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多産業開放経済モデルによる国際的な干ばつリスクシェアリング Multi-Sector Open-Economy Model of Drought and International Risk Sharing

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Academic year: 2021

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E18

多産業開放経済モデルによる国際的な干ばつリスクシェアリング

Multi-Sector Open-Economy Model of Drought and International Risk Sharing

○石渡 裕明・横松 宗太・澤田 洋平・小池 俊雄・M.J.M. CHEEMA

○Hiroaki ISHIWATA, Muneta YOKOMATSU, Yohei SAWADA, Toshio KOIKE, Muhammad J. M. CHEEMA

In agricultural countries, a poor harvest caused by drought has serious consequences to a country’s economy. Crop failure has a negative impact on other industries through the input-output structure, and it can exacerbate the trade balance. In order to deal with such drought risk, we propose a mutual support system of crops. If an agreement is signed that a country with a good harvest shares its good with the other country with a poor harvest, then an agricultural country may be able to avoid the long-term effects of drought. However, the quantitative effects of such a crop sharing system depend on the degree of correlation of drought risk among the participating countries. In this research, we analyze the long-term effect of drought damage using a multi-sector open-economy model, and we discuss the effect of the crop sharing system under drought risk.

1.研究背景 食糧保障は、国家の経済や政治を安定させるた めの必要不可欠な要素であり、作物の国内生産、 備蓄、輸入に大きく依存する。しかし、干ばつが 発生すれば、作物生産量の減少や作物価格の高騰 により、食糧供給の安定を維持することが困難と なり、食糧危機に至る可能性がある。 食糧危機を回避する一つの方策として、作物保 険が挙げられる。しかし、干ばつにより国内の作 物供給量が大幅に低減し、かつ作物価格の高騰に より十分な輸入も行えない場合、保険金のみで食 糧危機を防ぐことは困難である。 近年、食糧危機に対処する国際的な食糧備蓄の 新たな枠組みとして、ASEAN+3 緊急米備蓄協定 (APTERR)が ASEAN 10 カ国および日本、中国、韓国 との間で結ばれた。APTERR は大きく 2 種類の枠組 みから構成される。一点目は、申告備蓄制度であ る。本制度は、配給国と受給国間の先物取引契約 (量、質、価格、支払、配送料金等の事前取決) であり、米価格は国際市場価格に基づき決定され る。想定範囲を上回る支払いが発生した場合は、 現金あるいは長期のローンや補助金を通じての支 払いとなる。二点目は、現物備蓄制度であり、深 刻な緊急事態により惨事を受けた国への人道支援 として米を寄贈するものである。備蓄期間経過後 の米は、貧困削減等のために放出される。 本研究は、干ばつリスク下の作物シェアリング 協定の作付け農地拡大のインセンティブに対する 効果等を分析し、食糧危機に対する適切な政策を 示すことを目的とするものである。 2.モデル 本モデルは、開放経済型の多地域多産業モデル を基とするものである。経済空間は、家計と企業 の 2 経済主体、国 A、国 B、その他の国の 3 国、農 業、工業、サービス業の 3 産業で構成される。ま た、市場は完全競争的であると仮定する。農業財 の生産には、労働、資本、土地-水合成財の 3 生産 要素を要するものとする。土地-水合成財に関して は、水文モデルから算出される葉面積指数(Leaf Area Index, LAI)を基に推計する。

3.定性的分析 アウトプットの一例を次の図に示す。現物共有 (Case 1)の場合、ホールドアップ問題が生じて作 付けは減少し、その結果、期待 GDP が減少するが 期待効用は増加するという結果が得られた。一方、 先物取引契約(Case 2)の場合、期待 GDP は増加す るが期待効用が減少するという結果が得られた。

参照

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