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パーキンソン病の運動症状の機構解明を目指す神経回路モデルの開発

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(1)

ペタからエクサへ:ポスト京を用いた全脳規

模の神経回路シミュレーションに向けて

理化学研究所 情報基盤センター 計算工学応用開発ユニット 上級センター研究員 ポスト京 萌芽的課題4 サブ課題B担当 五十嵐 潤

(2)

本日の内容

• 1. 自己紹介

• 2. はじめに:脳とはどのようなものか?

• 3. パーキンソン病の運動症状の機構解明を目

指す神経回路モデルの開発の取り組み

• 4. 次世代スパコンによる脳シミュレーションの展

(3)

1.私の略歴と日本のスパコンの性能推移

(FLOPS: FLoating-point OPeration per Second 1秒間当たりの浮動小数点演算の回数) • 九州工業大学 生命体工学研究科(2002-2007年):嗅内皮 質の研究、プレイステーション3による脳シミュレーション • ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(2008年): GPUによる基底核のリアルタイムシミュレーション • 理化学研究所 (2009-2013年): 京での脳のシミュレーション • 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット(2013年- 2016):京によるパーキンソン病状態のシミュレーション • 理化学研究所 情報基盤センター(2016-2020年): ポスト 京による全脳シミュレーション

地球シミュレータ:

41

Tera

FLOPS

Tera: 10

12

京:

11

Peta

FLOPS

Peta: 10

15

ポスト京:

1

Exa

FLOPS?

Exa: 10

18

スパコン

> x100

~x100

五十嵐

(4)

2. はじめに:脳とはどのようなもの

か?

脳はどういうもので、なぜ脳を研究する必要

あり、シミュレーションするのか。

(5)
(6)

脳: 微小な神経細胞からなる巨大な森

人間の脳にある神経細胞の数

約86,000,000,000 (860億)個 !

神経細胞をつなぐ結合の数

約100,000,000,000,000(100兆)個以上!

(7)

脳は柔軟で創造的

コンピュータ

– 四則演算は早い

– 命じられたことのみ実行

人間の脳

– 四則演算は遅い

– 高度な学習能力

– 高度な認識能力

– 多様な問題に柔軟に応答

– 創造性

出典 脳の写真 Herculano-Houzel, 2009

(8)

脳は超低消費電力

2016年11月の世界最速

スパコン:

Sunway TaihuLight (中国)

1537万ワット

人間の脳

約10W

出典 脳の写真 Herculano-Houzel, 2009

(9)

脳はまだ未解明

脳は膨大な数の神経細胞や結合によって、どのように

情報を処理しているのか、わかっていないことが多い

困難な問題

神経細胞や結合が複雑で数が膨大なため、全てを把握

することや、相互のやり取りがわかりずらい。

脳のシミュレーションの利点

- 全ての神経細胞の活動や相互作用を記録できる

- 何度でも、どんな状態でも試せる

- 動物実験の代替えができる

(10)

もし脳のしくみが解明できたら…

• 脳の病気の治療

• 効果的な教育

• 人間のように考えるパソコン

• 人間のように考えるロボット

• 人間とはなにかという問いへ

の一つの回答

(11)

3. パーキンソン病の運動症状の理解を目指す

大脳基底核ー視床ー大脳皮質神経回路モデル

(12)

京コンピュータとターゲットアプリケーション

AICS (兵庫県神戸ポート アイランド)

(13)

運動指令 フィードバック

全身モデル

(中村@東大) 脊髄=運動指令の伝達 (高木@東大) 筋・骨格=関節運動 (高木@東大)

脳=運動指令の作成

(銅谷@沖縄科技大) 患者データに基づくパーキンソン 病モデル (野村@阪大)

姿勢保持障害な

どの症状の再現

振戦・固縮など

の症状の再現

京のプロジェクト: HPCI戦略プログラム 戦略分野1 課題3

筋骨格系・神経系の階層統合シミュレーション

(14)

運動指令 フィードバック

全身モデル

(中村@東大) 脊髄=運動指令の伝達 (高木@東大) 筋・骨格=関節運動 (高木@東大)

脳=運動指令の作成

(銅谷@沖縄科技大) 患者データに基づくパーキンソン 病モデル (野村@阪大)

姿勢保持障害な

どの症状の再現

振戦・固縮など

の症状の再現

京のプロジェクト: HPCI戦略プログラム 戦略分野1 課題3

筋骨格系・神経系の階層統合シミュレーション

1. パーキンソン病の運動症状の理解と新しい治

療法の探索

2. 脳の運動に関する情報処理機構の解明

3. 将来の医療応用のためのプラットフォームの

開発

(15)

パーキンソン病

● 中年以降(50歳)での発症が多く、世界に数百万人 の患者がいる脳の病気。 ● 症状:動作の困難や遅れ、手足の震え、筋肉の異常 な緊張、姿勢調節障害、歩行障害。 ● 原因:中脳黒質のドーパミンニューロンの減少が原因 (ミトコンドリアの酸化ストレス、外傷、遺伝的要因)。 ● 治療法:L-ドーパの摂取、深部脳刺激など

Lド―パ

ドーパミン

大脳基底核 脳深部刺激

(16)

パーキンソン病時に脳や末梢で起きる様々な振動現象

Hess and Pullman, 2002 Tachibana et al., 2011

大脳

基底核

運動

皮質

視床

脊髄

異常なベー タ振動 (8-30 Hz) 震え(約5Hz) 拮抗筋の筋電 (約5Hz) 振戦関連 発火(約5Hz) 脳波 (約5Hz, 約10Hz) 振戦関連 発火 (約5Hz)

屈筋

伸筋

Timmermann et al, 2003

ドーパミンの枯渇によって、どのようにして大脳基底核の異常なベータ振

動や運動皮質や視床の振動が起き、震えが発生するのか?

屈筋 伸筋 Guehl et al., 2003 脳波 伸筋 屈筋

(17)

大脳基底核ー視床ー皮質ー脊髄ー筋骨格の統合モデル

大脳基底核

運動皮質

脊髄

筋骨格

視床

(18)

京コンピュータとNEST シミュレータ

京コンピュータ

– CPU数:88,128個 メモリ: 約1.3PB

– CPU:Fujitsu SPARC64 VIIIfx

– ネットワーク:Tofu インターコネクト

NEST シミュレータ (ドイツユーリッヒ研究所)

– 並列計算対応の脳のシミュレータ

– 現実的な脳のモデルを構築可能

– ホームページで一般に配布

マーカス・ディーズマン博士(左) アビゲイル・モリソン博士(右) 写真の提供:富士通株式会社

(19)

運動皮質ー視床

運動皮質

視床

脊髄

筋骨格

大脳基底核ー視床ー皮質ー脊髄ー筋骨格の統合モデル

(20)

運動皮質モデル

サイズ: 1.2mm x 1.2mm 1.4mm (深さ方向)

層: 1, 2/3, 5A, 5B, 6

細胞数: ~86,000

モデル: 積分発火型神経細胞モデル

結合の空間範囲: レーザースキャニングフォト

刺激のデータ E to E (Weiler et al. 2008), I to E

(Katzel et al., 2011), E to I (Apicella et al., 2012)

Lev and White, 1997

Weiler et al., 2008 E to E 結合 五十嵐@ 理研、沖縄 科技大 図:神経科学 マークF.ベア―

(21)

運動皮質と視床の神経細胞のモデル

積分発火型モデル (運動皮質神経細胞)

) (t RI v dt dv m   

if vv_threshold, then vv_reset

C:膜容量、V:膜電位、I:電流、τm:時定数

(22)

視床のCaバースト発火によって起きる運動皮質の

コラムの逆相同期発火

1 2/3 5A 5B 6 運動皮質 視床 Time (ms) 1000 2000 #5B 層コラム ドーパミン枯渇で想定される過分極性電流によって、視床皮質細胞が約5HzのCa バースト発火を発生し、相互抑制回路により逆相同期活動が発生。 視床皮質細胞の信号により運動皮質5B層のコラムでも逆相同期活動が発生。 500 µm PT IN 5B層 RE TC 2000 3000 視床

(23)

大脳基底核ー視床ー運動皮

質ー脊髄ー筋骨格

視床

大脳基底核ー視床ー皮質ー脊髄ー筋骨格の統合モデル

約300万個の神経細胞を京の8192CPUコア

を使って、6秒分シミュレーション

(24)

運動皮質-視床 上肢(二頭筋、三頭筋) 30%の速度で再生

京による大脳基底核ー視床ー運動皮

質ー脊髄ー筋骨格の統合モデルの実行

Moren氏 @沖縄科 技大 山村氏 @東大 大脳基底核 運動 皮質 視床 脊髄 筋骨格 清水氏 @東大

脳ー筋骨格の統合モデルを実際に京で実行することができた。

(25)
(26)
(27)

まとめとこれからの課題

• ドーパミン枯渇による淡蒼球外節と視床下核の発火パタンの変化と

結合強度変化によって、パーキンソン病の異常なベータ振動が起

きることが大脳基底核モデルで示唆された。

• 震えの原因は、ドーパミン枯渇時の過分極性電流で起きる視床ー

皮質細胞の約5HzのCaバースト発火と相互抑制回路による、運動

皮質5B層の逆相同期活動で発生することが運動皮質ー視床モデ

ルで示唆された。

• 京コンピュータを用いた脳ー筋骨格の統合モデルの実行に成功し、

パーキンソン病時に見られる震えに似た現象が周波数は遅いもの

の現われた。

• 今後は、震えの周波数の正確な再現と治療法の探索、固縮などの

他の運動症状の再現、パーキンソン病以外の疾患の再現へ展開

(28)

4. エクサスケールスパコンに向

けた脳シミュレーションの展望

(29)

スーパコンピュータの性能と神経回路シミュレーション

規模の推移

1神経細胞 Hodgkin and Huxley, 1952 16億個 Ananthanarayanan et al., 2009 17億個 Kunkel et al., 2013 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020

演算

性能

(F

LOP

S)

エクサ1018 ペタ1015 テラ1012 ギガ109 メガ106 キロ103

100万個 Izhikevich and edelman, 2008 3460個 Traub et al, 2000 1600個 Destexte et al, 1994

?

シミュレーション規模は、ムーアの法則に従う計算機性能上昇とともに拡大。 2020年頃にはエクサ級の計算機でどれだけ拡大するか? 図:AMD, 2010資料

(30)

世界で行われている脳の大型プロジェクト

ヨーロッパ:Human Brain Project

アメリカ:Brain Activity Map Project

日本:Brain MINDS

、ポスト京萌芽的

課題4

中国:China Brain Project

世界の脳科学における激しい競争が、脳のシミュレーショ

ンの詳細化、大規模化を推し進めているようにみえる

(31)

世界で行われている様々な脳の大規模モデル

ネコの脳規模の新皮質ー視床の神経回路モデル

(Ananthanarayanan et al., 2009)

• 新皮質と視床の神経回路モデル

• ネコの脳の規模に匹敵する16億個の神経細胞と8.8兆個の

シナプス結合

• α周波数帯(約10Hz)の集団的な振動活動が発生

• IBMのスーパコンピュータBlue Gene/Pを利用(147456 CPUと

144TBのメモリー)

(32)

ラットの体性感覚皮質

(Markrum et al. 2015 Blue Brain Project)

• 体性感覚皮質、31,000 神経細胞をシミュレーション

• 207 morpho-electorical neuron subtypes

• 計算機:EPFL Blue Brain IV (Blue Gene/Q, 65,536 コア、

839 TFLOPS , Swiss National Supercomputing Center)

• シミュレータ:NEURON simulator

(33)

知的なタスクを実行できる神経回路モデル:

Spaun (Eliasmith et al., 2012)

• 脳の各領域で想定される機能を実行する神経回路モデルを

組み合わせたモデル。

• 250万個の神経細胞モデル

• デスクトップコンピュータで実行可能

• 8つの知的タスクを実行することができる

Eliasmith et al., 2012

(34)

ネコの規模の小脳(10億神経細胞)のリアルタイムシ

ミュレーション (山﨑 (電気通信大学)et al., , in prep)

• 10億個の神経細胞からなる小脳の神経回路モデル

• 脳表面62 x 64 mm

2

• Green 500 3位の菖蒲を用いて実行(理研情報基盤

センター)

• Intel Xeon + PEZY SC (MIMD, 1024 cores、2 PETA

FLOPS)

(35)

京コンピュータを用いた大脳皮質局所神経回路シミュレー

ション(Kunkel et al., 2013)

京で

17億3000万個

の神経細胞と

10兆4000億個

のシナプスのシミュ

レーション実行を確認(2013年プレスリリース)

(36)

Herculano-Houzel, 2009

マーモセット

約6億個

ヨザル

約14億個

マカクザ

約63億個

京では小型のサル程度の規模のモデルの実行が可能であることがわ かった。さらに60倍規模を拡大すると人間の規模に達する。

ヒト

約860億個

京で17億個

京で実行した神経回路モデルの規模と動物の脳の神経細胞数

(37)

ヒト全脳規模の神経回路モデル実行に必要な計算性能

• エクサフロップス級の性能で、ヒト全脳

モデルの1秒分のシミュレーションを、

数時間程度で実行可能との見積もり

• “10PFLOPSの京で17億神経細胞”から

外挿すると、1EFLOPSで1700億(>ヒト

860億個)

• 同様の予測が、IBMのネコ規模脳のシ

ミュレーションを行ったグループからも

出されている。(Ananthanarayanan et

al., 2009 )。

Ananthanarayanan et al., 2009 細胞数とシナプス数 細胞数 10^11 コンパートメント数/細胞 5000 シナプス数/細胞 10000 FLOP/1秒 細胞 10^21 シナプス 10^19 データ量 細胞 1.6x10^17 シナプス 4.8x10^16 主記憶B/F 0.11 計算科学ロードマップより

(38)

Oh et al., 2014 Zeisel et al., 2015 Zingg et al., 2014

全脳神経回路モデル構築に必要なデータ

• 2000年代に入り、遺伝子技術、コネクトームの測定技術が急速に発達し、全脳 モデル構築に必要な脳のデータが急速に出現してきている。 – 神経細胞間に関する結合データ(マクロスコッピク、メゾスコピック) – 構成神経細胞種の同定 – 大脳皮質の脳地図 • 数年~10年内に様々な動物の脳のデータが爆発的に出現する。 Hunnicutt et al., 2014 Mouse connection matrix Mouse neocortex Connectome Mouse thalamocrtical connetcion

Mouse cell types identification

Glasser et al., 2016

Human brain map

(39)

2022年、”ポスト京”でヒト全脳規模の脳シミュレーションを!

ポスト京萌芽的課題 思考を実現する神経回路機構の解明と人工知能への応用 (代表:沖縄科学技術大学院大学 銅谷賢治)

ヒト

約860億個

ヨザル

約14億個

2017年 京

11 PFLOPS

2022年 ポスト京

~1EFLOPS

人間の脳規模 小型のサルの脳規模

京の百倍の性能のポスト京

全脳規模のシミュレーション

を実現し、脳

のしくみや脳の病気の解明、人工知能への応用を目指す

(40)

NEST simulator Diesmann (JRC)

ポスト京 萌芽的課題4思考を実現する神経回路機構の解明と人工

知能への応用(2016年8月-2020年3月)

大脳皮質 五十嵐 (理研) 小脳 山崎(電通大) 結合解析 大羽(京大) 大脳基底核 銅谷 (沖縄科技大) 脳型AI 石井 (京大) BriCA 高橋(理研) 深層学習 原田(東大) 人工知能 結合解析、哺乳類全脳 シミュレーション 昆虫全脳シミュ レーション 神崎(東大) 視覚皮質 稲垣(中部大) 海馬 立野(九工大)

(41)

ポスト京による全脳シミュレーション

• 脳の領域間(大脳皮質、大脳基底核、小脳、視床)の相互作用を調べる。

• 脳がどのように思考を実現するかをシミュレーションによって解明し、人

工知能への応用を目指す

小脳

視床 大脳基底核

大脳皮質

大脳皮質

大脳基底核

視床

小脳

ポスト京 コンピュータ

Fig : Neuroscience, Mark F. bear et al.

強化学習

教師あり学習

教師なし学習

(42)
(43)

研究員2名大募集!

• 萌芽的課題4 サブ課題B(理化学研究所 情報基盤センター)では、視床、 体性感覚皮質、2次運動皮質 の神経回路モデル開発を一緒に行ってい ただける研究員を2名募集しています! • 要件:博士号取得もしくは取得見込みで、神経科学の研究経験、神経回 路シミュレーションの経験がある方。生理実験の方も大歓迎!!! • 大脳皮質-視床の情報処理機構、ポスト京を使った並列計算などに興 味のある方は是非ご応募ください!

• 詳しくはJREC-IN portal site (https://jrecin.jst.go.jp)の公募記事をご覧くだ さい。私に直接メールでお問い合わせいただければ、情報をご案内しま す([email protected])。

• ポスト京 萌芽的課題4では、他にも大脳基底核モデル開発や脳型人工 知能開発の研究員を募集しています。ご興味のある方は是非お問い合 わせください。

(44)

ご清聴ありがとうございました

OIST、銅谷ラボの皆さん ユーリッヒリサーチセンター Markus Diesmann Moritz Helias Susanne Kunkel 理研 ISLiM 石井信 深井朋樹 姫野龍太郎 舛本 現 共同研究者 戦略プログラム 高木 周 銅谷 賢治 山村 直人 清水 和弥

(45)
(46)

ポスト京 コンピュータ

(2021年-2022年完成予定)

(47)

“Sheets of spiking neurons can perform Bayesian inference on distributed spiking

input.” (Bill et al., 2016)

Inhibition like Blanket

運動皮質モデルの側抑制による出力選択

Weak Strong

L2/3

L5B

L2/3 L5B

S1

M2

90μm strong weak Sub-threshold Supra-threshold

(48)

ヒト全脳シミュレーションと倫理的な問題

• いつか人間の知性が脳のシミュレーション

で再現されるようになり、人間の脳より高速

に動作するようになるかもしれない。

• 特異点、ポストヒューマン (レイカーツワイル

氏)

• 我々自身を電子的に模倣できるとなったら、

我々が自身に持つ認識、価値観はなにかし

らの影響を受けるだろう。

• いつか実現したときに起きる変化の可能性

について考えておき、その変化へ対応でき

るようにしておくべきではないだろうか?

(49)

大脳皮質

小脳

ヒトの脳の質量、細胞数の9割は大脳皮質と小脳

☆脳全体 質量:1508 g 神経細胞数:860億個 ☆大脳皮質 質量:1233 g(82%) 神経細胞数:160億個(19%) ☆小脳 質量:154g(10%) 神経細胞数:690億個(80%) 大脳皮質+小脳: 質量: 92% 神経細胞数: 99% (Herculano-Houzel, 2009) 図:神経科学 マークF.ベア― 全脳シミュレーションでは、計算量の観点からまず、この二つの領域を考えるべき

(50)

実際の脳内の結合は同じ領域内(近傍)で多く、

他の領域間(遠方)は少ない

同側半球 対側半球 大脳新皮質 線条体 視床 小脳 視床下部 中脳 延髄 海馬 Oh et al., 2014

(51)

大脳皮質はシート状の構造

• どの皮質領域も6層の構造

• 異なる皮質領域はるシート状に

Zingg et al., 2014 一次運動 二次運動 体性感覚 体性感覚 図:神経科学 マークF.ベア― 脳の空間的な特徴を考慮したモデルで、ヒト全大脳皮質は実行できるか?

(52)

嗅内皮質ー海馬閉回路結合を持つ嗅内皮質神経回路モデ

ルの時系列記憶についての研究

30 1 シナプ ス後細胞 シナプ スコンダクタンス [mS /cm 2 ] 0 s 40 s 80 s 120 s 160 s 200 s 1 2 3 4 5 場所 0 0.05 1 シナプス前細胞 30 ラットが通る場所のならびに対応した場所細胞間の閉回路結合(12, 23, 34, …)が選択的に強化され、シータリズム一周期で順番に発火 10 0 ms 20 mV #1 #2 #3 #4 40 Hz 周期刺激 嗅内皮質II層 海馬 嗅内皮質 V 層 遅延 20 ms 興奮性

(53)

GPGPUによる大脳基底核の神経回路モデルのリアル

タイム実行 (Igarashi et al., 2011)

GPUの並列計算性能によって実時間以上の速度でシミュレーション

1コア 2コア 4コア

CPU: Intel Xeon 3.2GHz GPU

1セット 実行 3セット 実行 リアルタイム境界 10 0 30 70 60 50 40 20 計算時間 (sec) GPU 大脳基底核

(54)

随意運動時の運動皮質のシータ(4-8Hz)、ガンマ(25-120Hz)周

波数帯の振動的神経活動の解析(Igarashi et al., 2013)

運動皮質の神経細胞は、運動時の速いガンマ振動、待機時の遅いガンマ振動、 シータ振動に合わせて発火し、層によって異なる特徴を示す。

(55)

運動皮質モデルにおける側抑制による出力選択

運動皮質シミュレーション 2/3 5A 5B 6 1 600 -600 マウス運動皮質実験 Weiler et al., 2008 -800 800 マウス第一感覚野実験 Adesnik et al., 2010 記録部位から刺激部位の距離 (μm) 運動皮質シミュレーション -800 800 Normari zed c urr en t 記録部位から刺激部位の距離 (μm) 実験で観測された結合の空間範囲を取り入れた運動皮質モデルで、側抑制による出力の選 択が起きた。

Weak Strong

L2/3

L5B

L2/3 L5B

S1

M2

90μm strong weak Sub-threshold Supra-threshold 0 0

(56)

シミュレーション 実験 n n dt dn h h dt dh m m dt dm n n h h m m                ) 1 ( ) 1 ( ) 1 ( ) 80 / exp ( 125 . 0 ) 1 10 10 /(exp ) 10 ( 01 . 0 ) 1 10 30 /(exp 1 ) 20 ( 07 . 0 ) 18 / exp ( 4 ) 1 10 25 /(exp ) 25 ( 1 . 0 V V V V V V V V n n h h m m                     

Hodkin and Huxley, 1952

    ( ) ( dt d Na 4 Na 3 leak leak K Na M V V g V V n g V V mh g V C        電気的等価回路 CM:膜容量、V:膜電位、g: 最大コンダクタンス、 m, h, n: ゲート変数, α、β: 反応速度定数

Hodgkin-Huxley型モデル

細胞外 細胞内 Na K リーク 可変抵抗 膜電位 膜容量 平衡電位

Fig : Neuroscience,  Mark F. bear et al.

参照

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