「おひさまたい肥」つくり
市民参加で家庭の生ゴミが良質の完熟たい肥に
菜の花・バイオマスプロジェクト会議
(10 人 以上の 希 望者が あ れば説 明会を実施 します )
申 し 込 み : 菜 の 花 ・ バ イ オ マ ス プ ロ ジ ェ ク ト 会 議 事 務 局
TEL・ FAX: 0 7 4 4 - 5 2 - 3 6 6 1
Email nature@nara.email.ne.jp
URL http://www.ne.jp/asahi/nature/nara/nanohana.html
(「おひさまたい肥 」つくりの方 法 は、三 重 県 津 市 の「堆 肥 ・育 土 研 究 所 」橋 本 力 男 所 長 が考 案 され
たものです。)
おひさま堆肥づくり…家庭の生ゴミが良質の堆肥に
菜の花・バイオマスプロジェクト会議
1 .堆 肥 とは
・有 機 物 を 堆 積 ま た は 攪 拌 し 、微 生 物 に よ る 高 温 発 酵 (60℃以上)によってできた植物の
生 育 及 び 土 壌 の 改 良 に 有 効 な 資 材 の こ と で す
・ 良 質 の 堆 肥 は 健 康 な 土 を 作 り 、 健 康 な 土 か ら 健 康 な 植 物 が 育 ち ま す
・ 発 酵 と 腐 敗 と は 、 い ず れ も 微 生 物 の 働 き に よ り ま す が 発 酵 は 命 の 質 を 高 め 、 腐 敗 は そ の
反 対 の 働 き を し ま す 。( 人 に も 土 に も 同 じ 影 響 を 与 え ま す )
・ 堆 肥 栽 培 は 発 酵 性 微 生 物 に よ る 土 を 通 し た い の ち の 循 環 と 言 え ま す
2 .堆 肥 づくりの 目 的
・ 健 康 な 土 づ く り
・ 健 康 な 植 物 の 栽 培
・ 大 切 な の は 、 植 物 ( 野 菜 ・ 花 ) が 対 象 で あ る と い う こ と
3 .発 酵のための材料
・ 微 生 物 に よ る 発 酵 に は 空 気 、 水 、 太 陽 、 そ れ に 栄 養 が 必 要 、
・ 栄 養 は 、C(炭素資材)、N(窒素資材)、B(微生物)、M(ミネラル)
C はご飯の役割
N はおかずの役割、
B は発酵食品
M は微量栄養素
4. 生 ゴミは良質の発 酵 資材
・ 人 が 食 べ る も の 、 栄 養 が 多 い
「 ご ち そ う さ ま 」 と 言 っ た ら 、 そ の 後 に 残 っ た も の は 生 ゴ ミ に な る
・ 家 庭 の 生 ご み 発 生 量 1 人 1 日 120~150g (1家族で 400~500g)
・ 生 活 系 ゴ ミ 全 体 で の 生 ゴ ミ の 比 率 は 32%を占めている
3. 生 ゴミ処理の現状
① 一 般 ゴ ミ と し て 回 収 ・ 焼 却
問 題 点 水 分 が 多 い た め 燃 や し に く い ( 助 燃 材 が 必 要 )
燃 焼 温 度 が 上 が り に く い
② 分 別 回 収 し て 資 源 化
問 題 点 手 間 が か か る 、 汚 い 、 臭 い
③ 家 庭 で 処 理 ( 乾 燥 方 式 、 微 生 物 方 式 の 生 ゴ ミ 処 理 機 な ど )
そ の 後 ① 自 家 処 理 ( プ ラ ン タ ー 、 花 壇 や 畑 な ど で 利 用 )
② 減 量 後 に 一 般 ゴ ミ で 出 す
問 題 点 費 用 が か か る ( 処 理 機 購 入 費 、 維 持 費 、 自 治 体 の 補 助 費 )
焼 却 に は 多 量 の 化 石 燃 料 が 使 用 さ れ CO2 の発生につながる
4. 生 ゴミ処理のコス ト
一 般 ゴ ミ の 処 理 コ ス ト は
① 1 人/年間 11,000 円~15,000 円
② 1t あたり約 50,000 円
5. 生 ゴミ の再利 用
~ 生 ゴ ミ か ら 再 生 資 源 へ ~
食 品 リ サ イ ク ル 法 ( 一 定 規 模 の 事 業 者 が 対 象 、 家 庭 は 対 象 外 )
① 肥 料 お よ び 飼 料 化 … 事 業 用 で は 進 ん で い る
② ガ ス 化 し て エ ネ ル ギ ー 利 用 … 試 験 程 度 の わ ず か
* 家 庭 か ら 出 る 生 ゴ ミ の 再 利 用 率 は 3 % 程 度 で 、 9 7 % は 焼 却 処 理 さ れ て い る
6.お ひさま たい肥 とは
( 市 販 の 道 具 ケ ー ス を 使 っ た 生 ゴ ミ 処 理 )
① 太 陽 の 熱 を 利 用 す る ( 熱 乾 燥 )
② 微 生 物 の 働 き を 活 発 に す る ( 床 材 で 微 生 物 乾 燥 )
③ に お い が ほ と ん ど 出 な い
④ 特 殊 な も の を 使 わ な い ( 容 器 、 材 料 、 微 生 物 と も )
⑤ 一 次 、 二 次 処 理 を し て 完 熟 生 ゴ ミ 堆 肥 が 作 れ る
⑥ 花 や 野 菜 を 作 る 楽 し み に つ な が る
⑦ そ の 他 の 有 機 性 資 源 の 利 用 に 広 げ る こ と が で き る
7 .お ひさ またい 肥の つ くり かた
( 一 次 処 理 )
1 . 容 器 に 床 材 を 半 分 ほ ど 入 れ る
2 . 日 当 り の 良 い 雨 の か か ら な い 場 所 に ブ ロ ッ ク を 敷 き 、 通 気 口 を 上 に 斜 め に 設 置 す る
3 . 生 ゴ ミ は 水 切 り を し て 、 朝 に 入 れ る ( 太 陽 熱 を 利 用 )
4 . 生 ゴ ミ は 床 材 の 表 面 に ま ぶ す よ う に 入 れ 、 決 し て 底 か ら 混 ぜ な い
5 . 一 度 に 多 く 入 れ な い (500 グラム程度、三角コーナー一杯分 )
6 . 表 面 が 多 湿 に な っ た ら 床 材 1~2ℓを上にまぶす
7 . 長 雨 時 な ど に 表 面 の 多 湿 状 態 が 続 く 場 合 は 投 入 を 中 断 す る
* 生 ゴ ミ の 種 類 に よ り に お い が す る と き 、 ミ カ ン の 皮 は 臭 い 消 し に な る
* 箱 の 中 身 が 90%程度になれば完成です(1~2 ヶ月かかる)
( 二 次 処 理 )
一 次 処 理 し た 生 ゴ ミ が 300ℓほど集まれば 二次処理をして堆肥にします
生 ゴミ を 有効に利 用 すると
① ご み の 減 量 ( 衛 生 的 、 街 が き れ い に )
② 処 理 コ ス ト の 減 少 ( 家 計 、 自 治 体 の 支 出 を 減 ら せ る )
③ 市 民 参 加 ( 楽 し み な が ら た い 肥 つ く り か ら 花 や 野 菜 つ く り ま で )
おひさまたい肥 生ゴミの処理要領
・ 設 置 は 日 の あ た る 場 所 で 、 地 面 か ら 少 し 上 げ て 斜 め に
・ 生 ゴ ミ を 入 れ て 床 材 の 表 面 を ま ぶ す 程 度 に ( 底 か ら か き ま ぜ な い )
・ 生 ゴ ミ は 良 く 水 切 り を し て お い て 朝 に 入 れ る
・ 入 れ て は い け な い も の
金 属 ・ ガ ラ ス 類 ビ ニ ー ル ・ プ ラ ス テ ィ ッ ク た ば こ の 吸 い 殻
(応用編)
グループで堆肥を作る
床材(発酵資材)の作り方
・ 材 料
モ ミ ガ ラ (8)、米ヌカ(2)、落ち葉(2)赤玉土または山土(1)
・ 作 り 方
① 材 料 を 軽 い 順 に 積 む
② ス コ ッ プ で よ く 混 ぜ る
③ 水 分 調 整 を す る ( 注 * 水 分 は 40%程度に)
④ も う 一 度 攪 拌 し て よ く 混 ぜ る
⑤ 山 盛 り の 状 態 に し て お く と 1 日で 60℃以上に温度が上がる
⑥1 週間ほど、2 日ごとに切り返しをして水分が 20%程度(注*)になれば完成
二次処理の方法(完熟たい肥の作り方)
・ 一 次 処 理 し た 生 ゴ ミ が 300ℓほど集まれば二次処理 をして堆肥にします
・ 材 料
一 次 処 理 し た 生 ゴ ミ (10)、米ヌカ(2)、赤玉土または山土(1)
・ 用 意 す る 資 材
ス タ ン ド バ ッ グ ( 容 量 300ℓ程度)、スコップ、すのこ(または木製パレット)
・ 作 り 方
① 一 次 処 理 生 ゴ ミ の 上 に 米 ヌ カ と 赤 玉 土 ( 細 粒 ) を 重 ね る
② 全 体 を 2 回切り返して混ぜる
③ 水 分 調 整 を し て 混 ぜ る ( 注 * 水 分 は 60%程度に)
④ す の こ の 上 に 置 い た ス タ ン ド バ ッ グ に 山 盛 り 型 に 入 れ る
⑤ 保 温 の た め 、 フ ェ ル ト ま た は 古 い カ ー ペ ッ ト を か ぶ せ る
⑥2 日目には温度が 60℃以上になっていること
⑦ 一 カ 月 の 間 、 毎 週 ス タ ン ド バ ッ グ か ら 出 し て 切 り 返 し を し 、 元 に 戻 す
⑧ 切 返 し 毎 に 水 分 を 60%に調整する
⑨1 カ月以上経って、温度が 40℃以上に上がらなくなれば、放置して熟成する
3 ヶ 月 ほ ど で 完 熟 た い 肥 が で き あ が り ま す
( 注 ) 水 分 の 判 定
*20%…材料を固く握って離すとぱらぱらと落ちて手にもくっつかない程度
*40%…混ぜた材料を固く握ると手のひらで固まりができずに壊れる
*60%…手のひらで固まりができて指で押さえないと壊れない
「おひさまたい肥」 つくり方と使い方
1.準 備 するもの
一 次 処 理 ケース
床 材 (一 次 発 酵 資 材 )
ケースを日 の良 く当 たるところに置 く
2.一 次 処 理(家 庭で実 施します)
①床 材 をケースの半 分 まで入 れます
②生 ゴミを良 く水 切 りしてからケースに投 入 します
③入れた生 ゴミにケースの床 材 をまぶします(決 して底 からかきまぜてはいけません)
④投 入 生 ゴミが多 いときや表 面 が湿 ってきたときは、別の床 材 を上 に追 加 します
⑤ケースの中 身 が 80%~90%になれば家 庭 での一 次 処 理 は完 了 です
3.二 次 処 理(堆 肥 所で実 施します)
①一 次 処 理 した生 ゴミにヌカ、落 ち葉 、土 などの資 材 を入 れ混 ぜ合 わせます
②水 分 を 60%ほどに調 整 します(水 を加 えて再 度 混 ぜる)
③生 ゴミが発 酵 し、1 日 後 に温 度 が 65℃以 上 になるのを確 認 します
③週 に 1 回 切 り返 しをし、その時 60%に水 分 を再 調 整 します
④切り返 しを③のとおり 3~4 回 (約 1 カ月 )繰 り返 します
⑤切り返 しても堆 肥 の温 度 が 40℃まで上 がらなくなると熟 成 に入 ります
⑥3 ヶ月 ほどで熟 成 が完 了 します
⑦水 分 が 40%まで乾 燥 するとおひさまたい肥 の出 来 上 がり
4.おひさまたい肥の使 い方
畑 の場 合
①たい肥 の施 肥 量 は 1 ㎡あたり 3ℓほどが適 当 です
②施 肥 は表 面 から 5~7cm に浅 く施 用 します(深 く混 ぜない)
③畝 を作 ってから表 面 に撒いて浅 く鋤 き込 みます
④たい肥 を施 用 後 はすぐに鋤 き込 んでください
⑤一 度 水 をやってから種 まき・苗 植 えをします
プランターやポットの場 合
①土 と堆 肥 を各 50%で混 ぜます
②用 土 をプランターやポットに入 れます
③一 度 水 をやってから種 まき・苗 植 えをします
以 上 のような過 程 を経 て家 庭 の生 ゴミが約 4 ヶ月 で完 熟 たい肥 に変 わります
家 庭 菜 園 や花 壇 でお使 いになってグリーンライフをお楽 しみください
「おひさまたい肥」 使い方のポイント
1 .堆 肥 施用のポ イ ント
① 堆 肥 は 浅 く 施 用 す る
堆 肥 は 生 き て い ま す か ら 、 酸 素 や 光 が あ る 程 度 入 る 土 の 表 面 か ら 5 ~ 7 ㎝ 程 度 の 深 さ
で 鋤 き 込 み ま す 。
こ れ ま で は 2 0 ~ 3 0 cm で 深 く 施 用 し て き ま し た が 最 近 は 、土 づ く り は 表 層 か ら の 考
え や 技 術 が 普 及 し て き て い ま す 。
② 必 要 な 部 分 に ま と め て 施 用 す る
堆 肥 の 施 用 は 、 こ れ ま で 一 般 的 に は 、 全 面 に 撒 布 し 全 面 耕 起 す る 方 法 が と ら れ て き ま
し た が 、 堆 肥 を 分 散 さ せ ず ま と め て 施 用 す る 方 が 微 生 物 の 働 き が 効 果 的 に な り 、 施 用
量 も 5 0 ~ 6 0 % で 同 じ 養 分 効 果 が 出 ま す 。
③ 堆 肥 撒 布 後 は 早 く 鋤 き 込 む
堆 肥 は 微 生 物 が 生 き た 肥 料 で す か ら 、 紫 外 線 に 長 く 当 た る と 微 生 物 が 死 滅 し ま す 。
堆 肥 を 散 布 す る 場 合 は で き れ ば 夕 方 か 曇 り の 日 に 施 用 し 、 撒 布 後 は す ぐ に 鋤 き 込 ん で
く だ さ い 。
2 .堆 肥 の使い方(部 分施 用の 方 法 )
① 畝 施 用
・ 施 用 方 法 畝 部 分 の 表 面 1 ㎡ に 3 ℓ程 度 撒 布 し 、 5 ~ 7 ㎝ に 浅 く 鋤 き 込 む
・ 向 い て い る 作 物 葉 菜 類 ( ホ ー レ ン ソ ウ 、 白 菜 、 キ ャ ベ ツ な ど )
② 溝 条 施 用
・ 施 用 方 法 作 物 を 植 え て い る 条 に 沿 っ て 堆 肥 を 入 れ る
・ 向 い て い る 作 物 ネ ギ 、 ジ ャ ガ イ モ 、 ニ ン ニ ク な ど
③ マ ル チ 施 用
・ 施 用 方 法 畝 に 元 肥 を 入 れ た 後 、 表 層 に 堆 肥 で 被 覆 す る
・ 向 い て い る 作 物 果 菜 類 ( ナ ス 、 ピ ー マ ン 、 キ ウ リ な ど )
④ 待 ち 肥
・ 施 用 方 法 ツ ル の 伸 長 に 合 わ せ 、 苗 か ら 離 し て 待 ち 肥 と し て 施 用 す る
・ 向 い て い る 作 物 ウ リ 科 類 ( ト ウ ガ ン 、 ス イ カ 、 カ ボ チ ャ な ど )
⑤ 穴 肥
・ 施 用 方 法 作 物 か ら 少 し 離 し て 穴 を 掘 り 、 た い 肥 を 入 れ て 埋 め る
・ 向 い て い る 作 物 果 菜 類 な ど の 追 肥 と し て 施 用