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「長崎市域 における太陽光発電装置の利用実態調査」

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(1)

BulletinofFacultyofEducatioll,NagasakiUniversity:Curriculum andTeachingNo.44(2005)5766

エネル ギー環 境教 育 と して の

「 長崎市域 における太陽光発電装置の利用実態調査」

富 山 哲之*・矢ケ部和洋**

(平成16年10月31日受理)

UtilizationFacトFindingofthePhotovoltaics PowerGenerationSystem intheNagasakiCityLimits

asanEnergyEnvironmental Education

NoriyukiTOMIYAMA*・KazuhiroYAKABE*

(ReceivedOctober31,2004)

1. は じめに

現代 の ク リー ンな新 エネルギー源 と して地熱,太陽光,風力,及 び海洋 エネルギー等が 注 目されている 近年,我が国では, 自然 エネルギーの活用等,新 エネルギー開発推進計 画を策定,実施 している。中で も太陽光発電 は我 々が身近 に関われる存在 にな りつつある

我が国で太陽光発電装置の開発が活発化 したのは,1974年 にサ ンシャイ ン計画がスター ト してか らである。1985年 を境 に して太陽光発電装置の高効率 ・低 コス ト化技術が急速 に進 展 した。 当時,本県五島において も我が国第 1号 の太陽光発電実証 プ ラン ト (海水 ・鹸水 淡水化装置)が設置 された。現在,太陽光発電 システムの大量の実用化 ・普及が促進 され, 市場形成 に向か いっつある 一方,風力 ェネルギーの活用 も盛んにな りつつある。企業で

は風力発電装置の開発,導入 を一層積極的に推進 している これ ら太陽光発電装置や風力 発電装置 は年 々増加 して設置 されっっあ り,太陽光 ・風力補完型発電方式への取 り組み も 見 られ る 何れにせよ未来の代替 エネルギーの有力候補である 現段階で新 エネルギーは エネルギー問題 の支配的要因で はない し,近 い将来 に主要 なエネルギーに取 って代わ るほ どの供給能力 に成長す るとは考えに くいが,新 エネルギーによる発電 システムの コス ト低 減 に向 けた技術開発が着実 に展開 されている。

学校教育 において,1998年 (平成10年)の新学習指導要領告示後,理科教科書で も環境 学習関連 の内容が大幅 に拡充 された。前述 したよ うに未利用 な地域資源 を活用す るために はまず第‑ に地域 の実態 を良 く知 ることであろう。 そ こに環境教育の果 たす役割があるよ うに思 われ る 環境教育 の実践上 の着眼点1)と して, エネルギーの消費者がで きる行動 と して人間の生活 スタイルや産業構造 を省 エネルギー ・リサイクル型 に変革 して行 く中でエ ネルギー問題を理解 させ ること,更 に身近 な生活の中か ら教材を構成 して問題意識を高め,

♯長崎大学教育学部理科 日 長崎県立佐世保商業高等学校

(2)

実践的態度 を養 うこと,等が指摘 されている

本稿で は,主題 の太陽光発電 に関わ り新 しい学習指導要領 の下 で編纂 された現行 の理科 教科書 に示 され る太陽光発電関係 の教材 ・内容等 を レビューす る。 また,環境教育 に資す るため,身近 なエネルギー環境調査 と して,長崎市域 における太陽光発電装置の設置状況 の調査及 び設置者 に対 す るア ンケー ト調査 を行 った ことにつ いて述べ る。

2.小学校, 中学校及 び高等学校 「理科にお ける太陽光発電装置 (以下,太陽電池 と称 する)関係事項 の扱 い

高等学校 にお ける主題 の太陽電池関係 の教材 ・内容等 について は後述す ると して, まず, 小学校か ら中学校 に亘 る学年 を通覧 して,太陽電池関係 の内容 を示す ことにす る

2・1 小学校 「理科」 にお ける "太陽電池''学習

小学校 にお ける学習 内容 ない し活動 は,主題関係 の ものは

「 B

物質 とエネルギー」 で 扱 われ,

「 A」

ない し

「C」

区分 で は扱 われ ない。小学校 ・第

4

学年 で初 めて太陽電池 関 係 の内容 が登場 してお り,小学校3年,5年,6年 の理科教科書 において は, これ らの内 容 は登場 しない。関連す る内容 と しての電気 ・電流 は,第3学年以上 で継続 して取 り扱 わ れてお り,磁石 または磁気 の基本 を電流 との関連 において捉 えよ うとす る思想 ・態度が貫 かれている

第4学年 で は,電池 の中には太陽の光 で電気 を起 こす もの もあ ることが示 されている0 太陽電池 を用 いて模型用小型 モー ターを回 した り,太陽電池 と模型 モーターを用 いて ソー ラーカー製作 の もの作 り活動 が取 り入れ られている。太陽電池 を用 いて色 々な現象 を調べ ることによ って, その性質,働 きを理解 させ,更 にそ こに見 られ る変化 の決 ま りを確認 さ せ, またその ことに興味を持 たせ よ うとす るのであ る

調査 した5社 の小学校理科教科書2)小学校4年用 に記述 され た内容 や具体物 は次 の通 り であ る

「光 を当て ると電気 が起 こる電池 を光電池 といいます

」, 「日光 の当た り方 によ って回 路 を流れ る電流 の強 さが変 わ り, モー ターの回 る速 さ も違 います

」, 「光電池 にモー ター などをっないで, 日光 を当ててみよ う」,「光電池 は写真 の例 のよ うにいろいろな ところで 使 われている」,「光電池 は当た る光 の強 さによ って,流 れ る電流 の強 さは変 わ り, はた ら

さの大 きさが変 わ る」,「光電池 は光 を電気 に換 え る電池です。光電池 に光が当た って いる 問 はいっで も電流 が流 れ るよ うにな って います

」, 「身 の回 りで乾電池 や光電池 が どん な ところに使 われているか探 してみ よ う」,「太陽の光 をェネルギーと して生 かす光電池 は地 球 に優 しい電池 と して期待 されて います。」,等 の記述 が見 られ る。「光電池」, 「ソー ラー カー」,「お もち ゃの メ リー ゴー ラ ン ド」, 「計算機」, 「宇宙 ステー シ ョン」, 「道路標識」,

「水 を きれ いにす る装置」,「無人 島の灯台」,「街灯」, 「人工衛星」,「バ ス停」,「ス トップ ウォ ッチ」, 「プ ロペ ラを回す実験装置」,等 の具体物 が示 されて いる

このよ うに,小学校理科教科書 での太陽電池 の呼称 は 「光電池」 と して統一 されて いる ことが分か る また,身 の回 りで 目に付 く太陽電池 を使用 した具体物 が全ての教科書 に示 されている 小学校段階で は, エネルギーに関 して感覚 に訴 え る初歩 的な ことを学習す る のであ り, エネルギーとい う用語 や定義 その ものは抽象性が高 いので多 くの理科教科書 の

(3)

富山哲之 ・矢ケ部和洋 :エネルギー環境教育としての「長崎市域における太陽光発電装置の利用実態調査」 59

中で は使用 していない。

2・2 中学校 「理科」 にお ける "太陽電池"学習

中学校理科 の教科書 における太陽電池 の取 り扱 いをまとめ ると次 のよ うであ る 調査 し た4社 の中学校理科教科書3)の第 1分野 (上), と第2分野 (上), (下) の教科書 に於 いて は,太 陽電池関係 の内容 は登場 しないが,第 1分野 (下) 「科学技術 と人間」 の中単元 に 次 のよ うな記述 が見 られ る

「光電池 (太陽電池) を使 って,太陽の光 エネルギーを利用す る発電方法で,電卓 など に利用 されて いる

」, 「現在, ク リー ンなエネルギー資源 と して,太陽光,風力,波力, 地熱,燃料電池等 の利用 ・・・ (中略) ・・・いずれ も小規模 な発電 に とどま ってお り, 今後 の開発 が期待 されてい る

」, 「太陽光発電 は,太陽 の光 エネルギーを太陽電池 によ っ て電気 エネルギーに変 え る ・・・ (中略) ・・・天候 や昼夜 によ って発電量 が左右 され ることが短所 で あ る

」, 「いま降 りそそ ぐ太陽 の光 と熱,地球 の運動 な どが生 み出す ェネ ルギーは, ・・・ (中略) ・・・再生可能 エネルギーには,太陽熱,太陽光,風力,水力, 地熱, バ イオマスな どが あ る

」, 「再生可能 エネルギーの利用 は,水力発電 を除 けばまだ 大規模 には行われていない ・・

」,等 の記述が見 られ る。「太陽光発電パ ネル」

,

「ソーラー 時計」

,

「電卓」,等 の具体物が示 されて いる

このよ うに,第 1分野 の 「科学技術 と人間」 で は, エネルギーの確保,環境保全, エネ ルギー資源 の特性, エネルギーの利用 につ いての記述 があ り,多面 的 ・総合的 に学習す る 場 と しての位置付 けが されてい る。 これ は第2分野 の 「自然 と人間」 との組 み合 わせで ど

ち らかを選択す ることがで きる

実際の現場 にお ける学習活動 で は,太陽電池 に対す る, かな りなアプ ローチがなされ る べ きであろ う 理科 にお ける環境教育 と して,身の回 りで太陽光発電 の利用実態 を調べ た

り,施設見学, イ ンターネ ッ トを駆使 した新 エネルギーの調べ学習,等が挙 げ られ る

第 1分野 (下) 「運動 の規則性」 の中単元 で も, エネルギー変換 ・保存 と関連 させて学 習 させ るために光電池 を活用 した教材 の開発が必要 であ る

小学校段階で使 われてい る光電池 の名称 は, 中学校段階で太陽電池 または太陽光発電 の 名称 が多 く登場 している 電池 の定義か らすれば太陽 (光)電池 とい う呼称 は相応 しくな いよ うに思 われ るが今 日で は物理電池 と して分類 されて広 く普及 して いる

2・3 高等学校 「理科」 にお ける "太陽電池"学習

高等学校理科 における太陽電池 の取 り扱 いをまとめ ると次 のよ うであ る 調査 した7社 の高等学校理科教科書4)の物理,化学,理科基礎,理科総合 のそれぞれの教科書 に太陽電 池 に関す る内容 が登場 して いる

太陽電池 に関す る記述 は

,

「物理

IB」

の教科書 で は見 られないが,「物理

Ⅱ」

で は次 の よ うな記述 が見 られ る

「pn接合 を利用 して,発光 ダイオー ドとは逆 に,光 エネルギー を電気 エネルギーに変換す ることができる。 pn接合 に光が当たると, ・・・ (中略) ・・・

n型 とp型 の間 に起電力 (電位差)が生ず る ・・・こうして光電池 (太陽電池)がで き る ・・

」,絵 図 と して 「フォ トダイオー ドの図」,「p型半導体 の模式図」,「太陽電池 の仕組 み」

,

「ホール移動 の様子」,等 が示 されている

(4)

化学 の教科書で は電池材料精製 の化学反応 の視点 での記述が見 られ る。「化学IB」の 教科書で は,「太陽電池 にはケイ素 の半導体が用 い られている 太陽電池 は酸化還元反応 を利用す る化学電池 で はな く,光 エネルギーを電気 エネルギーに変換す る物理電池 であ る。」,具体物 と して,「太陽光発電装置」,「電気 自動車」が挙 げ られ る。化学ⅡB」では,

「現在 の電子工業 を支えているのは, シ リコン (ケイ素) である シ リコンは,半導体電 子材料 と して非常 に重要であるだ けでな く,太陽電池の材料 と して も使われ る ・・」, 等 の記述が見 られ る

「理科総合A」の各社 の教科書 で はそれぞれ環境 に関わ る記述が見 られ る。「太陽光発 電 は太陽電池 による発電 である 発電効率 は素材 によって異 なる ・・・ (中略) ・・・こ れか らの課題 としてはコス トが高 いこと,エネルギー供給効果が小 さいことがあげ られ る。」 ,具体物 と して,「太陽電池 (ソー ラーパ ネル)」,「ソー ラーカー」,「太陽光発電住宅」,

「太陽発電 の仕組みについての図」,「街灯 などに設置 されている太陽電池 (ソーラーパ ネ ル)」が挙 げ られ る。「理科総合B」で は1社 のみ,「太陽 エネルギーの測定」 を課題研究 のテーマに取 り上 げている。「理科基礎」 では,「太陽光発電 は半導体 によ って光のエネル ギーを電気 エネルギーに変換す る方法で発電す る 大気汚染 も騒音 もないとい う点が長所 である ・・」,「瓦一体型太陽電池」,等の記述が見 られ る

以上のよ うに,太陽電池 に関す る教材 ・内容 は前回 ・1989年 (平成元年)の学習指導要 領の改定時に小学校4年の理科教科書 に初 めて登場 している。1998年 (平成10年) の学習 指導要領 の改定 によ り小 ・中学校 は2002年度 ・高等学校 は2003年度か ら完全実施 された教 育課程 において,小 ・中 ・高校 の理科教科書 に太陽電池 に関す る教材 ・内容が大幅 に取 り 扱われている。中学校 のエネルギー学習では, エネルギーにはいろいろな姿があ りそれ ら が相互 に変換す ること,及 びエネルギーが保存 され ることを到達 目標 に している。後者 に ついては,熱 に関す る事項,仕事 と仕事率 に関す る事項が高校の理科教科 目へ移行 したた めにエネルギー保存 に関す る指導が難 しくな ったとも言える 高校では,学習者の多 くは, 高校3年間の理科 の履修科 目が2科 目程度であ り,然 も全高校平均の物理 の履修率が15%

以下 に低下 していることを考慮すれば, エネルギーについて系統的に学習 を深 める機会 は 少 ないよ うに思われ る

3.太陽光発電装置の設置状況調査

3 ・ 1

調査方法

九州電力 (樵)長崎営業所か ら提供 された資料 ・長崎市 おける太陽光発電系統連系町別 一覧表 (2003年11月18日時点 の実績) に基づいて分析 した。 これは太陽光発電装置を九州 電力 (樵)の配電網 に系統連系 した連系型 システムの資料であ り,一般住宅や公共施設 ・ 事業所等 に設置 された ものが対象である 電卓や道路標示,浮標等 に使用 されている小型 の太陽電池 のよ うに独立型 システムの発電 出力 は当該資料 には含 まれない。

3・2 調査結果 と考察

長崎市 は414町 (丁)か ら成 りこの内の236町 (丁) には太陽光発電装置 は設置 されてい ない。少 な くとも最低 1台以上 の太陽光発電装置が設置 されている地区 は178町である

(5)

富山哲之 ・矢ケ部和洋 :エネルギー環境教育としての「長崎市域における太陽光発電装置の利用実態調査」 61

全市域 の設置件数 は

5 0 8

件,総発電 出力 は

1 9 1 6 . 7 2 kW

で あ る これ よ り

1

施設 当た り平均 の発電 出力約

3 . 8 kW

の太陽光 発電 システムが稼働 して いることが分か る

前述 の九州電力 (秩) の資料

( 2 0 0 3

年) にあ る太陽光発電装置の発電 出力 を編集 して地 区 累 計 出 力 別 の 分 布 を表

1

に示 す 発 電 出力 の合 計 が

1 0 kW

未 満 の地 区 は

1 1 8

町 ,

1 0 kW〜2 0 kW

未満 は

3 8

町,

2 0 kW〜3 0 kW

未満 は

1

1町

,3 0 kW

以上

1

1町であ る。 この中で 最 多 の

1 0 kW

未満 の地 区数 につ いて,

5kW

未満 の地 区 は

7 5

町,

5kW〜1 0 kW

未満 の地 区 は

4 3

町 とな る。 これ ら

1 0 kW

未満 の地 区が全体 の地区数 の

6 6 %

を占めてお り,然 も総発 電 出力 の

3 1 %

を 占めている。発電 出力が多 い順 に示 したのが表

2

であ る。最 も設置件数 と 発電 出力 の多 いの は東 町で

4 8

件, 発電 出力

1 5 7 . 3 kW

, この地 区で総発電 出力 の約

8 . 2 %

を 占めて い る 次 いで小江原 町

1 9

件,

7 1 kW

, さ くらの里

1

丁 目

1 9

件,

6 5 . 5 kW

と続 いて い

1 太 陽光発電装 置の地 区累計 出力別設置状況

発電 出力区分 地区数 件 数 発電 出力

( kW)

割合 (%)

1kW〜1 0 kW 1 1 8 1 5 8 5 9 4 . 7 6 3 1 . 0 3 1 0 kW〜2 0 kW 3 8 1 3 8 4 9 4 . 8 8 2 5 1 . 8 2 2 0 kW〜3 0 kW l l 5 6 2 5 0 . 8 0 1 3 . 0 8

2 太陽光発電 出力上位 目地 区 と設 置件数

順 位 地 区 (町) 名 件 数 発電 出力

( kW)

(手 長 崎市東町

4 8 1 5 7 . 3

② 長崎市中江原町

1 9 7 1 . 0

③ 長 崎市 さ くらの里

1

丁 目

1 9 6 5 . 5

④ 長崎市三京町

1 3 4 3 . 2 8

⑤ 長崎市毛井首 町

1 0 4 0 . 1

⑥ 長崎市畝刈町

9 3 6 . 5

⑦ 長崎市川平 町

1 0 3 6 . 0

⑧ 長崎市福 田本 町

9 3 3 . 5

⑨ 長崎市 田中町

9 3 3 . 1

⑬ 長崎市中瀬戸町

9 3 0 . 0

1

地 区当た り最低 の設置台数 は

1

台であ り然 も発電 出力

3k W

の太陽光発電装置 を設置 した町 は

2 9

町であ った。 この ことか ら発電規模

3kW

程度 の太陽光発電 システムの設置台 数が多数 を占めて いると考 え られ る。太陽光発電装置の設置件数が多 いの は,長崎市 の都 心 か ら離 れた東長崎地域 の東町を筆頭 に,地域全体 が新興住宅地或 いは地 区内の一角 に新

(6)

しい住宅団地 の開発が進んで いる郊外 のベ ッ ドタウ ン地域 とい う特徴 があ る

4.太陽光発電装置の設置者 に対す るアンケー ト調査 4・1 調査方法

2003年10月か ら2004年1月 までの間 に,長崎市域 内において太陽光発電装置が設置 され た家屋 を任意 に探 し,一般住宅 の設置者 に対 し質問調査 を行 った ものであ り,29戸か ら回 答 を得 た。質問調査紙 によるア ンケー トの概要 を示す。 (1)太陽光発電装置 を設置 した 時期,(2)太陽光発電装置を設置 しよ うと思 った動機,(3)太陽光発電装置の設置場所, (4)太陽光発電装置設置後 の効果,(5)設置 した太陽光発電装置 の定格 出力,(6)太 陽光発電装置で発電 した電気 の利用,等 に関す る6項 目である

4・2 調査結果

太 陽 光 発 電 装 置 の 設 置 年 戸 数 (人数)

① 2000年 6

② 2001年 7

③ 2002年 7

④ 2003年 9

太 陽 光 発 電 装 置 設 置 の 動 機 人 数 (戸数)

① 自分 の考 えによる 15

② 業者 に勧 め られて 13

太 陽 光 発 電 装 置 の 設 置 場 所 戸 数 (人数)

太 陽 光 発 電 装 置 設 置 後 の 効 果 人数 (戸数)

① 役 に立 ってい る 27

(a) 思 った以上 に発電 で きている

(b) 電気代が安 くな った○

(C) 電気 に対 して関心 を もった○

(d)環境 の こと.を考 え るよ うにな った○

(塾 役 に立 っていない 2

(a) 思 った以上 に発電 していないo

(7)

富山哲之 ・矢ケ部和洋 :エネルギー環境教育としての「長崎市域における太陽光発電装置の利用実態調査」 63

設 置 した太 陽 光 発 電 装 置 の定 格 出 力 台 数 (戸数)

① 3kW未満 1

②3kW以上4kW未満 21

③4kW以上5kW未満 3

④5kW以上6kW未満 3

太 陽光 発電装 置 で発電 した電気 の利 用 人 数 (戸数)

① 電力会社 に売電 して い る 29

(複数 回答)

4・3 調査 の分析 と考察

項 目 (1) 最近4年 間 に太陽光発電装 置 を設置 して い る家屋 が殆 どを 占め るが設置戸 数 は着実 に増加 して い ることが分 か る 新 しい型式 の装置 と して,瓦一体型, また は太陽 光 自動追尾型 の ものが数台設置 されて いた。

項 目 (2) 設置者 自身 の考 え, また は業者 に勧 め られて設 置 した とい う回答 が ほぼ半 数 に分 かれ た。設 置者 はマスメデ ィアの宣伝広告 によ り情報 を得 て い るよ うで あ る 家屋 の新築 に際 しての設置が大多数 で あ った 我 々が家庭 で使用す る電力 だ けで一人 当 た り年 間

7 0 0 kg

以上 の二酸化炭素 を排 出 して い るとい った環境 問題 の ことを考 えて設置 した とい う設 置者 や太陽光発電装置 を使用 す る ことによ り節電 に対 す る意識 が高 ま った とす る設置 者 が多 く見 られ た。

項 目 (3) 太陽光発電装 置 の多 くは2階建木造家屋 の屋根 の南側傾斜面 に沿 って設 置 されて いた。

項 目 (4) 太陽光発電装 置 を設 置 して役 に立 って い るとい う回答者 が多 い。設置前 に 想像 して いた通 りに発電 して い る 順調 に発電 して い る 季節 によ って は予想以上 の発電 を して い る 電気 につ いて関心 がでて きた。環境 問題 への関心 がでて きた 不満 が あ るこ とと して,使用 した電気代 と発電 して売電 した電気代 は大体 同 じぐらいで あ り,利益 が生 じた とい う感 じが しない,等 の意見 が あ った。

項 目 (5) 調査 した29戸 中の7割 は発電 出力 が4kW未満 の装 置 を使用 して い る こ の内訳 は,発電 出力 が3kWと回答 した設置者 が13名 で あ り, ほぼ半数 を 占めて い る こ の ことか ら定格発電 出力3kW型 の太陽光発電装置が広 く普及 して い ると見 られ る この よ うに3kW型 が広 く普及 して い る理 由 と して,発電装 置が標準 的 な家屋 に適 した寸法 と 重量 で あ る こと この規模 の もの は標準 的 な家庭 の1日の消費電 力量 を賄 え る もので あ る こと 発電装 置 の販売価格 や家屋 へ の取 り付 け費用,補助制度 によ る補助額 を考慮 す ると 個人 が受容可能 な規模 で あ ること,等 が挙 げ られ る

項 目 (6) 太 陽光発電装置 の全 ての設 置者 が電 力会社 との電力売電契約 を締結 して い る 設置者 は結局全量,電 力系統側 か ら受電 す るので あ るが,装置 の発電 によ る売電 とい

(8)

う形で,太陽光発電 システムの恩恵を受 ける 電力会社側か らすれば配電線を通 して屋根 を借用 した小 さな発電所 としての位置付 けであろう 各住宅 に取 り付 けられている電力計 は,電力会社 に売却す る余剰電力量を計算す る売電用 メーターと購入す る電力を計算す る 買電用 メーターの2種類の ものを取 り付 けている。太陽光発電か らの余剰電力 は,電力会 社が販売す る電力料金 と同 じ単価で取引されている。発電量が不足す るときは不足分を商 用電力で賄 うことになる

設置者が回答 した月間発電電力量 に関 して,発電出力3kW型の太陽光発電装置では月 平均 160kWhを越えているものが多 い。 日射量 の豊富 な夏期 は280kWh程度 に達 し,逮 に 日射量 の乏 しい冬期 は120kWh程度 に低下す る このよ うなケ‑スは,太陽光発電装 置の受光面 を南向 きの屋根の傾斜面 に取 り付 け,然 も太陽光が1日中十分 に照射 され る場 合である。付近の建物で 日陰が生 じた りす るような日照条件が良 くない設置場所では,月 平均70kWhのケースが見 られた。 5kW または6kW型の発電装置を設置 しているとこ ろでは, それぞれ月平均400kWh, および420kWhである 夏期でそれぞれ450kWh, 550kWh,冬期でそれぞれ300kWh,330kWhである 定格発電 出力が大 きい装置 ほどは ぼ出力 に比例 した電力量が得 られている

太陽光発電装置の設置上の利点 として,建物等の多重利用,空地の利用が可能である 装置が低 コス ト化 に向かいっつある現在,今後の調査 において も更に太陽光発電装置の設 置件数の増加傾向が続 くことが予想 される。

5.おわ りに

本小論では,小学校,中学校,高等学校で現在使用 されている理科教科書の太陽光発電 に関す る事項 を通覧 してその位置付 けを調べた。新 エネルギーに過度の期待をす るのは未 だ無理 な面があるが次世代のエネルギー源, またはエネルギー変換装置 としての萌芽的な 教材 ・内容である エネルギ‑の定義 は,物理学では物体や系が もっている仕事をす る能 力の総称5),である。閉 じた系で普遍的に保存 され るという意味で最 も基本的な物理量6), である。 エネルギー問題で扱われ るエネルギーは消費 されるもの として強調 される傾向に ある。中学校 ・高校段階において,エネルギー変換 ・エネルギー保存を検証できるような, 太陽電池を利用 した実験教材の開発が必要であると思われ る。

長崎市域の太陽光発電の利用実態調査を行 った結果,太陽光発電 システムによる総発電 量 は当地域 の販売電力量 の0.1%以下であるが,一般住宅,公共施設 ・事業所等,個 々の 消費電力を賄 う程度の装置が徐々に増加 していることが分か った。設置者の省 エネルギー 意識の高まり,環境問題への関心の高まり等が伺えるようである。筆者 らは今後エネルギー ・ 環境教育実践で身近なエネルギー環境調査の一課題 として教育 に活用 して行 きたいと考え ている。

謝辞

本稿 において分析 された長崎市の太陽光発電系統連系町別一覧表 は,九州電力 (秩)長 崎営業所営業課の堀 田知秀氏が収集 されたものを使用の許諾を得た上で使用 させていただ いた,記 して,謝意を表 します。

(9)

富山哲之 ・矢ケ部和洋 :エネルギー環境教育としての「長崎市域における太陽光発電装置の利用実態調査」 65

参 考 文 献

1

)佐島群巳他共編 :環境教育指導事典 (国土社,

1 9 8 8 )8 8 .

2)学校図書他5社 :平成14年度用小学校理科教科書,学校図書,教育出版,啓林館,大 日本図書,東京書籍,

( 2 0 0

1).

3)学校図書他4社 :平成14年度用中学校理科教科書,学校図書,啓林館,大 日本図書, 東京書籍

( 2 0 0

1).

4)啓林館他7社 :平成15年度用高等学校理科教科書,啓林館,三省堂,実教出版,数研 出版,第一学習社,大 日本図書,東京書籍

( 2 0 0 2 ) .

5

)物理学辞典編集委員会編 :物理学辞典 (培風館

,1 9 9 6 )1 9 0 .

6

)長倉三郎他共編 :理化学辞典(岩波書店,

2 0 0 0 ) 1 4 7 .

参照

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