0 10 20 30 Time (min) 02 0 mAU 0 10 20 30 Time (min) 02468 mAU
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GL7700 HPLC シリーズを用いたトラネキサム酸の分析例です。
トラネキサム酸は人工アミノ酸の一種であり、血液を溶かして分解するプラスミンの働きを
抑制する作用があることから、止血剤や抗炎症薬として用いられています。
また、メラニンの生成を抑制する作用もあるため、シミやそばかすの改善・予防に効果が
あるとして、内服薬や化粧水などにも含まれることがあります。
第十七改正日本薬局方
(JP17) では、複数のトラネキサム酸に関する試験法において
HPLC法が採用されており、それぞれシステム適合性項目が定められています。
今回、
JP17に基づきこれらのHPLC分析を検討し、良好な結果が得られましたのでご紹介します。
(M. Kobayashi)
トラネキサム酸 定量法
システムの性能
標準溶液
1-a
1-b
2
1-a. Tranexamic acid
200 mg/L
2. 4-Aminobenzoic acid methyl ester
2 mg/L
1-b. Tranexamic acid
2,000 mg/L
HPLC条件
・システム
GL7700 HPLC system
・カラム
InertSustain AQ-C18
(5 μm, 250 x 6.0 mmI.D.)
・溶離液
A) リン酸緩衝液
※1B) CH
3OH
A/B = 60/40, v/v
・温度
25 ℃
・検出器
UV 220 nm
・注入量
20 μL
・流量
1.4 mL/min
【システム適合性試験】
◆システムの性能
分離度
(1-a, 2) :
6.4
(≧5)
◆システムの再現性
トラネキサム酸のピーク面積
(1-b)
相対標準偏差
(%)(n=6) :
0.02
(≦0.6)
※1 リン酸緩衝液 無水リン酸二水素ナトリウム11.0 gを水500 mLに溶かし、 トリエチルアミン5 mL及びラウリル硫酸ナトリウム1.4 gを 加える.リン酸又はリン酸溶液(1→10)でpH 2.5に調整 した後、水を加えて600 mLとする. ※トラネキサム酸の保持時間が約20分になるように調整する.トラネキサム酸 純度試験
0 20 40 60 Time (min) 0 2 04 06 0 mAU試料溶液
1-a
1-a. Tranexamic acid
10,000 mg/L
0 20 40 60 Time (min) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0 .2 0.4 mAU
標準溶液
(2)
1-c. Tranexamic acid
10 mg/L
1-c
0 20 40 60 Time (min) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0 .2 0.4 mAU標準溶液
(1)
1-b
1-b. Tranexamic acid
50 mg/L
【システム適合性試験】
◆システムの性能
定量法のシステム適合性を準用する.
◆検出の確認
ピーク面積
(1-c) / ピーク面積 (1-b) x 100
=
17.4%
(14 ~ 26 %)
◆システムの再現性
トラネキサム酸のピーク面積
(1-b)
相対標準偏差
(%)(n=6) :
2.1
(≦7)
HPLC条件
・システム
GL7700 HPLC system
・カラム
InertSustain AQ-C18
(5 μm, 250 x 6.0 mmI.D.)
・溶離液
A) リン酸緩衝液
※1B) CH
3OH
A/B = 60/40, v/v
・温度
25 ℃
・検出器
UV 220 nm
・注入量
20 μL
・流量
1.4 mL/min
※1 リン酸緩衝液 無水リン酸二水素ナトリウム11.0 gを水500 mLに溶かし、 トリエチルアミン5 mL及びラウリル硫酸ナトリウム1.4 gを 加える.リン酸又はリン酸溶液(1→10)でpH 2.5に調整 した後、水を加えて600 mLとする. ※トラネキサム酸の保持時間が約20分になるように調整する. 0 20 40 60 Time (min) -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0 .2 0.4 mAU試料溶液
(拡大図)
1-a
※類縁物質の同定は行っておりません。
0 10 20 Time (min) 02 0 4 0 mAU 0 10 20 Time (min) 01 0 mAU
トラネキサム酸錠 定量法
システムの性能
標準溶液
1-a
1-b
1-b. Tranexamic acid
2,000 mg/L
HPLC条件
・システム
GL7700 HPLC system
・カラム
InertSustain AQ-C18
(5 μm, 250 x 6.0 mmI.D.)
・溶離液
A) リン酸緩衝液
※1B) CH
3OH
A/B = 60/40, v/v
・温度
35 ℃
・検出器
UV 220 nm
・注入量
30 μL
・流量
1.45 mL/min
※1 リン酸緩衝液 無水リン酸二水素ナトリウム11.0 gを水500 mLに溶かし、 トリエチルアミン5 mL及びラウリル硫酸ナトリウム1.4 gを 加える.リン酸又はリン酸溶液(1→10)でpH 2.5に調整 した後、水を加えて600 mLとする.【システム適合性試験】
◆システムの性能
分離度
(1-a, 2) :
5.1
(≧3)
◆システムの再現性
トラネキサム酸のピーク面積
(1-b)
相対標準偏差
(%)(n=6) :
0.07
(≦1.0)
2
★“トラネキサム酸カプセル” 及び“トラネキサム酸注射液” の定量法においても、
上記と同じ分析条件で試験法が定められています。
※トラネキサム酸の保持時間が約16分になるように調整する.(緑字:値にご注意ください。)
1-a. Tranexamic acid
200 mg/L
2. 4-Aminobenzoic acid methyl ester
2 mg/L
0
2
4
6
8
10
Time (min)
-2
02468
mAU
1. Tranexamic acid
280 mg/L
トラネキサム酸カプセル 溶出性
標準溶液
1
HPLC条件
・システム
GL7700 HPLC system
・カラム
Inertsil ODS-4
(5 μm,
150 x 4.6 mmI.D.
)
・溶離液
A) リン酸緩衝液
※2B) CH
3OH
A/B = 60/40, v/v
・温度
25 ℃
・検出器
UV 220 nm
・注入量
10 μL
・流量
0.9 mL/min
※2 リン酸緩衝液 無水リン酸二水素ナトリウム11.0 gを水500 mLに溶かし、 トリエチルアミン10 mL及びラウリル硫酸ナトリウム1.4 gを 加える.リン酸又はリン酸溶液(1→10)でpH 2.5に調整 した後、水を加えて600 mLとする.【システム適合性試験】
◆システムの性能
理論段数
:
6,899
(≧4,000)
シンメトリー係数
:
1.07
(≦2.0)
◆システムの再現性
トラネキサム酸のピーク面積
相対標準偏差
(%)(n=6) :
0.25
(≦2.0)
※トラネキサム酸の保持時間が約8分になるように調整する.(緑字:値にご注意ください。)
※試料溶液は測定しておりません。
注意① 保持時間が安定するまで十分量の溶離液を流してください!
JP17収載のトラネキサム酸の分析に使用する溶離液には、イオンペア試薬として
ラウリル硫酸ナトリウムを添加します。
溶離液がカラムに馴染みにくいため、保持時間が安定するまで相当量を流す必要があります。
(目安としては、流量1 mL/minで24時間連続送液。)
10
Time (min)
20
30
46回目(溶離液の通液開始から約23時間後) に保持時間が安定しました。
5回目注入
・
・
・
50回目注入
※30分/1分析
↑
トラネキサム酸
1
2
注意② 溶離液は用事調製でご使用ください!
溶離液に関する注意点!!
2. 4-Aminobenzoic acid methyl ester
2 mg/L
溶離液が十分量置換されたカラムに対し、長時間流し続けると保持時間が徐々に増加していく
傾向があります。
新しく調製し直した溶離液を流しますと元の保持時間に戻りますので、溶離液は用事調製で
使用されることを推奨します。
0
10
20
30
Time (min)
1
2
新しく調製した
溶離液
溶離液調製後
6時間経過
溶離液調製後
24時間経過
溶離液調製後
28時間経過
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分析装置:
GL7700 シリーズ
DG7760
番号
品名
型式
①
脱気装置
DG7760
②
送液ポンプ
PU7710
③
オートサンプラー
AS7720C
④
PDA検出器
PD7752
⑤
カラムオーブン
CO7730C
カラム
InertSustain AQ-C18
(5 μm, 250 x 6.0 mm I.D.)
Cat.No. 5020-89760
Inertsil ODS-4
(5 μm, 150 x 4.6 mm I.D.)
Cat.No. 5020-03945
COOH
H
2
N
COOH
H
2
N
構造式
トラネキサム酸
4-アミノメチル安息香酸
Structures are created using Chemistry 4-D Draw which is provided by ChemInnovation Software, Inc.