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水中セレンの簡易測定法の開発

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 水中セレンの簡易測定法の開発 背 景 平成 6 年 2 月にセレンの排水基準(0.1mg/L)が施行された。火力発電所では、石炭中の微量のセレンに起 因して、脱硫排水中にセレンが検出されることがある。排水中のセレン濃度は炭種の切替え等によって変動す るため、セレン濃度を連続監視できる簡易なプロセスモニター(自動測定機)が求められている。. 目 的 プロセスモニターへ適用可能なセレンの簡易測定法を考案し、各種分析パラメータを最適化することで精度 の高いセレン測定を実現する。また、脱硫排水への適用性を評価する。. 主な成果 1.セレン化水素ガス検知器を用いた水中セレンの簡易分析法の考案 市販のセレン化水素(H2Se)ガス検知器を用いた水中の 4 価セレン* 1 の簡易・迅速測定法を考案した。 これは 4 価セレンを含む試料に塩酸を混合し、還元剤(NaBH4)を添加することで H2Se を生成させ、これ をガス検知器で定量するものである。水中セレンの簡易測定装置(図 1)を用いた実験より、本測定法が原 理的に水中の 4 価セレンを定量できることを確認した。 2.分析パラメータの最適化 本測定法における分析精度の向上を図るため、各種分析パラメータ(キャリアーガス流量、NaBH4 添加 流量等)を精密に制御できる基礎実験装置を製作した。パラメータを最適化した結果、直線性の高い検量線 が得られた(図 2)。検量線の相関係数は簡易装置(図 1)における実験結果と同程度であったが、低濃度域 での信号出力の安定性が向上した(表 1)。これは、パラメータの最適化と検出感度の高い H2Se ガス検知器 を用いることで分解能の高いプロファイルが得られたためである(図 3)。 3.脱硫排水への適用性 石炭火力発電所の脱硫排水のセレン濃度を測定したところ、H2Se ガスの生成阻害と検知器の信号出力の 妨害とに大別される測定妨害が認められた。妨害成分を検討した結果、主として排水中の有機成分が H2Se ガス生成を阻害し、ヨウ化物イオンが信号出力を妨害することがわかった。前処理として硫酸および硝酸を 用いる加熱酸分解を採用したところ、公定法(ICP 発光分析)による測定値と高い相関が得られた(図 4)。 この前処理法は妨害成分の除去には有効であるが、処理に4∼5時間を要するため、その簡略化が課題である。. 今後の展開 排水中セレンのプロセスモニターを開発するため、簡易前処理法と 6 価セレンの簡易還元法について検討を 行い、実排水の分析方法を確立する。 主担当者 関連報告書. 環境科学研究所 化学環境領域 主任研究員 正木 浩幸 「水中セレンの簡易モニターの開発(その 1)─簡易分析法の調査および適用可能性評価─」 電力中央研究所報告: V06014(2007 年 7 月) 「水中セレンの簡易モニターの開発(その 2)─分析パラメータの最適化と脱硫排水への適 用性─」電力中央研究所報告: V07006(2008 年 6 月). * 1 :排水中のセレンは 4 価(Se(IV))および 6 価(Se(VI))の陰イオンとして存在する。通常、Se(VI)は Se(IV) に還元して測定を行う。. 52.

(2) 2.環境/環境・革新技術 1000 2. R = 0.999. H2Seガス検知器. 800. 信号強度 [mV]. 還元剤 (NaBH4). 硫酸銅溶液に よる除害 H2Se 生成. Se(IV)溶液 HCl(6 mol/L). 600 200. 400 100. 200 0 0.0. 図1 水中Se(IV)の簡易測定装置 Se( IV)のHCl溶液にNaBH 4 を添加すると、Se (IV)がH 2Seガスに還元気化される。生成した H2Seガスを市販のガス検知器で定量する。. 0 0.00. 14.0. 4.6. 0.05. 5.6. 4.6. 0.1. 3.9. 3.2. 0.5. 3.9. 1.5. 相対信号強度. 0.01. 0.10. 0.05. 0.00 0.0. 信号の安定性の指標として、標準試料を3回測 定したときの信号値の相対標準偏差を用いた。 分析パラメータの精密制御と高感度なガス検出 器によって、特に低濃度域で安定な信号出力が 得られるようになった。. 0.4. 0.8. 1.2. 1.6. 時間 [min]. 図3 H2Seの信号プロファイルの比較 (セレン濃度:0.1 mg/L) 分析パラメータの最適化と高感度のH2Seガス検 知器を用いることにより、測定プロファイルの 分解能が向上した。. 公 定法( ICP) 本測定法. 0.3. セレン濃度[mg/L]. 0.8. 簡易装置 (パラメータ制御無し)      基礎実験装置  (パラメータ制御有り). 0.15. 相対標準偏差 [%] 基礎実験装置 (パラメータ制御有り). 0.10. 図2 H2Seガス検知器を用いたSe(IV)の検量線 キャリアーガス流量500 mL/min、NaBH 4 濃度3.0 g/L、NaBH 4添加流量30 mL/minおよびHCl濃度6.0 mol/Lの条件で直線性の高い検量線が得られた。こ の時の検出限界は0.002 mg/L、定量限界は0.005 mg/Lとなり、高感度なセレン測定が可能となった。. 表1 H2Se信号の安定性 簡易装置 (パラメータ制御無し). 0.05. 0.2 0.4 0.6 水中のセレン濃度 [mg/L]. 0.20. セレン濃度 [mg/L]. 2. R = 0.990. 0.2. 図4 加熱分解処理後の排水中Se(IV)濃度 試料の前処理として加熱酸分解を行うと、本測定 法による測定値は公定法とほぼ一致した。加熱酸 分解は4∼5時間を要するため、簡易かつ迅速な前 処理法の考案が課題である。. 0.1. 0.0. 脱硫 排水 A. 脱硫排水B. 53. 2.

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参照

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