53 1.研究の背景と目的 平成19 年の「国宝・彦根城築城 400 年祭」以来毎年、彦根市観光の経済効果を科学的に 計測する研究を実施してきた。本年は4 回目の計測である。 本年度の彦根市観光の特徴は、「国宝・彦根城築城400 年祭」「井伊直弼と開国 150 年祭」 という年間に亘るような/跨ぐようなロングイベントが終了し、イベント無風の年にあたる ことである。 2.研究の内容と方法 (1) 観光客の消費行動を把握するために、3 回に亘ってアンケート調査を実施した。 実施日は、通常の休日(10/16(土))、イベント日(11/3(祝))、平日(11/11 (木))で、1750 票の有効回答があった。調査地点は、表門、大手門、京橋口駐 車場、いろは松駐車場、四番町スクエアの5 か所とした。 (2) 駅前観光案内所、花しょうぶ通り、佐和山ふもと駐車場で留置き調査を、10/1 (木)から11/30(月)の 2 か月に亘って実施した。 (3) 観光消費額がもたらす経済波及効果を計測するために、宿泊・飲食・交通・土 産品などを扱う事業所を対象に、原価構成・域内調達率などに関する実態調査 を実施した。 (4) 一連の研究指導は、地域連携センターの山崎一眞特任教授と経済学部の得田雅 章准教授の二人が担当した。また、彦根市企画振興部企画課の担当者も研究に 参加した。 (5) 観光客の消費行動に関するアンケート調査には、滋賀大学の学生および観光ボ ランティアガイドの方々が調査員として参加した。 3.成果の概要 ① 観光客数は、211 万人であり、そのうち、宿泊者は 22 万人、日帰り客は 189 万人と推
5-1.受託研究「彦根市観光の経済効果測定調査研究」
滋賀大学 地域連携センター 特任教授 山崎 一眞54 計される。 ② 観光客の消費行動アンケート調査によると、1人当たりの観光消費金額は、宿泊客で19.5 千円、日帰り客で4.1 千円であるため、観光客の消費総額は 120 億円と推計される。 ③ 120 億円の観光消費額がもたらす経済波及効果総額は 228 億円と推計される。これは、 観光関連産業の原価構成や域内調達率などを勘案したうえでの、産業連関による経済波 及によっている。 ④ 経済波及効果総額 228 億円は、彦根市の第三次産業総生産の 9.6%に相当する。また、 生み出される雇用効果は、常雇用者数換算で年間1,129 人と推計され、これは彦根市労 働力人口の3.2%に相当する。