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中小企業における業務プロセス再構築 と情報化

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フオ‑ラム特集

中小企業 における業務 プロセス 再構築 と情報化

雇用・能力開発機構 高度ポリテクセンター

エンジニアリング・マネジメントグループ

平 野 健 次

1. は じめに

経済の グローバル化、情報 ネ ッ トワー ク化の進展が急速 に進み、世界的な変革が 進 む中、 日本経済のおかれている環境 も大 き く変 わろ うとしている 戦後の高度経 済成長 を一貫 して支 え続 けて きた 日本の社 会 システムは制度疲労が露呈 し、構造改 革の必要性 が求め られている また、かつての右肩上が りの経済か ら低成長経済 に 入 る と量的 な拡大が見込めな くな り、その上、人口のゆるやか な減少 と高齢化社会 の到 来が待 ち受 けている 金融 ビックバ ンや規制横和 によるグローバ ル化へ の対応 は、企業競争の激化 を 予感 させ 、それ に伴 って発生す る雇用不安 も他 人事の問題で はな くなった。 さらなる買い控 えや将来 に対す る心理的 な不安 の増大 は、多 くの企

年近 くが経過 し、不良債権の償却が済みつつある企業 は、21世紀 に向か って新 しい 事業領域 を選択 し、その方向 に向か って本格 的 に経常革新 を行 うタイ ミングやチ ャ ンスを伺 っている 身動 きの取 れない企業では、 プロダク トやサー ビス、企業 イメ ー ジのすべ ての面 において格差が生 まれ始 め、そ れが業績 の差 となって表面化 し、

市場 による選別の時代が始 まろ うとしている

けてお り、苦 しい経営 を迫 られている 売上増加 の期待 どころか売上の激減 に悩 む 日々が続 き、 リス トラに よって経 費 を削減 して も、資金繰 り難 に陥 る企業 も多 い。

政府 の中小企業 支援対 策は、貸 し渋 り対策であ る特別保証制度 を始め、創業や企業 の運営 ・維持支援、技術力 ・研 究 開発力の向上、教育訓練 ・職場改善 な ど、数多 く の施策が実施 されているが、支援 を受 けて も経営体 質 を抜 本的 に改革で きず問題 を

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国際経営 フ ォー ラム No.ll

業 に徹 し、バブル経済の崩壊や貸 し渋 りとも無縁 で、本業の生み出すキャッシュの 範囲で ビジネスを展開 し、高い業績 をお さめている企業が多 く存在す るの も事実で ある。 さらに最近では新 しい ビジネスプラ ンの実現のために起業化す るベ ンチ ャー 企業の話題が増 えて きた。 この ように構造不況の影響 を直接受けている企業や、新 しい時代対応へ の活発な活動 を見せ る企業な ど、様 々な業績の中小企業が混在す る 状況下 において、本稿では

、中

小企業のおかれている現況 と今後の事業活動 を変革 してい く上で重要 な鍵 を握 る情報技術の動向 を解説 し

中堅 ・中小製造業 における 業務プロセスの再構築 とその情報化 について今後の可能性 を論 じてみたい。

2 . 日本経済の現況 と中小企業への影響

中小製造業 に対す る日本経済の現況が及ぼす影響 には、 日本経済の成熟化 に伴 う 顧客晴好の多様化、円高 による海外展開 とグローバル化、それに伴 う安い海外製品 に対抗す るための製品や技術 の高付加価値化、情報 ネッ トワー ク化の進展 による高 度情報化 と知識社会の到来が上げ られ、 これ らの影響 に適応す るための改革が求め

られる。

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)顧客噂好の多様化

市場 にモ ノが豊富 に供給 される時代では、他人 と同 じモ ノを所有す るのでは欲求 が満た されな くなる。そ して製品 を選択す る幅が広が り、消費者の晴好 も多様化 し て様 々な価値観が生 まれるようになると、消 費行動が複雑 にな り、何が売れるかの 予想が難 しくなって くる。 さらに多 くの産業が成熟 した 日本の経営環境では、競争 相手が同業他社の製品だけで な く、今 まで は考 える必要のなかった異業種 の製品、

す なわち見えない競争相手によって影響 を受 け、それを意識 しな くてほならない と い う。た とえば車 を買 うか海外旅行 にす るか を検討 し、機会があるときに と海外旅 行 に行 く、携帯電話の通信費を支払 うため にカラオケボ ックスに行 く機会が減った な ど、若者の消費行動 を取 り上げ、その十分 な分析 の必要性 を指摘す る専 門家 もい る その一方では、誰 もが同 じモ ノを買 う現象が見受け られ、安心 を得 られること がわかっている定番品に人気が集中す る傾 向 もある。良質のモ ノやサー ビスを低価 格で供給す るために行 う企業 間競争 は、世界的な規模 に発展 して 一層の厳 しさを増 し、大企業では、合併や買収、 リス トラを繰 り返す ことによってスケールメリッ ト を追求 し、将来 に渡 って競争優位性 を確保 しようと懸命である。

さて戦後の 日本経済 は、顧客の平均的なニーズに対 して大量生産によるコス ト低 減 を図 り、市場 にモ ノを大量 に供給 し続 けて きた。 しか し市場が飽和状態 になると

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価格競争が激化 し、薄利多売 によって シェアを追求 し、押 し込み販売や リベー トも 横行 した。戦後、欧米諸国の経済に追いつ くため に、 どの ようにつ くるかに徹 して きた 日本経済 は、GDPが世界第 2位 になる とキ ャッチア ップす る対象が な くな り、

バ ブル経済の崩壊以降は、それ を見直 させ るよい機会 となった。構造不況か ら回復 の兆 しの見え始めた 日本経済は、何 をつ くるかを真剣 に考え、情報化時代、環境適 応、高齢化社会の到来にあわせ て、変化 し続 ける消費者の噂好 をうまく捉 える新 し い事業が芽生え始めている(。これは企業経営の 目標が シェア ・量的拡大 による事業 拡大 に必要 な資源投 入の時代か ら、付加価値 を重視 したプロダク ト、サー ビスの改 革や、これを実現す る業務 プロセスの改革の実施 に転換すべ きことを意味 している 中小企業は、生存領域 をよ り明確 に して対象 となる顧客 に とって魅力ある存在 に し、

事業規模の小 さい もの を巧み に組み合 わせ ることによって複数の顧客 に柔軟 に対応 し、歴 史的な大転換期 を乗 り越 えてい く必要がある 時 には、個 々が こだわる興味 の範囲 まで踏み込んで対応 を考 え、価値観の多様化 にビジネスチ ャンスを兄いだ し、

採算が合 うしくみを構築 して 自社 に適用す る必要がある (2)

円高による海外展開

中小規模 の製造業 に とって、経常 自体 を大 きく揺 るがせ た ものには円高による影 響がある 製造業の海外展 開は、主 に、その製品 を取 り巻 く市場の成熟化 による海 外市場の開拓 と円高 によるところが大 きかったが、 プラザ合意以降の急激 な円高の 影響 は決定的であったO多 くの完成品メー カは、 コス ト競争力の回復のために、 ア ジア新興 市場の開拓 と、国内における生産拠点の統配合や内製化、部品の共通化や 部品点数の削減、海外か らの部品調達、系列外企業への発注等、のあ らゆる生産体 制の見直 しを進めることになった。親会社の海外進出に合わせて、中小の部品 メー カも相次いで海外 に進出 した0‑万、海外 を含めた事業展 開が難 しい企業 は、国内 で生 き残 りをかけた業務再構築 を進めなければな らなかった。親会社 の選択 と集中 による生 き残 り戟略 に伴 って、系列内の中小企業 には直接影響が及び、急激な変化 に追随で きず選別 に もれた下請企業は廃業 に追い込 まれた。 さらに後継者不足 と高 齢化 してゆ く熟練技術者の引退 によって蓄積 されている技術が消滅 してい き下請企 業か ら崩壊 と空洞化が進んでいる 特 に技術が集積 された地域 では、工程の歯抜 け 現象が起 こ り、生産 ネッ トワー ク全体への悪影響が懸念 されている また親会社 と の親密 な関係 を長年 にわた り維持 して きた中小企業の中には、い まだに他社 との取 引 に踏み切れず体力 を消耗 し続 けている企業 もあ る しか し独立企業である以上、

親会社か らくる図面 を待 ち望んでいるだけではな く、高 コス ト構造 を改め、 自らの ビジネス ・ユニ ッ トにあった業務 を再構築 し、技術や技能 を伝承 し再生産 を可能に

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国際経営 フ ォー ラム No.ll

す る こ とで 「自立提案型」 企業‑ の転換 1)、2)を進 め な くて はな らない。構造不況 にあ る悪条件下 において国内外 の競 争相手 と対等 な勝負 をす るためには、 自社 の特 技 や特徴 を見直 し、量産 に よる飛躍 的な コス トダウ ンを図るか、 スピー ドを重視 し て不定期 の発注 に短期 間で対応す るか、高度 な技術 を武器 に親企業 と対等 な立場 に 立つか、集積 メリッ トや企業 間ネ ッ トワー クを通 じて提案型のモ ノ作 りを行 うかで ある

近年 にみ られ る為替相場 の不安定 な推移や ア ジア経済危機 は、本業以外の要因が 売上や利益 を大 きく支配 した。そのため単純組立生産 は海外 に依存 し、複合技術 を 有す る ものは国内で生産す る とい う分業体制 か ら、あ らゆる状況 に対応す るための リスクを考 え、 グローバ ル規模 における最適 な生産体制の再構築 を改 めて検討 し直 させ ることになった。急激 な円高 は、多 くの企業 に海外進 出 を決定 させ、技術 の海 外移転 も進 んだが、技術 的側面や リスクに関す る問題 を再検討 した結果、生産体制 を 日本 に戻 した企業 もあ る しか しグローバ ル化 に伴 って 日本 における産業の空洞 化 は予想以上 に進み、モ ノづ くり基盤の衰退 に対す る懸念 は広が ってい る 東 アジ

ア地区でのモ ノづ くり技術 の定着、 よ り集積性 の高い技術 を中心 とす る生産体制‑

の移行3) をみ る と、企業の競争原理 に基づ く世界最適生産体制の構築の波 は、 もは や後戻 りす るこ とはないであろ う。日本 においては、多 くの企業が 高い知識 を集約 させ、マザー工場化 による高度 な技術 の集積 を既 に確立 してお り、存在価値が高い 中小企業 は、生産だけで な く顧客の研究 ・試作時の要求 に柔軟 な対応がで きる、 よ

り高度な技術 を有す る企業 に変貌 を遂 げつつ ある (3)

情報ネッ トワーク化 と知識社会の到来

情報 ネ ッ トワー ク化 は世界規模 で 目覚 ま しい発展 を し続 けてお り、 日本で もパ ソ コ ンが ようや く各家庭 に普及 し始 め る ようになって きた。 (礼 ) 日本電子工業復興 協 会統計調査 に よる1999年上半期 のパ ソコ ン国内出荷 台数 は、 コ ンシューマ市場 の好調 もあ り前年 同期比134%である また 日本 イ ンター ネッ ト協 会の調査4)に よ れ ば、1999年2月現在で、 イ ンター ネ ッ ト利用者数 は、前年比49.4%増 の1,508万 人で世帯普 及率 は12.9%であ る 年末 には世帯 普及率が15%近 くに迫 る といわれ ている 携帯電話 の普及スピー ドを思い出 してみ る と、 一気 に情報 ネ ッ トワー ク化 が進展 して、 ネ ッ トワー ク上 における知識共有 とそれ らを取 り巻 くビジネス活動が 本格 的に始 ま り、新 しい時代 に向か って大 きく変貌 してい く可能性 もある レス タ ー ・サ ロー5)は、 グローバ ル化時代 における知識社 会では、生産は世界規模 で労働 賃金の安 い地域‑動 き回 り、知識 ・技能 な どの知識集約が世 界 を支配す る。 また知 識集約 で きるのは、誰が頭脳 を組織 して活用で きるかであ り、地域 的な問題で はな

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い と言 っている また ドラ ッカー6)は、知識 を資源の中核 にお くことによって、ポ ス ト資本主義社 会が到 来す る といっている モ ノは技術や技能か ら生 まれ、技術 と 技 能 は知識の体系化であ り、知識 は人が所 有す る 人が所 有す る知識は情報 で保有 し、ネ ッ トワー クを介 して流通 させ、それがモ ノや生産 を支配す る。知識 を組織 し、

知識共有 を実現 の方向に導 く情報 ネ ッ トワー クは、中小企 業を含 む従来の産業 にお お きな影響 を与 え、その存在 を大 き く変貌 させ る潜在的な力 を持 っている

日本 において も情報 ネッ トワー クを活用す る ビジネスが 目覚 め、活発な活動 を し 始めている ビ ッ ト ・バ レー (渋 谷の英語読みbittervalleyでbitterとは コ ンピュ ー タにおけ る情 報 の単位 であ るbitに相 当 し、米 国 シリコ ンバ レー をまねた言葉 で ある) と呼 ばれる渋谷地 区周辺 には、若 い創業者が集結 し、 ネ ッ ト ・ビジネス とい うイ ンター ネ ッ ト上の ビジネスを展 開 している それは インター ネ ッ トの特徴 を利 用 した従来 にはない様 々なアイデアを有す る新 しい形態のサー ビスを提供す る ビジ ネスであ る そのサー ビスには利用者が多数集 ま り、マーケ ッ トは急成長 し続 けて 活況 を̲呈 している 渋谷地 区周辺 にこの ような企業が集結 しているのは、渋谷その ものが若者 の集 まる町であ ること、若い創業者 白身が急成長す るマーケ ッ トを肌 身 で感 じなが ら次の事業 を創造 したい と思 っている こと、新 たな ビジネスプラ ンを実 行す るために、創業者 同士が フェース ・ツー ・フェースの コ ミュニケー シ ョンが と れ る距離的 に近 い範囲に集結す る必要があ ること、が列挙で きる これ らの新 しい 情報サー ビス企業 には、従来型の産業 において閉塞感のあった投 資マ ネーの格好の ターゲ ッ トとな り資金流 入が始 まってい る。 しか し起業化 は容易だが、 自社 の ビジ ネスモデルを構築 し、事業活動 の計画 と実行 を繰 り返 して継続的 に発展 し続 けるた めには多 くの障害 を乗 り越 える必要があ り、高い利潤お よび需要の高い成長が見込 め る分野7)で ない と成功 は難 しい。急成長分野で も成長の伸 びに落 ち着 きが見 えれ ば、次の競争が始 ま り、 プロダク ト、プロセス、サー ビスで本格的 な競争 を しな く てほな らないか らであ る しか し淘汰 を繰 り返 した後の次の時代 には、知識共有 と

同 じベ ンチ ャー企業 で も製造業の場合 は、多額の研 究開発 費 を投 入 し、 コア ・コン ピタンスを確立 し、その技術 を応用 してプロダク トを創造 し、それ を通 じて顧客 に コ ンセプ トを主張す る。 したが って顧客 に認めて もらうまでには、比較 的長い期 間 を必要 とす る そのため事業 にある程度の継続性 が求め られ、研究投 資 も必要 なこ とか ら 高い利潤 をす ぐには生み出 しに くい性 質 を持 っている

情報革新 による情報サー ビス事業の急速 な拡大や、最近 の業種 別就業 人口の推移 を見 る と、日本経済が製造業か らサー ビス業へ の依存度 を高めてい く予感 を受 ける

しか し実際 にはサー ビス業の内訳 は幅広 く、様 々なモ ノやサー ビスが複合化す る時 61

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代 には、モ ノづ くりに関係す るサー ビス業務 の内容 も多いので様 々な観点か ら分析 す る必要が あろ う 最近 のモ ノづ くりの世 界で は、情報通信技術 、新エ ネルギー、

環境 ・省エ ネ ・廃棄物処理、バ イオテ クノロジーな ど、新技術 に関す る話題 には事 欠か ない。筆者の予想で は、 日本 は中小企業 に よるモ ノづ くりの連鎖 に よって戦後 の産業 を発展 させて きた実績 を基盤 に して、多様化へ の対応、環境へ の配慮、社会 対応 を進 めつつ新 しい コ ンセプ トを確 立 し、新技術 ・複合技術 ・モ ノづ くり技術 、 それ を活かすサー ビスが 情報技術 を駆使 して融合 し、次世代の共存 と繁栄 を築いて いけるのではないか と思 ってい る。

3. 情幸 剛ヒの進展 とその動向

中小企業 における経営 に大 きな影響 を与 える もの には、 前述 の ように情報 ネ ッ ト ワー ク化の進展が上 げ られ る 本章で は、 中小企業 を巻 き込む企業 間 ネ ッ トワー ク の競争 を前提 に して、新 しい時代対応 を進 めつつ あるECや企業統合 を 目的 とす る CALSについて述べ、中小企業のおかれた立場 について考察す る

(1

)企業ネッ トワーク間による競争の時代

現代 の企業競争 は一企業 の競争ではな く、サ プライチ ェー ンやバ リューチ ェー ン の ビジネス ・サ イクルにおける企業 ネ ッ トワー ク間の競争 となっている。あ らゆる ビジネスは情報交換 に よって成立す る。 ビジネスは、企画設計、生産調達そ して運 用支援か ら成 り立つが、各 々の段 階で情報 やデー タのデ ジタル化 と時間、距離の壁 を越 えた交換が始 まっている。EC (ElectronicCommerce)は、企業対不特定多数 の消 費者 を含 む ネ ッ トワー クにお け る取 引 であ り、CALS (CommerceatLight Speed)は、特 定企業 間におけ るデー タ交換 に相 当す る 中小企業 はCALS/ECの 両面か らその特徴 を理解 し、 自社 における事業 の特徴 と照 らし合 わせ なが らビジネ スの構造 を再構築す る必要がある。 中小企業が 自らの ビジネスの効率化 とスピー ド 化 を図 るため には、 自社 の業務 プロセ スを簡素 に再構 築 し、新 たな情報基盤の上で 企業活動 の展 開を可能 にす ることが必要である 企業規模 の大小 に関係 な く、業務 プロセスを再設計す る場合 には、想定 した ビジネス構造が市場や顧客 との関係で成

り立ち、活か され るように業務の改善や改革 を推進す ることが必要である

(2)情報技術の新 しい展開

①EC (E一ectronicCommerce)一 電子商取 引の新 しい可能性

情報関連機器 の大幅 な能力向上 と低価格 化、情報 ネ ッ トワー クな どの イ ンフラ整 備が急 速 に進み、情報通信費 も下が る傾 向 にあるOそ して インター ネ ッ トの利用が

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爆発 的 に増 えてお り電子 商取引が 日常的 になる Hも近 い。経営 者 もネ ッ トワー ク上 での ビジネスに注 目 し始 め、新 たな事業 を開始す るための実験 が始め られている。

しか し、 どんな事業で も成功す る とは限 らない。事業 の性 質 に よ り効果が限定的 な もの、業務 プロセ スの改善 に結 びつ きに くい性 質のサー ビス もある したが って 自 らの事業 を新 しい情報基盤の とで、 どの ように活 かす ことがで きるのか を考 え、実 際 に試み なが ら、効 果の期待 で きる事業 を見極 め る必要があ る

② cALS一進 む協業

CALS (CommerceatLightSpeed)とは、 もともと国防省の調達 ・後 方支援 に おけるベーパ レス運動 (意味づ け もComputerAidedLogisticsSupportか ら始 ま り ContinuousAcquisitionandLife‑cycleSupportを経 た)8)に端 を発 したが、軍用か

ら商用 に転相 され、開発 ・製造 ・物流 ・受発注の情報 を、企業 を越 えて グローバ ル に共有化す る ビジネス環境 を実現 し、製品 ライフサ イクル全般 にわたって コス ト削 減、納期短縮 、晶質向上 を図 る戦略の ことであ る 企業 における業務の改善 と構築 には、個別機能の改善、企業内 における業務 の統合化、企業間ネ ッ トワー クの構築 があ り、国際的 な企業 間取 引 に至 っては、各国の法律、文化や習慣 、取 引形態 の違 う企業 との ビジネスの共有や共生 を、 ネ ッ トワー クを通 じて実現す るための努力が 始 まっている。 これ らの試み は、企画 ・生産 ・流通 における各機能の イ ンター フェ ース を標 準化 し、デ ジタル情報 で交換す ることに よ り、将来のバーチ ャル ・エ ンタ ープライズに参加 し、新 たな ビジネスチ ャンス を獲得で きる可能性 を探 る ものであ る。VE (VirtualEnterprise)とは、仮想企業体 と呼 ばれ、図 1に示す ように、 ネ ッ トワー ク環境 下で必要 な時 にそれぞれの企業が集 ま り、仮想 の企業体 を形成 して 仕事 を行い、 目的が達成 した ら解散す る とい うものであ る そのため企業統合 であ るEI(EnterpriseIntegration)が米国で注 目を集 めてお り、地理的 に分断 された ビジネス ・ユ ニ ッ トをデ ジ タル情報 で協業す るためにCALSやe‑Businessに関す る 取組みが盛 んに行われている。

将来の グローバル ・ネ ッ トワー ク環境 における中小企業の位置づ1ナは、次の よう に想定で きる。製品 を設計 し製造す る ときは、下請けや協力企業である中小企業が

開発や生産 に必要 なデー タを提供 した り、交換 す る必要があ る ベーパ レスでモ ノ づ くりを行 うため には、協力企業の情報化が必須 になる しか も水平 なネ ッ トワー ク環境 では、系列 を越 えた複数社 間の取 引が増 えるので交換す る情報 は標準 を用 い る必要があ り、従来 まで構築 して きた系列 内でのデ ジタル情報 の交換 とは違 う取 り 組みが求め られる。将来のデ ジタル経済社会では、似 た技術 を持つ企業が複数あれ

ば、標準的 なイ ンター フェースによって情報武装 された企業か ら調達す るのが容易 63

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国際経営 フ ォー ラム No.ll

である。そ して情報交換 で用いる標準 は、 グローバ ルス タンダー ドである必要があ る。そのため これ らを考慮 した情報化 は重要 な意味 を持 ち、中小企業が顧客 に認め られ るビジネス ・ユ ニ ッ トを成立 させ るため には、技術 の進展 に即応 して情報化対 策 を講 じることがで きるかが重要 な鍵 を握 るであろ う 中小企業者 のために行 う啓 蒙 ・普及活動 は重要であ り、特 に教育訓練 の実施9日 ())が重要である と考 え られ る

米国では、ECRC (ElectronicCommerceResourceCenter)とい うCALSに関係 す る教育訓練 機 関が全 米 に17カ所 にあ り、情報化支援 に関す る コ ンサ ルテ ィング や教育訓練 な どを実施 している

図1 VE (VirtualEnterprise)一 仮 想企 業体

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4. 中堅 ・中小企業における情幸 馴ヒの方向

デジタル経済社会になる と、完成品メー カは、安 くて優 れた機能 を持つ部品をグ ローバ ルに調達 して 自社 に採用 し、知識集約 と世界長連生産体制 によって市場 に投 入す る製品の競争力 を高める活動が促進 される それに対 して、 自立提案型 になっ た中小企業 は、 自社 における得意で優 れた技術 を活かすために、プロダク トを通 じ て企業の存在意義 を市場 に主張す ることが必要 になる そのため新 しい時代への対 応が進むにつれて、それぞれの企業の役割や特徴が再定義 され、21世紀の企業 イメ ー ジとブラン ドの確立が進むだろう

今後、中小企業が生 き残 るためには、 自社の得意技 の再認識 と、事業の再定義 を 行い、 ビジネスユニ ッ トが、顧客か らみた価値判断基準 において認め られる必要が あ る これ らを念頭 においた製品やサー ビスは、Al:(低価格製品、 ロー コス ト 経営)経営実務面で卓越 してお り、市場 で平均 的な製品 を最良の価格で提供す るこ

と、A2: (高品質製品、高価格戦略)先端的 な製品 ・技術 開発 に よ り競合他社 の 追随ので きない製品 を提供す ること、A3:(顧 客機能の代行)顧客 との親密性 に よる顧客業務 プロセスを代行す ること、 に大別で きる その他の分類 については文 献 11)12)が参考 にな り、存続 し続 ける中小企業の姿 について、事業の特徴づ けを し

た分類 を通 じて整理 されている

この ような環境下 における情報化 を考 えると、 目的に応 じた ビジネス システムの 再構築 を行い、それを実現す るための情報化である必要がある す なわち、 (1)技 術情報の蓄積 と再利用 一魅力あるプロダク トの創造、 (2)情報技術の支援 による業 務の システム化 一改革 された業務 プロセス、 (3)ネッ トワー ク ・コ ミュニケー シ ョ

ンー企業間 ネッ トワー クによる協業、 (4)情報技術 を活用 した顧客 との対話 一顧客 満足 と従業員満足、がキー ワー ドであ り、選択 と組合せ によって特徴 を明確 に した 事業活動 を支 える情報化 によって、市場 における自社の存在意義 を兄いだせ るので

ある

( 1

)技 術 情 報 の 蓄 積 と再 利 用‑ 魅力あるプロダク トの創造

モ ノづ くりに関す る技術の蓄積 は、新 たなモ ノづ くりを創造 させ る重要 な能力発 揮 の情報源である 従来では、経験や勘 は、個人に蓄積 されて きた。 しか し技術革 新 にス ピー ドが求め られる時代 には、卓越技能の伝承や独 自の優 れた技術 を蓄積す るために、経験や ノウハ ウを再利用可能 な形式知で保存 し、それ らの情報 を必要 な 時 には何度で も利用で きる体制づ くりが必要である これ らの技術情報 を社内で共 有す ることによ り、人が考 えて試みる重複 を避 ける、経験や失敗の繰 り返 しを避 け

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る、新 人教育 に利用す る、技術 を交換 しあい相乗効果が期待で きないか考 える、 な どに結 びつ け、情報 の蓄積 と再利用 を有効 に行 うべ きである。 もし取 り扱 うプロダ ク トが商 品であれば、商品情報、商品知識、 スペ ックの カタログ化である。商品知 識 のデー タベースは、 カテゴ リ、 ア イテム、 産地、特徴 な どを直 ちに検索で きる と

よい。 これ らの実現 に は、PDM (ProductData Management)や 、EDMS (ElectronicDocumentsManagementSystem)、OSの フ ァイル システムにデー タ を階層化 して管理 をす るな どの方法 13)が利用で きる。従来、多 くの中小 企業では、

現場‑ の加工図 (治具 ・二1二具 ・検査測定票) の準備 も十分ではな く、有能 な職人の 腕 で こな して きたのが現状 であ る。CALS/コ ンカ レン ト ・エ ンジニ ア リングの環 境 において本当に必要 な対策 は、個 々の工程 をデ ジ タル情報で整理 して作業 を支援 し、業務 を円滑 にす るな どの工夫 に よ り、中小企業で働 く職 人に とって安心 してモ ノづ くりがで きる仕様 ・加工方法 ・設備 ・道具の準備 をす ることである。それ らの 活動 としくみづ くりが、技術 の蓄積 と再利用 に結 びつ くのである

次 に情報技術 を有効活用す るため には、魅力あるプロダク トその ものの創造が重 要である。す なわち、 自社 の有す る技術 を磨 き、他社 に追随で きない もの、追随 し

ようとは思 わせず最初か ら諦 め させ て しまうような圧倒的な強 さを有す るコア ・コ ンピタンス (Corecompetence)11'を持つ こ とである。そのため には改良技術 も重 要 だが、誰 も取 り組 んでいない、新 しい ことに挑戦す るチ ャレンジ精神 を持 ち続 け るこ とが必要である た とえば、 レーザ による野菜の皮剥 き装置、針 のない レコー ドプ レーヤ、 スケル トンデザ イ ンの イ ンテ リア風家電、 四輪 自転車 な ど、 コア ・コ ンピタンスの発揮 は、新 しい技術 、複合技術、応用技術、斬新 なア イデアやデザ イ ンな どの新 しい 可能性 を提案 して魅力あるモ ノを実現す る原動力 になる また 日本 は資本財の輸 出が多い国である。資本財 とは、製品 を作 るために必要 な材料、部品、

生産設備 の ことであ り、輸 出金額では、1992年頃 を境 に家電や 自動車 な どの耐 久消 費財 と逆転 し、その差 は拡大の‑一途 を辿 ってい る。そ して試作 品 をつ くるために必 要 な機械 や部品は、高い技術が必要 な場合 で も日本国内で調達す ることは比較 的容 易であ る。優 秀 な技術 者 も多 く、新 しいモ ノを生み出 しやす い環境 15)にあ る とい える。 しか しあ る特定の技術 に集 中特化す ることは、事業の盛衰 にかかわる危険性 が潜 んでいることも認識す る必要がある。技術革新 によ り自社 の技術が汎用化す る、

その技術が別の方法 に代替 され る、顧客の関心が他 に移 る、 な どの場合 には、小規 模 な事業者では、変化の影響 を直接 的 に受 けるので急速 に財務状況 を悪化 させ る原 因になる そのため市場 の動 向に敏感であ る必要があ り、仲 間同士 の横連携 の強化 による複数の受注機会の確保や、集 中特化 した技術か ら応用技術 に よる適用の帽 を 広 げる、集 中特化す るため に外部化 しあ う仲 間同 L‑がお 狂いに助 け合い、相互の集

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積 メリッ トを活かす などの工夫が必要である。

(2)情 報 技 術 の 支 援 に よ る業 務 の シ ス テ ム化 一‑ 改革 された業務 プロセス 企業規模の大小 に拘 わ らず情報技術や標準 を基盤 に して、 自社の業務 プロセスを リエ ンジニア リングす ることに意義がある その企業における職場 の風土や文化 に 支 え られて きた仕事のや り方 をその ままに して現場 のニーズにあわせ たカス タマ イ ズをす るや り方を続 けていては、業務処理の スピー ドや生産性 は改善 されない 本 来 「モ ノづ くり」は、自社の独 白の技術 をいかに製品作 りに活かすかが大切 なので、

業務の流れは、で きるだけ整理 した上で簡素 な しくみ を実現 し、それをシステム化 す ることが求め られる。そのためには、 ビジネス ・サ イクルを新たな情報基盤 ・情 報交換 の場で簡素な業務 システムを整備 し直す ことが必要である。各業務機能 を統 合 し、製品の ライフサ イクル全体 で効率が よ くなるように検討すれば、 スピー ドと 生産性が向上す る と考え られる 中小企業では、業務 を遅延な く手順 どお りに処理 す ることか ら始めな くてはな らない場合が意外 と多い()その場合、安心 してモ ノづ くりがで きる環境 を早急 に整 える努力が求め られる 顧客の急 な計画変更要求 に対 して、その場限 りの人間だけに頼 る昔 なが らのや り方を進めるのではな く、柔軟 な 対応 に耐 えうる しくみづ くりも必要である。 これ らの実現 には、ERP (Enterprise ResourcePlanning)な どの業務処理パ ッケー ジの導入 による業務支援が上げ られ

最近では多 くの機能構成か らなる中小規模企業向けのアプ リケー シ ョンが充実 して きている。 なお会計 ・販売管理、受発注 な どの業務系 アプ リケー ションは標準 的な もので よいが、生産管理 システムは、導入す るアプ リケー ションが有す る既製 の機能によ り、管理機能が 卜分に発揮 で きるか どうかを判断すべ きである システ ムには、個別受注生産や部品や心生産 をは じめ各種 の生産形態 に対応で きる機能や、

さらにそれ らのオプシ ョンが豊富 に用意 されている したが って 自社のモ ノづ くり の機能が発揮 で きるように生産管理業務のあ り方や進め方 を再検討す る と同時 に、

それに合致す るシステムのオプションを選択す ることが 必要である 最近では、製 品の受注時 に、納期 を正確 に早 くlfg答で きる高度 なスケジュー リング機能 を有す る APS (AdvancedPlanningandScheduling)の導入が大企業 を申 し、に始 まっている が、今後は、中堅企業で も、導入が期待 されるであろ う。,

次 に、改革 された業務 プロセスの実現では、 自社 と協力企業 において有効 に機能 す る業務 プロセスの確 立を通 じて、顧客が満足す るプロセスやサー ビスを実現す る ことである。た とえば、製品 ライフサ イクル全体 の中に製品品質のみな らずサー ビ ス業務の品質が確保で きる業務 プロセスを実現す る、企画 ・開発か ら生産、運用支 援 まで適切 なコス トで短納期 を達成で きる業務 プ ロセスを実現す る、な どが上げ ら

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(12)

国際経営フォーラムNo.ll

れ、それ らの業務 を設計 し、実施 し、運用管理す ることである。

(3)ネ ッ トワ ー ク ・コ ミュニ ケ ー シ ョン‑ 企業間ネッ トワークによる協業 個 々の中小企業の ものづ くりは、図2に示す ように、製品 ライフサ イクルのある 一部の仕事 に参加す る形態で成立 している。 もし自社 の製品が、高い技術の集積部 品であ り、特殊 な機械や装置 を伴 う工程、優 れた技能や技術 を必要 とす る工程 を有 す る協力企業 と共に協業す るのであれば、 自社 と協力企業同士の ネッ トワー クを通 じて、顧客の要求 に対応す ることになる。そのため設計 ・試作 ・生産準備 における

顧 客

図2 中小企業の企業間取 引 自 社

入 出

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協力企業

ド‑ 顧 客 * 自 社 車 協 力 企 業一一

(13)

技術情報 は、設計時の情報 交換 をは じめ、顧客や協力企業 間において取 引 され る製 品の仕様書や 画面デー タな どをデ ジタル情報 で交換 す る。技術情報 は、取 引先別、

部品別、工程別 に整理 され、生産準備 や製造、実績履歴 の確 認な どに利用 され る

調達 ・生産 ・工程管理 における計 画 ・指示情事臥 財務 ・会計処理 における決済情報 は、量産段 階 における 日常業務処理 に関す る情報 の交換 (EDI)であ る 情報交換 は、交換す る情報の種別や内容 を整理 した上で、適切 な交換 手段 の選択 によって行 なわれる。

企業間 ネッ トワー クにおける協業 につ いては、系列 の ネ ッ トワー ク構造 に大 きな 変化が見 られ る(〕従来、モ ノづ くりの連鎖構造 は、 一次 ・二次取 引な どの下請け企 業が何層 に も重 なった系列 による垂直連携 の構造が 「トL、であった。 しか し親会社 は 構造不況が続 く景気の低迷 を乗 り切 るために、 コス ト削減 に本格的 に取 り組み、系 列その もの を見直 し始めた。 そのため系列 の堅い結束 は崩れ始め、企業 間 ネ ッ トワ ー ク構 造 は、縦 請 けの ネ ッ トワー クか ら、横 請 けへ の構 造 変化 16)が進 んでい る

この ネ ッ トワー クは、 自律 ・分散型であ り、個 々の独 立 した存在が、様 々な組み合 わせ に よって可能性 を発揮 し、顧客晴好の多様化や需要変動 に対応す るために常 に 変化 し続 ける性 質 を持つ。今後のlFl小企業 は、横 連携 の強化 を積極 的 に進める企業 対応 の推進 によ り、中小企業相互の集積 メ リッ トの追求や、時 には経営資源の相 互 活用 まで を図 り、情報技術 を活用 した企業間 ネ ッ トワー クによって、複数の親企業 か ら依頼 される高度な要求 に応 えて社 会的機能 を実現 してい くことが求め られ る

(4)情 報 技 術 を利 用 した顧 客 との対 話 ‑ 顧客満足 と従業 員満足

インター ネ ッ トの普及 によ り、今 まで距離が隔 て られていた供給者 と顧客 との直 接対話が、簡 単に、かつ安価 で実現 で きるようになった。企 業の基幹業務処理系 を バ ックオ フ ィス とす れ ば、SPA (SalesForceAutomation)やCRM (Customer Relationshipmanagement)はフロン トオフ ィス業務 における営業支援系 の管理 と

システム を提 供す る。 た とえばWebに よる製 品紹 介や調達 の ための仕様公 開 は、

どの ように して発注者や協力者 を探すか に貢献 し、商談では きめの細 かい要求事項

既存の顧客へ サー ビスを継続 して顧客維持 をす るかに責献す る。顧客 デー タベース は、 システムの低価格化の恩恵 を受 けて詳細 な走性 的情報の入力 と様 々な組 み合わ せ に よる分析が実現 で き、個 々の顧客 に関 して きめ細 かい情報管理が 叶能 になった。

ある地 方の酒問屋 では、商品 に関す る電子 メー ルの問い合わせが毎 日あ り、あ ら か じめJ乱鼓した味 に関す る情報か ら必要 な部分 を組 み合わせ た後、お客が求める情 報 を添 えて返信す る、な どのサー ビスを行 ってい る ある中小製造業者では既存 の

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(14)

国際経営 フ ォー ラム No.ll

顧客 の問い合わせ に対 して前 回受注 した部品の仕様 を瞬時 に検索 で き、新 たな仕様 変更 に即応 で きる ように してい る。 あ る共 同組 合で はWebサ ーバ内 に地域 や各企 業の紹介 を掲載 し、製品の詳細 な紹 介 を行 うために各社 のサーバ連携 を行い、取引 時 にはイ ンター ネ ッ ト Lのみ有効 な割引サー ビスを設定 している。 またあ るメー カ では、ホームペー ジ上 に 自社の製品に関す るエ ン ドユ ーザの広場 をつ くり、製品の 良 さや問題点 に関す る意見 を吸い上げ、不具合の修正や、次の製品開発 を通 じて顧 客 に還元 している あ る工業 団地で は、従 来 までの共同購 入 ネッ トワー クの しくみ をWebサ ーバ上 に展 開 し、 ひろ く供給者 を募 ってい る また、 日本で は汎用 的 な 技術 であ ま り注 目され な くて も、 まだそれ ほ ど技術 を要求 しない海外市場 もあ る その ような取 引では、既存技術 であって も比較的 よい条件で取引 に結 びつ く場 合が あ る Webの利用で期待 され る こ とは、いか に多 くの組 み合 わせ か らお互 いが知 り合い、取引 を成立 させ るかであ る。急速 な インター ネッ トの発展 と普及 は、それ を現実の もの とし、実際 に多 くの取引が成 立 し始めている。その威力 には計 り知れ ない ものがあ る。

系列配下では、親会社か らくる注文や図面 を待 っていれば よか ったが、 自律 ・分 散型の ビジネス ・ユ ニ ッ トになれば、 自ら顧客 を開拓す る必要が生 まれて くる 営 業活動 に よ り、 自社 の特技 を必要 としてい る顧客 との直接 的な関係 を確立す る必要 があ る。 そのため有効 なのが 情幸田支術であ り、従来では製品に組 み込 まれてい るな どして知 られ ざる存在であった ものが、 よ り多 くの顧客 に 自社 をアピールす ること がで きるようになる そ して 自立提案型 の営業活動 を地道 に展 開 していけば、他社 製品の価格体系の状 況 も把握で きるようにな り、 自社の製品 を適切 な市場価格で 自

ら設定で きる環境が整 って くる。

さて、企業 を発展 させ るため には、有能 な人材が求め られ るが、 中小企業では規 模が小 さいが故 に有能 な人材 に敬遠 されが ちであ り、人材確保 にい ろいろな試み を している企業がある。プロジェク ト制 に よってその事業 において責任や権 限 を与 え、

実績 に よ り追加報酬 を用意す る企業、年 間の休業 口数 を同業他社 の倍 に設定 してい るが作業能率が非常 に高 く業績が よい企業、新 しい ことにチ ャレンジす るの を評価 す る企業、 な どがある。 クリエ イターが仕事 をす るために会社 に所属 し、社 員 とい う意識があ ま りない、 とい うベ ンチ ャー企業 は多い。会社 は、能力 を発揮 しやすい ように共有 ワー クスペース とSOHO (SmallOfficeHomeOffice)の環境 を提供 し ている。個人の能力 を認めあい、それ を最大 限に引 き出 し、魅力ある報酬 を提示す ることに よ り、安定志 向に埋没 しない努力 を している 創業時のチ ャレンジ精神 を 維持 し続 けるため に、生 き甲斐や挑戦、可能性 を示 して動機づ けを行い、高い報酬 と明確 な業績評価制度 によって、優 秀な人材 の確保 をね らい、あるいは転職 に よる

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(15)

人材流失 を防 ぐ中小企業の様 々な努力がみ られる

5 . 情事 馴ヒの事例

存続 し続 ける中小企業 であ るため には、 前述 の ような取 り組 みが求 め られ るが、

最終的には顧客満足 を得 られる ビジネスモデルを考案す るのが望 ま しいく〕本章 では、

先進的 と思 われ る海外 の事例 を紹 介す ることによ り、それ らについて考 えてみたい。

( 1 )CTF( Cu s t om, Th e r a p e u t i c F o o t we arJ n du s t r y ) プロジェクト

この事例 は、米国 ロ ングビーチで開催 されたCALSExpo1994で紹介 された もの であ り、NIST (米標準技術研 究所) による 「治療靴 の注 文‑CTF」に関す るCALS の民生 品へ の実証実験17)の事 例 であ る。足 に問題 を持つ 人は整形外 科医や足痛 医 に相談 し、処方 に よ り注文靴 をつ くる。足矯正 土による足の測定 には、矯正点 を処 方 した後 にス タイルや色 を加味 した形状 を決定 し、仕様が靴製造業 者に送 られ る。

靴製造業者では、製造 に必要 な靴型、 ヒールや ソール、パ ター ンな どを関連 会社 に デー タ転送 し、部品の納 品 を受 け、最終工程で靴 を組 立、縫製す る。最後 に、店頭 で矯正 土が顧客 にあわせ て微修正 を行 う 靴製造 の ネ ッ トワー クは

、図3

に示す よ

うに、工程 ごとに複数の関係者が関与 しな くてほな らないので顧客の靴 に関す るデ ー タをそれぞれに渡す必要があるC,顧客が糖尿病 である と患 者にあった靴 の作成 は、

病気の治療行為 とも関係す るので、特 別な注 文靴 である必要があ る。 また、治療靴 であ りなが ら、少 々高価 で もデザ イン的に魅力的 な製品が要求 されることもある。

この ように顧客、足痛医 ・整形外科医、足矯正士、デザ イナー、複数の製造業者 な どの関係者が複雑 に関与す るが、それぞれの仕事 を情報 ネッ トワー クで共有 し、

切 れ 目のない シーム レスな連携 を【月旨している。 さらに顧客の靴 に関す る技術 デー タは、顧客情報 と共に蓄積 される。次の受注では、蓄積 された情報が瞬時 に呼 び出 され、不具合 を修 正 し、 よ りよい靴の提供 に結 びつ け られ る また多 くの技術 デー タは蓄積 されて基本モデルの改良 に再利用 されるのである。実証実験 では、情報 シ ステムの活用 と横 断的 な業務 プロセ スの構築 によ り、従来 と比較 して価格や納期面 で大幅 に業務 を改 善で きる ことが確 かめ られてい る。CALSは、製品の寿命が長 く 大規模 な システムの事例が多 いが、 これは民生品へ の適用事例であ り、 ビジネスの 規模 もそれほ ど大 き くな く身近 でわか りやす い。 そ して分散す る設計機能、生産機 能、流通機能 を情報 ネ ッ トワー クによ り統合す る ものであ り、新 しい ビジネスモデ ルを設計す る ときの参考 になる。1997年 にワシン トンにあるNISTを訪問 した とき

たが、当時 におけるEIの試み としては、先進的 な事例であった もの と思 われる 71

(16)

国際経常 フォーラムNo.ll

図3 NISTにお けるCTFプロジェク ト

問題 発 生

矯 正

足測

デ ザ イ ナ ー E ] ス タ イ ル

N C C

u

t t e

r ヒール・ソール

縫製工程 靴の上部

データベース

・足測定データ

処方萎

顧 客情 報

・スタイルDB

・靴型DB

・プロダクトモデルDB

材 料 ・機 械 ・仕様DB

・ N C

データ

矯 正士 調

ユーザ

フイットした靴 日本で は、 人対 人の コ ミュニ ケー シ ョンに よるモ ノ作 りの連鎖が有効 に働 いてい る事例が 多 くあ り、 中小零細 の製造業 で は、生活 とーL場 の場 を一一致化 させ 、 各 L程 を分担す る形 で̲Ⅰ二場 を集積 させ るこ とに よって競争優 位性 を確保 して きた。 た とえ ば、神戸 の長 田地 区 にお ける靴製造 は、非常 に狭 い地域 に工場 が密集 してい る 狭 い範 囲 にすべ ての工程が集積 し、あたか もひ とつ の工場 の ように成 り立 ち、す ばや く連携 し、生産性 向上 を図 り競争 力 を維持 して きた。 神戸 の震 災に よ り工程が分断 され、 人対 人の ネ ッ トワー クに よる力が発揮 で きな くなってい る 建物 な どの見か けの復興 は進 んでい るが、生 産の ネ ッ トワー クは完全 に回復 してい ない とい う こ れ は この ような形態 にお け る協業 に よって、十分 な生産能力 を発揮 で きる とい う証 明で もあ る

。CTF

の例 は、情 報技 術 の活 用 とデ ジ タル情 報 交換 に よって連携 の密 度 を上 げる こ とに よ り、協業 の効果 を促進 させ てい るね らい を持 ってい るが、 人に 頼 るので は難 しい、様 々な組 み合 わせ‑ の対応、情報 の繰 り返 し利用、 シーム レス な連携 に よる業務処理 ス ピー ドの向 t二な ど、情報技術 の持つ特徴 を有効 に利用 して い る。

(2)

モノレール ・コンピュータ社のビジネスモデル

72

(17)

モ ノ レー ル ・コ ンピュー タ社 は、1995年 に創 業 し、米国 ア トラ ンタ、 ジ ョー ジア に拠 点 を置 いてい る。 同社 は、 コ ンピュー タの企画 ・開発 と経常戦略 の機能 しか も た ない。 その ほかの生産 ・販売 ・物流 ・代金決済 ・保守 サー ビスな どの業務 はすべ て ア ウ トソーニ ング してい る そ して、複数 のパ ー トナー と水 平分業 しなが ら業務 に継 ぎ目が な く、あたか もひ とつ の企業 の よ うな振 る舞 い を見せ てい る。図4に示 す ように、 フェデ ックス社 には物流事 業 を、SCI社 には生産 を、サ ン トラス トバ ン

クには、決済 を委託 してい る このモデルの特徴 は、受注 か ら現 金化す る までの ス ピー ドが速 く在庫 が極端 に少 ない こと、 ア ウ トソー シ ング した費用 は コ ンピュー タ の受注 数 に 叶変す る費用 モデルになってい る点 であ る ビジネスモデル を構 築す る ときは、業務 全体 の しくみづ くりと、その上 で成 り立つ情幸田ヒであ る点 が重 要であ るが、 この場合 、各業務 ブ ロ ック間の継 ぎ目はデ ジ タル情報 で交換 して連携 す るの で情 報基盤 と標 準 イ ンター フェー スの整備 が必須 であ る と考 え られ る 昨今 で は、

変化 し続 ける戦略 を とる企業 もあ るが、そのいず れ も情報技術 の戦略 的 な活用が キ ー ワー ドになっている。

図4 モ ノ レール コンピュー タの業務 プロセス18)

73

(18)

国際経営 フォーラムNo.ll

6.情報化推進のキーポイン ト

(1

)ビジネススピ‑ ドと情幸馴ヒ

技術情報のデ ジタル化 に よる蓄積 は、再利用 に有効 な情報 をはや く引 き出す こと がで きる 情報支援 に よって有効 に機能す る業務 プロセ スは、複雑 な業務処理 を l王 確 にはや く処理す ることがで きる。 さらに実績 の集計が瞬時 にで きれば、次の計画

の見通 しに対す る判 断 にす ぐに活 かす こ とがで きる また リー ドタイムの短縮 は、

生産開始 日を遅 らせ ることがで きるので、在庫 を減 らす ことがで きる。処理 ス ピー ドを上 げて回転で稼 げれぼ 単位 あた りの扱 い量が減 り設備や オフ ィスが ス リム化す る。海外か らの リー ドタイムに対 して圧倒的 に短納期 であれば、輸送費、在庫 費用、

保険 ・金利 を加 えた総経 費が均衡す る。 もし短納期で顧客の要求 に柔軟 に即応で き れば、それが付加価値 になる 受注生 産の形態が強 く最終顧客 に近い場所 で生産す る万が効率的 な場合 はなお有利である。情報化社 会で は、世界中 どこで も光の速度 で情報交換 され るので、 ビジネススピー ドは とて も重要であ り、実態であるモ ノと の関係 において、情報化の戦略 を練 ることが不可欠である。

(2)

情報が持つ性質の利用

CALSは、本質 を言 えば、"Doitrightthefirsttime''と ̀̀Dataiscreatedonce andusedmanytimes"の言葉 に凝縮 されている。作 り込み を正 しくや り、最初 に 作 ったデー タを製 品 ライフサ イクルの 間、幾 度 も使 う とい うもので あ る。 これ は CALSだけではな く、 この言葉 に学 ぶべ き点 は多い。 また蓄積 された技術 デー タに は、製品が変 わって も再利用で きる知的 な情報が含 まれてい る。個 々の経験や ノウ ハ ウをで きるだけ形式知化 して整理す るこ とによって、製品 を越 えて、企業全体 の 知恵や ノウハ ウ として共有 してい く試みは、ナ レッジの全社 的共有 と利用 につ なが る重要 な経常戦略 になろ う そのためには、将来 に渡 って役 に立つ情報 は何か を考 えた上で、入力すべ きデー タ項 目やその内容 を決めるべ きであ り、多額の投 資 を し たが、情報 を収集す るだけに終始す る "情報 の ごみ箱" をつ くらない ようにす る努 力が求め られ る また蓄積 した情報 は、様 々な組み合 わせ によって、新 しい付加価 値やサー ビスを生み出す ことがで きる。 中小 企業では、資源 も少 ないので、知恵 を 発揮 して工夫 をこらす ことが重要であ る

(3)

人対人、デジタル情報交換の共存 と相互作用

インター ネ ッ トの普及 に よ り誰 にで も簡単 に電子 メールが利用で きるが、すべ て 74

(19)

が デ ジタル情報交換 によって代替で きる訳ではな く、人対 人による情報交換 を含め て効果 をね らう必要がある た とえば大 田区か ら北海道 に移転 したある製造企業で は、技術者の腕が鈍 るか らと 年 に一回は、大 田区に出向いて研修 による相互研鉾 を行い、双 方が刺激 を受 けて仕事の意欲 を高め るそ うであ る また展示会 に出展 し て 自社 の製品や技術 をア ピールす るのは、ホームペー ジや電子 メールだけでは、顧 客の生 の声 を聞 くことがで きないか らであ る よ り良い製品作 りには、顧客の反応 や要求 に関す るニュア ンスを肌 で感 じなが ら、そ こに潜 む問題点 を的確 に把握 して プロダク トに活かす プロセスが欠かせ ない。地方 の同業製造業者が複数社加盟す る ア ンテナ シ ョップが都会の‑一角 にある 店員が顧客 との触 れあいに よ り知 り得 た製 品に関す る情報 を、その 日の うちに加盟す る地方の製造業者 に送 るサー ビスを行 っ ている それ らの情報 はす ぐに企 画や設計 に伝 え られ、デザ イ ンや仕様の変更、修 正が行 われ る。 この ように、 どち らかの手段 で問題が解決 で きれば、それは有効 な 情報交換 手段 である しか し実際 には、世界中 どこで も瞬時 に情報交換がで き、蓄 積 した情報 を検索 で きるデ ジタル情報交換 と、人対 人で なければ解決で きない情報 交換 の共存 と相互作用 に よって、効果的で効率 的 な情報交換 を実現す るのが よい 。 当た り前の ことの ようだが、交換 した情報 を最終 的 にデ ジタル情報で整理 して社 内 で共有 し、次の開発や試作 に活か して効果 を上 げ るまで考慮す る となる と、あ らか

じめ実行可能 な しくみづ くりを しておかない と簡単 に実現 で きる ものではない。

( 4)

システム導入の留意点

自らの事 業サ イズに見合 った システムを簡素 に構 築す るのは、 とて も難 しい。選 択 で きるような既成の システムは存在せず

、COTS( Co mme r c i a lo f ft h es h e l f

一 商 用の市販ハー ドウェアや ソフ トウェアで誰で も購入で きる既成晶の こ と) を組 み合 わせ た情報 システムモデルを自らが設計す る必要があるか らであ る。SI事業者 にア ウ トソー シングす ることも考 え られるが、最良 な システムが構築で きるか とい うと、

必ず しもそ うはな らない。依頼者が全 て を他 人任せ に して協力 しない、 自社が熟知 している複雑 な事情 は ヒア リングに時間がかるな どの場合があ り、依頼すれば効果 が確実 に期待 で きる もの と、そ うな らない もの を見極 め る能力が求め られ る ときも あ る。 また競争相手の情報化の進展 に よ りシステムや しくみ も陳腐化す るので、投 資 も継続的 に推進す る必要があ る。情報化 の進展 に追従す るため には、最新 の情報 化が期待 されるが、現実的には、事業規模 に応 じた情報化投 資 を毎年計画的 に実施 してい くしか ない。す なわち一括 して システム化す る必要があ る場合 と、全 て を自 動化せず に人の活躍 を期待す る簡素 なシステムに して、実現 で きる ところか ら確実

に実績 を積上 げてい く工夫が必要 な ときもある。重要 な点 は、企業業務の遂行 に関 75

(20)

国際経営 フォーラムNo.ll

す る必要最小 限の 目的 を達せ られ るシステム構築 をまず考 えることであ る 必要最 小 限 と思 われる業務 システムの機能が含 まれ るように現状 のCOTSで実現可能 な シ

ステムをデザ インす ることが結果的に改革 を早 めるこ ともあるか らである

(5)情幸糾ヒを阻む人的要因

中小規模 の企業 で は、最新 の情報技術 に対応で きる人材や投 資資金の不足か ら、

適 当な時期 に適切 な システムを構築す ることがで きない場合が多い。 また情報技術 の進歩が 早いので、経営者 は急速 に陳腐化す る情報 システムに対す る投 資 には慎重 にな らざるを得 ない。そのため最新 の情報技術 の恩恵 を受 け られず、業務の抜本的 な改革 に踏み切 れない まま事業 を続 けてい る中小企業が多い。 しか し最近では、ハ ー ドウェアの価格 は大幅 に下が り導入費用の負担が減 って きた。 アプ リケー シ ョン

も安 くな り、中小規模 向けの財務 ・販売管理、生産管理の ソフ トウェアが容易 に導 入で きる ようになった。そのかわ りに蓄積 して再利用で きる技術 とはなにか、 どの ような しくみ を もつ ビジネスモデルであるべ きか、それ を実現す るために必要 な情 幸田ヒは どうあるべ きか、 システムを有効活用す るには どうした らよいか、 な どの問 題 を解決で きる人材が求め られ るようになって きた。 また これ らを物理的に実現す るネ ッ トワー クエ ンジニアの不足が大 きな問題である 急速 な技術 の進展 に追随す るため には、情報化対応が可能 な人材 を外部か ら登用す るのが実現 も早いが、人材 不足のため に思 うように活用で きないのが現状である その結果、 内容の不十分 な 投 資計画が作 られ易 く、不適切 な情報投資が行 なわれ、限 られた予算が有効 な投資 に結 びつか ない場 合が見受 け られ ることになる 当然、経営上期待す る投資効果 も 得 られ ない。 よい しくみ を実現す るための情報化 は、古い し くみ を根本か ら改革 し て成功 に導 くことに貢献す る可能性 を持 っている しか し現実の多 くは、個 々の業 務改善 に関す る問題の解決か ら着手 しな くて はな らず、情報化 もその効果が限定的 にな らざるを得 ない。多 くの競争相手が共 同で情報化 を行い、 ネ ッ トワー クで得 ら れた情報 を共有 し、その恩恵 を享受で きる しくみ を実現す る方向にあるのに対 して、

単独 で個 別の業務改 善や そのための システ ムの構 築 に時 間 を費や してい る ようで は、早 い変革の波 に追随で きな くな り事業の継続 自体 に問題 を発生 させ ることにな りかねない。企業規模が小 さ くなればなるほ ど、多 くの問題 を少 ない人数で処理 し なければな らない難 しさもある

限 りある経営資源の中で多 くの問題 に対処す るため には、 ご く少数の推進者の主

改善 を、実現で きる範囲か ら段 階的 に効率 よ く進めなければな らない。計画 に対 し て繰 り返 し検討 を加 え、実際 に試み、評価 しなが ら、見直 しを含めて修正 を して適

76

(21)

用す るのであ る。諸 問題へ の対応 に対 して、確 実 に取 組 む習慣 を身 につ けるため に 社 内の体 質 を変 える努力 も必要 であろ う また企業 内で情 報技術 の導 入 と業務改善 の両方 を同時 に推 進 で きる人材 を養成す る、あ るいは複数企業で ネ ッ トワー クエ ン ジニ アを共有す る努力 も必要であ る

7. まとめ

安易 な情 報 システム化 は、実際 の投 資額 ほ どに期待 す る経営上 の効果 は生 まれ に くい。 そ こには顧 客が欲 しが る魅 力あ る財やサー ビス、それ らを生み 出 し顧客 に届 け る効率 的 な ビジネス システムが存在 し、 これ らを有効 に機能 させ るため に情報技 術が利用 され る必要 があ る 情 幸田支術 は、 ひ とつ の手段 で はあ るが、利用次 第 に よ

って は重要 な鍵 を握 る イネー ブ ラー的 な存在 にな る 今後、情報革命が進め ば、単 なる インター ネ ッ トの利 用や業務処理 システムの導入 だけでは、他 社 に対す る優位 性 は保 てない。顧 客 の要求 に対 して、個別 で きめ細 か な対応 がで きる、協業 で対応 で きるな ど、 中小 企業が ゆ えに発揮 で きる機能 を実現 す るため に、す ぐには真似 の で きない独 自の技術 とそれ を顧客 に提供す る までの し くみ を再構 築 し、情報 ネ ッ ト

ワー ク化 に よ りそれ を実現 の方 向 に導 くこ とが大切 であ る。 その技術 や しくみ に魅 力が あれ ば グローバ ル ・ネ ッ トワー ク社 会で調達 され るの は間違 い な。 その時、

それが どこか らで も調達 されやす い情報武装 され た即応 で きる業務 プ ロセスが構 築 されてい るのが望 ま しい。 そのため には、外 部 との密接 な情報 コ ミュニ ケー シ ョン が可能 な イ ンター フェー スが標準 化 され る必要 が あ ろ う。小規模 の企業 であれ は、

技術 を地域 集積 させ 、人対 人の コ ミュニ ケー シ ョンで集団 を形成 して共 同で情報化 を行 い、情報 システム を駆使 して、個別 、あ るい は協業 で外部か らのニー ズに対応 す る。21世紀 は、そ う した新 しい試みや対応 が求 め られ、それ を実現す る時代 にな るであろ う

参考文献

1) 平 野 ・曽我 部 ・斉藤 「中小 企業 向 け生 産 ・物 流 業 務 プ ロセ スモ デ ルの提 案」、

Proc.ofCALSJapan'96、pp611‑624、1996年。

2)曽我 部旭 弘 ・平野健 次 「中小規模 のサ プ ライチ ェー ンにお け る業務 プ ロセ スモ デ ル‑ 製 品 ライフサ イクルにお け る ビジネスプ ロセスの統 合化‑」、Proc.ofCALS ExpoInternational'97、1997年。

3)関満博 『フルセ ッ ト型産業構 造 を超 えて』、中公新書、1993年。

4)日本 イ ンター ネ ッ ト協 会 「イ ンター ネ ッ ト白書99」、1999年。

5)レス ター ・C・サ ロー 『資本主義 の未来』、TBSブ リタニ カ、1996年。

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(22)

国際経営 フォーラムNo.ll

6)P・F・ドラ ッカー 『ポス ト資本主義社 会』、 ダイヤモ ン ド社、1993年。

7)内藤英 憲 ・池 田光男 『現代 の中小企業一 本質論 か らベ ンチ ャー ビジネス論 まで

‑ 』、 中小企業 リサーチセ ンター、1995年。

8)囲川 ・伝 田 ・城戸 『CALSの実像』、 日経BP出版セ ンター、1995年。

9)平野 ・伝 田 ・城戸 ・曽我 部 「CALS/EC教育訓練 カ リキ ュラムの提案 と実践 の 試 み」、Proc.ofCALSJapanT96、pp263‑274、1996年。

10)K.Hirano,Y.Sogabe,班.Matsuura,''A CALS/EC EducationandTraining CourseofforJapaneseSmalトandMedium‑SizedEnterprises'',International JournalofComputerlntegratedManufacturing,Vol.12.No.3,pp278‑287,1999.

l l )

佐藤芳雄編著 『21世紀、 中小企業 は どうなるか』、慶応義塾 大学 出版会、1996 年。

12)中小企業庁編 『平成8年版 中小企業 自書』、大蔵省印刷 局、1998年。

13)平野健次 ・曽我部旭弘 「中小規模 のサ プ ライチ ェー ンにおける業務 プロセスモ デ ルー 業務 プ ロセ スの情 報化 と企業 間 コ ミュニ ケー シ ョンの必要性‑」、Proc.of CALSExpointernational,'97、1997年。

14)Prahalad,C.K.andG.Hame

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"TheCoreCompetenceoftheCorporation",

HarvardBusinessReview,1990.

15)唐津一一 「日本 を創生す るTQM ‑モ ノづ くりの真髄 とは何か」、第67回品質管 理 シンポ ジウム、 日本科学技術連盟、1999年。

16)中村智彦 「め ざせ 、横請 ネ ッ トワー クー 垂 直型連携 か ら水平型連携へ」、 月刊 中小企業、 ダイヤモ ン ド社、1999年3月 IL3‑。

17)Moncarz,H.T., "InformationTechnologiesmakebusinesssenseforthe custom therapeuticfootwearindustry'',NISTIR5673,NISTJune1995.

18)日本経済新 聞、1998年3月23日号。 (同紙の記事 よ り筆者が引用 し加筆 ・修正 した。)

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図 1 VE ( Vi r t ual Ent er pr i se) 一 仮 想企 業体

参照

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