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講演会、研究会記録 (2011年1月~12月)

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講演会、研究会記録

スポーツ社会学会創立 20 周年記念シンポジウム テーマ 「スポーツ社会学の解体――「スポーツ社会学」の社会学――」 発表者:池井 望 (元神戸女子学院大学教授) 井上 俊 (大阪大学名誉教授) 亀山 佳明(龍谷大学教授) 佐伯年詩雄(筑波大学名誉教授) 司 会:山下 高行(立命館大学) 中江 桂子(成蹊大学) 日 時: 2011 年 6 月 25 日(土)15:20 ∼ 18:20 場 所: 5 号館 102 教室 参加者: 200 名 報告概要 第一発表の池井望「スポーツはその故郷「フィクション」へ帰るべきである」は、スポーツと身 体問題についての論考であった。スポーツに登場する「遊び」の身体は、本当の闘争や戦争でない から、そこに介在する身体行動は虚構性をもつ。歴史家コルバンの指摘のように、人間の身体はま なざしによって構成された「モジュール化されたイメージ」にすぎない。しかし人間は生身の身体 と切り離されて生きることができない。スポーツは生身の身体と虚構の身体を意図的にすり替え、 そこに莫大な資本を投じていくという構造を示す。はたして現代人はその巨大化するスポーツ現象 のなかで生きられる身体を守ることができるのかという政治的問題に関して報告がなされた。 第二発表の井上俊「ホイジンガを遠く離れて」は、スポーツ社会学の古典ホイジンガ『ホモルー デンス』に立ち戻り、遊びの領域から遠ざかってゆくスポーツの近代史を振り返る。しかし、「ス ポーツよ、遊びへ帰れ」というには、あまりにも 21 世紀の現実は離れてしまった。芸術や宗教を メタファーな活動として捉えるあり方があるが、そのような意味でスポーツもメタファーな活動と してどのように社会に組み込まれていったか、さらに有効なメタファーとしてどのように利用され たか、という分析視角を、スポーツ絶対善説から自由な立場で捉え直してみる必要について、報告 がなされた。 第三発表の亀山佳明「身体論の可能性」では、来し方のスポーツ社会学会における研究動向を振 り返ると、身体の制度論的なアプローチが多いのにたいして、身体の生成論(経験論)的アプロー チが比較的少ないことが明らかにされた。そのうえで、生成論的立場から提出された代表的な論文 として、大相撲における立ち合いの文化論を紹介し、立ち合いのなかに同調と競争の同時性が発見 されていることの紹介があった。身体文化にかんするスポーツ社会学の貢献は、社会学を超えて心 179

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180 理学、文化学などにも広がりをもつものになりうる可能性を示した。 第四発表の佐伯年詩雄「スポーツ社会学のアイデンティティポリティクス」は、20 世紀から 21 世紀にかけて、グローバル化し巨大化する政治と経済の渦の中に巻き込まれていかざるを得ないス ポーツの実際を顧みるところから始まった。スポーツがスポーツであるがゆえに「たかがスポーツ」 感覚は今も変わらないものの、「されどスポーツ」感覚もまた、それが政治化され/文化化され/ 経済化される文脈において、称揚されることにもなった。いわば最後に残された神話構築装置とい ってもよいだろう。今年出された「日本スポーツ宣言」の策定現場に加わった経験から、現在の日 本社会におけるスポーツの社会的位置づけについて、スポーツ社会学のアイデンティティポリティ クスの観点からの発表があった。 刺激的な発表の後で、登壇者・司会者およびフロアの研究者たちの間で、活発な質疑応答が展開 された。 以上。

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