「マルチメディア通信と分散処理
J
ワ ー ク シgップ平成
5
年
3
月
オブジェクト指向によるネットワーク管理問題分析と
0
5
1
管理利用に関する考察
北橋雅子*野口正-**
事情報処理振興事業協会(IPA) **東北大学応用情報学研究センター まず、ネットワークの定義を明らかにするo それから、そのネットワーク管理に対する 要求を示す。その上で、その要求を満たすために、オブジェクト指向問題分析を行う。さら に、その分析結果に基づいて、実際に管理システムを設計、実装する(プロトタイピング)。 本論文は、オプジェクト指向問題分析、プロトタイピングを何回か繰り返した結果について 述 べ る も の で あ る 。 ネ ッ ト ワ ー ク 管 理 要 求 は 、 最 初 は 漠 然 と し た も の で あ る が 、 分 析 、 プ ロトタイピングを繰り返すことによって、より具体的で詳細なものとなるo本論文で示す管 理要求は、ある程度、具体化、詳細化が進んだものである。本論文では主に、分析結果につ いて述べ、さらに、プロトタイピング時の留意点について言及するo1
.
はじめに
何 ら か の 通 信 手 段 で ネ ッ ト ワ ー ク さ れ た 環 境 は 、 現 在 、 あ ち ら こ ち ら に 氾 濫 し て い るo 電 話 網 、 企 業 の コ ン ピ ュ ー タ ー ネ ッ ト ワ ー 夕 、 パ ソ コ ン ネ ッ ト 、 等 で あ る 。 こ れ ら の ネ ッ ト ワ ー ク は 、 利 用 者 が 増 え 、 よ り 高 度 な サ ー ビ ス を 提 供 す る よ う に な っ て き て い る 。 そ こ で 問 題 な の が 、 し だ い に 規 模 が 大 き くなり、複雑になってゆくネットワークを、 ど う や っ て 管 理 す れ ば よ い の か 、 と い う こ と であるo 非 常 に 複 雑 な 問 題 を 正 徳 に 理 解 し 、 解 決 す る 方 法 と し て 、 オ ブ ジ ェ ク ト 指 向 問 題 分 析 が注目されているo そこで、これによって、 マ ル チ プ ロ ト コ ル ネ ッ ト ワ ー ク 管 理 と い う 問 題を分析するo そ の 前 に 、 マ ル チ プ ロ ト コ ル ネ ッ ト ワ ー ク の 定 義 を 明 ら か に す る 。 そ れ か ら 、 そ の ネットワーク管理に対する要求を列挙する。 そ の 上 で 、 そ の 要 求 を 満 た す た め に 、 オ ブ ジ ェ ク ト 指 向 問 題 分 析 を 行 う 。 さ ら に 、 そ の 分 析 結 果 に 基 づ い て 、 実 際 に 管 理 シ ス テ ム を 設計、実装する際の留意点について述べるo2
.
マルチプロトコルネットワーク
の定義
ま ず 、 ネ ッ ト ワ ー ク の 定 義 を 明 ら か に す るD 図 1を 参 照 。 ネ ッ ト ワ ー ク と は 、 物 理 ネットワーク、論理ネットワーク、そして、 ネ ッ ト ワ ー ク ア プ リ ケ ー シ ョ ン サ ー ビ ス の3 層 か ら 成 る も の で あ る 。 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 ノ ー ド が 、 何 ら か の メ デ ィ ア に よ っ て 物 理 的 に つ な が っ て い る 環 境 で あ る 。 ノ ー ド と は 、 ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン 等 の コ ン ピ ュ ー タ ー ホ ス ト 、 ル ー タ ー 、 ま た は 、 リ ピ ー 夕 、 ブ リッジ等の機器である。メディアとは、イー サネットやFDDI
等の線である。 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク が あ る だ け で は 何 も 起 こ ら な い 。 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク を 構 成 す る 機 器 が、メディアを介して通信を行うためには、 各 機 器 上 に 何 ら か の 通 信 機 能 を 載 せ な け れ ば な ら な い 。 通 信 機 能 と は 、TC
P.江pω ゃ、X
N
S
(
2
)
、または、O
S
I
ω
等 の 各 ネ ッ ト ワ ー ク プ ロ ト コ ル に 従 っ た 機 能 で あ る 。 通 信 機 能 を 0同
ectoriented analysis for network management and Consideratjon of using 051 Management by Masako Kitahashi*,
5houichi Noguchi**図1 ネットワークモデル Fig. 1 network model File Service MailService 等の応用層アプリケーション
,
・
'
・
.・'・・
・
・
.
. r T ・ .
.
.
~岡、SI
'
"
,
'
閥
"
、
r
2
、
'
"
terl • .J
'-l Host 1Router.
・
.
."¥ 。 :
node•
.
・
・
..
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
載 せ る と 、 そ の ネ ッ ト ワ ー ク プ ロ ト コ ル が 提 供する論理ネットワークの概念が、物理ネッ ト ワ ー ク の 上 に 重 な っ て 存 在 す る よ う に な る。論理ネットワークは、通常、ネットワー ク 番 号 と い う も の に よ っ て 認 識 さ れ る 。 図1 で は 、 ネ ッ ト ワ ー クA
、 ネ ッ ト ワ ー クB
が あって、これらは、 Jレ ー タ ー に よ っ て つ な が っ て い る 。 こ の ネ ッ ト ワ ー クA、 ネ ッ ト ワークBを 総 称 し て 、 ひ と つ の 論 理 ネ ッ ト ワークと呼ぶ。 ネ ッ ト ワ ー ク ア プ リ ケ ー シ ョ ン サ ー ピ ス は、各ネットワークプロトコルが提供する、 Mail Service、FileService等 の 応 用 層 ア プ リ ケーションである。つまり、論理ネットワー ク上に実現される何らかの通信サーピスであ る。 ひ と つ の 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク に 対 し て 、 複 数の論理ネットワークがあるとき、それは、 マルチプロトコルネットワークと呼ぶ。3
.
管理要求
よ り 良 い ネ ッ ト ワ ー ク 管 理 を 行 う た め の 具 体 的 な 管 理 要 求 を 以 下 に 示 すo これは、現 application 論理network 物 理network 各ネットワークプロトコルが tI供するネットワークの観念 在ネットワーク管理を行っている人々にイン タビューした結果をまとめたものであり、さ ら に 、 現 在 使 わ れ て い る ネ ッ ト ワ ー ク 管 理 ツールが備えている機能を管理要求として考 慮したものである。 図1のネットワークモデルの3
つの層ごと に管理要求が存在する。 レベル1: 物理ネットワーク管理 ① 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク ト ポ ロ ジ ー の 表 示 、 又 は変更。 レベル2
:
論理ネットワーク管理 ① 論 理 ア ド レ ス と 、 そ れ に 対 応 す る 物 理 ア ドレス、 hostname等の表示。 ② 各 層 ご と のEntityの状態表示、又は、変 更o すなわち、層管理。 ③ ネ ッ ト ワ ー ク 番 号 ご と の 、 ホ ス ト 、 ル ー タ ー 、 メ デ ィ ア の 表 示 。 論 理 ネ ッ ト ワ ー ク を 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク に 対 応 さ せ て 表 示 する。 ④論理ネットワークトポロジーの表示。 ⑤ エ ラ ーPacketの管理⑥ 二 重 論 理 ア ド レ ス の チ ェ ッ ク ⑦ ル ー タ ー 、 ブ リ ッ ジ 、 リ ピ ー タ 等 、 メ デ ィ ア を 中 継 し て い る 機 器 の テ ス ト 。 テ ストとは、テスト Packetを送信して、返 事 を 受 信 す る こ と に よ っ て 、 正 常 に 動 作 しているかどうか確認することである。 ③ ネ ッ ト ワ ー ク の 現 状 把 握 高負荷talker
,
recei verの把握。 メディアの負荷状況の把握。 プロトコJレごとのtra
:
f
f
i
cの推移、 broadcast packetの推移、等、統計情報に よる現状把握。 ① ② は 、 レ ベ ル1の 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク ト ポ ロ ジ ー 上 で 表 示 し た い 、 と い う 要 求 で あ る。③は、物理ネットワークトポロジーと関 連付けて表示きれなければならないo⑦ の テ ストの結果、マシンがダウンしていることが わかった場合は、それは物理ネットワークト ポロジーに反映されなければならない。 レベル3: ネットワークアプリケーション の管理 ① 各 サ ー ビ ス が ど の ホ ス ト 上 に あ る か 表 刀言。 ② 各 サ ー ピ ス が 使 用 す る ネ ッ ト ワ ー ク プ ロ トコルの表示。 ③ ド メ イ ン ご と の ホ ス ト 、 ユ ー ザ ー 、 メ ー ル ア カ ウ ン ト 、 ザ ー ピ ス の 表 示 。 ド メ イ ンとは、 Accountingにおける名前イ寸けの メ カ ニ ズ ム が 提 供 す る ド メ イ ン の 概 念 で ある。 ④ ホ ス ト 、 ユ ー ザ ー 、 メ ー ル ア カ ウ ン ト 、 サ ー ビ ス の 追 加 、 削 除 、 変 更 。 す な わ ち、 Accounting。 こ れ は 、 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク ト ポ ロ ジ ー に 反 映 さ れ な け れ ば な らない。 ⑤ フ ァ イJレサーバー等、重要なサーピスを 提供.しているマシンのテストo テストと は、テスト Packetを送信して、返事を受 信 す る こ と に よ っ て 、 正 常 に 動 作 し て い るかどうか確認することである。 ① ② ③ は 、 レ ベ ル1の物理ネットワーク トポロジー上で表示したい、という要求であ る。 それぞれのネットワークアプリケーシヨ ンは、論理ネットワーク上にどのようなサー ビスを提供するのか、というモデルを持って いるo そのモデルに従って、アプリケーショ ンごとに管理要求があるはずである。ここで は、その詳細について詳しく述べることは省 略する。4
.
マ ル チ プ ロ ト コ ル ネ ッ ト ワ ー ク
管理問題分析
オブジェクト指向問題分析手法である、 コード・ヨードン法 (4)、および、OMT(5)
に よって分析を行う。ここで言う分析とは、オ ブ ジ ェ ク ト モ デJレ 化 、 動 的 モ デ ル 化 、 お よ び、機能モデル化の3つを行うことである。 オブジェクトモデルとは、問題を理解するた めに「オブジェクトJ
を用いて対象領域を抽 象化したもので、問題領域の把握にとって本 質的でない詳細を省略したものである。この 抽象化は、ある目的に対して行われる。その 目 的 に と っ て 重 要 で な い も の は 捨 て 去 ら れ る。ある目的に対して唯一の正しいモデJレが 存在するのではなく、いくつかの妥当なモデ ルが存在し得るo ただし、良いモデルは、問 題の最重要の側面を捕らえて、その他は省略 されたものであると言えるo ある程度、オプジェクトモデル化ができ たら、動的モデル化、機能モデル化を行う o 動 的 モ デ ル 化 と は 、 あ る 目 的 を 満 た す た め の、オブジェクトからオブジェクトへの一連 の操作の列を記述することである。動的モデ Jレをシナリオと雷うこともある。機能モデル 化とは、オブジェクトの持つべき各機能につ いて、そのデータフロー図等を記述すること である。 最 も 重 要 な の は 、 オ ブ ジ ェ ク ト モ デ ル 化 である。「オブジェクトJ
とは、情報と機能 をひとまとめにしてカプセル化したモジュー ルである。オブジェクトどうしがメッセージ のやりとりをすることによってある目的が達 成される。オブジェクトが他のオブジェクト にメッセージを送信する時、相手のオブジェ クトのデータ構造や、手続きのアルゴリズム 等 に 、 全 く 関 知 す る 必 要 は な い 。 こ れ が 、 データ構造と手続きが隠蔽されているということである。 先 に 示 し た 管 理 要 求 を 目 的 と し て 、 オ プ ジェクトモデル化を行う。ところで、管理要 求 は よ り 具 体 的 に 、 よ り 詳 細 に 記 述 き れ な け れ ば な ら な い 。 よ り よ い オ ブ ジ ェ ク ト モ デ ル 化 の た め に 、 具 体 的 で 詳 細 な 目 的 が 必 要 で あ る。ところが、目的をより具体的に、より詳 細に把握するためには、よりよいオブジェク トモデルが必要である。 まず、管理要求をできるだけ具体的に、 詳細に記述する。そのためには、問題領域を できるだけ深〈理解しなければならない。最 初 は 、 漠 然 と し た 部 分 が あ っ た り 、 正 確 で な かったりするが、とにかく、できるだけ努力 し て 記 述 し た 管 理 要 求 を 目 的 と し て 、 オ ブ ジェクトモデル化を行う。すると、その過程 で 、 も っ と 詳 細 に 認 識 す べ き 点 や 、 誤 っ て 解 釈 し て い た 点 等 が わ か っ て く る 。 そ こ で 、 管 理要求の記述を書き換えたり、付け加えたり す る 。 つ ま り 、 オ ブ ジ ェ ク ト モ デ ル 化 と 管 理 要 求 の 具 体 化 、 詳 細 化 は 、 ほ と ん ど 平 行 し て 進むわけである。 先 に 示 し た 管 理 要 求 は 、 今 ま で の 分 析 作 業 に よ っ て 、 あ る 程 度 具 体 化 、 詳 細 化 が 進 ん だ も の で あ る 。 で は 、 こ れ ら の 管 理 要 求 を 満 た す た め の オ ブ ジ ェ ク ト モ デ ル 化 に つ い て 述 べる。まず、管理要求にプライオリティーを つける。プライオリティー
1
から5
ま で 設 定 する。プライオリティー 1が、最優先である とする。 プライオリティー1. レベル1の ① プライオリティー 2. レベル2の ① ② ③ ④ レベル3
の ① ② ③ プライオリティー3
.
レベル3
の ③ プライオリティー4. レベル 2の ⑤ ⑥ ③ プライオリティー 5. レベル2の ⑦ レベル 3の ⑤ プライオリティー 1から 3ま で が 、 構 成 管理要求であるo この中には、局管理要求で あるところのレベル2の②も含まれている。 プライオリティー4から 5が 、 障 害 管 理 要 求 である。 ま ず 、 プ ラ イ オ リ テ ィ ー 1の管理要求を 満たすためにオブジェクトモデル化を行う。 次に、矛盾が生じないように考慮しながら、 プライオリティー2の管理要求を満たすため にオブジェクトモデルを拡張する。以下、プ ライオリティーに従って、順番に管理要求を 考慮し、オブジェクトモデルを拡張する。4
.
1
オブジェクトモデル
図2
.
1
から2
.
6
に、先の管理要求を全て考 慮したオブジェクトモデルを示す。図中にお いて、オプeジェクトはそれぞれひとつの箱に よって示される。箱は3段に分かれており、 1 段 目 が オ ブ ジ ェ ク ト ク ラ ス 名 、 2段 目 が 属 性、 3段 目 は そ の オ ブ ジ ェ ク ト の 機 能 を 示 すo細い線の矢印は、部分全体関係を示す。 矢印の指している方が全体、その反対側が部 分 、 つ ま り 、 図2
.
1
で 言 う と 、 オ ブ ジ ェ ク ト Equipmentは 、 オ ブ ジ ェ ク トPhysical -Networkの構成要素であることを意味してい る。太い線の矢印はスーパークラス・サブク ラ ス の 関 係 を 示 すo 矢 印 の 指 し て い る 方 が スーパークラスである。また、点線の矢印は その他の関係を示す。 4.1.1 PhysicalNetwork まず、図2
.
1
参照。プライオリティー1
の 管理要求は、物理ネットワークトポロジーの 表示と変更である。物理ネットワークとは、 ノードがメディアによってつながっている物 理 的 な 環 境 で あ っ た 。 従 っ て 、 ノ ー ド と メ ディアをオブジェクトとして捕らえる。 メ デ ィ ア を PhysicalMediaと い う オ ブ ジェクトクラスで表し、ノードを Equipment というオブジェクトクラスで表す。さらに、 物理ネットワークをPhysicalNetworkという オ ブ ジ ェ ク ト ク ラ ス で 表 し 、 Physical -N凶workは、 PhysicalMediaとEquipmentに よって構成されているとする。 ところでPhysicalNetworkは 、 そ れ を 構 成 す る メ デ ィ ア の 種 類 に よ っ て 、 FDDINet や、 EtherNet等に特殊化される。それぞれ、 FDDINeむ を 構 成 す る メ デ ィ ア はFDDI、 EtherNetを 構 成 す る メ デ ィ ア はEtherであ るoFDDI,
Etherは、 PhysicalMediaの サ ブ クラスである。 PhysicalN etworkを構成要素とするMDo・ mainというオプジェクトクラスを導入す包2.1 オブジ zヲト号ヂル向、Y'IcalN
・
Iwo,k fig. 2.¥ ObjectMod.1 Ph"icaIN'IWO,
k 図2,3 ".ブジェヲトモデル CommEnlity Fig, 2,')Obl.ctMoclal 臼mmEnllly 図2.2 オブジェヲトモデル Equipmcnt (i¥l.3.2 ObjK1M“
.1 Eq‘a・m・
nt 図U ".ブジ z ?ト宅デル Conn・
ctlQn Fig,2,4 0凶・ctMod.1 Connection TCPConn・
Clion I SPPConn・
tti伺 国2.5 オプジzヲト-1:ヂル Scr阿 叫 tlUヲラスfl示:f; Fi¥l. 2.SObj.ctMod~ 5t",ic・
,
emov・
u,
.
.
同mo四M・
ilAC(1削nt I isllnOom副n 12l2.6 オプジ:r.?トモヂJIo UゅtωNttwork 百g.2.6ObjltCtMod副 t句 切IN.IWOr1c fig.3 0・
ulnhc,
i¥・
nt.1,
.
.
る。 MDomainは別のMDomainを構成要素と する場合もある。 MDomainは、すなわち、 物理的な管理領域を意味する。 管 理 者 は 、 自 分 の 管 理 す べ き 物 理 ネ ッ ト ワークを、 MDomainにaddす る 。 そ れ ぞ れ の 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク に 機 器 や メ デ ィ ア をadd したり、 deleteし た り す る 。 ま た 、 管 理 者 は、必要に応じて、 MDomainか ら 、 あ る 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク を geもしたり、その物理ネッ ト ワ ー ク か ら 、 機 器 や メ デ ィ ア をgetして、 それぞれの情報を得ることができる。 4.1.2 Equi pment 次 に 、 図
2
.
2
参照。 Equipmentは 、 単 な る 中 継 機 器 で あ る と こ ろ のTransferEQとcpu を 登 載 し たHostに 特 殊 化 さ れ る 。 プ ラ イ オ リティー 1の 管 理 要 求 が 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 成 管 理 要 求 で あ っ た の に 対 し て 、 プ ラ イ オ リ テ ィ ー2
、3
の 管 理 要 求 は 、 論 理 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 成 管 理 要 求 で あ る 。 論 理 ネ ッ ト ワ ー ク は 、 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク を 構 成 す る 機 器 上 に 、 あ る ネ ッ ト ワ ー ク プ ロ ト コ ル に 従 っ た 通 信 機 能 が 実 装 さ れ た と き に は じ め て 実 現 す る 。 論 理 ネ ッ ト ワ ー ク が 物 理 ネ ッ ト ワ ー ク 上 に ど の よ う に 実 現 さ れ て い る か 、 正 確 に 反 映 す る よ う に モ デ ル 化 す る こ と が 、 管 理 要 求 を 満 た す こ と に つ な が る 。 TransferEQは 単 な る 中 継 機 器 で あ る か ら 、 こ れ に 通 信 機 能 が 実 装されることはない。従って、 Host上 に 通 信 機 能 が 実 装 さ れ る こ と に よ っ て 、 論 理 ネ ッ ト ワークが実現される。では、 Host上に実装さ れ た 通 信 機 能 を 、 オ ブ ジ ェ ク ト モ デ ル と し て どのように表現するかを示す。 あ る ネ ッ ト ワ ー ク プ ロ ト コ ル に 従 っ た 通 信 機 能 、 あ る い は 、 通 信 プ ロ グ ラ ム を 、 N etArchEntityと い う オ ブ ジ ェ ク ト で 表 す 。 実 際 に 通 信 す る た め に は 、 Hostと PhysicalMediaを つ な ぐ た め の ポ ー ト が 必 要 で あ る 。 通 信 プ ロ グ ラ ム は 、 ポ ー ト を 介 し て HostとPhysicalMediaが つ な が っ て い る と 認 識 し て い る 。 従 っ て 、 こ の ポ ー ト を 、 PhysicalPortというオブジェクトで表す。 PhysicalPortとNetArchEntityはHostの 構成要素である。 Ne色
A
r
chEntityはあるネッ ト ワ ー ク プ ロ ト コ ル に 従 っ た 通 信 プ ロ グ ラ ム で あ る か ら 、 あ る Ho叫 が 複 数 の プ ロ ト コ ル を サ ポ ー ト し て い る 場 合 は 、 複 数 の Ne色ArchEntityが、そのHostの構成要素とし て存在する。 N etArchEntityはn個 のPhysicalPortを 使用する。 PhysicalPortに は 、 必 ず た だ 一 個 の PhysicalMediaが つ な が っ て い る 。 PhysicaI -Mediaにはn個 のHo叫 が つ な が っ て い るo TransferEQはn個 のPhysicalMediaを中継し PhysicaIMediaはn個のTransferEQによって 中継される。 応用層サーピスをServiceというオブジェ クトクラスで表す。 8erviceはHostの 構 成 要 素 で あ る 。 S erviceは1個 以 上 、 最 大3個 の NetArcEntityを 使 用 す る 。 こ の 分 析 で は 、 今 のところ3種 類 の プ ロ ト コ ル し か 考 慮 し て い ないので、最大3個ということになる。 4.1.3 Router 図2
.
2
では、 Hostの サ ブ ク ラ ス と し て Rou句rが存在する。 RouterはHostのサブク ラスであるから、 Hostの 特 性 を 全 て 継 承 す る。それらに加えて、Routerとしての特殊な 情報と機能を持っている。 と こ ろ で 、 ル ー テ イ ン グ 機 能 は 、0
8
1
で い う と こ ろ の 第3
層 の 機 能 で あ る 。 そ こ で 、 . ル ー テ イ ン グ 機 能 をRo凶ingFunctionという オ ブ ジ ェ ク ト ク ラ ス で 表 し て 、 第3層 に 対 応 す る エ ン テ イ テ イ が 、 こ れ を 構 成 要 素 と し て 持 つ 、 と い う ふ う に 考 え る こ と も で き る 。 そ うすると、Rouぬrという概念は存在しなくな る。 管 理 要 求 を 満 た す た め に ど ち ら の 考 え 方 が 有 効 か と い う と 、 そ れ は 前 者 で あ る 。 な ぜ ならば、Rou旬rとそれ以外のHostを 区 別 し て 管 理 し た い と い う 強 い 要 求 が あ る か ら で あ る。後者の考え方では、 RouterとHostを区 }]Uしにくい。 Routerはn個 の L ogicaINetworkをJレー テイングし、 LogicalNetworkは、 n個 のRou -terによってルーテイングされる。 レベル2の ③ 「 論 理 ネ ッ ト ワ ー ク ご と に 物 理 的 構 成 を 表 示 」 と い う 要 求 を 満 た す た め に、 Routerには、 displayByNetと い う 機 能カfある0 4.1.4 Com m Entity 図
2
.
3
参 照 。 プ ロ ト コ ル の 各 層 ご と の エ ンティティをCommE
ntityというオブジェク トクラスで表す。 CommEntityは、 Net
A
rc -Entityの構成要素であるoCommEntityは、 プロトコJレ の 各 層 ご と に 対 応 し た エ ン テ イ ティというサブクラスとしてそれぞれ具体化 される。 各 エ ン テ イ テ イ の 聞 を デ ー タ が 行 き 来 す ることによって通信が行われるのであるが、 各エンテイテイを関連付けるのは、このデー タの行き来だけである。従って、各層ごとの エンテイティは、基本的に、互いに独立であ るo 上 位 層 の エ ン テ イ テ イ が 下 位 層 の エ ン テ イ テ ィ を 包 含 し た り 、 下 位 層 の エ ン テ イ テイが上位層のエンテイテイから何かを継承 したり、という関係は存在しない。 4.1.5 Connection 図2.4参照。プロトコルごとのConnection の概念を Connection、および、そのサブクラ ス と い う オ ブ ジ ェ ク ト ク ラ ス で 表 す 。 こ の Connectionは、 Connectionをはる伺lがこれを 生成するものとするoTCPConnection
,
Transpor色Connection,
SPPConnectionは 、 そ れ ぞ れTCPEntity
,
OSITransportEntity,
NSLV3Entityの 構 成 要 素である。 4.1.6 Service 図2
.
5
拳照。Serviceは 、 プ ロ ト コ Jレごと のサーピスとしてそれぞれ具体化される。た とえば、 NSCHSService、NISMas七erService は、 Accountingに関する要求を満たすための 機 能 を 実 現 す る サ ブ ク ラ ス で あ る 。 す な わ ち、 Accountingを論理ネットワーク上のサー ビスとして捕らえているわけである。プライ オリティー4
、5
の 陣 害 管 理 要 求 を 満 た す た めに、 Tes七er、PacketM
onitorという Service のサブクラスがある。これらは、すなわち、 論理ネットワーク上の障害管理サーピスとし て存在している。 4. 1.7 Logical Network 図2
.
6
著書照。プロトコルごとの論理ネット ワークの概念を、LogicalNetworkというオプ ジェクトクラスで表すo LogicalN etworkはNe七ArcEntityを 構 成 要素とする。 図3に 、 以 上 の 全 て の オ ブ ジ ェ ク ト ク ラ スの、継承関係を示す。左側がスーパークラ スである。4
.
2
動的モデル、機能モデル
全ての管理要求について、動的モデル(シ ナリオ)を作成しなければならない。動的モデ ルとは、時系列に従ったオブジェクトからオ ブジエクトへの操作の列、及び状態遷移図で ある。総てのシナリオ中一回も参照きれない 属性、利用きれない機能があれば、それは必 要ない、ということである。逆に、必要な属 性、機能がない、ということがわかった場合 は、どこか適切なオブジェクトにそれを付け 加えるか、または、オブジェクトモデルの構 成を考え直す必要があるということになる。 動的モデル(シナリオ)が完成したら、そ れぞれのオブジェクトごとに、その機能を、 データフロー図等で詳細化しなければならな い。すなわち、機能モデル化である。5
.
プ ロ ト タ イ ピ ン グ
プ ロ ト タ イ ピ ン グ は 、 オ ブ ジ ェ ク ト 指 向 問題分析を行う上で欠かせない要素である。 プ ロ ト タ イ ピ ン グ と は 、 分 析 結 果 に 基 づ い て、設計、プログラミングを試しに行ってみ ることである。その結果は、当然、分析に反 映されなければならない。つまり、フィード パックがかかるわけである。最初の分析が完 壁であることは、非常にまれである。 実装は、 Smal1talk80™(6) 等のオブジェ クト指向言語、または、オブジェクトデータ ペースを利用するものとして、その上で、前 項で示した分析結果に基づいて設計を行うo 設計も当然、オブジェクト指向で行うo すなわち、実装言語や環境を意識して、オブ ジェクトモデル、動的モデル、機能モデルを 詳細化する。 分 析 の 結 果 、 得 ら れ た オ ブ ジ ェ ク ト の イ ンスタンスを生成する時に、そのインスタン スが表す実際の対象、たとえば、実際のホスト、または、実際のJレータ一等と通信しなけ ればならない。実際の対象が持っている管理 情報ベースにアクセスする必要があるからで ある。このような通信のためのプロトコルと して、 TCP/IP上 のSNMP(7)ゃ、 OSIの CMIP(8)等がある。 分 析 の 段 階 で は 、 こ の よ う な 管 理 の た め の通信は考慮する必要がなかった。しかし、 設計の段階ではこれを考慮しなければならな い。そこで、管理通信のためのオブジェクト クラスをオプジェクトモデルに追加する。 SNMPManagerとOSIManagerというオ ブ ジ ェ ク ト ク ラ ス を 定 義 し 、 そ れ ぞ れ 、 SNMPagent、OSIagentと通信する機能を持 たせる。 Host、Routerといったオブジェクト は、 SNMPManagerや 05IManagerを使って 通信する。 全 て の 通 信 手 続 き は 、 各 オ ブ ジ ェ ク ト の 機能として隠蔽する。その手続きは、設計段 階の機能モデルとして、各オプジェクトの機 能ごとに記述される。
6
.
おわりに
オブジェクト指向によるネットワーク管 理システムを設計、実装するにあたって、ま ず、何よりも重要なことは、オブジェクト指 向問題分析を行うことである。その際、気を つけなければならないのは、分析の段階で、 管理のための通信を必要以上に意識しないこ とである。管理情報を得るための通信手続き に惑わされることなく、問題分析を行うこと が重要である。この基本姿勢を守れば、ネッ トワーク管理という主題から横道にそれるこ となく、分析、プロトタイピングを繰り返す ことができる。 本 文 中 に も 述 べ た 通 り 、 こ こ に 示 し た 分 析 結 果 は 完 盤 な も の で は な い 。 し か し こ れ は、分析、プロトタイピングを何回か繰り返 した結果であり、これからオブジェクト指向 によるネットワーク管理システムを構築しよ うとする人々にとって、何らかの参考になれ ば幸いである。 本研究では、今後、分析、プロトタイピ ングを更に繰り返し、管理要求を更にプレイ クダウンしていく o最終的には、プロトタイ ピングから一歩進んで、実用的なネットワー ク管理システムの構築をめざす。7
.
謝辞
本 研 究 を 進 め る に 当 た っ て 、 日 本 ア イ・ピー・エム(株)小林普和氏、日本電気(株) 勅使河原可海氏、富士通(株)高橋{彦氏、 (株)SRA佐 原 伸 氏 、 富 士 ゼ ロ ッ ク ス 情 報 シ ステム(株)龍田直紀氏、羽生田栄一氏、ま た、 INT,・APNMWGの方々のご協力に感謝の 意を表する。8
.
参考文献
(1)Douglas Comer : Internetworking with TCPIIP,
P. 382,
Prenもice-Hall,
Inc.,
1988(
2
)
上 谷 晃 弘 編 著 : ロ ー カ ル エ リ ア ネ ッ ト ワーク.イーサネット概説.、 P.280、丸 善(株)、 1985 (3) 150 7498: 1984 Information processing systems -Open Systems Interconnection -Basic Reference Model(4) Peter Coad and Edward Yourdon : Objec
t
-Oriented Analysis (Second Edition),
P. 233,
Prentice-Hall,
Inc.,
1991 (5)J
.
ランポー1
M
.
プラハIW.プレメラニIF.エ デイIW.ロ ー レ ン セ ン 著 、 羽 生 田 栄 一 監 訳:オブジェタト指向方法論OMTモデル 化 と 設 計 、 P.544、Prentice-Ha
1
1,
Inc. I (株)トッパン、 1992 (6) adeleGo
ldberg著 、 相 磯 秀 夫 監 訳 : SMALLTALK-80 -,対話形プログラミング 環境、 P.480、オーム社、 1986(7) Marsha