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歯科医師の感染予防対策とエイズに関する知識と態度

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Academic year: 2021

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364 第43巻 日本公衛誌 第5号 平成8年5月15日

歯科医師の感染予防対策とエイズに関する知識と態度

相沢

文恵

米満

正美

相沢

花田

信弘

赤田

弘正

 1993年12月,某県歯科医師会の全会員566人を対象として,歯科医院の感染予防対策の現状,AIDS/HIV, およびその感染者に対する歯科医師の意識などに関して,郵送法を用いた実態調査を行った。回収率は 51.1%であった。回答者289人の平均年齢は43.7±95歳,歯科医師としての平均経験年数は17.0±8.8年であ った。本調査の結果,歯科診療における日常的な感染予防対策とAIDSに対する歯科医師の意識について3 つの知見が得られた。第1は,多くの歯科医師が歯科診療において適切な感染予防対策をとっていないこと である。歯科診療時におけるグローブ,フェイスシールドなどの保護具の着用率は高かったが,それらをす べての治療時に用いている者はそれぞれ,5.5%,4.5%と少数であった。ハンドピース,ハンドインストル メントを患者ごとに滅菌している者はそれぞれ6.9%,43.6%であった。また,残った麻酔カートリッジを他 の患者に再使用している者が全体の15.9%存在していた。第2は,全体の3/4以上の歯科医師が,診療中の 患者がAIDSにかかっていたり,HIV陽性であることがわかっている新患の治療をしたくないと考えてい ることである。71.3%の歯科医師はAIDS患者の治療をする道徳的責任があると考えているが,その反面ほ とんどの歯科医師が実際に自分自身で治療することに躊躇している。第3は,AIDS患者あるいはHIV感 染者の治療をしたかどうか自分自身はっきりとはわからない歯科医師が40%以上もいることである。一方, 64.7%の歯科医師が将来的には自分の診療室にもAIDS患者が治療を求めてくるようになると答えているよ うに,今後,HIV感染者とは知らずに歯科治療をする機会が増加すると考えられる。以上のようなことか ら,AIDS患者,HIV感染者の歯科治療を実践して行くためには,すべての患者がHIVやHBVに感染し ているという前提で感染予防対策を徹底する必要があることが明らかとなった。

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