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線維柱帯切除術の眼圧下降に伴う網膜神経線維層厚の変化

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Academic year: 2021

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Title

線維柱帯切除術の眼圧下降に伴う網膜神経線維層厚の変化(

内容の要旨(Summary) )

Author(s)

山田, 敬子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1240号

Issue Date

2000-03-06

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15032

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与目付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 山 田 敬 子(愛知県) 博 士(医学) 乙第 1240 号 平成12 年 3 月 6 日 学位規則第4条第2項該当

線椎柱帯切除術の眼圧下降に伴う網膜神経線椎層厚の変化

(主査)教授 北 澤 克 明 (副査)教授 伊 藤 和 夫 教授 紀ノ定 保 臣 論 文 内 容 の 要 旨 緑内障において,線維柱帯切除術により眼圧を下降させることは効果的な治療法であるとされているが,視神 経障害の指標である網膜神経線維層厚(retinalnerve fiberlayer thickness,RNFLT)について,線維柱帯切 除術前後の変化を検討した報告は我々が知り得る限りいまだ存在しない。 今回我々はt 網膜神径線推層厚を測定評価するコンピュータ画像解析装置スキャニングレーザーポラリメーター を用いて線推柱帯切除術前後による眼圧下降に伴う術前後のRNFLTの変化とその祝機能との関連を評価検討し た。 対象と方法 対 象 岐阜大学附属病院眼科にて,1997年12月から1998年5月までに,原発開放隅角緑内障と診断,治療され,耐用 可能な薬物療法にても充分な眼圧下降が得られないために線維柱帯切除術を施行された患者の中から,以下の選 択基準を満たす者を対象として,プロスペクティヴに検討をした。すなわち,(1)術後30%以上の眼圧下降を維 持し,(2)術前日及び術後3カ月以降にスキャニングレーザーポラリメーターにて良好な画像が得られ,(3)術前 後で信頼性の高い自動静的視野閥値検査が施行でき,かつ(4)矯正視力0.6以上,(5)等価球面値±5D以下,(6) 低眼圧黄斑症,脈絡膜剥弧 術後限内炎などの重篤な術後合併症がなく,(7)術前後少なくとも1カ月に1回以上 眼科的検査を受け,術後3カ月以上の経過観察期間のあった者。もし,両眼がこれらの選択基準を満たした場合 は,無作為に1例1眼を選択′した。 RNFLT測定

RNFLT測定にはスキャニングレーザーポラリメ∼クーGDx Nerve Fiber Analyzer versionl.0.12.(以下G

Dx;Laser Diagnostic Technologies礼 米国)を用いた。GDxは780nmの波長をもっ偏光レーザーを用いてRN FLTを定量的に測定評価する共焦点走査型レーザー検眼鏡である。 網膜神経線維層はt 神経線維の胞体内に水平に配列する微小管により複屈折性を有する。そのため偏光レーザー は網膜神経線推層を通過する際に,2つの異なる反射速度を持っレーザー光に分かれる。この2つのレーザー光 が網膜を通過し,反射する時間の差は遅延と呼ばれ,この遅延の程度とRNFLTとの問には正の相関が存在する。 RNFLTは各眼ごとに手術前日と,術後3∼6カ月の2匝l,GDxにて非散瞳下,画角15度でそれぞれ連続3[司 ずつ測定し,3個の画像で作製した平均画像を解析に使用した。解析のための乳頭縁の決定は臨床情報を知らな い一人の検者が行った。乳頭緩から1.8乳頭径離れた楕円上のRNFLTの値を用いて,上下耳鼻側90度ごとの4象 限の平均RNFLTの値を求めた。耳側を0鼠 鼻側を180度と設定して.耳側は320度から49度,上側は50度か ら139度,鼻側は140度から229度,下側は230度から319度の範囲とした。 視野測定 視野の測定はハンフリー視野計の標準開値プログラム中心30-2にて行なった。術前視野検査は手術前日に,術 後視野検査は,術後画像獲得時の1カ月以内に施行した。視野障害指数であるMean Deviation(MD,dB),

およびCorrected Pattern Standard Deviation(CPSD,dB)を解析に用いた。 統計解析

各象限のRNFLT変化量(術後のRNFLTから術前のRNFLTを引いた値,FLm)と以下の変数,すなわち,年齢 (歳),経過観察期間(週),術前眼圧(mmHg),術後眼圧(mmHg),眼圧変化量(術前眼圧から術後眼圧を引

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-135-いた値,mmHg),術前後の視野障害指数MD(dB)とCPSD(dB)との相関を直線回帰分析を行い,Spearman相 関係数を求めた。また,術前RNFLTと術後RNFLT,術前眼圧と術後眼圧,術前視野障害指数と術後視野障害

指数との差の検定には,Wilcoxson signed rank testを用いた。P値が0.05未満の場合を統計学的に有意である とした。 結 果 今回の研究の選択基準を満たした対象は46例46眼,男性23例,女性23例,平均年齢(±標準偏差)は56.9(± 14.9)歳であった。50眼が基準を満たしたが,4限が画像不良のため除外し,46眼を解析対象とした。術後経過観 察期間は22.8±9.4遡であった。術後眼圧は有意に下降し(P<0.01),術前眼圧は22.6±6.9m皿Hg,術後眼圧は 10.2±3.7mmHgであった。術前MD,術後MDはそれぞれ,-18.10±7.87dB,-17.20±7.96dBであり,術後MD は有意に改善した(P=0.04)。一方,術前CPSD,術後CPSDはそれぞれ,9.53±3.82dB,9.83±4.25dBであった が,統計学的有意差を認めなかった。 すべての4象限で術後RNFLTは増加していたが,上側,下側で増加量が特に大きく,耳側(p=0.04)と下側(p= 0.02)で有意差を認めた。 術前後におけるRNFLT変化量と各変数との相関をみると,上下耳鼻側すべての4象限のRNFLT変化量と術 前視野障害指標MDが有意な正の相関を示したが,その他の変数でRNFLT変化量と有意な相関を示したものは なかった。 考 按 今回我々の研究で術後に耳側と下側で有意差なRNFLT増加が見られ,網膜の部位によってRNFLT増加率に 差があることが判明した。また,眼圧変化率とRNFLT変化量との間には相関が認められなかった。もし,術後 のRNFLT増加が,眼圧下降による単純な機械的変化によるものならば,RNFLTの増加は網膜全体に均一にお こり,部位によるRNFLT増加率の差はないと考えられ,かつ,眼圧の変化率とRNFLT増加量とに相関がみら れると予想されるが,我々の結果はこの予想と反するものであった。このことより,術後のRNFLT増加は,単 なる減圧による機械的変化ではないことが示唆された。 また,術後に視野障害指標MDが有意に改善し,手術による眼圧下降は視機能の改善をもたらすことがわかっ た。 さらに,今回の研究で,術前の視野障害指標MDの良い早期の緑内障程,眼圧下降によるRNFLT増化量が大 きく.視野障害指標MDとRNFLT変化量とに正の相関が存在することが判明した。このことを,術後のRNFLT 増化量が単純な機械的変化によるものではなく,機能的改善を反映しているものであることとを考え合わせると, 早期の緑内障程,進行した緑内障に比べ,眼圧下降によって,より視機能が改善する可能性があり,手術は有効 な治療法であるといえると思われる。 今回の我々の研究により,術後にRNFLTが増加し,視機能が改善する可能性が示唆され,緑内障手術の治療 意義が改めて支持された。 論文審査の結果の要旨 申請者 山田敬子はスキャニングレーザーポラリメーターを用いて,線維柱帯切除術の眼圧下降に伴う網膜神 経線維層厚の変化ならびにその視機能の関連を検討した。眼圧下降に伴い網膜神経線維層厚は増加を示し,その 増加は網膜の部位によって異なることが判明した。術前後における網膜神経線維層厚変化量と術前視野障害指標 Mean Deviationが有意な正の相関を示し,早期緑内障手術程,手術による視機能回復の可能性があることが示 唆された。 本研究によりt 緑内障手術の治療意義が改めて確認された。本研究の成果は,眼科学とくに緑内障学の進歩に 寄与するところが大であると認められる。 [主論文公表誌] 緑維柱帯切除術の眼圧下降に伴う網膜神経線維層厚の変化 平成12年1月発行 岐阜大医紀48(1):18∼22

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