底生動物を用いた河川環境の評価に関する研究 福岡大学工学部
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(2) VII-027. 土木学会西部支部研究発表会 (2011.3). 関関係が認められた水質項目は,電気伝導度,濁度,S Sであり,電気伝導度との相関係数はr=-0.55 であっ た(P<0.001) .濁度とSSの相関関係は有意さが検出さ. 8.0. れたものの相関係数は小さく,それぞれr=-0.15(P < 0.01),r=-0.16(P <0.05)であった.図 2 に電気伝 導度と ASPT 値の散布図を示す.電気伝導度が概ね 0.1. 5.0. 7.0. ASPT値. 6.0 4.0 3.0. (ms/cm)で ASPT 値が概ね 6 以上の値となっていた. また,図 3,4 に室見川における各地点の ASPT 値及び 電気伝導度を平均値と標準偏差を示す.上流から下流に. 2.0 1.0 0.0. 流下するに従い,ASPT 値は小さく,電気伝導度は大き くなっていく様子が示された.宮市・並木の関東地方の. 0. 大河川を対象とした報告 や BOD 濃度との 整合性が高いことが報告されている.関東地方の河川で は,COD,BOD 濃度がそれぞれ 10mg/l 程度の汚濁した. 図 2 電気伝導度と ASPT 値の関係. 0.1. 0.2. 0.3. 電気伝導度(mS/cm). 1)では,COD. 10. 地点も含まれていた.しかし室見川の BOD 及び COD 値 の平均値はそれぞれ 2mg/l 以下であり,レンジは狭く水 質は良好である.そのため,COD や BOD 濃度との関係. ASPT(5月) ASPT(10月). ASPT値. 8. が検出できなかったものと考えられた. 室見川では電気伝導度,濁度や SS と有意な関係が検 出された.このことは,室見川では濁水等の影響が底生. 6 4. 2 0. 動物群集に影響を与えた可能性を示唆している.また, ASPT 値を用いて評価し,これと水質項目との関係を分. A B C D E F G H I J K L MN O. 調査地点. 析することにより,底生動物群集へ影響を与えている因 子をある程度絞り込むことが可能であることがわかった. 次に,各地点の ASPT 値,PI 値,電気伝導度等その他. 図 3 各地点の ASPT 値(平均値及び標準偏 差) 0.3. の水質項目との関係を把握するため,経年変化を追った. ASPT 値については,時間の経過に伴いこれが上昇する 傾向がみられる地点や,下流側の地点のようにほぼ横ば. EC (ms/cm). 0.25. いの地点等がみられた.PI 値と比較したところ,ほぼ同 様の傾向がみられた.ASPT 値の算出においては,あら かじめ示されている表から出現種の科を特定し,スコア. 0.2. ASPT(5月) ASPT(10月). 0.15 0.1. 0.05. を決定するのみで値が算出でき,PI よりも算出方法が容 易であり,また,ASPT 値は 1~10 までの値で示される. 0. A B C D E F G H I J K L MN O 調査地点. 等,評価がわかりやすいことが利点としてあげられた.. 図 4 各地点の電気伝導度(平均値及び標準偏. 5. まとめと今後の課題 本研究では,研究者・技術者が生物学的に河川環境を 行うのに適した方法として期待される日本版平均スコア 法に着目し,室見川において取得した 1994 年から 2009 年までの水質データ及び底生動物データを用いて,水質 項目や既往の汚濁指数等の方法による結果を比較するこ とにより,その特徴を抽出した.室見川では,電気伝導 度が ASPT 値と有意に相関関係があること等が明らかに なった. 今回,既往の指標である PI との比較を行ったが, その他の指標との関係や特徴を整理し,河川環境の評価 に役立てるための知見を得ていきたいと考えている. 参考文献. 差). 2) 山崎正敏,野崎隆夫,藤澤明子,小川 剛:河川の生 物学的水域環境評価基準の設定に関する研究,全国公害 研究誌,21,pp114-145,1996. 3) Armitage, P.D., Moss,D., Wright, J. F. and Furse, M.T.:The performance of a new biological water quality score system based on macroinvertebrates over a wide range of unpolluted running-water sites. Water Resource, 17, pp.333-347, 1983. 4)川合禎次・谷田一三:日本産水生昆虫,東京大学出版 会,2005.. 1) 谷田一三編集:河川環境の指標生物学,北隆館, pp.114-119, 2010. -800-.
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