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(1)

2017/7/11 於:広島市佐伯区地域福祉センター 広島市佐伯区医師会学術講演会

医療法人 絹谷産婦人科

院長 絹谷 正之

「最新の不妊治療」

(2)

自己紹介(絹谷 正之)

身:広島市中区千田町

齢:1963年(卯年)生まれ

出身校:修道高校、愛媛大学医学部

局:広島大学医学部産科婦人科学教室

修:国立呉病院、県立安芸津病院、尾道総合病院、県立広島病院、

山王病院(東京)、McGill大学(カナダ、モントリオール)等

歴:2000年~、絹谷産婦人科副院長

2002年~、同院長

格:医学博士、生殖医療専門医、産婦人科専門医

味:旅行、サイクリング、野球観戦(カープファン)、映画鑑賞

(3)
(4)
(5)

妊娠するまでの流れ

1. 排卵 2. ピックアップ 3. 精液中に運動精子が十分な 数いて子宮に入る 4. 精子が卵管へ到達する 5. 受精 6. 受精卵が細胞分裂しながら 子宮にたどり着く 7. 子宮内膜に着床 8. 妊娠

ブラックボックス(

BB)

(6)

1.排卵

5.受精

6.胚分割

2.ピックアップ(卵子取り込み)

7.着床

4.精子待機

3.精子上昇

ブラックボックス

基礎体温、頸管粘液検査

超音波検査(卵胞発育観察)

ホルモン検査

子宮卵管造影検査、腹腔鏡検査

精液検査、フーナーテスト

黄体ホルモン補充

排卵誘発

体外受精

タイミング指導、人工授精

妊娠するまで

の流れ

検査 一般不妊治療

子宮鏡検査、ホルモン検査

超音波検査(内膜厚観察)

ART

体外受精、顕微授精

(7)

1. 「不妊症」とは?

2. 「一般不妊」の実際

(1) 一般不妊の検査

(2) 一般不妊の治療

1) タイミング指導

2) 排卵誘発

クロミフェン、セキソビッド、レトロゾール、HMG(FSH)

クロミフェンのメリット、デメリット

3) 人工授精の実際

4) 人工授精の成績

3.「生殖補助医療(ART)」の実際

(1) 日本のARTの現況

(2) タイムラプス、PGSの紹介

4.ARTの「限界」=「卵子の老化」

5.まとめ

本日の内容

(8)
(9)

「不妊症」の定義(1)

不妊症とは… 「生殖年齢の男女が妊娠を希望し,

ある一定期間

,避妊することなく通常の 性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合」(日本産科婦人科学会) 「不妊期間」の目安 機関 日産婦 WHO ASRM 不妊期間 2年 1年 1年 *女性が35歳以上 の場合は6か月を 目安とする 2015年より 一定期間については1年が一般的とし、 妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない、と変更された

(10)

妊娠率(周期あたり) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 ヒト サル ウサギ イヌ マウス マウス イヌ ウサギ サル ヒト 0 20 40 60 80 [%] 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 累 積 妊 娠 率( 自 然 妊 娠 ) (%) 周期 30 51 66 76 83 88 92 94 96 97 98 99 「山王病院 不妊診療メソッド」より引用

「不妊症」の定義(1)

(11)

妊娠のしくみ

卵管采 卵巣 子宮頸管 膣 ①卵胞の発育 月経が始まる頃には約20個の 卵胞ありますが、そのうち一つ だけが主席卵胞として大きく なります。 卵胞 ②排卵 排卵の指令を送る黄体形成ホル モンが大量に分泌されると、約 36-44時間後に卵胞の壁が破れ ます。卵子は卵胞液とともに腹 腔内に排卵されます。 ③卵管采から卵管へ 卵巣から出た卵子は、卵管采から 卵管に取り込まれます。排卵した後の 卵胞は黄体となり、黄体ホルモンを 分泌して子宮内膜を着床しやすい状態 に整えます。 ④受精 精子は膣から子宮、卵管へと 移動します。卵子は精子と 卵管膨大部で出会い、1個の 精子と受精します。 卵管膨大部 子宮内膜 ⑥着床 子宮に到達した受精卵は胚盤 胞となり排卵から5-7日経っ た頃に子宮内膜に絨毛の根を 張ります。 卵管 ⑤受精卵は卵管を通って子宮へ 受精した卵子は、細胞分裂を繰り返しながら 子宮へと運ばれます。約4-5日かけて、受精卵は 卵管から子宮へ到達します。 前核期胚 2細胞期胚 4細胞期胚 8細胞期胚 桑実期胚 受精から着床まで、非常に複雑で 様々な過程があります。これらのプ ロセスがすべてうまく進んで初めて 妊娠が成立します。

×

×

×

×

×

×

不 妊

(12)

妊娠のしくみ

卵管采 卵巣 子宮頸管 膣 ①卵胞の発育 月経が始まる頃には約20個の 卵胞ありますが、そのうち一つ だけが主席卵胞として大きく なります。 卵胞 ②排卵 排卵の指令を送る黄体形成ホル モンが大量に分泌されると、約 36-44時間後に卵胞の壁が破れ ます。卵子は卵胞液とともに腹 腔内に排卵されます。 ③卵管采から卵管へ 卵巣から出た卵子は、卵管采から 卵管に取り込まれます。排卵した後の 卵胞は黄体となり、黄体ホルモンを 分泌して子宮内膜を着床しやすい状態 に整えます。 ④受精 精子は膣から子宮、卵管へと 移動します。卵子は精子と 卵管膨大部で出会い、1個の 精子と受精します。 卵管膨大部 子宮内膜 ⑥着床 子宮に到達した受精卵は胚盤 胞となり排卵から5-7日経っ た頃に子宮内膜に絨毛の根を 張ります。 卵管 ⑤受精卵は卵管を通って子宮へ 受精した卵子は、細胞分裂を繰り返しながら 子宮へと運ばれます。約4-5日かけて、受精卵は 卵管から子宮へ到達します。 前核期胚 2細胞期胚 4細胞期胚 8細胞期胚 桑実期胚 受精から着床まで、非常に複雑で 様々な過程があります。これらのプ ロセスがすべてうまく進んで初めて 妊娠が成立します。

BB

不妊治療

BB

BB

BB

(13)

男性因子

34%

卵巣因子

21%

卵管因子

21%

子宮因子

18%

免疫因子

6%

不妊原因(男女別)

不妊原因の割合

1.造精機能障害 2.精路通過障害 3.性機能障害 排卵障害 1.高PRL血症 2.ホルモン分泌異常 3.PCOS 4.早発卵巣不全 1.クラミジア性卵管炎 2.卵管周囲炎 1.子宮筋腫 2.子宮内膜ポリープ 3.子宮奇形 4.Asherman症候群

女性のみ

41%

男性のみ

24%

男女両方

24%

不明

11%

1.自己免疫(男性):精子減少症・無 精子症 2.同種免疫(女性):精子不動化抗体

(14)

女性の年齢別にみた不妊症原因の内訳

年齢 (n) 不妊原因 (%) < 35歳 (35,800) 35-37歳 (19,184) 38-40歳 (15,267) 41-42歳 (6,676) > 42歳 (3,386) 卵管因子 10.4 12.0 9.8 6.7 5.9 排卵因子 9.8 5.9 3.4 2.6 2.0

卵巣予備能の低下

2.4 5.1 11.8

22.0

31.9

子宮内膜症 6.6 5.7 4.0 2.2 1.2 子宮因子 1.0 1.4 2.0 1.9 1.4

男性因子

24.7

19.7

14.9 9.1 5.3 その他 6.3 7.6 9.3 10.0 11.2

原因不明

12.0

14.2

13.2

11.2

7.1

複数因子(女性) 8.8 10.8 12.6 15.7 15.1 複数因子(女性+男性) 18.0 17.6 19.0 18.5 18.8

(15)
(16)
(17)

1 日 日5 日6 14日 15日 21日 22日 28日 月経期 卵胞期 排卵期 黄体期 血 中 ホ ル モ ン 検 査 超 音 波 検 査 子 宮 卵 管 造 影 検 査 通 水 ・ 通 気 検 査 子 宮 鏡 検 査 超 音 波 検 査 頸 管 粘 液 検 査 血 中 ホ ル モ ン 検 査 尿 中 ホ ル モ ン 検 査 フ ー ナ ー テ ス ト 超 音 波 検 査 血 中 ホ ル モ ン 検 査

不妊検査実施時期

その他、感染症検査や甲状腺機能検査など 時期が限定されていない検査もあります。

(18)

女性の検査①

ホルモン検査

(血中・尿中) 月経周期にあわせて必要なホルモンが 分泌されているかどうかを調べます。 ホルモン検査とは・・・ 調べるホルモン 卵胞刺激ホルモン(FSH) 黄体形成ホルモン(LH) 乳汁分泌ホルモン(プロラクチン) 卵胞ホルモン(エストロゲン) 黄体ホルモン(プロゲステロン) 抗ミュラー管ホルモン(AMH) 働き 結果から評価できること 卵胞の発育を促す 卵巣にある卵子の量と質 視床下部や脳下垂体の障害 成熟した卵子の排卵を促す 視床下部や脳下垂体の障害 多嚢胞性卵巣症候群の診断 排卵日の予測 乳汁分泌と排卵の抑制に働く 卵胞の発育不全(高プロラクチン血症) 子宮内膜を着床準備状態にする 視床下部や脳下垂体の障害 卵巣機能の障害 子宮内膜を厚くする 黄体機能不全 発育中の卵胞から分泌される 卵巣にある卵子の「数」を反映

(19)

排卵期 黄体期初期 黄体期

約20-22mm

約10-12mm

・排卵日の推定:卵胞の大きさと子宮内膜のleaf sign の確認 ・子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮体癌 などの器質的疾患の鑑別 ・弓状子宮や中隔子宮などの子宮奇形の鑑別診断 ・子宮内膜の生理的変化と卵胞の大きさにより、子宮 内膜や卵巣の器質的、機能的異常の有無の推定

臨床的意義

女性の検査②

超音波検査

(20)

女性の検査③

子宮卵管造影検査

子宮の形や卵管の詰まりぐあいをレントゲンを使って調べます。 子宮卵管造影検査とは・・・ 卵管 膣 子宮腔 検査方法は・・・・ 造影剤 1) 子宮内にチューブを固定し、造影剤を注入します。 2) レントゲン写真を撮り、造影剤が子宮~卵管~お腹の中へと 拡がる様子を確認します。 3) 造影剤が卵管の中に溜まっていないかを確認します。 1日目 2日目 より簡単に卵管の詰まりを確認できる方法に 卵管通気検査や卵管通水検査があります。 造影検査と比べて精度は劣りますが、造影剤 アレルギーのある方も受けることができます。 分かることは・・・ 卵管の通り具合 卵管や卵管采の癒着 子宮内の癒着 閉塞部位 卵管采 子宮奇形

(21)

卵管が通っていると・・・ 卵管が閉塞していると・・・

実際の子宮卵管造影ではこのように見えます

子宮 卵管 卵管 1日目 2日目 子宮 卵管 卵管 造影剤が卵管を通るときに 卵管を広げる作用があります。 軽度の詰まりや癒着であれば、 卵管の通りが良くなり、妊娠し やすくなることがあります。

(22)

膣 子宮腔 子宮頸管 判定基準(運動精子数/400倍視野当たり) 優 15個以上 有意に妊娠率が高い 良 10~14個 可 5~9個 不可 4個以下 妊娠率は有意に低い ・排卵直前に実施(基礎体温、頸管粘液の変化、E2値や LH値、 超音波検査などで予測) ・性交から3~12時間後に採取した頸管粘液で評価 検査のタイミング

無侵襲で、男性の来院を必要とせず、精子の有無を確認できる!

女性の検査④

フーナーテスト

(23)

女性の検査⑤

小型のカメラで直接子宮の内部を 観察します。 子宮鏡検査とは・・・

子宮鏡検査

子宮腔 卵管 検査方法は・・・・ 小型カメラがついた内視鏡(子宮鏡)を、膣から 子宮内部に入れて子宮内の様子を観察します。 検査自体は5-10分程度で終了しますが、子宮頸管に 子宮鏡を通すときに少し痛みをともなうことがあります。 先端の直径は3-5 mm程度と大変細いものです 分かることは・・・ 子宮筋腫 子宮内膜ポリープ 子宮奇形 癒着・炎症 子宮鏡 など

(24)

女性の検査⑥

子宮や卵巣、卵管などを腹腔鏡で 直接観察します。 腹腔鏡検査とは・・・

腹腔鏡検査

検査方法は・・・・ 全身麻酔をかけて、へその辺りから小さな内視鏡(腹腔鏡)を 腹腔内(骨盤の内側)へ入れて、子宮や卵巣、卵管などを直接 観察します。 検査中は全身麻酔をするので痛みはなく、出血や術後の痛みも 軽度ですが、数日間の入院が必要です。 分かることは・・・ 卵管周囲の癒着 卵巣周囲の癒着 子宮内膜症 など まれに血管や腸が傷付くことがあ る、検査費用が高いなどデメリット もありますが、異常が見つかった場 合、内容によってはその場で処置で きるため、検査後に妊娠しやすくな ることがあるというメリットもあり ます。

(25)

男性の検査①

精子の数や状態を顕微鏡で観察しま す。男性にとって基本的な検査です。 精液検査とは・・・

精液検査

1) 2-3日以上禁欲したのち、マスターベーションで 精液を採取します。 2)20-30分後に顕微鏡で観察して 精液の色や量、精 子の濃度、運動率や奇形率、白血球の有無などを調べま す。 検査方法は・・・・ 項目 基準値 精液量 精子濃度 総精子数 精子運動率 前進運動精子 精子生存率 正常精子形態率 1.5 ml 15 x 106 /ml 39 x 106 /ml 40 % 32 % 58 % 4 % WHO 5th (2010)より 未満だと・・・ 乏精子症 精子無力症 奇形精子症 全くないと・・・ 無精子症 睡眠不足や疲労、風邪など、その日 の体調によって精液の状態は大きく 変わります。異常があれば再検査を お勧めします。

(26)

抗ミュラー管ホルモン(Anti-Müllerian hormone (AMH) )

(1)原始卵胞(primordial)では発現しておらず、一次卵胞、二次卵胞、前胞状卵胞(pre-antral)と<4 mmの小胞状卵胞で発現が高い。

(2) 排卵前の10 mmを超える卵胞では産生されず、主に胞状卵胞由来であり、胞状卵胞数と

よく相関することが分かっている。

AMHは間接的に卵巣予備能を反映

すると考えられている。

(3) 排卵誘発における採卵数とよく相関し、卵巣の反応性を予測するための指標となる。

(4)

月経周期内での変動は少なく、どの時期でも測定可能

(27)

卵巣予備能の評価~ Anti-Müllerian hormone (AMH)

Broer SL et al., Hum Reprod Update. 2014 Sep-Oct; 20(5):688-701.

>120日 85日 14日 ゴナドトロピン 依存的 原始卵胞 一次卵胞 二次卵胞 小胞状卵胞 2-5 mm 主席卵胞 10 mm 排卵 20 mm 主席卵胞の 選別 主席卵胞の 発育 卵胞群の 発育 (I) 卵胞群の 発育 (II) 閉鎖卵胞 エストラジオール FSH依存的

Paracrine control Endocrine control

ゴナドトロピン 非依存的 ゴナドトロピン 感受性 AMH インヒビンB

(28)

年齢別平均血中AMH濃度

JISART、SRLによるデータ 年齢 AMH (ng/ml) n ≤ 27 5.77 331 28-29 5.58 498 30-31 5.23 774 32-33 4.61 1023 34-35 3.65 1383 36-37 3.02 1398 38-39 2.40 1289 40-41 1.72 1051 42-43 1.33 604 44-45 0.81 247 ≥ 46 0.53 88 年齢と血中AMH濃度 1 5 9 13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 Age (years) 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 0 Log 10 (A M H+ 1) (n g/ ml )

(29)

甲状腺ホルモン(TSH、FT4)検査

Group, study, society TSH upper normal [mIU/L]

Pregnancy, First trimester 2.0-2.5 Pregnancy, Second trimester 3.0 Pregnancy, Third trimester 3.5

1)甲状腺機能低下症の診断基準値(ATA/AACE guidelines, 2012)

2) AACE/ATA/TES consensus group, 2000 (Ladenson PW et al., Arch Intern Med. 2000 Jun 12;160(11):1573-5.)

潜在性甲状腺機能低下症患者の妊娠中には、TSH値を参照値(1st trimester: <2.5 mIU/L, 2nd trimester: 3.0 mIU/L, 3rd trimester: 3.5 mIU/L)に調整するためにT4補充を推奨

Garber JR et al., Endocr Pract. 2012 Nov-Dec;18(6):988-1028. *挙児希望患者では甲状腺機能正常でも

TSH <2.5 mIU/L

とすることを推奨

ATA: the American Thyroid Association

(30)
(31)

不妊治療の流れ

タイミング療法

人工授精

体外受精

・体外受精

・顕微授精

約6周期で

ステップアップ

(個人差あり)

ステップアップとは妊 娠を目指すために治 療を高度なものへとあ げていくこと

(32)

不妊治療の流れ 基本検査 必要に応じて精密検査 原因不明 原因判明 原因に対する治療 +タイミング指導 体外受精・胚移植 6ヵ月程度 妊娠せず タイミング指導 STEP1 人工授精(6回程度) 人工授精(6回程度) STEP2 STEP3

(33)

1)タイミング指導

適応 原因不明不妊や、検査で原因の候補が見つかって も、性交により妊娠の可能性があれば、 第一選択として行う 治療の実際 1)性交後、精子は子宮頸管粘液に進入し、いったん頸管粘液に蓄えられた後に持続的に子宮腔に送り出さ れるとされている。したがって、排卵のタイミングと性交のタイミングを一致させる必要はない。 2)排卵日の5日前の性交から妊娠の可能性があるが、排卵日の翌々日以降の性交による妊娠はない。 妊 娠 率 19-26歳 35-39歳 排卵日より起算した日 0.5 0.6 0.4 0.3 0.2 0.1 0 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3)性交により最も妊娠しやすいのは排卵日の前々日であり、次いで前日となる。 4)タイミング指導を6ヶ月程度行った時点で妊娠しなければ、人工授精やクロミフェン療法へのステップアッ プを考慮する。

(34)

下垂体 視床下部 卵巣 FSH GnRH

視床下部-下垂体-卵巣系のホルモン調節機構と卵巣刺激

FSH濃度は、E2濃度の上 昇・低下によって起こる Feedback作用によって、適 正に保たれている。 E2濃度が上昇(卵胞が発育)すると、 negative feedbackによりホルモン分泌 が抑制される。 GnRHアナログ FSH製剤 LH hCG/LH製剤 Positive feedback Negative feedback エストラジオール エストロゲン受 容体 選択的エストロゲン受容体 モジュレータ(クロミフェン) アンドロゲン エストロゲン アロマターゼ阻害剤

(35)

2) 排卵誘発(1)

内服:

視床下部から下垂体への刺激を増やす

・クロミフェン(月経開始3-5日目から開始、

1-3T/day、5日間)

・セキソビッド(月経開始3-5日目から開始、

6T/day、5-10日間)

・レトロゾール(保険適応外使用)

(月経開始3-5日目から開始、1-2T/day、5日間)

注射(筋肉注射) :

下垂体から卵巣への刺激を増やす

・HMG製剤、FSH製剤(月経開始3-5日目から開始、1-2A/day、連日または 隔日、

1-2週間

*FSH製剤には自己注射あり

(36)

排卵誘発(2)

メリット:

・無月経、稀発月経の治療

・過排卵(複数の卵子が排卵)による妊娠の可能性が増加

・黄体機能が改善

デメリット:

・多胎妊娠→発育卵胞3個以上では避妊指示?

・卵巣過剰刺激症候群

・子宮頸管粘液分泌低下(クロミフェン)

・子宮内膜が薄くなる(クロミフェン)

(37)

3) クロミフェンのメリット・デメリット~レトロゾールとクロミフェンの比較

レトロゾール(閉経後乳がんホルモン療法) クロミフェン 発売年度 1998 1960 作用機序 アロマターゼ阻害剤。①女性ホルモンの一 過性の低下に伴い、FSH分泌増加。②卵巣 内における男性ホルモンの一過性の増加 に伴い、FSH受容体増加、の両方の効果が みられ、卵胞発育を促進(比較的小卵胞か ら成熟卵子の獲得率上昇) 視床下部のエストロゲン受容体を阻害し、性腺 刺激ホルモンの分泌について負のフィードバッ クを遮断して視床下部ー下垂体ー性腺軸を増強 する 特徴 血中半減期が45時間と短い。子宮内膜の 菲薄化、頸管粘液の減少がない。自然に近 い着床環境が準備される。 抗エストロゲン作用で内膜への影響 誘発剤としての 承認 適応外使用 承認済 奇形率 自然妊娠と不変 自然妊娠と不変

(38)

AIHの適応(産婦人科診療ガイドライン2011)

1.精子、精液の量的、質的異常 1)精子濃度20x106/mL未満の乏精子症 2)精子運動率50%未満の精子無力症 3)精液量1 mL未満の乏精液症 2.射精障害 1)逆行性射精:脊髄損傷、骨盤内悪性腫瘍術後(直腸癌、前立腺癌)など 2)勃起不全(Erectile Dysfunction, ED)

3.性交障害 1)強度の膣狭窄 2)膣痙攣 3)陰茎の変形 4.精子-頸管粘液不適合 1)抗精子抗体陽性 2)頸管粘液分泌不全(含 円錐切除後) 5.機能性(原因不明)不妊

3) 人工授精の実際(1)

(39)

(1)精子調整(Percoll密度勾配遠心法) 1) 5 mLディスポシリンジ、21G注射針にて吸引し精液量を測定。泡立てないように吸入、排出を数度繰 り返し均一化。 2)マクラーチャンバーにて精液所見を確認し、記録。 3)精液量と等量のハンクス液(37℃に加温)を加えて精液を希釈し混和。 4) PP90液(べーじゅ)(37℃に加温) 3.0 mLに精液を静かに層積。 5)スピッツ(患者氏名・患者IDを記入)を簡易密度勾配作成装置(20 )にて10回程度回転(また ディスポ注射器の内筒で数回撹拌)。 6) 1,500 rpmで30分遠心後、上清除去。

7) Sperm Washing Medium (Irvine) 0.4 mL(21G注射針/1 mLディスポシリンジ)に沈渣を吸引し、 合計0.5 mLに調整。 8)マクラーチャンバーにて精液所見を確認し、記録。 精液 密度勾配作成 PP90 遠心分離 上清除去 沈査(洗浄精子)

3) 人工授精の実際(2)

(40)

膣 子宮腔 子宮頸管 通常、良好胚を経頚管的に3個胚移植する。

胚移植

子宮頚管から入らない場合は 経子宮筋層的に行う (TOWAKO法)。

 ET (E

mbryo Tra

nsfer)

洗浄・濃縮後の精子 (2)調整精子の注入 1)8Fのネラトンカテーテルを挿入し、先端が内子宮口を超えたと ころでゆっくりと調整精子を注入する 2)骨盤高位で約5分間安静 3)HCG 5000IU注射(前日に施行している場合は不要)、 ペングット4T/4x3日間処方(2-3日後に排卵を確認)

3) 人工授精の実際(3)

(41)

処理前の精子 洗浄・濃縮後の精子

(42)

人工授精の妊娠率は?

7.7%

9.4%

9.6%

2.5%

人工授精を5-8回行う と、25-30%程度の 方が妊娠します。 5-8回行っても妊娠に 至らない場合には、人 工授精では解決できな い問題が他にあると考 えられます。

91

374

458

159

7

35

44

4

0

100

200

300

400

500

29歳以下

30~34歳

35~39歳

40歳以上

2015年 絹谷産婦人科 件数 妊娠数

(43)

3. 日本のART(Assisted reproductive

technology )の現況

(44)
(45)

体外受精・胚移植

子宮 卵管 卵管采 卵巣 卵管膨大部 2.受精 3.胚培養 2細胞 4細胞 8細胞 桑実胚 胚盤胞 1.採卵 1.採精 4.胚移植 通常、良好胚を経頚管的に3個胚移植する。

胚移植

子宮頚管から入らない場合は 経子宮筋層的に行う (TOWAKO法)。

(46)

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 症 例 数 西暦

FET出生児 ICSI出生児 IVF出生児

年別

ART出生児数

http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2013data_201601.pdfより引用

(47)

治療法別出生児数および累積出生児数 [2013年]

治療周期総数 出生児数 累積出生児数 新鮮胚(卵)を用いた治療 凍結胚(卵)を用いた治療* 89,950 141,335 4,776 32,148 115,540 177,599 合計 368,764 42,554 384,304 *凍結融解胚を用いた治療成績と凍結融解未受精卵を用いた治療成績の合計 2013年の総出生児数は1,029,816人。24人に1人が体外受精によって生まれています。 日産婦誌67(9)より抜粋 顕微授精を用いた治療 137,479 5,630 91,165

(48)

通常体外受精法とは・・・

体外に取り出した卵子と精子を 培養液の中に入れて受精させま す。卵子と精子の力で受精する 方法です。

顕微授精法とは・・・

精液の状態が悪い場合に行いま す。顕微鏡で観察しながら、細 いガラス管に精子を1個入れ て、直接卵子に注入する方法で す。

(49)

体外受精・胚移植の臨床成績(2005年-2014年)

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 移植あたり妊娠率 移植あたり生産率 妊娠あたり流産率 治療周期総数 凍結胚を用いた治療成績 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 新鮮胚を用いた治療成績 日本産科婦人科学会 登録・調査小委員会 データブックより作成 http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/ [%] [%] [周期] [周期]

(50)

移植胚の選択(1)~Time-Lapse Embryo Monitoring System

胚発育をインキュベータ―内で自動録画 ①インキュベーターの開閉数の減少により、 温度・湿度などの変化による胚へのストレス低 減。 ②経時的な胚観察が可能。 ③胚分割速度の解析による胚質評価の可能性。

(51)

受精卵の発育の様子

胚盤胞に発育しなかった受精卵 胚盤胞に発育した受精卵

(52)

Motato et al., Fertil Steril. 2016 Feb;105(2):376-84.e9. カテゴリー 胚数 胚盤胞数 胚盤胞形成率 (%) (95% Cl) A 1,624 1,370 84.4 (82.64-86.16) B 1,461 1,095 75.0 (72.89-77.1) C 960 276 28.8 (26.6-31.0) D 3,438 474 13.8 (12.12-15.48) カテゴリー 移植 胚数 着床数 着床率 (% ) (95% Cl) A 36 26 72.2 (57.56-86.84) B 65 43 66.2 (54.70-77.70) C 147 82 55.8 (47.77-63.83) D 584 232 39.7 (35.73-43.67) tM: 桑実胚形成時間 t8-t5: 5細胞→8細胞所要時間 カテゴリー別胚盤胞形成率 カテゴリー別着床率 胚分割時間によるカテゴリー分類

Time-lapse systemによる胚分割時間の解析と胚盤胞形成の予測(胚質評価)

yes no no yes yes no

(53)

移植胚の選択(2)~PGS (Pre-implantation genetic screening)

PGS法 aCGH SNP array qPCR NGS 検出能 全染色体 片親性ダイソミー 家族性均衡型染色体再配置 半数性・倍数性 部分的異数性 (検出限界) 〇 × × △ 〇 (5-6 Mb) 〇 〇 〇 〇 〇 (2.4-5 Mb) 〇 〇 × 〇 × 〇 × × △ 〇 (~3 Mb) 利点 医療分野で広く利 用 検出可能な染色体 異常が最も多い 所要時間が短い (~4時間) ①ライブラリー調 整の自動化 ②モザイク検出 能の上昇 欠点 モザイク検出に限 界あり 比較的高費用 染色体上の解析 部位が少ないため、 分析能が劣る 解析費用が高い Kane SC et al., Fetal Diagn Ther. 2016 Sep 29.

(54)
(55)

正常染色体胚 (46, XY)

15 trisomy, 18 monosomy

5 trisomy, 8 trisomy, 18 monosomy

全ゲノムシークエンスによるPGS結果例

(56)

Dahdouh EM et al., Fertil Steril. 2015 Dec;104(6):1503-12.

(57)

「着床前診断」に関する見解

(日本産科婦人科学会

2015年6月)

1.位置づけ 着床前診断(以下本法)は極めて高度な技術を要する医療行為であり、臨床研究として行われる。 2.実施者 本法の実施者は、生殖医学に関する高度の知識・技術を習得した医師であり、かつ遺伝性疾患に対して深い 知識と出生前診断の豊かな経験を有していることを必要とする。また、遺伝子・染色体診断の技術に関する 業績を有することを要する。 3.施設要件 本法を実施する医療機関は、すでに体外受精・胚移植による分娩例を有し、かつ出生前診断に関して十分な 実績を有することを必要とする。実施しようとする施設の要件は、細則に定めるものとし、所定の様式に 従って施設認可申請を行い、本会における施設審査を経て認可を得なければならない。 4.適応と審査対象および実施要件 1) 適応の可否は日本産科婦人科学会(以下本会)において申請された事例ごとに審査される。本法は、 原則として重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある、遺伝子ならびに染色体異常を保因する場合に限り 適用される。但し、重篤な遺伝性疾患に加え、均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産(反 復流産を含む)も対象とする*。 2) 本法の実施にあたっては、所定の様式に従って本会に申請し、認可を得なければならない。なお、申 請にあたっては、会員が所属する医療機関の倫理委員会にて許可されていることを前提とする。

(58)

3) 本法の実施は、強い希望がありかつ夫婦間で合意が得られた場合に限り認めるものとする。本法の実 施にあたっては、実施者は実施前に当該夫婦に対して、本法の原理・手法、予想される成績、安全性、他の 出生前診断との異同、などを文書にて説明の上、患者の自己決定権を尊重し、文書にて同意(インフォーム ドコンセント)を得、これを保管する。また、被実施者夫婦およびその出生児のプライバシーを厳重に守る こととする。 4) 診断する遺伝学的情報(遺伝子・染色体)の詳細および診断法については審査対象とする。診断法お よび診断精度等を含めクライエントに対しては、十分な検査前、検査後の遺伝カウンセリングを行う。 5.診断情報および遺伝子情報の管理 診断する遺伝情報は、疾患の発症に関わる遺伝子・染色体の遺伝学的情報に限られ、スクリーニングを目的 としない。目的以外の診断情報については原則として解析または開示しない。また、遺伝医学的情報は最も 重大な個人情報であり、その管理に関しては「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(2001年 ~、2017年改正)、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」 (2014年~、2017年改正)および遺伝 医学関連学会によるガイドラインに基づき、厳重な管理が要求される。 6.遺伝カウンセリング 本法は遺伝情報を取り扱う遺伝医療に位置づけられるため、十分な専門的知識と経験に基づく遺伝カウンセ リングが必要である。この遺伝カウンセリングは、4項3)および4)に述べる実施診療部門内における説明・ カウンセリングに加え、客観的な立場からの検査前の適切な遺伝医学的情報提供と、クライエントの医学的 理解や意識の確認などを含めるものとし、着床前診断実施診療部門以外の診療部門もしくは第三者機関にお いて、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー等の遺伝医療の専門家によって行われるものとする。また、 検査後にあってはその結果の全情報【遺伝子(染色体)解析データ】のすべてを受けとり、遺伝子(染色体)解析 の専門家により判断、解釈を加え、着床前診断実施施設が全責任を負った上で解析結果を情報提供し、適切 な遺伝カウンセリングを行う。

(59)

7.報告 本法はなお臨床研究の範囲にあり、診断精度・児の予後などを含め研究成果を集積、検討することが望まれ る。実施状況とその結果について毎年定期的に本会へ報告する。 8.倫理審査および申請手続き 実施にあたっては、本会への倫理審査申請と認可が必要である。実施しようとする施設は施設認可申請し、 認可を得た後、申請された事例ごとに着床前診断症例認可申請を行い、本学会の倫理委員会の下に設けられ た審査小委員会で審査される。 9.見解等の見直し 本会は、着床前診断に関する本会の見解や資格要件、手続きなどを定期的(3~5年毎)に見直し、技術的進 歩や社会的ニーズを適切に反映していくことに努める。 *習慣流産に対する着床前診断についての考え方 本邦における着床前診断(以下本法)は、平成10年に本会見解が示されて以来、重篤な遺伝性疾患に限って 適用されてきた。しかし、生殖補助医療技術の進歩、社会的な要請の出現に伴い、染色体転座に起因する習 慣流産に対する本法の適用が検討され、慎重な議論の末、平成18年に「染色体転座に起因する習慣流産(反 復流産を含む)を着床前診断の審査の対象とする」という見解を発表した。これは、流産の反復による身体 的・精神的苦痛の回避を強く望む心情や、流産を回避する手段の選択肢のひとつとして本法を利用したいと 願う心情に配慮したものであり、平成10年見解における審査対象「重篤な遺伝性疾患」の他に新たな枠組み を設けるものであった。 染色体転座に起因する習慣流産では自然妊娠による生児獲得も期待できることが多く、十分な遺伝カウン セリングのもとに、その適応は症例ごとに慎重に審査し決定されるべきである。 (社)日本産科婦人科学会会告

(60)

着床前スクリーニング臨床研究概要

2015年2月~予備研究開始)

実施施設 2. 東京女子医科大学 1. 名古屋市立大学 3. 藤田保健衛生大学 4. IVF大阪クリニック 5. セント・ルカ産婦人科 6. 他1施設(非公表) 対象者 1. 35-42歳 2. 原因不明流産を2回以上繰り返した「習慣流産」の女性 3. 体外受精で3回以上妊娠しなかった女性 *慶應義塾大学は学内の倫理委員会で審査中。認められれば参加する方針。 検査費用 3-5万円(原則として患者負担)

(61)

着床前スクリーニングの課題

着床前診断の有用性に関する検討が必要 倫理面での慎重な議論が必要 課題 現時点では安全性や有効性が完全には確立していない 優生学的な生命の選択につながる可能性がある 問題点 妊娠率・生産率の向上、流産率低下の可能性 人工妊娠中絶の回避(女性の精神的、身体的負担の軽減) 母体に対して非侵襲的 メリット

(62)
(63)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 年齢(歳)

ART妊娠率・生産率・流産率

2013

妊娠/総治療周期 妊娠/胚移植周期 生産/総治療周期 流産/総妊娠周期 流 産 率 妊 娠 率 ・ 生 産 率 http://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2013data_201601.pdfより引用

(64)

2015年には平均初婚年齢が 男性31.1歳、女性29.4歳と なっており、結婚年齢は年々 上昇しています。

(65)

7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 3 6 9 0 10 20 30 40 50 卵 子 の 数 (百万) 胎生(月) 出生 初経 年齢(歳) 700万個 200万個 30万個 閉経 卵子のもとになる細胞(始原生殖細胞)は、妊娠3週目に 現れて、卵母細胞へと成長。

(1) 女性年齢と卵子数

若い女性の卵子は毎月約1,000個ずつ減っており、37歳頃 から卵子数は急激に減少し、残り約1,000個になった50歳 頃に閉経を迎える。 卵母細胞は妊娠5か月で最も多く、その後は自然消滅し たり吸収されたりして急速に減少。 生まれるときには200万個、初経のころには30万個に まで減少。 卵子の数が減少し、妊娠につながる良い卵子 の数も減少する 卵子も同じように「加齢」する 女性の加齢とともに・・・

(66)

(2) 卵子の「質」と「加齢」

卵子の質が低下すると考えられている 提供卵子を用いた場合には、治療を受ける女性 の年齢の上昇とは無関係に高い確率で妊娠・出 産することが分かっている。 加齢による妊孕性の低下の主な原因は 「加齢による卵の質の低下」 卵 子 の 質 の 低 下 60 50 40 30 20 10 0 (歳) 年齢 (%) 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 70 自身の卵子 提供卵子 胚 移 植 あ た り の 生 産 率

(67)

* 卵 子 の 染 色 体 異 常 率 60 50 40 30 20 10 0 25-34 35-39 40-45(歳) 年齢 (%)

「卵子の質の低下」の一因は・・・

*FISH法によるX, 18, 13/21染色体の異数性率 卵子:25% 精子:15% 受精時の異常率:36% 受精卵(胚):45% 新生児:0.6% 胎児:10% 染色体異常の頻度 年齢とともに染色体異常の頻度が増加します 染色体異常は流産の最も重要な原因です。 加齢によって染色体異常の頻度が増加し、 流産率が増加すると考えられています。

(68)
(69)

1.排卵

5.受精

6.胚分割

2.ピックアップ(卵子取り込み)

7.着床

4.精子待機

3.精子上昇

ブラックボックス

基礎体温、頸管粘液検査

超音波検査(卵胞発育観察)

ホルモン検査

子宮卵管造影検査、腹腔鏡検査

精液検査、フーナーテスト

黄体ホルモン補充

排卵誘発

体外受精

タイミング指導、人工授精

妊娠するまで

の流れ

検査 一般不妊治療

子宮鏡検査、ホルモン検査

超音波検査(内膜厚観察)

ART

体外受精、顕微授精

(70)

参考文献 1)大須賀 穣・京野 廣一・久慈 直昭・辰巳 賢一. 生殖医療ポケットマニュアル. 医学書院、2014. 2)日本生殖医学会. 生殖医療ガイドブック2010. 金原出版、2010. 3)鈴木 秋悦. 今日の不妊診療. 医歯薬出版、2013. 4)日本産婦人科学会・日本産婦人科医会. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2011. 日本産婦人科学会事務局、2011. 5)精液検査標準化ガイドライン作成ワーキンググループ. 精液検査標準化ガイドライン. 金原出版、2003. 6)吉村 泰典. 不妊症 臨床と研究の最前線. 医歯薬出版、2008 7)堤 治・藤原 敏博 山王病院 不妊診療メソッド, 金原出版, 2013.

8) Broer SL et al., Hum Reprod Update. 2014 Sep-Oct; 20(5):688-701. 9) Kelsey TW et al., PLoS One 2011; 6: e22024.

10) Garber JR et al., Endocr Pract. 2012 Nov-Dec;18(6):988-1028.

15) Qublan H et al., Hum Reprod. 2006 Aug;21(8):2110-3. Epub 2006 Apr 13. 14) Dahdouh EM et al., Fertil Steril. 2015 Dec;104(6):1503-12.

11) Ladenson PW et al., Arch Intern Med. 2000 Jun 12;160(11):1573-5. 12) Motato et al., Fertil Steril. 2016 Feb;105(2):376-84.e9.

(71)

ご清聴、誠にありがとうございました。

この度は、「広島市佐伯区医師会学術講演会」にて講演する

機会をお与えいただきましたこと、心より深く感謝を申し上

げます。

参照

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