)

Vertical Section

QI= -Q, Q2二+Q , Q3=+2Q

Q = Y d x 5 / V (mole / l s )

(炭酸塩堆積物に接している計算セル)

Case-l MIN. 4. 90E+00 MAX. 7. 81E+OO

(m) 100

pH Change

s . 炭酸塩堆積物に接している面積 v . 計算セルの体積

である。

Case-2 MIN. 4. 08E+00 MAX. 7. 81E+00

2-5-3 計算結果とその考察

図-2.5.4 �2.5.5に、 各ケースにおけるCO2拡散の計算の結果を示す。 図・2.5.4は、 海底 面直上(z=o)で、のpH (H+の濃度)の水平濃度分布であり、 図・2 .5.5は、 yニOで、のpH鉛 直濃度分布である。 海底面のC02�留まりから溶解したCOzは、 COzの溶解による海水の 密度増加の影響を受けて、 海底面を同心円状に広がっている。 ケース2、 4は、 海底面で の炭酸カルシウム堆積物との中和反応を考慮した場合の計算となっているが、 CO2の拡 散範囲は小さくなっている。 海底面上で、のCOz濃度が高いケース4の方が中和反応の効 果はより大きくなっており、 CO2の拡散範囲は一段と小さくなっている。

このように、 CO2の溶解による海水密度の増加や、 COzと炭酸カルシウムとの中和反 応の評価方法により、 CO2の海洋での拡散範囲は大きく左右される。 また、 深海の海底 境界層中の流動や鉛直方向の拡散係数も、 CO2の拡散に大きな影響を与えている。

今後は、 COz-海水系、 COz -炭酸カルシ ウムの化学的な特性をより詳細に検討して モデル化するとともに、 深海底での流動や拡散についても、 より正確な評価を行うこと が重要である。

(m) 100

pH Change

Case-3 MIN. 5. 62E+00 MAX. 7. 8 1 E+00

pH Change (m)

100

O -2000 2000 4000 6000 8000 (m)

単位(pHl

Case-4 MIN 5. 89E+00 MAX. 7. 81E+00

(m) 100

pH Change

2000 4000 6000 8000 (m)

<記号一覧>

単位(pH)

図-2.5.5 計算された海水のpHの分布 (鉛直分布、 中心断面)

X、 y、 z

t

水平方向、 鉛直方向の座標 時間

水平方向、 鉛直方向の流速成分 圧力

U、 V、 w P

刈u・必4・ Fhu aHHZ

(7)

C1 Cヲ C3 T S

ρ。

p g

Ah、 Av Kh、 Kv QぃQ2、 Q3

α

Y d

k1 k 2 k 3

[H +J

S V

σ

炭酸(H ZCO:3)の濃度

カルシウムイオン(Ca Z+)の濃度 重炭酸イオン(HC03 -)の濃度

水温 塩分

海水の密度

二酸化炭素が溶存した海水の密度 重力加速度

渦動粘性係数の水平、 鉛直成分 渦動拡散係数の水平、 鉛直成分 中和反応による生成・ 消滅項

実験定数

溶解速度(mole/ cm 2 s) 7.94XI0-6

3.16X 10-8

6.31 X 10-1 1 水素イオン濃度

炭酸塩堆積物に接している面積 計算セルの体積

∞2濃度の拡散の分散値

2-6 全球規模の輸送・拡散現象の検討

COZを海洋中に貯留する方法として、 深海底に液体COzを貯留する方法お よび海洋中 層に希釈・拡散させる方法が検討されている。

深海底にCOzを貯留する場合の環境影響については、 CO2の拡散範囲は比較的狭い範 囲に限定されるが、 投入点近傍ではCOZの濃度が高くなるため環境への影響が懸念され ており、 2δで、∞2の輸送・拡散現象について数値モデルを用いて検討を行った。

一方、 COZを海洋中層に希釈・拡散する場合には、 COZの初期濃度は低下するので、

環境への影響は比較的小さいものと考えられる。しかしながら、 周囲環境への影響の他 に大気からの隔離期間を考慮しなければならない。適切な海域を選択しないと、 注入さ れたCO2はすぐに大気に還元してしまい、 貯留の効果が減殺されてしまうからであるo CO2の海洋貯留は、 CO2を数百年以上大気から隔離することを目的としているため、 適 切な投入海域の選択や、 その有効性を評価するためには、 COzの全球規模の拡散を予測 するモデルが必要である。

本研究は、 COzの長期間にわたる全球規模の拡散を予測するための基礎となる、 海洋 大循環モデルを開発することを目的としている(仲敷(1994))。

2・6-1

海洋大循環モデルの概要

全球の海洋循環を対象とした主なモデルとしては、 GFDLモデル(Bryan - Coxモデル、

例えば、 Pacanowski (1995))が現在多く使われている。GFDLモデルでは、 海面高度を 一定として、 海表面に蓋をする仮定(rigid - lid )を用いて、 速度の大きな外部重力波を

フィルターアウトすることにより、 積分時間ステップを長くとれるように工夫を図って いる。このため、 数百年から数千年という長期間の積分も行うことができ、 気候モデル 等に応用されている。

GFDLモデルは、 流れを水深方向の平均値である)11買圧モード(barotropic mode)と、 平 均値からの差である傾圧モード(baroclinicmode)に分離し、 その和として求めている。

このため、 陸地境界付近や海底地形が複雑に変化するよつな所では、 流れの非線形性が 大きくなり、 モード分離による誤差が生じる可能性がある。また、)I!真圧モードと傾圧モー ドの積分時間ステップが異なるため、 計算手法が複雑である。)11貢庄モードについては、

海面に蓋をしているため海表面での圧力を直接計算できず、 流れ関数(streamfunction) を用いて、 圧力項を消去して解いている。流れ関数はポアソン方程式となるため、 地形

条件が単純な場合には収束が速く計算時間も短いが、 計算点が多く複雑な地形や島があ る場合には収束が遅くなる。

本節では、 海洋中に投入されたCO2の輸送・拡散現象を予測するために、 新たに海洋

-46- AQ・ 円t'

(8)

latitude (northward

+ )

+

(upward

+)

循環モデルを開発する。 モデルの開発に際しては、 今後の計算機の発展等を考え以下の

2点を考慮した。

(a) 海洋中に投入されたCOつの輸送・拡散現象を考える場合には、 長期的な全球規模の 現象を予測すると同時に、 CO2濃度の高い投入点近傍の現象を予測する必要がある。

このためには、 可変長のメッシュを用いて投入点近傍のメッシュを細かくするか 、 ま たは、 投入点付近を細かい計算メッシュの領域にして、 計算領域を二重にしてネステイ ングする必要がある。 本モデルでは、 流れのモード分離を行わず、 基礎方程式を陽型 式の差分法を用いて解く。 このため、 可変長の計算メッシュやネステイングに 対して も柔軟に対応でき、 また、 複雑な陸地境界や海底地形にも対応できる。 しかしながら、

計算時間は、 GFDLタイプのモデルに比べ若干長くなる。

(b) 中層に投入されたCO2の輸送・拡散現象を考える場合には、 投入点近傍では季節変 化等の影響も考えられる。 本モデルは、 水温、 塩分、 海面高度や海上風による応力の 季節変動をモデルに反映しやすいように、 現在多く用いられているrigid-Iidの仮定は 用いず、 海表面を自由水面とする。 また、 リモートセンシング技術の発達に伴い、 全 球範囲の海洋での海面高度や風応力が測定できるようになりつつあることから、 これ らのデータの海洋モデルへ取り込みも容易となるようにモデルを作成する。

A

longitude (eぉtward+ )

図-2.6.1 球面座標系の定義 (仲敷(1994))

180本76*15

60' N

‘0' N

20' N

O'

(1 ) 基礎方程式

図・2.6.1に使用した球面座標系を示す。 基礎方程式の誘導にあたっては、 従来のモデ ルと同様に、 以下の仮定を用い た。

20・s

‘D・ s

Thin Shell Approximation Hydrostatic Approximation

Boussinesq Approximaüon

計算に用いた基礎方程式は、 以下の通りである (例えば、Cox (1984)、 Semtner (1974))。

60・ s

80・ S

30・ E: 60・ E 90・ E 120' E 150・ E 160・ 150・ W 120・ '/( gO・ W 60・W 30・w 0・ 30・E

(1) Horizontal Section (Surface)

180*76'依15

-質量保存式

1 dU

I

1 d

一一( v

cos

�)

+一一= 0

a

cos

� d入 a

cos

� d

(2.6.1 )

-運動量保存式

ト成分(経度方向、 東向き+)

許+L(u)-�vナP_ -

f

v 二 一土 l 2E

p 0 a cos

� d

À (2.6.2)

ðO・E 90' E 120・ E 150・ E 180' IS0' W 120・ 'iII 90・'iII 50・ W 30・ 'iII 0・ 30・ E

(2) Vertical Section (at 19. N section)

図・2.6.2 計算領域と計算メッシュ (仲敷(1994))

-48-

+

AH

[マ 2 u + �1 -

tan

2 ) u

2s川

+ Av

どと

� a 2 a 2

cos

2 併 d À}

- - v

dZ2

nHU A斗4

(9)

十成分(緯度方向、北向き + )

手工+L(v) + � 2 凶 L +

f u

d t

水温、塩分の保存式は、以下のように示される0

.ポテンシャル水温の保存式

一一 d8 + L(e) d

t

-ー 十 dS

L(

S

)

d

t

また、式(2.6.6)、(2.6.7)中の右辺第3項は、水温、塩分の計算値を観測値に同 化させるための項である。

海洋循環を計算する方法は、H予報モデルHと"診断モデルHの2通りの方法に大別され る。 予報モデルとは、海洋中に水温、塩分の初期値を与え、また海表面の水温、塩分、

風応力や熱ならびに塩分fluxを境界条件として与えて、式(2.6.1)..._(2.6.7)を非定常に解 く方法である。 この場合は、式(2.6.6)、(2.6.7)中の緩和常数はγ=0の場合に相当し、

海洋中の水温や塩分の値は計算されたものであり、 観測値との同化はない。 予報モデル は、 力学的には正確な解法ではあるが、 初期条件の与え方によっては、 収束するまでに 非常に長い時間を必要とする解法である。

これに対して、診断モデルでは計算時間を短くすることができる。診断モデルは、 海 洋中の全ての計算点で、水温、塩分の観測値を与えて、 与えられた密度場に見合うよう な流れを計算して求める方法である。算出された水温、塩分は、 式(2.6.6)、(2.6.7)中の 右辺第3項により観測値に同化される。 緩和常数yニ∞の場合は、 水温、塩分は完全に 観測値に固定された強固な診断モデル(robust diagnostic model)となる。診断モデルは、

1 1

ê) P

ρo

a

ê)併 (2.6.3)

+ AH

fV2 v

+

�1 -

tan

2 )v

2s

川 判 +

Av

三ェ

� a 2 a 2

cos

2

a Æ

J .

ê)

Z 2

-塩分の保存式

+ さC

向 ι 上 ル刊 市門一

町日一れ省一

=

成O

Z

(2.6.4)

、.. .._ ,-

1...- 1...- V'-、

A 経度方向(東向き + ) ( rad ) 緯度方向(北向き + ) ( rad ) 水深方向(上向き + ) (m) 時間 ( s )

経度方向の流速(Æ -成分、東向き + ) 緯度方向の流速(併-成分、北向き + ) 鉛直方向の流速(

Z

-成分、上向き + ) 圧力

@

S

@事

S

*

Y

(m / s) YO

(m / s) μ

(m / s)

KH

Kv

である。

Z

u

V

w

P

ρw ・ 海水の密度 ( kg / m - 3 )

H v f Q A A

g

コリオリのパラメータ(

=2Dsin併)

地球の自転速度 (二7.29 x 1 0 - 5 rad / s ) 水平方向の渦動粘性係数 (=lX105m2/s) 鉛直方向の渦動粘性係数 (=lX10-3m2/s)

重力加速度 (9.8 m/s2) 地球の半径 (=6.37X 106 m)

a

である。 また、式中の微分演算子は以下の通りである。

1 d r

\ 1

1 d

L(α)= 一一(uα ) + 一一

(

v cos �α)+一一{wα) cos �

d入 a

cos �

d

, 、 ー (2.6.5)

マ2 α 一

1

dL-

一一一ーa _1 __

_1_ (r.()�

ICOS (/) d,

-- �α }

I

a 2

cos

2

d入2 a 2

cos

d � て --

r d

� J

AHU Fhu

二 KH v 2 e+K v 三 - 1 十 Y ( e *一θ)

dZ 乙

(2.6.6)

〔\U* QU γ' +

Q) 一 2 2 一 Z

λu一「UV K + 円、Uつ山

V

H

K

(2.6.7)

ポテンシャjレ水温 ( OC ) 塩分 (psu)

ポテンシャル水温(観測値) ( OC ) 塩分(観測値) (psu)

緩和時間(=Y 0 I sin併|∞f)

= l /10(day-l )

水温、塩分の復元速度 (= 1 / 3 m / day ) 水平方向の渦動拡散係数 (=5XI03m2/s) 鉛直方向の渦動拡散係数 (=lXI0-3m2/s)

噌tAF「U

(10)

計算時聞が短く、 定常角平等を求めるのには適しているが、 全ての計算点で水温、 塩分の 観測値が必要であり、 また、 緩和項があるため水温、 塩分が、 完全には保存されていな い等の問題点もある。

本研究では、 年間平均の定常的な海洋循環の計算を行っており、 計算方法としては、

計算時間が短い診断モデルを用いた。 緩和時間は緯度の関数とし、 10は1/10(day-l) とした。

密度の計算方法としては、 以下の方法が考えられる。 海水の密度は、 直接的には「国 際海水状態方程式J (UNESCO (1980))から、 現場水温T、 塩分S、 圧力Pを与えて求め られる。

A(S,8) 二 a l+a2@+a3@2+a4@3 +S(a5+a6@+a7@2) +S3 / 2 as

B (S, 8) = b 1 + b 2 θ + b3@2 +S(b4+bsθ+ b 6 G 2)

p w - func. (T,S,P) (2.6.8)

k1 19710.08 k 2 138.7224 k 3 二 -1.490296

k 4 6.070755 x 10.3 k 5 = -2.895094 X 10・6

k 6 48.30427 k 7 0.1375978 k 8 = - 5.417062 x 10・3 しかしながら、 計算より求められる水温は、 ポテンシャル水温@である。 現場水温Tは

ポテンシャル水温@、塩分S、 圧力Pの関数(例えば、 Gill(1982), Appendix 3)となるが、

Tを求めるためには下記の3次方程式を解かねばならず、 煩雑である。

G (T,S,P)= T - P (3.6504 X 10・4+ 8.1398 x 10・5T・5.4063X 10.7 T 2 + 4.0274X 10.9 T 3) - P (S - 35) (1.7439X 10.5 - 2.9778X 10.7 T)

ーp2(8.9309X 10・7 _ 3.1628 X 10 ・8 T + 2.1987 X 10・10T 2) ω (2.6.9) + 4.1057 X 10.9 (S - 35) p2 - P\ー1.6056X 10.10 + 5.0484X 10 .12 T)

k 9 -・2.027233 X 10.5 k 10 = 0.9166949

k 11ニー4.043308 X 10.2 k 12 = 7.075453 X 10.4

a 1 - 3.375523 a 2 2.236820 X 10.2

、 Ishizaki(1994)は、 直接ポテンシャル水温@、 塩分S、 圧力Pから、 海水の密度を計

算する多項式を、 以下のように提案している。

-海水の状態方程式

a 3 = - 4.640559 X 10.4 a 4 = 5.776355 X 10・6 a 5 =・9.777687X 10.3 a 6 =ー1.535978 X 10.4 a 7 9.333798 X 10.7

a 8 1.960003 x 10.3

b} 2.015117 X 10.4 b 2 = - 1.079882 X 10.5 b J 3.237532 X 10・7 b 4 =・l.256429 x 10.6 b 5 = - 9.601687 X 10.9 b 6 = - 1.129524 x 10・9 ρ(S, e ,0)

ρ(S, e ,P)二 p K(S, e ,p)

(2.6.10)

� � t._.

」ー'- v、.、

K ( S G ,P) = K 0 ( S , 8 ) + A ( S , G ) + B (S , 8 ) P 2

K O(S, e) = k 1 + k 2 e + k 382 + k 4 e 3 + k 5 e 4 + S (k 6 + k 7 e + k 86)2 + k 96)3) +S3/2(k lo+k ll@+K 12@2)

である。 以上2通りの方法により海水の密度を計算し、 比較 ・検討を行ってみたが、j采

ワbFhd 円ベυFhu

(11)

u . 臥

�:つ

u .凪

L�_j

A

(1) 水平断面 (併寸断面)

海においても、 両者の密度差は小さく、 両者を用いて計算された流動にも差異はみられ なかった。 従って、 本モデルでは、 海水の密度の計算には、 計算 時間が短い式(2.6.10) を用いることとした。

海洋循環を計算する際には、 渦動粘性係数や渦動拡散係数の値を適切に設定すること が重要である。 従来、 多くの海洋モデルで用いられている値は、 ÄH : 10.3 ..._ 105

(m 2 / s)、 Av : 10-4 -.... 10- 2 (m 2 / s)、 KH : 103 --- 104 (m2 /s)、 Kv : 10-4 ---- 10- 2 (m2 /s)程度の値である。 例えば、 診断モデルを用いたF町io,et al. (1992)の計算で は、 ÄH= 8 X 104 (m 2 / s)、 Äv= 10- 2 (m 2 /s)、 KH=2X103 (m 2 /s )、 Ky

3 X 10-;:; (m2 / s)が用いられている。 また、 鉛直方向の渦動粘性係数や渦動拡散係数を、

鉛直密度勾配の関数にしたり、 乱流モデルを用いて評価した計算例等もある。

本計算では、計算の安定性等も考慮して、渦動粘性係数および渦動拡散係数は、 最も 単純に全海域一定として以下の値を用いた。

u

�:�

u

L<>_j +

z

AH =lXl0s (m2/s)

Av =lXI0-2(m2/s)

KH =5X 103 (m2/s)

K\, =jXl0-3 (m2/s )

A

渦動粘性係数や渦動拡散係数は、 流れの計算結果に対して大きな影響を与える重要な量 であり、 特に鉛直方向の渦動粘性係数や渦動拡散係数の設定については細心の注意が要

求されており、 今後さらに検討が必要である。

また、 診断モデルの特徴である水温、 塩分の保存式における緩和項についてはF吋io,

et aJ. (1992)の計算では、Y0二1/ 100 (day - 1 )が用いられている。水温、 塩分の保存式

中の各項のオーダーを比較すると、 拡散項と緩和項がほぼ釣り合っており、 水温、 塩分 の 分布は、 γ Oの 値に大きく依存している ことがわかる。 このため、 本計算では、Y 0の 値として従来用いられている値よりlオーダ一大きいYo二l / 10(day-i)を用いた。

y 。に 関しでも、 今後さらに検討が必要 である。

ーー噌陶酔

(2) 鉛直断面 ( z -λ断面)

図-2.6.3 計算格子で、の各物理量の定義点 (イ中敷(1994))

(2) 計算領域と計算メッシュ系

図-2.6.2に、 本モデルの計算領域と計算メッシュを示す。計算領域は、 北極海を除く 全球を対象とした。 北極海は比較的閉じたj尉或であり、 また、海氷等の問題もあるため、

今回の計算範囲からは除外した。水平方向の計算メッシュは、 経線方向、 緯線方向とも にど間隔とし、 鉛直方向には、海表面で、50m、海底面で、500mの不等間隔メッシュ(最

大16層)を用いた。 また、 本モデルは、海面を自由水面としているため、 時間ステップ ムtは、 外部重力波の伝搬速度によって規定される。 本計算では、 ムt= 1 minとして計

-54- Fhυ 「「U

(12)

算 を行った。

図・2.6.3に、 計算セル内での各変数の定義点を示す 。 GFDLモデルでは、流れの}II貢圧成 分の計算に流れ関数を用いているため、流速(u、v)の定義点と、圧力(p)、ポテン

シャル水温(8)、塩分(s)の定義点が交互に位置する" B-グリッド" を用いている。

本モデルでは、計算の安定性等を考慮して、流速の各成分(u、v、w)は各断面の中 心で、圧力(p)、 ポテンシャル水温(8)、 塩分(s)は計算セルの中心で定義する、

C-グリッド" を用いた。

本モデルでは、 計算スキームとして時間項に前進差分、移流項にドナー ・セル差分、

拡散項に中央差分を用いて計算を行った。 なお、本モデルでは計算メッシュ系として、"

c-グリッド' を用いているため、コントロール ・ボリューム法等の適用も容易である。

τ A

+

Pay

u

J(

U2+V2

)

P a y

;

v

イ(

U2+V2

)

経度方向の海上風応力

緯度方向の海上風応力

空気の密度

= 0.8 --- 2.6X 10-3 (αn3 / g)

経度方向の海上風速い一成分、東向き+) 緯度方向の海上風速(併一成分、 北向き+)

(2.6.14)

T A

τ+

P a y s 2

U V

(3) 境界条件

である。

-海表面 (z =η)

<流速条件>

海表面は自由水面として、Neumann条件を用いた。

<ポテンシャル水温、塩分>

本モデルでは、 診断モデルを用いているため、 海表面 での熱や塩分のフラックスを用 いずに、水温、塩分が観測値に同化す るよう以下の ように設定した。

a2

U

a

z 2

(2.6.11 )

K "

�e

Va z k a VaZ一

s

μ(θ;一8) μ(s�-s)

(2.6.15)

= 0

= 0

く海面高度>

海面高度の計算には次式を用いた。 水表面の計算セルをコントロール ・ボリュームと して、 各セル内で質量が保存されるように、水面 高度ヮを求めた。

"i!L

_ _ 1 11

ar; 上\T �↓ w

d t a cos

d À a d

f-1 水温、 塩分の復元速度 (ニ3 m / day )

である。

(2.6.12)

<応力>

海表面 での応力としては、海上風による応力 を用いた。

d U

poAv d Z τ A d V

ρ。Av d Z τ

-海底面

海底面はfree - slipとし、海底面からの熱や塩分の供給はないものとした。

<流速>

(2.6.13)

d U d Z d V d Z

明J

(2.6.16)

円hUFhu

-57-

(13)

60' N

40' N

20・ N

2ú' S

.10・ s

60' S

60・ N

40' N

20' N

20・ s

40' S

60' S

DEPTH

WIND STRESS

3000 ‘。00 �OO0 単位1m)

l. .: :lIlíIIIIIIIW_

90' W 60' W 30' W 30' E

図-2.6.4 計算に用いた地形 (ETOP05,NOAA)

� . . . . . � . . .・.・.・. .・.

・・

-

・ ...

・・4・・・・・・・. ・ .・.・. ..-...ー ー

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e

..

..・:・・.... ー,

sL

Hyn/

O' J O' E

図-2.6.5 計算に用いた年間平均の海上風(Hellerman and Rosenstein,1983)

-58-

60' N

4 O' N

20・ N

O'

20' S

40・ s

60' S

60' N

40' N

20' N

O'

20' S

4 O' S

50' S

TEMPERATURE L・v I t u. C 19ð 2)

TEMPERATURE L・vltus (1982)

150・ w 冒0・ W 60・ W 30・w O'

年間平均ポテンシャル水温の分布 (水深25m) (Levitus(1982))

MIN.

180' 150・ W 120・ "91 QO・ W 60・ W 30・ w

年間平均塩分の分布 (水深25m) (Levitus(1982))

図-2.6.6 計算に用いたポテンシャル水温と塩分の分布

-59-

3 O' E

30' E

(14)

((寸怠{)一番門芋)

時叩惜抹+仰(も眼附師事件山崎一(【)ト.。.Nl図(砲店駅FgmNW町一耗)

に.)

---、

ωl幽

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-;3 o 1M

N 【 ε

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同 -O円

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ムベ〆 .0的

00

ω

0心~p・0φ

起廷、-ニふて

」。凶

( 回〉〈Q)門 . OA HOZ【内向EDQ 日O+凶 .H H 〉〈 σo+同 . 円HE〈 同問。 民OトU同〉 注OJr同

(4) 計算条件

本モデルでは、 海洋循環を計算するために診断モデルを用いているため、 境界条件と して海上風のデータが必要となるほか、 計算値を同化させるために、 海洋中の水温、 塩

分の観測値が必要である。 本計算では、 海洋循環の計算は、 一年間の平 均的な流れを対 象として計算を行った。 計算に用いた年間平均の海上風、 水温、 塩分のデータセットは 、 以下の通りである。

n

である。

(2.6.17)

(2.6.18)

(2.6.19) -側面

側面は、 non- slipとし、 側面からの熱や塩分の供給はないものとしたO

<流速>

側面に直角方向の座標

<ポテンシャル水温、 塩分>

<ポテンシャル水温、 塩分>

ハUハunU

k aθ

Va z

K"as

Va z

u v w

@一nS一n「HU一「HU「AU一「叶U

H

H K K

、� 、� ,­

'--- '--- V�、

0門 .0∞

oc

Oマ

ON

Cコ

z .0N 7H

oq z

-地形

図-2.6.4に、 計算に用いた地形を示す。 使用したデータは、 ETOP05 (NOAA)を用いた。

このデータセットには、 全球を緯度、 経度5' 間隔のメッシュで分割した地点での標高

nhu

-60一

(15)

((寸DE))町駅「芝、)w町叩噌株お(も眼凶師事制定患(円)ト.U.N,図(哩門紙

rgccmwmヤリ育)

悩銭)(臨す

、EOOのムヘムhMld《附ぽ叶4N

.0門

3

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ω

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日O+同.【H〉〈O+同.HHヱ〈ぽOトυ同〉

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((寸ひか{)巌芝)(哩刊紙峰山事紙お(も眼凶師事社史(N)ト。-N1図

FECC【wmヤゾ(K)

(随∞

州問販)」ヘムれて凶府民N町長ε004

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3 .0門

- Oω

- oα

-ONA

3 .0の日O∞日

日目

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日目

ONA

ω

00

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w - 0門

O∞

O守

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z -ON z

0ぜ z

(同〉〈Q)門 .OA EOZ【仏芝DQ

叶O+同.HH〉〈OO+同.【HZ〈民Oトυ同〉

『円。

注OJ』

」 2

-62- -63-

(16)

((寸55一)〕罰百一芋)(随∞鎌

rECCCNW時ヤゾ守)

蝋柏崎駄お(も瞭師事社慰

(的)ト.甲.NB図

(幽∞

‘己OOONMm銭)

ムヘムれて矧ぽ川町長

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ω

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0門 .0∞

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O守 ω

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.ON 2

.0守

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起靖、-ヘムわて

(凹〉〈Q)門 -O司 自OZ[仏芝コ凸

HO+同.HH〉〈O+同.円uZ〈

【円。

注OJ』

国Oトυ同〉

u、

S E

総長)州欧相暗紙おハも僻凶師事ω定感

(寸)ト.甲.q図

((寸ひかこ議【芋)(距甲山紘

」。

‘EOOH【脳出悼)

ムヘムれて剤短時五N

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日目 .0N」{

(晦ω

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3 .oc

O円

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z

0N z

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組制省、-二れて

(凶〉〈Q}門 .0司 EOZ【仏玄コQ

-O.HH〉〈O+同.HHE〈ぽOトυ同〉

司円。

注OJ』

Fhd phv

-64-

(17)

FLOW VECTOR

031

L …

AH=1. E+09 AV=l. E+Ol

DUMPING圃 10. 3 (DAYS) ベクトル単位

60' N

40' N

20' N

I 0・

(J) (J)

20' S

4 O' S

60' S

80' S

3 0' E 1 2 O' E 1 5 O' E 1 8 O' 30' W 3 O' E

水平流速ベクトル

150: W 1 2 O' W 90・ w

(深度3000m. 第1 0層)

60' W O'

6 O' E 90' E

図-2.6.7(6) 海洋循環の計算結果 (水深3000m、 第10層) (仲

FLOW VECTOR

031

AH=l. E+09 AV=l. E+Ol

DUMPING・ 10. 3 (DAYS)

し …

ベクトル単位

60' N

40' N

20' N

0'>

-J

O'

20' S

4 O' S

60' S

80' S

3 O' E 60' E 90' E 120' E 15 O' E 180' i 50' W 120' W 90' W 60' W 3cr w O' 2 O' E

水平流速ベクトル (深度4000m. 第1 2層)

図・2.6.7(7) 海洋循環の計算結果 (水深4000m、 第12層) (刊]敷(1994))

(18)

のメッシュで平均

図・2.6.5に、 計算に用いた海上風による風応力を示す。海上風のデータとしては、

Hellerman and Rosenstein (1983) による海上風の風応力のデータを用いた。このデータセッ 間隔の海上風による風応力が記録され ている。

または水深が記録されている。 このデータに基づき、 緯度、 経度2。

して各計算点での水深を求めた。

-海上風

トには、 緯度、 経度2。

Jkg 同・0門

Cコ

-水温、 塩分

図・2.6.6に、 計算に用いた年間平均のポテンシャル水温、 塩分のデータを示す。水温、

塩分のデータは、 Climatological Atlas ofthe World Ocean (Levitus (1983))を用いた。 この データセットには、 緯度、 経度(間隔で水温、 塩分等の年間平均の観測値が記録され

計算結果とその考察 .海洋循環の計算

計算を安定させるため、 まず海洋中の水温、 塩分を観測値に固定し、 渦動粘性係数の {直を、 AH二1X 107 (m 2 / s)、 Av=lXIO-2(m2/s)とし、 時間ステップを、 ムt= 1

(min)として計算を行った。全球の流動や海表面の変動は、 約23,000ステップで定常 状態に収束した。この時のCPU時間は、S3800計算機(HITACH、 演算速度は、 約8 GFLOPS程度)でベクトル計算を行った場合で、 約3時間で あったO この計算結果には、

水温や塩分の観測誤差等が含まれており、 計算された流動は、 特に赤道域でかなり不自 然な流れ となった。したがって、 この流動場を初期値にして、 渦動粘性係数の値をAH

= 1 X 105 (m 2 / s)、 Av二1 X 10-2 (m2/s)とし、 さらに緩和計算を行った。流動や海 表面の変動は、 約15,000ステップで定常状態に収束した。この時のCPU時間は約3時間

であった。計算時間は、 GFDLタイプのモデルに比べて長くなるが、 非現実的な程長い 計算時間でないことがわかる。図・2.6.7(1)'"'-(8) に、 本モデルを用いて得られた流動の計 算結果を示す。

ている。

2-6・2 ((守色合)UE正午、)

(盟三肺結FECcswm三円)耐町佃惜紙←仰(も眠凶畑町ヤ粧品斑

(∞)ト.甲.q図

~p .0門

‘500の守悩配給) (随門叶拡

3

om

ONH

・0的日

00

、、てムれて同一医局件以内

O∞H

0凶日

ONH

00

点制羽u

〔町〉〈Q)門 ・OA EOZ【bADQ

40+同.HH〉〈印O+同.HH工〈

-表層循環と深層循環

図-2.6.8に、 世界の海洋の表層海流を示す(The Open University (1981))。計算された 海洋表層の流動(図-2.6.7(1)、(2))は、 黒潮や湾流等の西岸境界流をよく再現しており、

海流の全体的なパターンと定性的に良く一致している。また、 計算された黒潮の流量は、

42Sv(lSv=106d/S )であった。実際の黒潮の流量は、 季節変動等もあるが、 30 '"'- 70

同・

0

ω

0内 ω

0∞

ω・odv 的・oω 的・ON

・0

2 N

Oマ z

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吋向。民Oトυ同〉区OJ』

nud nhU

-68-

(19)

90・W 匝7'w

\40・N L」30・N

‘!20"唱 I!>O・w

図-2.6.10 太平洋赤道域におけるLCPWの概略(水深4000m) (Jhonson et al. (1993)) 図-2.6.8 世界の海洋の表層流 (The Open University (1989))

10

20

30

品。

図-2.6.11 南インド洋出のAAIWの概略 (Fine (1993)) 図-2.6.9 Stonnnnelによる深層循環のパターン (The Open University (1989))

-70- 円i 噌』ム

(20)

凶例日刊Df

句1.0.-,帽田園叫回同øfWOClALACls陪町1000田liepthinlhe P凶fic.1ec制e叩剖s副首9'剖句,陶・町側咋peH句res倒 制軒珊t ,,1何tyRÞ珂L陥町@削mぬが剖聞帽ts Oyt! 500伽p;t馳arrows(lor faster CIIrT伺tslare 向以emuts oy町125伽ys.陥g 均酪蜘wおJIIoy醜曲川市lessthaa 1ω向『眠時I-y同情tly向1・yed).恥帽脚374Iloøt-years 01耐叩this[故防tion.

図-2.6.12 観測された太平洋中層の循環(水深l∞伽1) (Davis (1995))

2. 51 5.

FLOW VECl'OR AH=1. E+09 AV=l. E+O 1 ττ~τττnv' s) 031 4. 2YEARS DUMPlNG=lO. 3 (DAYSl

ベクトル単位 50' N

45' N 40' N 35' N 30' N 25' N 20' N 15' N 10' N 5' N

図-2.6.13 流速場の計算結果と観測値の比較 (水深4000rn) (イ中敷(1994))

Sv程度と考え られており、 計算値は妥当なものと考えられる。

本モデルの特徴のーっとして、 複雑な地形にも対応できるということがある。試みと して、本計算では地中海及び日本海を含めて計算を行っ た。ジブラルタル海峡では、 表 層で大西洋から海水が流入し、 底層では逆に大西洋に流出しており、 流れのパターンは 定性的に一致している。しかしながら、 大西洋の中層の 流動については、地中海を含め た計算と含めなかった計算の間にほとんど差異は認められず、 地中海より流出する高密 度水の影響は現れなかった。 日本海では、 流れは対馬海峡で流入し、 宗谷海峡より流出 しており、 流れのパターンは定性的には一致している。

図-2.6.9に、 Stommelによる深層水の循環のパターン を示す(The Open University (1981))。本モデルにより計算された 深層水の循環は、 大西洋では中層水が西岸沿いに 南極環海流に流れ込み(図-2.6.7(5)、(6))、 太平洋では南極環海流から底層水が西岸を 北上しており(図-2.6.7(7)、(8))Stommelの深層循環パターン と定性的に良く一致して いる。

-太平洋赤道域の深層および底層の流動

図-2.6.10に、太平洋赤道近傍域での深層および底層におけるLCPR(Lower Circum- poler Water)の流動の概略(Johnson and Toole (1993))を示す。流動は、赤道域での水温、

塩分、 溶存酸素等の分布より推定されたものである。本モデルにより計算された底層流 は、赤道域では西向きの流れ、 西岸境界域では北向きの流れとなっており(図-2.6.7(8))、

Johnson et al. のパターン と同様の傾向を示している。

- インド、洋の中層水の流動

図-2.6.11に、南インド洋におけるAAIW(Antarctic Intermediate Water)の流動の概略(

Fine (1993))を示す。流動は、 CFC(Chlorof1uorocarbon)および水温、塩分、溶存酸素 等の分布より推定されたものである。計算された流動(図-2.6.7(4)、(5))とFine のパター

ンはあまり一致していない。インド洋は、モンスーンの卓越した海域であり、 季節よっ てかなり風向きが違うことが知られているが、 モデルでは年間平均の海上風、 水温、 塩 分を用いているため、 両者の一致が得られなかったものと思われる。

-太平洋中層での流動の比較

次に、 本モデルによ る計算結果と太平洋中層での観測結果の比較・検討を行う。太平 洋の中層水の流動については、 WOCE(World Ocean Circulation Experiment)により観測 されている。 図-2.6.12に中層フロートを用いて観測した流動(Davis (1995))を示す。図

中のベクトルは、 水深約1000rnに投入された中立浮力フロートALACE (Autonomous Lagrangian Circulation Explorer)の動きを、 ラグランジェ的に追跡して求めたものである。

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参照

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