家庭科における防災教育の構想
教科・領域教育専攻
生活・健康系(家庭)コース
津 田 亘 生
1.研究の背景と目的
自然災害が発生しやすい国土で生きてい
くわれわれにとって防災対策は欠くことの
できないものである。
板神淡路大震災後、文部省は「学校等の
防災体制の充実に関する調査研究協力者会
議jを設置し、「学校等の防災体制の充実に
ついて(第1次1995.1.第2次 1996.9)J
をまとめているD 第 2次報告では、防災教
育を充実するに当たり、家庭・地域社会と
連携しながら取り組むことが極めて重要で
あるとし、学校において日頃から家庭や地
域社会と綿密な連携協力を図りつつ、児童
などに対する防災教育を推進するとしてい
る。一方、家庭科は日常生活において生活
の自立及び家族・地域の人々との共生を目
指す教科である。
そこで本研究では、各地域特性に合った
防災方法を知り子供から親へ、親から地域
へと広がる、家庭科における防災教育を構
想することを目的とするo そのために自治
体の防災教育資料、及び家庭科における防
災教育の先行研究を検討し、それを踏まえ
て家庭科における防災教育の目標及び内容
を検討し、授業実践を試みるc・
2. 研究方法
まず、学校における防災教育のあり方を
静岡・和歌山・徳島・高知の防災教育資料
から考察したc 次に家庭科における防災教
育の取り扱いについて研究し高等学校家庭
総合教科書指導資料を考察したc さらに、
地域の住民に対する防災教育を資料で検討
指 導 教 員 鳥 井 葉 子
した後に、家庭科の教科目標を踏まえて家
庭科における防災教育を構想したD その一
部を取り上げ、授業実践を試み今後の課題
を明らかにしたむ
3. 学校における防F災教育
2002年に作成された静岡県防災教育基
本方針について(提言)では、災害の発生
メカニズムや地域の災害の特性や被災時の
防災体制にも触れているc・1997年に作成さ
れた徳島県の防災教育指導資料における道
徳や特別活動では、中学校段階になると他
者への配慮やボランティア活動といった、
学校外の人に対して行動できる心を養うこ
とにも呂を向けるようにしており、被災時
に地域の人々への支援を積極的に行い、学
校と地域が連携をもった防災体制の確立が
図れる事を目指している。
4.家庭科における防災教育
宇野氏による「防災教育に果たすべき家
庭 科 の 積 極 的 役 割 に つ い て - 中 学 校 技
術・家庭科を中心として一」では「家族や
隣近所や地域コミュニティという自分を取
り巻く共同体を視野に入れ、共同体の一員
として共同体の構成員の安全を確保するた
めの、ものの見方をもって、家庭生活・地
域生活の在り方を見直すことJとしているc・
藤岡氏は『防災の視点を取り入れた家庭
科「住生活j領域における教材開発に関す
る研究
J
において、高校生を対象とした実
態調査では、高校生は家庭科で防災対策に
ついて学習することを望んでいたことがわ
か っ た 己 こ れ を 踏 ま え て 行 な っ た 全 国 の
-510-小・中・高等学校家庭科教員対象の調査結
果でも、多くの教員が防災対策についての
指導を家庭科「住生活J領域で行なう必要
性を認めていることが明らかになり、児童
生徒の発達段階を踏まえた防災視点の家庭
科指導内容とその位置づけを提案すること
ができた。さらに、資料研究や実際に学校
や地域に対して行なったヒアリング等の研
究結果より、防災の視点を取り入れた家庭
科教育における教材開発を行なうことがで
きたとしている。
5. 家庭科における防災教育の構想
下記の表に記す。
6.
r
自分の住んでいる地域と防災」につい
て 授 業 実 践 を 行 い 、 自 然 災 害 に 関 す る 知
識・自分の住んでいる地域に起こりやすい
災害と防災の認識・災害時における地域の
人に貢献する態度の視点から考察した。
7.今後の課題
本研究は、阪神・淡路大震災以降、必要
性が論じられてきた防災教育を家庭科の視
点から研究したD 今後の課題としては、被
災時において大きな力を発揮すると考えら
れ る 高 校 生 に 対 し 防 災 教 育 を 行 う た め の
「高等学校で、の授業実践」と、被災時にお
いて助け合うことができるような協力体制
を図る「地域との連携を含んだ学校におけ
る防災訓練」の検討も必要である。
家 庭 科 に お け る 防 災 教 育 の プ ラ ン
生 活 の
s
立 │ 共 生 │ 生 活 の 主l本性
小 /8標 /8標 /8標
学 ! 日 含 生 活 の 様 々 な 場 面 で 発 生 す る 災 害 の 危 険 ! 災 害 時 に 自 分 の 安 全 だ け で な く 也 の 人 々 の 安 8常生活における防災に取り組む会
技 iを理解し、安全な行動ができるようにするき 1:全 に も 配 患 が で き る よ う に す る 内 容
内 容 j内容 I .災害時の安全な行動を{也の人に伝えるA
-生活場置における災害時の危険を予測し、安全I.災害発生時の自分や家族の避難場所を知るー
な行動ができるようにする、 1.防災訓練やまちの祭、大掃除に参加することを
・火災を起こさないための日常生活における配虚11.差して自分の住んでいるまちをよく知る予
を長ロるE
-災害時に備えた水の使い方を工夫することがで
きる手
自主宰 g 標 百漂
学 │ 自 分 の 住 ん で い る 地 域 は ど の よ う な 自 然 環 境 │ 家庭・地域の防災や災害時のボランティア活動│ 防 災 に 対 す る 致 り 祖 み を 遇 し て 、 家 庭 や 地 域 で
授│にあるかを知る=また、自ら考え判断する資賓や│の犬切さについて理解を深める可 自分ができることについて.考える子
能 力 を 苔5立することを自標とし、防災への日常のi内容 内 容
備 え や 的 詫 な 遅 発 行 動 が で き る よ う に す る . - 地 域 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 に 参 加 す る 姿 勢 を 持 │ ・ ま ち が 抱 え る 課 題 や 心 配 さ れ る 災 害 を 学 ぶ .
内 容
-非常時持出品がわかり準備できる会
. (主まいの防災対策が実行できるー
-災害時における避難経路が確保できるマ
.災害時の食事を工夫することができるぜ
高 18察
イコ、
-家庭で防災会議を調くことができる品
-自分のまちが過去に受けた災害について地域の
人から学ぶー
目標 ヨ標
等 I El然災害の危険について理解し、ヨ分の住んで│ 友人や家族、地域社会の人々の安全にも貢献し│ 自 分 の 住 ん で - い る 地 域 の 防 災 に 対 す る 安 全 を
学!し、る地域の自然環境やその土地に起こりやすし、│地域の防災冠動や災害時のボランティア活動に│確保できるような方策を提案する、
茂 l災害について知る会 iも積極的に参加できるようにする。 I内 容
内 容 内容
-吉分の佳三いの耐雲・耐@,の状況を把握する;.I・災害時に乳幼児や高齢者、撞害者の支援活動を
'S分が住んでいる地境で発生しやすい災害や防│しようとする姿努を養うる
災 対 策 を 知 る ・ 災 害 時 に お け る 地 域 の 人 々 の 協 力 体 制 の 必 要t生
・2分の住まいと地域の災害に対する備えの実態!を知る予
を把還する企 1.地域のS主 防 災 担 識 に 進 ん で 参 加 す る 姿 勢 を 持
イコ
-511
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