Title Lp(a)リポ蛋白の簡易・迅速測定法及びイソ型分画測定法の開発並びに臨床への応用( はしがき ) Author(s) 野間, 昭夫 Report No. 平成4年度-平成5年度年度科学研究費補助金 (試験研究(B) 課題番号04557127) 研究成果報告書 Issue Date 1993 Type 研究報告書 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/98 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
研究成果 1.はじめに 血清リボ蛋白(a)[Lp(a)]に特有なアポ蛋白であるアポ(a)の構造 が1987年に明らかにされ、線溶系酵素前駆体であるプラスミノーゲンとの相同性 が著しいことが発表されて以来、こゐリボ蛋白に対する注目度は著しく高まり、 とくに最近、測定法の開発が進み、さらに我が国においては、酵素免疫測定法 (ELISA)のキットが販売されるようになって、多くの臨床的データがみら れるようになってきている。 しかし、上記の方法は測定技術の習得が必要であるばかりでなく、測定に長時 間を要すること、操作が煩雑であることなどより多数検体の処理には不向きであ ることより、より簡便且つ迅速な謝定法の開発が待たれていた。この要求に沿っ て本研究を進め、簡便・迅速であるばかりでなく、自動化の可能な方法を完成さ せることができたと考えている。 一方、アポ(a)はその有するクリングル構造の数によって多くのイソ塾が存 在することが明らかにされているが、この分画法も著しく困難性を伴うものであ るので、改良が求められている。この点も本研究において種々検討した。 以上の2点を中心とし、それに臨床的意義などのデータも含めて報告する。な お、発表ずみのものは別冊をもってかえる。 2.簡易的血清Lp(a)沸定法の開発 免疫化学的方法としては一元免疫拡散法(SRID)、ロケット免疫電気泳動 法、ラジオイムノアツセイ法(RIA)、酵素免疫測定法(ELISA)なセが あるが、簡便性及び迅速性を備えた方法としては免疫比濁法がある。この方法に は単純な免疫比濁法(TIA)とラテックス凝集比濁法(LIA)があり、この 両者を対象として検討した。 両者ともに直線性、再現性、簡便性、迅速性などにはほとんど変わりがないが 、TIAの場合には感度の面でやや劣ることがわかり、血清Lp(a)測定にお いては、TIAを用いると約3mg/dlが測定限界であり、 これに対し、LIA では約0・5mg/dlまで測定可能であった。血清Lp(a)においては、3I喝/ dl以下に現在のところ、臨床的意義の相違は認められていないが、今後Lp(a) 表現型或いは遺伝型との関連から新たな意義が認められるようになることも予想 されることと、従来用いられてきた方法がELISA法というより感度の高い方 法であったことなどを考え、我々は最終的にラテックス凝集比濁法を用いること にした。 これらの免疫比濁法で最も問題になることが予想されたのは、アポ(a)イソ
-7-型の違いによって凝集塊の大きさが異なり、Lp(a)の値に相違が出ることで ある。この点には特に注意を払い、種々のイソ型に分画したものを用いたリtて 検討したが、その反応が同一であるとの確証を得ることはできなかった。しかし 、現在広く用いられているELISA法が全てのイソ型に同一に反応すると仮定 して、結果を出した。 また、我々が開発したラテックス凝集比濁法を自動分析 装置に適用すべく検討し、成功した。まず、完全な系を作成するべく、自動免疫 化学的装置501Ⅹにおいて測定系を検討し、この場合には自動再検装置がある ために、濃度によって2本の検量線を利用し、自動希釈操作による広範囲の測定 が可能であった。その後、一般的な自動化学分析装置への応用を行ない、この場 合にも良好な結果が得られた。