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電気機関車用大容量PWM方式インバータ

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Academic year: 2021

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小特集 最近のパワーエレクトロニクス

∪.D.C.〔∽1・314・572:る21・37る・54]:〔る21・382・333・34::占21・318・57〕

る21.3仏71.07る.7‥[る21.313.333:占21・333]

電気機関車用大容量PWM方式インバータ

High

Power

PWMlnverters

for

Electric

Locomotive

Drive

従来,車両用電動機としては直流電動機が使用されてきたが,保守作,卓両件能 などの向上を目的としてインバータ制御による誘導電動機駆動方式が注目されるよ ぅになってきた。日本国有鉄道はこの誘導電動機駆動方式を電気機関車を対象とし て研究開発を進めている。日立製作所はその制御の中心となる大容量インバ∽タを 製作・納入した。インバータとしては,等価妨害電流,トルク脈動か小さい電圧形 インバータ方式を採用した。 トルク脈動を小さくするため,周波数に応じてパルス数を増減させる方式を,更 に起動時及びパルス切換時にはトルクの急変を低減するために特殊パルス切換方式

を採用した。また,電流制御は基本波電流検出によるすべ1)周波数制御を採用し,

微′トなすペリ周波数を精度高く制御するのにマイクロコンビュrタを使用した。 二れらの制御により,安定したトルク制御が行なわれることを確認した0 切

言 現在,車■向駆動用電動機として直流電動機が広く用いられ ている。L自二流電動機の速度制御方式は,抵抗制御又はタップ チェンジャ方式,サイリスタ制御方式,チョッパ制御方式へ と発展してきた。 一方,最近の動向としてフラ、ソシオーバの心配がなくメン テナンスフリ-化が図れ,枯着性能が優れているインバータ による誘導電動機駆動方式の開発が国内外で行なわれている0 本稿では,電気機関車を対象とした日本国有鉄道納めの誘 導電動機駆動用大容量可変電圧・可変周波数インバータにつ いて述べる。 凶

インバータ方式の比較・評価

表1に電圧形インバwタと電流形インバータの基本特性, 及び誘導電動機を駆動した場合の特性についての比較・評価 を示す。 電圧形インバータ方式では,インバ”タの直流入力電圧が コンバータにより定電圧制御されており,インバータにより 誘導電動機の電圧,及び周波数が制御される。二れに対し, 電流形インバータ方式では,誘導電動機の電流はコンバータ によって制御され,周波数だけがインバ【タによって制御さ れる。両方式とも回生制動が可能である。 両方式ともそれぞれ特徴があるが,等価妨害電流Jp,トル ク脈動が小さく安定な制御ができるというノ〔㌧て,電圧形イン バータが車両用に適しているといえる。 田

インバータ装置の概要

3.1仕様及び外観 インバータ装置の仕様を表2に,外観を図1に示す。 3.2 主 回 路 図2にインバータの主回路構成を示す。 インバータの主回路は,次の点を考慮し設計した。

(1)補助インパルス転流インバータ回路は,遅れ力率負荷に

対しては負荷電流が増大すると転流能力も増大するという特 相沢英イ安*

野崎吉雄**

田村

薫*

久保

宏*

川又賢;台** fJ言dpfD5ん∫ Aよzαぴ(l ylフ5んわ 八「()Zαんf 〟α0川 れ上ml`γα 〃fγ05ん言 方〟占0 〟p花ノJ∬〃ぴαmα舌α 表lインバータ方式比較表 電圧形インバータは,電流形インバータ に対L交流側高調波電瓦トルク脈動が小さく車両用に適Lている「, 方式 項目 電圧形インバータ 電流形インバータ イ ン ′( l タ 基 本 特 性 基本構成 L(リアクトル) L

孝幸盲

(享乙サ)

コンバータインバータ

孝幸

コンバータインバータ 出力電圧

「「

/

]

方形波 / 正弦波に近い。 出力電流

/

正弦波に近い。

]

方形波 素 子 高速サイリスタ 中速サイリスタ 車 両 性 能 交流側 高調波 ダイオード制御方式と同じ ./p 0インバータ出力電圧 交流位相制御方式と同じ .ル 0インバータ出力電圧 力 率 常に高力率 位相制御により力率低下 トルク脈動 小 やや大 17 * 日立製作所日立工場 ** 日立製作所水戸工場

(2)

386 日立評論 VOL・63 No・6(198ト6) 表2 インバータ装置仕様 定格出力電圧800V,定格出力周波数66.8Hz で電圧と周波数の比が一定となるように制御される。 項 目 定 格 容 量 l′540kVA 最 大 容 量 2.156kVA=40%〉 出 力 ACO∼800V 出 力 周)度 数 2、IJ3Hz 入 力 DCl′040V 出力電圧制御方式 電圧形パルス幅変調方式 冷 却 方 式 フロン)弗騰ノ令却凰冷式 負 荷 650kW三相誘導電動機 2台 蔓量 図lインバータ装置の外観 前・後面に3ユニットずつ計6ユニット で構成されている FilL +m ACRf 0VC剛 0VDRe DRef Fi事C MCRf ADd MDd 令 指 数 波 l-周 電圧電涜制御回路 (図7参照) 叫 -1■■-一 ■■一∫L 18 令 指 圧 電 +刀ウ ン々′ 21パルス用 三角波発生回路 9パルス用 三角波発生回路 5パルス用 三角波発生回路 3パルス用 三角波発生回路 3′パルス用 三角波発生回路 位相制御指令 パルス数切換 周波数判別回路 比較器 比較器 此載器 比薮器 比較器 進み1′りレス 発生回路 徴をもっている1)。この回路をPWM(P。1s。Widtb M。d。1a_ tion:パルス幅変調)インバータにそのまま適用すると,この 特徴が生かされないばかりか,サイリスタのパルス電流耐量

の増大及び高耐圧化を必要とするものになる1)。このため,常

に転流時の転流コンデンサ電圧が一定となるように過充電さ れたエネルギーは抵抗を通して電源へ帰還する方式とした2)。

(2)3パルスモードでは†パルス幅が最小スリット幅のとき出

力電圧が最大となる0 3パルスから1パルスへ切換時の電圧 変化量は,馴、スリット幅に比例して大きくなる。このため, 切換時の電圧変化量を小さくするのに,サイリスタのパルス 電流耐量限界まで電流を流し,転流パルス電流幅を狭くでき るようにした。 (3)大谷量素子の利用率向上のため,冷却はフロン沸騰冷却 方式とした。 3.3 制御l司路 3・3.1PWM制御方式の概要 誘導電動機の制御は,加速中の磁束を一定とするためⅤ/f= 一定制御が必要である□Ⅴ/f=一定制御を行なうための電圧制 御方式としてPWM制御方式を才采用した。 図3にPWM制御ブロック図をホす。 PWMr糾御回路は,次の∴上、くを特に考慮し設計した。 (1)トルク脈動の低減 駆動周波数範匪】が2Hzから100Hz以上にも変わるので,低 周波時でのトルク脈動を低減するため,図4に示すように低 lM lM 三相 分配回路 三相 分配回路 三相 分配回路 三相 分配回路 三相 分配回路 三相 分配回路 注:略語説明 Fi【L(フィルタリアクトル) P(直流プラス) F(ヒューズ) 0VDRe(過電圧保護用抵抗器) 0VCRf(過電圧保護用サイリスタ) FilC(フィルタコンデンサ) ACRf(補助サイリスタ) DRef(帰還抵抗器) Lm(転流リアクトル) MCRf(主サイリスタ) MDd(MCRf聯甫勘ダイオード) ADd(ACRf用補助ダイオード) Cm(転流コンデンサ) N(直流マイナス) ∪(∪相) ∨(∨相) W(W相) 】M(誘導電動機) 21パルス 9パルス ス レ ウリ 5 ス レ 引ソ / 3 ス レ ハリ ノ 3 レ(ルス パ ルス数切換回路 パルス数切換指令 変調パルス ゲートアンプヘ

m

O 2汀 図2 インバータ主回路 構成 l台のインバータで Z台の誘導電動ヰ幾を駆動する 方式で,インバータの入力電 圧はコンバータにより定電圧 制御されている。 図3 PWM制御ブロッ ク図 図7の電圧電流制御 回路からの周波数と電圧の指 令に従い,2レ〈ルスからlノベ ルスの間で運転される。図の 波形は,3パルスの場合を示 している。

(3)

電気機関車用大容量PWM方式インバータ 387

鞄㌻一一旬

300 0 0 2 (Nエ)題額野鰐樹 0 0 0 20 40 60 80 100 インバータ周波数(Hz) 図4 インバータ周波数∼変調周波数 インバータ周波数に応じて, パルス数を増減させる方式を手采用Lた。 周波暗でパルス数を多く,高周波になるにつれてパルス数を 減らす方式を採用した。

(2)3パルスから1パルス切換時のトルク急変の抑制

大容量インバータでは,3パルスモードの最小スリット幅 が大きくなる。このため,3パルスから1パルスへ切換時の 電圧変化量が大きいので,3パルスと1パルスの間にr†】間の 電圧を出力できる3′パルスモード制御方式を才采用した。 この制御方式は, スのスリ ットをシフ の電圧変化量を′トさ 3パルスのスリ ッ 3パルスから1パルスに移る前に3パル トして電圧を滑らかに_L昇させ,切換暗 くする方式である。 トシフト中の位相制御角と出力電圧基本 波実効値の関係を図5に示す。

(3)起動時のトルク急変の抑制

起動時は電動機へのトルクショックを小さくするため,電 圧を徐々に増加させるソフトスタwト方式を才采用Lた。特に, 停止状態からの起動では二÷角波との比較レベルが低く限界に あるため,比較レベルが同一で出力電圧を絞り込む特殊パル ス起動方式を才采用した。起動時の出力電圧波形を図6にホす。 3.3.2 電圧電;充制御方式の概要 図7に電圧電7充制御ブロック図を示す。 電圧電流制御方式の主な特徴は次に述べるとおりである。 (1)すべl)周波数の制御精度向上 電動機のロータ周波数を精度高く検Jllし,この周波数に微 小なすペリ周波数を加減算(演算)Lて,インバータの出力周 波数(電動機のステータ周波数)とするためにマイクロコンピ ュータ(6800シリーズ)を使用した。,

(2)定トルク制御の向_L

電動機の軸トルクは基本波電流の実効値に比例する。この ため,可変周波のバンドパスフィルタを使用して,速度とと もに変化するステータ周波数の基本波電流を′削二検出して, 走トルク制御を行なうようにした。

(3)再粘着制御性能の向上

(a)各電動機のパルス発生器の出力回路に優先回路を設け, 力行時は低位優先,回生ブレーキ時は高位優先とした。 (b)各電動機電流の検出回路は出力を高位優先とし,空転 時に粘着軸側の電i充で制御するようにした。 800 700 600 500 (の∈L>‥二臣恕〕世辞無頼梱尺玉

%す月-、、①

甲陀貌r

P

鞄肝

10 20 30 40 50 60 70 位相制御角 甲(度) 図5 3′パルスの位相制御角∼出力電圧特性 インバータ周波数53 Hzでの特性を示Lたもので,位相制御角をシフトすることにより.出力電圧を 滑らかに上昇させることができる。

01①1010

0 刀■ 図6 起動時の出力電圧波形(半サイクル) 徳二・→魯→・若′〉一魯とlサ イクルずつ電圧を徐々に増加させる方式により,ソフトスタート特性をもたせ ている。 CT lMl CT lM2 主 幹 制 御 器 lMl回転子周波数 】M掴転子周波数 速度指令 限流借 指令 架線電圧 電動機電流 電動機電流 JJ・' 優 先 回 路 速度信号 パターン 回 路 力行回生

Il

隈流値 パターン 回 路 限流値 リミッタ 波出路 本棚 基電回 波出路 本棚 基電回 ▲ゞj▲ 低位優先回路 高位優先回路 〟ノrJ£ リミッタ すべり周波数 関数発生器 ・十 低位優先回路 + 「● -P 「■一 人¶ .じ8 糾 虔 胤 ‥磁 界敷 転‥溜肌 口州一国仰 タ ツ 〃Jミ Wり 轟電尉 ヒaA¶ 注:略語説明 CT(電流変成器) PG(パルス発生器) ぶ才一1(実速度) ぶ‡)(速度パターン) ル(パターン電流) ん1(フィードバック電流) WM制御回路 ■●-一.■●+ (図3参照)一 ■■■■■■■L 図7 電圧電i充制御ブロック図 各電動機の基本波電流を検出L,限流 値指令との偏差ですべり周波数を制御する方式により.良好な電圧電流特性を 得ている。 19

(4)

388 日立評論 VOL・63 No.6(198ト6) インバータ出力電圧0- インバータ出力電流0-0 0 8 増押尺玉爪-て八† 値 値 廿昇 測 計 実

内∽凶 注

0 0 0 0 0 0 8 4 2 横田尺玉爪-て八† 7 1113 17 柑 23 25 高調波次数

「仰+

「仙+

7 11 13 17 †9 23 25 高調波次数 図8 定格時の出力電圧・電流波形及び高調波分析結果 リアクトルと抵抗の等価負荷により,言式験を実施Lた。 (C)各軸同時空転の場fナに備えて,通常の走行加速度より

も,やや大きい加速度のりミツタ(d〝d川ミッタ)を設ける

ことにより周波数の発散を抑制Lた。

(4)すべり周波数制御による左通運転の力行・回生ブレーキ

走通運転時,力行ご回生への切換えは,主回路を開閉する ことなくすべり周波数を㊤ご0ご○へとスムーズに制御し, 滑らかなトルク制御を行なうようにした。 (5)すべり周波数による走電流制御の向上 Ⅴ/f特性カーブに沿って,インバータの出力周波数に対仁むす る基本波電圧の変調度を指令L,起電流制御系の制御偏差で すべり周波数を制御することにより,主幹制御器のノッチ(限 流値指令)で決まる一一定の電動機電流が得られるようにした。 3.4 保護回路 インバータの保護回路としては,【F記の機能が設けられて いる。

(1)転流失敗,(2)入力過電圧,(3)サイリスタ温度上昇,(4)イ

ンバータフアン停止 以上の保護回路により,インバータは完全にイ米護されている。 田

試験鹿果

図8は定格時の出力電圧・電流波形,及び高調波分析結果 を示すものである。他のパルスモードでも高調波分析した結 果,当初予定したように高調波が抑制されている。 20 B 結 言 中両用電動機の制御方式は,デイオ【ド繋流器方式からサ イリスタ軽流器方式へと党旗実用化され,軌ニインバ【タ制 御 ̄方∫(が開発された。インバータによる誘導電動機駆動方式 は,メンテナンスフリー化,省エネルギー化,粘着性能の向 卜など将来性が期待できる。 中l山j惟能的にも総合組合せ試験で確認され,大容量誘導電 動機を駆動するインバータの基礎技術が確立され,電気機関 車の実現に大きく前進した。 なお本間発に当たり,日本国有鉄道車両設計事務所及び鉄 道技術研究所の関係各位から御指導をいただいた。ここに深 く感謝の意を表わす次第である。 参考文献

1)WtMcMarray,et al∴A Silicon-C。ntr。11。d Rectifier

Inverter、VithImproved Commutation・AIEE Transactions, Volume80,PartI,1961,pp・531-42.

2)A・B・Plunkett,et al∴ImverterInducti。。M。t。r Driv。f。r

Transit Cars・IEEE Transactions

onIndustrial Applications,Vol.1A-13,No.1,JAN/FEB1977.

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