保健体育
佐 分 利
育Problerns of Dance Education in Teacher― Training Course
IkuyO SABtlRI
l.研
究 目的 平成3, 4, 5年
度の,全
国舞踊研究会 プロジェク ト研究での現職教員 を対象に した「 ダンス指 導実践 に関す る調査」を通 して,教
員養成での経験がそのダンス観,ダ
ンス指導観,指
導実践に影 響す ることが改めて確認できた。Q)特
に,大
学での履修経験一年以上 と一年未満 。経験 な しとの間 には大 きな違いが見 られ,一
年以上の大学履修経験が有効に働 くことが認め られた。一年未満の履 修経験者の半数が,ダ
ンスに対す る印象が履修後マイナスに変化 したと してお り,履
修経験が指導 に役立 っているとす る人も,一
年以上の履修者 と比較 して少 ない。 これ らは,履
修 内容の違い,特
に一年未満の履修では指導 に関す る内容や理論が不足す ること,ま
た創 る活動 も不足 していること によるものであ った。1296)しか し一年未満の履修経験の小学校教員 もその53.5%が
指導を実践 し, 指導が好きあるいは実践 を通 してだんだん指導が好 きになったと した人がその7割
いた。そ して指 導実践 によって指導の手がか りをつかみ,指
導への自信へつなげていることの具体的な資料 も得た。 また一方で,「教員 自身が重視す る孜育的価値 を充足す るダンスを教 える,教
員 自身が好 まない ダンスは教えない,教
員 自身が踊れ るダンスを教えるJ傾
向も見 られた。141 本学の小学校教員養成課程 における学生のダンス経験は多 くの者が, 6回
の実技 と2回
の講義を 受講 しただけの一年未満の履修経験者 となる。13年前に行 った,受
講生へ の調査6)からは,「
ダン スでは初歩的学習者であ っても指導者 と しての 目的意識を持たせ,で
きるだけ客観的に段階毎の学 習 目標や内容を知識 と して与えなが ら, ダンスの本質に触れ させ,技
能を 自ら確認 させ るJと
いう 教員養成でのダンス指導の指針 を得た。 この指針をもとに指導計画を見直 してきたが,果
た してそ れが実践を重ね る原動力とな り得 るようなダンス観やダンス指導観,指
導の手がか りを与えること ができているであろうか。本報告では現職教員への調査結果 を踏 まえ,平
成7年
度の3年
次指定の 「 小学校体育 (演)J受
講生へのダ ンス受講直後の質問紙調査によ って,一
年未満 の受講で どのよ うなダンス観や指導観を持つ ことができたかそれが授業実践につながるための課題は何かを考察 し, 変化 してい くこれか らの教員養成で どのようなダンス教育が可能であるかの指針 と したい。 代2.研
究方法 調査対象 平成7年
度鳥取大学教育学部 小学校体育 (演)受
講生94人 (男子25人,女
子69人) 調査方法 質問紙調査 鳥取大学教育学部小学校教員養成課程,養
護教員養成課程小学部 における教科 に関す る科 目のうち体育の必修授業科 目と しての「 小学校体育 (演)」(3年
次指定)で
の内容 である表現運動の最後 の時間に調査票を配布 し,受
講後回収 した。 調査項 目(1)各
時間の内容を理解 して取 り組めたか(2)自
分なりの表現運動観を持てたか(3)自
分なりの表現運動の指導観を持てたか(4)ど
んな内容が印象 に残 ったか(5)そ
の他 (今後の この演習へのア ドバイス等) 体育の教科 に関す る授業科 目は2年
次指定で陸上運動,器
械運動,水
泳を, 3年
次指定でボール 運動 と表現運動を内容 としている。3年
次指定の「 小学校体育 (演)Jで
は,受
講生 を約50人毎のAと
Bの
2ク ラスに分け,ボ
ール運動 と表現運動を同時開講 している。受講生が約7回
ずつで種 目 を移動す る。他に,教
職に関す る科 日,「小学校体育科教育法」(3年
次)で
表現運動 に関す る内容 を約2回
講義 している。 クラスにより授業実施期間,順
序が若千異 なるが実技 内容は以下のようで ある。Aク
ラス4月
12日 ∼5月31日Bク
ラス6月
7日 ∼9月 27日 時 間 学 習 目 標 学 冒 内 容 1 ダンスイン トロダクシ ョン 色々なものが見える リズ ミカルなダンス (リズム か らだ 動き 。) フォークダンス (友だち 国・ 。) 割箸を使 って (友だちの力 気持 体の中) 走 って止まる (風→今見えた風になる) 2 か らだ とか らだ の動 きで形や動 き 感 じを と らえ て動 く うごき 。・ 新聞を使 って動 く フ ォークダンス・・ テ ンプ リテ ィーガールズ リズ ミカルなダンス・・ メチ ャクチ ャダンス 表現・ 。「 しん応ミん君」の動 きを真似 る 3 続 けて動 く リズミカルなダンス・・コンビネーション メチャクチャダンス フ ォークダンス・・ マイムマイム ハーモニカ 表現・・ シャボ ン玉の動 き→「 シャボ ン玉の一生」 う ごきの感 じを味わ って続 け て動 く フォークダンス・・オール ドブラスワゴン説明書解読競争 動 きの感 じを中心 に小作 品 を創 る 。・ 跳 んで転 が る リズ ミカル なダ ンスの作品 を創 る 。・ 繰 り返 し 変 化,組
み合わせ,隊
形時 間 学 習 目 標 学 習 内 容 5 始めと終わ りを創 って続けて踊る 「 ダンス甲子園湖山J リズ ミカル な ダ ンスの練 習 と発表会 リズ ムにの って 友 だ ちと合わせ て 全 身で 一 人一人 の良さを生か して 衣 装 も工夫 して グルー プの ダ ンスをクラス全体 の ダ ンスヘ 表 現 大好 きなところをみつ けて
,動
く 「 自然 の驚異Jで
思 い浮かべ る事 を グルー プ で 見つけ る 最 もそれ ら しい場面 を動 い てみ る 6 大好 きなところを中心 に表現す る 作品 を ま とめ て練習 し,発
表す る 「 自然 の驚異」 表 したいことか ら創 ってそれを生かす前後 を創 る 踊 り込む 作品に応、さわ しい題をつける 発表会 (調査票配布)3.結
果(1)各
時間の内容を理解 して取 り組めたか 「 各時間の内容を理解 して取 り組むことができま したか」の質問には54.3%が
できた と回答 し,44.7%が
だいたいできたと した。無回答が1人あ った。男子と女子では男子の方 にで きた と した 割合が低か った (図 1)。 1/ 1 持てた まあまあ持てた .寺てなかつた だいたいできた 図1
内容の理解 図2
表現運動 (ダ ンス)観
を持 てたか(2)自
分な りの表現運動観を持てたか 「 自分なりの表現運動観を持てま したかJの
質問に対 しては,55。3%が
持てた と回答 し,44.7
%が
まあまあ持てたと している。男女差はあまりなか った (図2)。 表1は,表
現運動観の自由記述の内容を記述の多い順 に分けた もので,数
字は人数である。(人) 目 項 内 容
(人
) 身体による表現活動 としての表現特 性に関するもの56
身体全体を使 って表現す るすばらしさ15
思い切 りか らだを動かす楽 しさ9
表現に意味がある7
正解不正解が無 く個性を引き出す6
普段の自分以外の自分,本
来の自分が発揮できる5
や りたいことを自由に表現する楽 しさ4
どう動いたらいいかわかる3
色々なダンスがある2
他人の良さを見つけられる2
自分らしさが認め られる 班毎いろいろのダンス1
身体の表現の難 しさ1 1
表現 技能 動きの見つけ方28
(創る技能) 型にとらわれず思う通 りに動いてみることが一番11
なりきる9
創る楽 しさ1
対象そのものか らイメージを急、くらませる4
自分の内にあるものを見つめ,そ
れを引き出す3
動 き方10
(踊 る技能) 指先,爪
先まで使う,大
きな動きで動 く5
対象の重さ,速
さ,大
きさを身体の動きのスピー ド,手
の 動き,表
情などで表すことができる2
体を上下に動かすこと,強
弱をつけることで奥深い表現が できる1
自分の動きがどう見えているかわかってき た1
場面で一人一人の生かし方が違う1
そ の他8
面白くなった4
協力する3
考えていない1
表1
受講生の表現運動観 表現運動観 と しては,身
体を素材 と し身体運動を媒体 とす るダンスの表現活動 と しての特性そ のものについての記述が最 も多 く,次
に,実
際 にダンスを してみての動きなど技能の特性 に関す ると らえ方が多 く上げ られ ていた。多 くの受講生があげているのは,「体全体を使 って表現す る すば らしさ (15人)」 「 型にとらわれず思うとお りに動いてみ ることが一番 (■人)」 「 思いきり 身体 を動かす楽 しさ(9人
)」 「 なりきる(9人
)Jで
,表
現 と しての楽 しさと,そ
れを味わ うた めの方法が図 らず も並んだ。 図3は
,K」
法を手がか りに見た学生の表現運動観である。 “ ) 「 型 にと らわれ な くなったJと
き,そ
して「 恥ずか しさを無 くした」 ときに表現運動の楽 しさ が体験できる。楽 しさは「 表現J, しかも「 身体全体での表現」の楽 しさで, 自分 らしさ,
自由, 正解不正解がない等を包括 した「 個性」が,そ
の楽 しさのキーワー ドとなっていた。「 自由な発 想で創 りあげる楽 しさJ,「
感 じたまま素直に表現す る楽 しさ」,「自由に動 く楽 しさJが
動 きや 動 き方の価値観あるいは方法の具体的記述に支え られていた。新 たな発見 につながる 自分以外の自分 と出合 う ダイナ ミックな動き 小さく細かい動き 体のスピー ド
体を上下に動かす 手足の勲き
強弱をつける 表情で 体のあらゆる部分を使 う 動きを工夫 したりつなげたり 経験 によ り様 々な動 きを身につ ける 大きな動きで 指先か ら足の先まで 気を配 って動 く 顔の表情 も重要 体全体で 動 きを考 え る どう動いたらそれらしく見えるか考えられる 一つの言葉でどれだけ イメー ジをお、くらませるか 自分の気持ち 対象を様 々な を見つめる
角度か ら見 る 自由な発想を そのものの気持ちに なる 自分以タトの何かになれる 感 じたままを 素直に表現する 自由│こ動 く 思いき り体を動かす 体全体を使って そのものになりきって カー杯表現する 倉Jりあげる 体を動かす気持ちよさ 個々様 々な表現 自分 らしさ イ也人の良 さ 自分 自身の表現 正解不正解がない 自醐な表現 友だちと協力 して イメージが大切 体全体での表現の楽 しさ 表現 に意味が ある 図
3
受講生の表現運動観「新たな発 見」や今まで知 っていた「 自分以外の自分
Jと
出合えることも合め受講生の得た表 現運動観は,「個性Jを
キーワー ドに,「創 りあげる楽 しさ」と「 体を動かす楽 しさ」,そ
してそ の両極をつなぐ「 なりきる楽 しさ」,す
なわち,他
の運動種 目や表現形式では味わえない,表
現 の主体と素材と媒体のそれぞれの楽 しみを味わいなが ら行きつ戻 りつす る楽 しさとして記述され たと考え られ る。(3)自
分な りの表現運動の指導観を持てたか 「 自分なりの表現運動の指導観を持てま したか」の質問に対 しては,持
てた26.6%, まあまあ持てた71,3%,持
てなか った1%,
無回答1%だ
った (図 4)。 指導観の具体的な内容は表2のようであっ た。 下 超剛 男子 持てた まあまあI寺てた 1寺 てなかった 図4
指導観 を持 てたか 表2
受講生 の表現運動指導観 項目
(人
) 内 容(人
) 表現 技能 動 きの見つけ方37
(創る技能) 型 にとらわれず動 くよう指導5
子 どもの表現 したい ことを感 じとる5
体 を動か しイメージを感 じとら せ る3
取 り組みやす いテーマ3
対象を見せ る 3 様 々なテーマの表現で能力を高める3
感 じたこと を素直に表現できる環境づ くり2
等 動き方6
(踊る技能) 体中いたるところを使えば色 々の表現が可能だ2
体 いっぱい使 って大 き く表現す る2
教師が率先 して体中を使 って表現す る1
体育館を大 き く使 う1
身体による表現活動としての表現特 性に関するもの19
自分 らしさを自然 に出せ るような指導5
体 を使 って表現す るお も しろさ4
ダンスは楽 しくや ることが一番4
-人
一人の良さを見つけ引 き出す3
-生
懸命か らだを動かす ことか らさせたい2
身体 を動かす爽快 さ1
その他12
教師 自ら参加 して4
自分の表現を見せ ること1
創作だけでなくジャズや フォークダンスもな表現であり, それ らを組み合わせた楽 しい授業1
踊 る方 に必死でそ こまで行か なか った1
等体 を使 って表現 で きるお も しろ さ なりきる楽 しさ 体を動かす爽快 さ 声かけ特に 一人一人の オ リジナルのもの ほめ言葉が 動 きを認め を高 く評価する 効果がある る よい所を見つけてそれを大き くム、くらます 動きたい動 きをさせ 一人でできないとき グループでさせた り ア ドバイス した り グループを作ること でイ岡々のアイデ ィア が生かされさらに発 展的になる 体中いたるところを使えば いろいろの表現ができる 形にこだわ らず体を動かす 体をフルに使 って感 じや動 きをとらえる 大き く力獣 く表現す ること 子どもの豊かな発想を生かす 対象を実際に見せた り 断片的に表現させた りす る 楽 しくいろいろな表現を させて表現力を高める 具体的な想像 し易いテーマ で 自由に想像をお、くらませ 表現 させる 頭で考えるのでな く 体を動か し動きをltll 察 しなが らイメー ジ をつ くる 子 どものや りたいことを引き出す それ ぞれのイメー ジで表現す る 子 ど もを動 きの 世界 に引き込 む 子 どもと一緒に思いき り 体を動か し共に学ぶ
教 ,w 教師 自らも 教師が率先 が 楽 しさを感 して体中で 体 じて伝える 表現する
を 1ま 教PIlがな りきってのび
る のびと表現する 音を うま く取 り込む 一生懸命体を 動かす ことか リズ ミカルな動きで らさせたい 体 と心を十分ほ ぐす 創作ダンスだけでな くジャズダ ンスや フォークダ ンスも表現運動だ それ ら を組み合わせれば楽 しい授業ができる 感 じたことを恥ずか しが らずに素直 に 表現できる環境づ くり 楽 しく自由に表現 できるよ うな授業 一人一人が 自分 らしさを 自然 に出せ るよ うな授業 自分でするのは簡単だけど 指導するのは邦としい 図
5
受講生 の表現運動指導観ダンス観 と関連 した内容が上げ られ ていたが
,指
導観では 自らの体験に基づいた言葉 と して, 表現技能,特
にテーマをとらえることを中心 と した,創
る技能に関す るものが多 く上げ られてい た。 K」法で指導観 を眺望す ると (図5),「
楽 しく自由に表現できる」「 一人一人が 自分 らしさを 自然に出せ る」表現運動の授業をイメージ し,「子 どもを踊 りの世界に引き込むJ「子 どものや り たいことを引き出すJ「子 どもの豊か な発想 を生かすJこ
とを通 して,「身体を使 っていろいろな 表現ができるおも しろさ」「 なりきる楽 しさ」「 体 を動かす爽快 さ」 という学生 自身 の表現運動観 へ と向か っていた。 そ して,「子 どもと一緒に思いきり動 く」「 一人一人の動 きを認める」指導者像があ った。 これ は,「恥ずか しさをなくす と楽 しい」「 型 にとらわれ な くな ったJと
いう受講生 自身の表現運動の 楽 しさへの入 り口への指導者像 と して興味深い。「 子 どもと一緒に思いきり動 くJ「教師 自らも楽 しさを感 じて伝 える」 ことを,「感 じた ことを恥ずか しが らず に素直 に表現で きる環境づ くり」 の必要 な要素 とらえている。 「 子 どものや りたいことを引 き出す」手がか りと しては,「対象を実際に見せ」「 具体的な想像 しやすいテーマで」「 体を動か しなが らイメージを創 る」 な ど「 いろいろな表現を体験 させ て表 現力を高め る」 ことを得ている。(4)ど
んな内容が印象に残 ったか6回
の授業の中で「 どんな内容が印象 に残 ったかJの
質問への自由記述による回答では,創
作・ 表現の内容へのプラスの印象が残 った者56人,マ
イナスの印象が1人 , リズ ミカル なダンスの内 容を上げた者が35人 (プラス)と 8人
(マイナス),フ
ォー クダンスは21人 が印象 に残 った と し て上げている。 フ ォークダンスヘのマイナスの印象はなか った。その他動きづ くりに関す るもの が12人 (プラス11,マ
イナス1)に
あげ られていた。 創作・ 表現の内容では「 しん応ミん君Jの
内容が,27人
という最も多 くの学生か らプラスの印象 として上げ られていた。新聞紙を「 とらえJ「表現す る」手がか りとした内容は,「身体全体 を使 っ てそのものになりきってカー杯表現す る」 ことが即座 に可能で,「新たな発見につ なが る」 もの と して体験 された と思われ る。 また, これ までの受講生 も,教
育実習で表現運動の手がか りと し て試み ることの多い内容でもあることか ら,指
導者 と してこれ なら自分もできそ うだ と思 ったの ではないか とも思われ る。 表現の内容で「 しんぶん君Jの
次 にプラスの印象 と して多 く上げ られた内容は発表会であ った (11人)。 発表会では,表
現の多様性や,友
だちの意外 な側面 を発見できること,創
作 し練習 し た成果を,空
間い っぱいに動いて発表できた達成感が上げ られていた。 発表会での達成感,多
様 な表現 との出合いはまた,受
講生が「恥ずか しさをな くす」 き っかけ の一つであ った と考え られ る。見 られ る恥ずか しさか ら,見
るおも しろさ,見
ても らう楽 しさへ 転換 させ られ る内容 として,発
表の機会 に改めて 目を向けたい。 リズ ミカルなダンスに対す るマイナスの印象は,上
手に動けなか ったとか,河 ヽさい動 き しかで きなか った, ピッタリ合わ なか った な どであ った。「 上手に」の言葉は,表
現 に関 しては出てこ なか った評価である。また,音
楽にのって即興的に動きを出 し合うメチ ャクチ ャダンスは楽 しか っ たとす る者 も多いが, 自分の1贋番のとき動 きが見つか らなか ったとす る者 もあ り,動
きの手がか りのの不徹底 を示唆す るものであ った。(5)そ
の他 (今後のこの演習へのア ドバ イス等) その他 (今後のこの演習へのア ドバ イス等)で
は,指
導内容に関す るものが34,受
講 しての感 想31,指
導の仕方に関す るもの18だった。 指導内容に関す るものには,今
回の内容に入れ られ なか った伴奏音楽づ くり,
ビデオによる作 品の見直 し,音
楽や歌によるイメージづ くり等の要望があ った。 また,も
っと時間をかけての作 品づ くり,ク
ラス全体での作品創 り,班
での創作活動を増やす要望があ った。授業の流れが速す ぎるとの意見,盛
りだ くさんで忘れた内容 もあるとの意見 もあ った。楽 しか った反面,「小学生 に戻 ったつ もりで受けて しまう傾向があるので,指
導観 とかをもっと強調 した方がいいと思 った」 と,指
導者養成の内容と しての工夫を求め る感想 もあ った。Bグ
ルー プは,基
礎実習 (教育実習)を
挟 んでの受講であ ったが,「実冒で教育につ いての考 えが変わ った。実習後に授業を受けても悪 くないなJと
書いた者 もあ った。 時間の確保で解決 しなければな らない問題が多いが,内
容をさ らに精選す るよ りも指導者 と し ての教育内容を深めてい くことを受講生は望んでいるように思われた。4.結
論 以上のように今回の授業は, 6回
ではあ ったが,受
講直後の学生には,表
現運動観や指導観を一 応持てたと感 じさせ る内容であ った と言える。 具体的に書かれた表現運動観では身体 の運動による表現というダンスの特性の楽 しさを多 く上げ ていたのに対 して,指
導観では,そ
の楽 しさを体験 させ るための動 きの引き出 し方の記述が多 く, ある程度指導への手がか りをつかんだのではないかと思われ る。 表現運動の楽 しさは「 個性」をキーワー ドに,「表現の主体 と素材 と媒体の間を行 きつ戻 りつす る楽 しさJと
して味わわれたと考え られ る。 指導観 と しては,「楽 しく自由に表現できるJ「一人一人が 自分 らしさを 自然に出せ る」表現運動 の授業をイメージ し,「子 どもを踊 りの世界に引き込む」「 子 どものや りたいことを引 き出すJ「子 どもの豊か な発想 を生かす」 ことを通 して,「身体 を使 っていろいろな表現がで きるお も しろさJ 「 なりきる楽 しさ」「体を動かす爽快 さJと
いう学生 自身の表現運動観へ と向か っていた。そ して, 表現運動の楽 しさを子 どもに味わわせ るために,「子 どもと一緒に思いきり動 くJ「一人一人の動 き を認めるJ指
導者像があ った。 表現指導の手がか りとしての具体的な内容の次に印象に残 った内容として,発
表会があげ られ て いたが,発
表会での達成感や多様 な表現 との出合いは,見
られ る恥ずか しさか ら見 るお も しろさ, 見てもらう楽 しさへ転換 させ られ る内容 と して改めて 目を向けたい。発表の機会の持つ内発的な学 習へつ なげる要因の解明は今後の課題である。 一方,受
講生か らの指摘にあ ったように,
じっくり時間をかける内容が入れ られ なか った り,短
時間に盛 りだ くさんの内容になった り6回
の授業回数では不十分なことがわか る。楽 しか った記憶 だけが残 り,指
導力につなが らな くなって しまう可能性は十分にある。内容的にも実際の指導力に つながる内容をいかに入れ るかの問題が残 った。 他大学での小学校体育の13回かけての授業内容では,授
業3回
分の時間をかけての作品づ くりや, 学生の班が リー ダーを しての指導の体験 など入れ られている。9)また今回の受講生 の中に,一
年次 指定の体育専門のダンスを受講 し,舞
合での発表会を体験 している学生が15人 (約23回 の授業数), ダンス部の学生が2人 (1年
生時より入部)い
るが, これ ら,一
年以上の経験者では,そ
れ以外の受講生 に比べ, ダンス観がより自己の内側か らのものであ り