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アメリカ合衆国におけるグリーンビルディング・プログラムに関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)アメリカ合衆国におけるグリーンビルディング・プログラムに関する研究. 平片 美帆. が開発担当となった背景を図 1 に示す。. 1.はじめに 地球環境問題を背景に、建築の分野でもライフサイクル. また、これらの部局の職員のうち、GB プログラムの開発. 全体に渡り、地球環境への配慮を目指した設計理論「 グ. に携わる構成員数は、サンフランシスコ市、オークランド. リーンビルディング」(以下 GB)が注目されている。我が国. 市、サンタモニカ市は 1 人、バークレー市では 3 人、ニュー. においても、日本建築学会を始めとする建築関連 5 団体が. ヨーク市、アラメダ郡では 4 人とごく少数であり、職員の. 「地球環境・建築憲章」を発表した他、政府機関、地方自治. 増員が求められているのが現状である。(以下それぞれ順. 体、民間組織設計事務所において、GB のための設計ガイド. に SF 市、OL 市、SM 市、BE 市、NY 市、AL 郡). ラインや評価システムが作成されている。しかしそれら. 3.GB プログラムの概念 GBを実現するために行われる取組の目的には、技術の向. は、環境配慮に関する技術的な例示と評価が中心であり、 GB を設計、建設するための「動機付け」となるような取組は. 上を図る「技術的要素」、GBに関する適切な知識をもつ人材. なく、また GB の実現のために必要な認識を深め、GB を推. の確保、あるいは異種の専門家集団とのコラボレーション. 進するためのプログラムの構築には至っていない。一方、. などを図る「人的要素」、GBを実現するために必要な資金を. 欧米各国では、GB についての先進的な取組がなされてお. 調達する「経済的要素」、以上の3つの要素がある(図2)。こ. り、特にアメリカ合衆国(以下米国)の州や市郡の行政機関. れらの個別の取組は、単独に実践されるものではなく、GB. や U.S. Green Building Council(以下 USGBC)における、. の実現という共通の目的の下に、全体が体系化されてお. GB を推進するためのグリーンビルディング・プログラム. り、この体系化されたプログラムを、グリーンビルディン. (以下 GB プログラム)の構築は注目すべき取組である。. グ・プログラムと定義する。. 本研究は、米国において開発されている GB プログラム. 4.GB プログラムの構成と概要. について、 ①プログラムの構成、②開発のプロセス、③運. GB プログラムは、① GB の認識を深める、② GB を建設す. 用体制、④現段階での効果の 4 つの点に注目し、その実態. る動機となる、③ GB 建設プロジェクトが実行される、④. を明らかにすることを目的としている。本研究の成果は、. GB が広く達成されるという 4 つの成果を目指している。①. 我が国の GB プログラムを開発する上で、その指針となり. ②は GB の普及を促すための戦略的なプログラム、③④は. 得る。. 開発担当の 機関・部局の部門. 廃棄物. 環境 . 経済. 建設. 開発の背景. 固形廃棄物埋立 ての増加に対する 問題意識が大き く、G B の実現によ り廃棄物の削減を 目指す。. 建築分野の環境 への影響を考慮 し、G B の実現を図 る。. G B の実現により、 地域の活性化や 地域経済の発展 を目指す。. 高性能な建物建 設を目指す政策 の一つとしてG B プ ログラムを開発す る。. 州・郡・市. カリフォルニア州 アラメダ郡. サ ンフランシス コ市・郡 サンタモニカ市 ニューヨーク州. バークレー市 オークランド市. 2 . 調査概要と GB プログラムの開発担当機関及び部局 カリフォルニア州、ニューヨーク州(以下 CA 州、NY 州) における8つのGBプログラムの開発担当機関(表1)とUSGBC に対して、2001 年 9、10 月に現地でヒアリング調査を実施 した。これらの開発担当機関及び部局をみると、廃棄物、. ニューヨーク市. ※ 2001 年 9、 10 月ヒアリング調査より筆者作成. 環境、経済、建設の4つの部門に区分でき、これらの部局. 図 1 GBプログラムの開発の背景. 表1 GBプログラムの開発担当機関及び部局 法律・ 条令. 担当機関・部局. GBプログラム 経済的要素. 税額控除 補助金 パイロット プロジェクト. 教育. 技術的要素. 評価システム ガイドライン. 人的要素 ※ 筆者作成. 図 2 GBの実現のための取組の目的 とその構成. 州. 州・郡・市. 担当機関・部局名. State of California カリフォルニア州 Alameda County アラメダ郡 City and County of San Francisco カリフォ サンフランシスコ市・郡 ルニア 州 City of Berkeley バークレー市 C ity of O akland オークランド市 City of Santa Monica サンタモニカ市 State of New York ニュー ニューヨーク州 ヨーク 州 City of New York ニューヨーク市. California Integrated Waste Management Board カリフォルニア廃棄物統括管理委員会 Alameda County Waste Management Authority アラメダ郡廃棄物管理公社 Department of the Environment 環境局 Office of Economic Development 経済開発局 Community & Economy Development Agency コミュニティと経済開発局 Environmental Programs Division 環境プログラム部 Department of Environmental Conservation 環境保護局 Department of Design and Construction 設計建設局. ※ 筆者作成。 2001 年 9、 10 月にヒアリング調査を行った。. 33-1. 廃 環 経 建 棄 境 済 設 物. プログラム名 (発表年) California's Sustainable Building Building Programs(2001) Green Building Construction and Demolition. ○ ○. Resource Efficient Building Ordinance/Pilot Program(1998) Green Building Initiative(2001). ○ ○. Oakland Sustainable Development Initiative(2001) Sustainable development guidelines(1996). ○ ○ ○ ○. Green Building Initiative Green Building Tax Credit Program(2001) High Performance Building Guidelines(1999).

(2) 表 2 GBプログラムの概要と地方行政機関・部局におけるその構成 グリーンビルディング・ プログラム. 地方行政機関・部局におけるGBプログラム 開発、運用の目的. プログラム プログラムの名称 の種類 制度的プ ログラム. 教育 プログラム. プログラムの内容. ・法律でGBの性能を義務付け、GB の推進を促す ・専門家を教育、養成する ・他機関との連携により、GBのレベル を上げる ・一般市民のGBの認識を深める ・環境教育. 州法、条例 専門家の トレーニング セミナー. 学校教育 カリキ ュ ラム 一般市民の教育 ・補助金により、GBの建設や、GBプ 財政 財政 ログラムの開発の推進を促す プログラム プログラム ・GBの性能を規定し指針を示す ・各プロセス、各カテゴリーについての ガイドライン 目標、戦略を示す 設 計 の ・GBの性能を評価する プ 評価システム た ロ め グ ・GBの性能を評価する の ツールキット ラ ・技術的な情報を提供する 情 ム 材料、製品の ・リサイクル材、製品に関する情報を 報 共有化する データベース 提 供 ・GBに関する材料の展示と出版物の リソース 蔵書により、情報提供とGBへの動機 センター 付けをする. パイロット プロジェク ト. ハ ゚イロットプロジェクト の実施. 運用方法. ・GBの性能規定. カリフォ サンフラ サンタ アラメダ バーク オークラ ルニア ンシス モニカ 郡 レー市 ンド市 州 コ市 市. 対象. ・法律、条例の施行. ・GBに関わる全ての人(専門 家、居住者など) ・専門家(設計者、施工者、解 体業者、行政機関職員など). ・GBのを実現するために必要な教育内容 ・セミナー、ワークショップ. ・GBに関する基本的内容 ・環境問題. ・学校教育カリキュラム. ・プロジェクトにおけるGB性能の達成やプロ ジェクトチー ム のチェック ・プロジェクトの各段階、各カテゴリー について の性能目標 ・性能目標を達成するための戦略や手段 ・戦略を実行するための参考資料のリス ト. ・コンペティションにより補助金助 ・市、郡、非営利団体 成先を決定 ・出版物 ・GBに関わる全ての人(専門 ・ホームページ上からダウンロー 家、一般市民、居住者など) ド. ◎. ―. ―. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. ◎. △. ―. ―. ◎. ―. ◎. ―. ◎. ◎. ―. ―. ―. ―. ◎. ◎. ―. ―. ◎. ◎. ◎. ◎ ○. ○. △. ◎. ○. ・一般市民、学生. ・プロジェクトの各段階、各カテゴリー ごとの果 ・出版物でのチェック たすべき性能 ・専門家による評価. ・GBに関わる全ての人(専門 家、一般市民、居住者など). ・プロジェクトの各段階、各カテゴリー ごとの果 ・ソフトウェア たすべき性能 ・リサ イクル 材、製品の取り扱い業者リス ト ・ホームページ上で検索 ・製品の性能、仕様、メー カー 名、入手方法 ・出版物. ・設計者. ―. ―. ―. △. ―. ◎. ・GBのプロジェクトの現場に関わ ◎ る人. ◎ ○. ○. ―. ○. ◎. ・リサイクル材、製品の展示 ・GBに関する出版物の蔵書. ・GBに関わる全ての人(専門 家、一般市民、居住者など). ―. ◎. ◎. ◎. ◎. ―. ◎. ◎. ◎. ◎. △. ―. ◎. ◎. ◎. ◎. ―. ―. ・人の出入りしやすい方法で (場所に)設置し、開放する. ・試験的にGBを建設し、その性能と ・実行体制、実行プロセスの試行による検 ・プロジェクトチームによる計画、 ・専門家(設計者、施工者、解 技術を証明する 証 デザイン、建設、コミショ ニングを 体業者、行政機関職員など) 行う. ・進行中や完了したのGBプロジェクトを ・建物データ ケ ー ス ス タディとして公開し、GBの認識を ・GBの性能 ケ ー ス ス タディの公開 深め新しいGBプロジェクトへの動機付 ・プロジェクトで得た教訓 けをする. ・ホ ー ム ヘ ゚ー ジ上で公開 ・GBに関わる全ての人 ・リソー ス セ ンター での紹介 (専門家、一般市民、居住者 ・教育プログラム に組み込み専門 など) 家へ紹介. ※ 筆者作成。※ 地方行政機関 ・部局の G B プログラムの構成は 2001 年 9,10 月に実施したヒアリング調査より作成。【開発・実施 :◎ 開発中 :△ 他機関が開発 :○ なしまたは不明 :―】 GBへの 動機付け. GBプロ ジェクト. GBの必要性 GBを建てる意欲. 企画、 設計、 建設、 運用. 制度的プログラム 条例. 財政プログラム グラント. 設計のための情報提供プログラム. 教育プログラム. ガイドライン ツールキット リソースセンター データベース 評価システム. 専門家トレーニング、セミナー 学校教育カリキュラム 一般市民の教育. ケーススタディの公開. パイロット・プロジェクトの実施. パイロットプロジェクト、ケーススタディ. パイロットプロジェクト、ケーススタディ. 建設仕様学会 西海岸支部. A IA. GBの達 成. 認証. グリーン グリーンビルディングの普及を促すための ビルディング の建設プロジ ェクトを 推進する グリーンビルディング・プログラム ための実務的 プログラム. グリーンビルディングの普及を促すための 戦略的なグリーンビルディング・プログラム. GBの認 識 GBとは何か GBはなぜ必要なのか GBはどうすれば建てられるか GBの最新情報. 認証 カリフォルニア州 サスティナブルビルディング トレーニングセミナー パシフィック エネルギーセンター 教育プログラム. アラメダ郡 グリーンビルディング セミナー. サンフランシスコ REBトレーニング認証 ワークショップ. サンフランシスコ市 教育プログラム. 認証. ※筆者作成。. 図 3 GBプログラムの構成. サンフランシスコ市 環境局. ※ ヒアリング調査及び、 以下を参考に筆者が独自に作成。 ※ パシフィックエネルギーセンター: Pacific Energy Center(PEC) の HP(http://www.pge.com/003_save_energy/003c_edu_train/ pec/003c1_pac_energy.shtml) ※ アラメダ郡「Green Building Seminar Series October 2001」 ※ サンフランシスコ「SF Environment REB Training Certificate Workshops」. GBの建設プロジェクトを推進するための実務的プログラム であり、その構成を図 3 に示す。また、表 2 で GB プログラ ムの概要と地方行政機関及び部局における構成を示す。以 下、CA 州における GB プログラムの特徴を考察する。. 図4 トレーニングセミナーの連携. 4 - 1 制度的プログラム 開発の 体制. このプログラムは、GB に関する条例を策定し、これに関. Pacific Energy Centerと連携. 独自で開発. 体 制. 連する制度を制定するものである。CA州法下に策定される. 実施の 体制. GB に関する条例は、イニシアティブとして GB の性能を規. 独自で実施. バークレー市 Workshop. 定化するもので、GB 建設の強い動機付けとなる。条例とプ 対 象 機 関. ログラムの関係として、SM 市では、条例に基づきガイドラ インが開発され、確認申請において条例の要求性能が チェックされる。OL 市では、同様の要求性能に加え、除却. 自機関. 他の地 方行政 機関 未定. に対する許可条件が GB の視点から定められている。SF 市. 他地方政府と 連携. オークランド市 Environmental Lunchtime Lecture Series. 受講. Pacific Energy Centerと連携. カリフォルニア Sustainable Building Training Program アラメダ郡 GreenBuilding Training and Seminar Presentation. サ ンフランシス コ市 REB Training Certificate Workshops. 受講. サンタモニカ市. ※ 筆者作成. 図5 トレーニングセミナーの開発と運営の体制. の条例では、プログラムの定義がなされ、GBプログラムは、 この条例に基づいて展開されている。. として GB のトレーニングプログラムを開発し、セミナー. 4 - 2 教育プログラム - 専門家のトレーニングセミナー-. を実施している。CA 州内のトレーニングセミナーでは、①. CA 州、AL 郡、SF 市、PEC では互いに連携し、教育しなが. 受講終了による認証の授与、② GB の専門技術者の養成と. らこのプログラムを実施している(図 4)。PEC は民間セク. いう共通の特徴があり、これによってそれぞれのプログラ. ターであり、多数の行政機関、AIA、他の民間企業を対象. ムが補完的関係を形成している(図 5)。. 33-2.

(3) うにライフサイクルに沿った指針を示す構成は、GB のガ. 4 - 3 財政プログラム 広域的な行政機関である CA 州と AL 郡が、市、郡、非営. イドラインの特徴と言える。. 利団体に対して補助金を与えるプログラムであり、CA州で. 2)評価システム:評価システムのタイプは、評価目的、評価. は州予算、AL 郡では同郡に埋め立てられる廃棄物 $6.25/t. 方法によって、LEED 型、チェックリスト型、性能提示型の. の徴収を補助金の資金としている。助成の対象は建設プロ. 3 つに分けられる(図 8)。チェックリスト型の評価システ. ジェクトと、GB プログラムの開発プロジェクトの 2 つがあ. ムは、ガイドラインと一体的に使用し、プロジェクトの各. る(図 6)。この意味で財政プログラムは、GB の建設を推進. 段階で建物の性能を評価する(OL 市、AL 郡)。一方、GB に. するプログラムと、GBの普及を促す戦略的プログラムとい. 関する条例に基づく評価では、様々な基準がプログラム化. う 2 つの性格をもっている。. されたソフトウェアが開発されている(SM 市)。尚、LEED. 4 - 4 設計のための情報提供プログラム. 型は、次節で詳細に考察する。. 1)ガイドライン:まず、対象建物用途をみると、CA 州や AL 郡. 3)データベース:Green Specification と呼ばれ、材料メー. では、学校や住宅といった特定の建物用途であるのに対. カーによって提供された情報を集約したものが多い。1997. し、OL 市や SM 市では多数の建物用途を対象としている(図. 年に開発された CA 州の「Recycled-Content Product. 7)。開発の背景に基づくこのような差異は、ガイドライン. Directory」は、2,200 以上の企業、7,000 以上の製品情報. の内容にも反映している。前者では具体的な手法や材料が. をウェブ上で検索できる(図 9)。このプログラムは、CA 州. 示されており、後者は設計の指針を中心としたものとなっ. 全域を対象としている。AL 郡では、固形廃棄物の増加に対. ている。次にガイドラインの開発の方法は、3 つに分類で. する問題意識が強く、リサイクル材や再利用材の活用を重. きる。SM市は他の行政機関よりも早期にガイドラインの開. 視しており、CA 州のデータベースに加え、独自に材料に関. 発を開始したため、全て独自に開発している。AL 郡では住. するデータベースを開発している。. 宅用途を対象とした民間セクター向けのガイドラインを独. 4)リソースセンター:GB の情報拠点として開発され、その設置. 自に作成しており、OL市ではミネソタ大学によって開発さ. 形態に特徴が見られる。OL 市では、建築確認申請のフロ. れたガイドラインを基礎としている。表 3 に示す OL 市のよ. アーの一角に設置され、訪れた民間業者が待ち時間に立ち 寄ることができる。AL 郡では、リサイクルしたワゴン車. 財政プログラム. 「Resource-full Showcase」が、教育プログラムが実施され プログラムの性質. GBの建設を推進 するプログラム. GBの普及を促進 するプログラム. 自己採点評 価. 評価の方法 プログラムが支援するプロジェクト. GBの 建設プロジェクト. プログラム による評価. GBプログラムの開発 ・構築プロジェクト 評価目的. LEEDをカスタマイズして使用. ガイドラインの要求を満たす. 条例の要求を満た す. 評価システム のタイプ. LEEDのサプリメント. チェックリスト. 性能提示. 図6 財政プログラムの性質 ※ 筆者作成 開 発 の 背 景 対 象 建 築 物. 建物需要の増加. 市条例に基づく グリーンビルディング の実行の必要性. 特定の 対象建物用途. 複数の 対象建物用途. 学校. 住宅. カリフォルニア州. アラメダ郡. サンタモニカ市. ●Collaborative for High Performance Schools Best Practices Manual(2000). ●Home Remodeling Green Building Guideline(2001) ●New Home Construction Green Building Guideline(2001). ●Green Building Design & Construction Guidelines(1999). カリフォルニア州. サ ンフランシス コ市. ●LEED suppliment for California Facilities. ●San Francisco Supplement to LEED. アラメダ郡. ●Green Remodeler Checklist. ●Green Building Checklist. オークランド市. ●Scoring Form ●Projct History Report. サンタモニカ市. ●Santa Monica Energy Code Compliance Application (SMECCA).. ガイドラインと一体的に使用. 開 発 方 法. LEEDに基づいて開発. オークランド市. ●Home Remodeling Green Building Guideline. ●Oakland Sustainable Design Guide(2001). ※ 筆者作成。. 独自で開発. ミネソタ州のガイドライン を活用. ●New Home Constructio n Green Building Guideline. ●Oakland Sustainable Design Guide. ●Construction and Demolition Waste Recycling Ordinance ●Green Building Ordinance. 図 8 評価システムの評価方法、開発目的、タイプ. ※ ヒアリング調査及び以下を参考にに筆者が独自に作成。 ※ カリフォルニア州 :ホームページ(http://www.chps.net/)参照。 ※ アラメダ郡 :ホームページ(http://www.stopwaste.org/fsbuild.html)参照。 ※ サンタモニカ市 :ホームページ(http://greenbuildings.santa-monica.org/)参照。 ※ オークランド市 :ホームページ(http://greenbuildings.santa-monica.org/)参照。. ・希望する製品のリサイクル率 ・キーワード input Web検索. 表 3 Oakland Sustainable Design Guide におけるBuilding Life Cycle. データベース ( 2200社以上、7000以上の製品) ●建設仕様索引( Construction Specification Index: CSI) ●CIWMB製品分類(CIWMB Product Categories:PC). Phase A. Phase B. Phase C. プレデザイン. プロジェクトの開始. プログラミング. 敷地の選択. デザイン. 大まかなデザイン. デザインの開発. 建設のための文書と仕様. 建設. 入札と契約. 建設. コミショニング. 使用. 使用開始. 運用と管理. 次の使用. output ・製品名 ・リサイクル率 ・製造会社( 関連サイト). ※  「Oakland Sustainable Design Guide」 (http://greenbuildings.santa-monica.org/)を基に筆 者作成。. 33-3. ●事業タイプ(Business Types :BT). 情報の提供. 図7 ガイドラインの開発. ・製品の性能. ※  「Recycled-Content Product Directory」の H P (http://www.ciwmb.ca.gov/rcp/)を参考に筆者が独 自に作成。. 図 9 Recycled-Content Product Directory.

(4) る際には同行し、情報を提供する。SF 市では、パイロット. 地方行政機関の GB プログラムの運用実態を考察した。こ. プロジェクトの 1 つである Eco Center 内に設置され、BE. こでは CA 州における GB プログラムの運用実態を示す。CA. 市の「Green Resource Center」は、民間セクターと行政セ. 州では、州法「Exectiove Order D-16-00 サスティナブル. クターの情報交流の場でもある Green Building Resource. ビルディングの実行命令」の下、CA 州政府機関で構成され. Center内に設置されている。このようにリソースセンター. る委員会「Sustainable Building Task Force」が作成する. は、必要とする情報が手に入りやすく、また人々へのイン. 活動計画「Building Better Buildings. センティブを与えるのに効果的な設置の仕方が特徴的であ. Sustaineble State Facilities」に基づく GB プログラムが. ると言える。. 実行されている。プログラムの運用実態をみると、財政プ. 4 - 5 パイロットプロジェクトの実施とケーススタディの公開. ログラム、ガイドライン、評価システム、材料データベー. このプログラムには、①公共建築による先守的な建設、. A Blueprint for. スの支援によって、公共建築の GB パイロットプロジェク. ②既存の GB プロジェクトの事例紹介の 2 つがある。①で. トが実施される。更に、その経験をケーススタディとして. は、ケーススタディとして設計、建設などのライフサイク. 公開することによって、民間セクターに情報が共有され. ルの各段階で実施内容と評価が公開され、得られた成果が. る。加えて、専門家のトレーニングセミナーが実施され、. 情報として蓄積される。このような情報公開は、民間セク. ケーススタディ、ガイドライン、評価システムが教材とし. ターに対する GB の認識と GB 建設の動機付けを促進してい. て活用されている。以上のように、パイロットプロジェク. る。. トの実践、技術ガイドラインといった直接的な支援ではな. 5.地方行政機関における LEED の利用状況. く、複数のプログラムが相互に結びついている。その結果. USGBC が開発した GB 評価システムLEED(Leadership in En-. と集約された GB の経験や実践が各プログラムにフィード. vironmental and Energy Design)は米国のナショナルスタンダード. バックされることによって、目標とする GB を充実する仕. となりつつありるが、地方行政機関による LEED の利用状. 組みが考えられる。. 況は、機関によって特徴が見られた。OL 市では、LEED の. 7.まとめ. 評価は設計・建設の段階のみであり、運営・運用段階の評. 米国の地方行政機関では、GB を広く普及させるため、体. 価が含まれていないという認識から、ガイドラインとして. 系的な GB プログラムを構築しており、大きく 5 つのプログ. LEEDを採用せず、建設の各段階において建物の性能を評価. ラムから構成されていることを明らかにした。これらのプ. する独自の方法を構築している。一方、AL 郡では、特定の. ログラムの内容は、地域性と重視される GB の原則によっ. 用途に対して、LEED を修正せずにそのまま利用している。. て特徴があること、また、他機関プログラムと補完的に連. また、ナショナルスタンダードであるため、地域性が考慮. 携していることを明らかにした。. されていないという理由から、地域に適応する内容に修正 カリフォルニア州法. しようとする動きが見られた。CA 州では、州が定める法律. Executive Order D-16-00 持続可能な建物の実行命令. や規約に従って評価項目の内容を修正付加した L E E D. Building Better Buildings A Blueprint for Sustainable State Facilities. Suppliment for California Suppliment(以下 LEED CA. Sustainable Building Task Force による活動計画. Suppliment)を開発中であり、同州内の BE 市でも LEED CA Suppliment を採用する予定となっている。SF 市では、独. 教育プログラム. 自の気候を考慮した LEED SF Suppliment を開発中である。. ・Sustainable Building Taraining Program. 専門家トレーニングセミナー. 6.GB プログラムの運用実態. 財政プログラム. ・Grant Program. 表 4 地方政府によるLEEDの利用状況 State of New York L E E D を 利 用 す る. 修 正 利 用. 独 自 で 修 正 USGBC との共同 開発. 即 利 応 用 的 利L 用E しE なD いを. LEEDとTax Creditを相互に補完しあって新しくガイドライ ンを開発中。 LEED GB Rating Systemをカリフォルニア州で利用するた めのLEED California Supplementを開発中。バークレー 市もこれを採用する予定。 City and County of San サンフランシスコの気候に適合したLEED SF Supplement を開発中。 Francisco. 設計のための情 報提供プログラム. ・Collaborative for High Performance Schools (CHPS) Best Practices Manual. State of California. City of Portland City of Seattle State of North Carolina Alameda County City of Santa Monica City of Oakland Alameda County. 補助金. ・LEEDTM suppliment for California Facilities ・Recycled- Content Product Directory. ガイドライン 評価システム 材料データベース. USGBCでは地方政府からの依頼を受けて、LEEDをその 地域の条件に適応できるようなかたちにするため、共同開 発を行っている。 商業施設に対してLEEDを使用するよう指導している。 2001年よりLEEDを評価指標として採用。現在、シルバー とゴールドの評価を受けた建物が2つ建設されている。 ミネソタ大学が開発した「Minnesota Sustainable Design Guide」を基本として一部を修正付加することによって、評 価システムを含むガイドラインを作成。 住居用建築に対しては評価システムを含むガイドラインを 独自で作成。. パイロットプロジェクトの実施とケーススタディの実施. ・Case Studies. パイロットプロジェクト・ ケーススタディ. ※ ヒアリング調査及び、 カリフォルニア州廃棄物統括管理委員会の H P (h t t p : / / www.ciwmb.ca.gov/GreenBuilding/)を参照に筆者が独自に作成。. ※ 筆者作成。. 図 10 カリフォルニア州におけるGBプログラムの運用実態. 33-4.

(5)

表 3 Oakland Sustainable Design Guide におけるBuilding Life Cycle
図 10 カリフォルニア州におけるGBプログラムの運用実態る際には同行し、情報を提供する。SF 市では、パイロット

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