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低温処理による花木類の開化促進に関する研究 III. シナレンギョウの促成について-香川大学学術情報リポジトリ

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低温処理による花木類の開花促進に関する研究

ⅠⅠⅠシナレンギョウの促成について 五 井 正 憲 Ⅰ緒 −・般に栽培されているレンギョウは数種あるが,わが国において栽培されているものは,ヤマトレンギョウ(穐r・一 ・汐娩去α√ノ(砂0乃去とαMAKINO),シナレンギョウ(且びよγfゐゞよ仇αLINDL.),チョウセンレンギョウ(且烏07gα乃αNAKAI),レ ンギョウ(Rゞぴゆe乃5αVAlil.)が主なものである.これらのうち,シナレンギョウやチョウセンレンギョウ軋 扱 が直立性であり,多花性であるため,切り枝として利用されることが多い.わが国では,1月以後に切り放して水あ げ後,200C前後で促成し,主に2,3月出荷が行なわれている(9). レンギョウの開花調節については,2,3の報告がある.Rdnger・(11)によれば,ドイツでは,レンギョウダ.よ乃おγ− ∽βdまαの花芽の休眠は9月から10月にかけて深くなり,その後はだんだん浅くなって1月には破れる..これに対し, 9月に切り枝で−20C4週間の冷蔵をするか,10月以後に300C12時間程度の温湯処理をすれば,この休眠を人為 的に破ることができ,処理後切り枝を18◇Cに保てば,10日前後で開花させることができるというれ そのばあい,処 理期間は処理時期が遅いほど少なくてよい1.また歌田(12)によれば,レンギョウダ小壷醸γ・川風羞αを12月中旬に入室す るばあい,前もってジベレリンを吸収させをがら00C4週間の冷蔵を行なうと,開花が促進されるという.. このように,レンギョウの促成方法はかをり明らかにされているが,花芽形成から開花に到るまでの特性(開花特 性)に関しては,不明な点が多い.. この報告は,レンギョウの開花特性を明らかにして,促成方法の基礎的知見を見出すために行なっている一・連の実 験の山部をまとめたものである.. なお,この実験を進めるにあたっては,本学部附属農場,伊藤芳山,森俊夫両技官に御助力を頂き,またとりまと めにあたっては,庵原遜教授の御校閲を頂いたい ともに厚く感謝の意を表する.. ⅠⅠ実験材料および方法 材料としては,シナレンギョウ(ダ∴最r・よゐゞよ椚αLINDL.)を用いたり1964年には香川県大川郡志度町の海岸の山の 斜面に栽培されている5年生株を,1969年以後の実験では,1968年に前述の殊を株分けし本学部傾斜地農場に定植し て育成した株を,それぞれ使用した. 実 験 計 画 の 概 要 区 分 目 的 実 験 の 時 期 低 温 処 理 促 成 花芽形成の観1964年10月21日∼’65年1月27日 察 1970年6月23日∼11月24日 実験 A 200C定温暗黒 120C以上温室 促成可能な人1969年11月1日∼’70年2月3日 室期の決定 1970年9月17日∼’71年1月14日 実験 B 1964年10月28日∼’64年11月25日 50,GO,−20Cで 山′y‘′■,一「+【”1 査 実験 C 二 それぞれ,0,1,2,4,8週間 200C定温室 1970年9月17日∼12月10日 −2◇Cで0,2,4,6週間 150C以上温室 促成温度の決1971年10月15日∼’72年1月7日 −20Cで4週間 50,100,150 定 200C定温 実験 D

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自然条件下における花芽形成吼春から伸長した新棺の中央部を切りとり70%アルコーリレに保存し,その腋芽を実 体顕微鏡下で観察して調べた. 促成は,切り枝で行なった..切り枝時に残っている葉はすべて摘除し,数時間水あげ後10本ずつ結束し,1東を1 区とした・低温処理を行なわ覆い材料はただちに促成室(200C定温室または150C以上の温室)に移し,処理を行 なう材料は切り口に吸水させた水ゴケをあでてポリエチレン袋(0.1m/mxlOOemx75cm)に入れ,軽く封をしたの ち低温処理を行なった.実験計画および処理法は表のとおりである.処理終了後は,材料を促成室に移し開花状態を 調べた. ⅠⅠⅠ実 験 結 果 A.自然における花芽形成過程 1964年10月21日から1965年1月27日までと,1970年6月23日から11月24日までの2回の調査結果を第1表および第2表 第1表 白然条件下におけるレンギョウの花芽形成過程(1964) 第2表 白感条件下におけるレンギョウの花芽形成過程(1970)

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に示した.花芽は当年枝に形成され,basalshootでは枝の上部2/3∼4/5のすべての葉腋に,その他の枝では頂芽以 外のほとんどすべての薬腋に形成された小花芽軋1葉腋に単生することもあるが,多くは3∼5個が族生し,中に は短枝上に花序をなすものも見られた.本実験では,1薫腋に形成されたものを1花房と見なして調査した.栄養芽 は,主としてbasalshootの基部と多くの枝の頂芽に形成された..

1964年の調査で吼10月21日の花芽ステ・−・ジはがく片形成期であり,11月4日は雌ヂい形成期であった.しかし,

花芽はその後ほとんど発達せず,12月下旬になってようやく胚珠が形成されはじめた巾1970年には,花芽は7月上旬 に形成されはじめ,8月上旬には花弁形成期,8月中旬∼9月上旬に雌ずい形成期,10月下旬に胚珠形成期,11月下 旬には花粉形成期に達した.なお,自然開花は4月5日であった. B.入室時期と開花との関係 切り枝して直接入室したばあいの,入室時期と開花との関係を知るため,1969年′−1970には,12月9日,12月23日, 1月6日および2月3日にそ・れぞれ60∼90cmの枝を切りとり,ただちに200C定温室に入室した… 第1図はその結 果をまとめたものである… 開花々房率(開花々房数/仝花房数×100)は11月11日入室で50%余に達し,12月中∼下 旬人董では約75%,1月6日入室では99.5%に達した.ところが開花小花率(開花小花数/全小花数×100)は,12

月9日以前の入室では25∼30%であり,12月23日入室で約50%,1月6日および2月3日入室でそれぞれ77%,85%

とをった.到花日数(入室から開花開始日までの日数)は12月9日以前の入室で21日,12月23El以後の入室で14∼12 日とをり,その結果,実際の開花日は,それぞれの入室日に対して,12月2日,12月30日,1月7日,1月20日およ び2月15日となった.また開花期間(開花開始より開花終了まで)は,12月23日以前の入室では21日∼15日であり, 1月6日入室で14日,2月3日入室で9日となった. 1291223 16 入 室 日(月・日) 第1図 入室期と開花との関係(1969)

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9.1710り15111212‖10 入 室 日(月l日) 1.14 自 然 第2図 入室期と開花との関係(1970) 各入室日に切枝,摘集後200C暗黒下においた“花芽ステ・−ジは 0:未分化,1:花房分化,2:がく片形成期,3:花弁形成期, 4:雄ずい形成期,5‥雌ずい形成期,6:胚珠形成期,7:花粉 形成期,8:開花である. 1970∼1971年には,人望時期の花芽の発達状態と促成開花との関係を調べるため,9月17日から12月10日まで4週 間ごとに4回と1月14日にそれぞれ人馨し,夜温120C∼150Cの温度で促成した.その結果は第2表と第2区lに示し た. 開花々房率は11月12日以前の入室では10%以下であったが,12月10日入室では約70%,1月14日入室で99%に達し た.これに対し,開花小花率は,11月12日以前の入室では5%以下で,12月10日,1月14日にはそれぞれ48.5%,85 %となり,前回と同様の結果に在った.到花日数は,10月15日入室で55日であったが,入室期が遅くなるにつれて減 少し,1月14日入室では20日となった小 その結果,10月15日,11月12日,12月10日,1月14日の各人箋日に対する開 花日はそれぞれ,12月9日,12月31日,1月20日および2月3日となった∴ C、開花に対する低温処理の効果 用花に対する低温処理の適温を明らかにするため,1964年10月28日および11月25日にそれぞれ切り捜し,50,00ふ よび−20Cで,それぞれ0,1,2,4および8週間処理を行をった後,200Cで促成した.調査打ち切り日(4月15 日)までの開花々房率は第3図のとおりで,4週間以下の処理では,処理時期に関係なく −20C区で最高となり, 00C区,50C区の噸であった、しかし,8週間の長期処理で軋 処理温度による差はほとんど認められをくなった. 到花日数は第4囲に示したように,−20C,00C,50Cの順に少なく,この温度範囲では−2OCが最も開花を速めた また開花期間についても同様の傾向が認められた(第5図). これらの結果から,レンギョウの開花促進のためには−20Cが適当と考えられるので,以後の実験における低温

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1 2 4 低 温 期 間(週) 第4図 開花に対する処理温度と処理期間の影響(1964) 到花日数は入室後開花はじめまでの日数で示し た. 第3図 開花に対する処理温度と処理期間の影響(1964) 10月28日,11月25日にそれぞれ切枝,摘築後水 あげし,ポリ袋に入れて各温度の冷蔵庫に入れ, 1”8週間後に200C暗黒の定温室に移し,開花 させた 処理は,−20C処理のみとしたu つぎに適正な低温処理期間を調べるため,1970年9月17日から12月10日まで4過ごとに切り放し,−20Cで0;2, 4および6週間の低温処理を行怒った.をお,比較のために,1月14日には低温無処理区を設けた. その結果,9月17日には開花に対する低温処理の効果は認められなかったが,10月15日以後の処理では,明らかに 低温期間が長いほど開花が早く,しかも斉一・にをる傾向が認められたい とくに4および6週間処理区においては,開 花々房率が高く,到花日数は少なくなった(第3表)これとほほ同じ結果は,1969年の実験においても得られてい る.. D.促成温度 入室彼の促成温度とレンギョウの開花との関係については,あまり調べられていをい、そこで促成適温を知るため, 1971年10月15日と1972年1月7日より,それぞれ−20C4週間の処理をおこをった後,50,100,150,200および 250C暗黒条件下で促成した.促成中は枝を水を入れたバケツにさしてポリエチレン袋をかぶせ,乾燥を防いだ. 20◇および250C区では花弁の伸長がわるく,また花が傷みやすかった−開花率および到花日数に対する促成温度 の効果を示したのが,第6図である.開花々房率は入室時期にかかわりなく,150C区で最高となり,ついで100Cお よび200C区で,250C区では著るしく低下した.なお,50C区では,4月15日(調査終了日)までには開花しをか った… 到花日数は20および250C区では少をく,これより温度が下るにつれて増加したが,花の品質は150および100C 区です−ぐれ,250C区ではきわめて劣ったけ

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0 1 2 4 低 温 期 間(週) 第5図 開花に対する処理温度と処理期間の影響(1964) 第3表 低温処理期間が,レンギョウの開花に及ぼす効果(1970) 開 花 率 低温処理 開始日 低温期間 (過) 花 房 小 鱒 到花日数 対 照 0 0 2 0 0 4 6.0 2“3 44.8 6 1.0 0.6 40.8 対 照 75.0 48.6 40.4 2 86.9 64.1 21.8 12.10 4 89.4 77.7 16.0 6 95.8 83.2 16.0 1.14 対 照 99.5 84.9 20.0 100.0

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開花々房率および到花日数

0 0 6 7 0 0 0 0 2 3 5 4 25 5 10 15 20 促 成 温 度(OC) 第6図 促成温度が開花に及ぼす効果(1971) 10月15日,1月7日からそれぞれ−20C4週間の処理を おこなったのち,50′一250Cそれぞれの温度に保たれた 定温室に入れ,暗黒で開花させた. ⅠⅤ 考 察 自然条件下におけるシナ・レンギョウの花芽形成軋 年によりかなりの差が認められたけ この差がどのような原因に よるかほ不明であるが,おそらく,実験年度の気象条件の差(とくに気温の差)によるものと考えられる.ちなみに 1964年と1970年の気温(高松地方気象台資料,大川郡長尾町の気温)の概略はつぎのとおりである. 4月

5月 6月 7月 8月 9月 10月

1964年 扱高気温平均(OC) 盈低 〝 〝 1970年 政商気温平均 最低 〝 〝 4 7 6 4 9 0 9 0 2 2 2 2 5 5 3 3 4 4 2 3 3 2 3 2 00 7 6 0 3 3 0 2 3 9〟 3 2 4 5 0 7 7 7 4 6 2 1 2 1 0 ︵U 7 ︵0 6 3 3 1 2 1 2 1 6 8 0 0 ウ︼ ウ︼ 7 00 2 1▲ l 23.3 13.5 22.9 12.9 レンギョウは夏の初めに花芽を形成しはじめ,花芽の初期発達も夏の高温下で進むが,それ以後花芽完成までの発 達は秋の涼温下で急速に進むことは,すでに観察されていることである.また現在行をっている実験においても再確 認しようとLている.本実験において,1964年には1970年におけるよりも花芽分化が遅れ,その後の発達も遅れた. 1964年には,1970年よりも気温が高く,その上に,1964年には海岸近くの材料を,1970年には山地に近いところの材

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料を用いたことから,1964年には4月∼10月を通じての高い気温のために花芽形成が遅れたと考えられる、Hanaoka ら(8)は,前橋と松戸におけるレンギョウ(ダ・ゞ坤e乃5αVA肌“)の花芽形成を調べ,実験年度によって差があることを 認めている.これらのことから,花芽分化期以後の気象条件と同様に,花芽分化期までの生長温度もまた花芽形成に 影響するのではないかと考えられる. R血ger(11)は,レンギョウダよ■乃feγ棚dよαの花芽の休眠は9月から10月にかけて深くなるが,それ以後は次第に浅 くなって1月には破れると述べている… 本実験において,1969年には11月11日に入室してもかなりよく開花し,花芽 はほとんど開花可能な時期に達している様にみえる.しかし,小花の開花率は12月下旬入室でさえやっと50%であり, 2月3日入室でようゃく80%をこえたまた到花日数と開花期間も,1月以後でなければ10∼15日まで減少しなかっ た..すをわち,1月以後の入室ではじめて開花揃いがよくをったしたがって,すくをくとも1月上旬頃でなけれ ば,シナレンギョウの花芽は正常に開花できる状態に到っていないと考えられる・しかしながら,この年には花芽の 観察を行をわなかったので,1970年には,花芽の発達程度を調査しながら同様を実験をくり返した.その結果,11月 12日以前,すなわち花芽が胚珠形成期に達するころ以前の入室では,開花はほとんど認められないが,12月10日以後, すなわち花芽が胚珠形成期に達して1月後ないしそれ以後に入室すると,開花する花芽が次第に多くをることが明ら かとなった(第3表,2図).ただし,到花日数は12月10日以前の入室で40日以上であり,1月14日入室で20日であ った.この結果からも,1月以後の入室によってのみ斉一・な開花が期待できることがわかるけ これらの事実から,レンギョウの花芽は,ほとんど完成期に達していても,冬の低温を受けなければ開花が妨げら れると考え.られる。すわなち,完成した花芽の展開・伸長の前提条件として,冬の低温を経過することが必要である と考えられる巾 その点で,レンギョウの花芽は完成時に休眠状態またはそれに準じる状態にあり,それを破るために 低温を必要とするものとも考えられる.この点において,他の花木類,たとえばモモ(6),サクラ(4),コデマリ(7)など が,花芽の完成のために直接または間接的に低温を要求するのと異なっているい Ru喝eI・(11)によれば,ダい去一花おγ川風茄αの花芽の低温要求は,−20Cでほほ4週間であり,これより高温でも低温でも 必要な時間はやや長くなる,.本実験においても,シナレンギョウの開花に対する低温の効果,とくに,効果的夜温度 と時間について調べた結果で軋 5◇C∼−20Cの範囲においては,一20Cが最も開花を促進し,00Cと5◇Cはともに 効果がヤや劣った∴山般に花木の開花促進に最も有効を温度吼比較的高い温度,たとえば・モモ:3∼7・2◇C(2),アジ サイ:4り50C(10)をどとされており,この点でもレンギョウの低温要求はやゃ特異であると考えられる… このようを特 異性の原因については今後明らかにしたいと思うが,おそらく原生地の気候に関係があるものであり,種類による適 温の差以外に,花芽が完成していても開花のためにをお低温が必要であると考えられるレンギョウの開花特性が重要 な要因であろう. 開花のために低温要求をもつ花木でも,必要とする低温盈(低温時間数)は種類によって異なる‖ また低温が有効 に作用するためには,花芽がある段階まで進んでいる必要があるが,その程度も植物の種類により異なっていて,著 者が調べた結果では,モモでは雌ずい完成期(6),ユキヤナぜでは雄ずい形成期ごろ(る),コデマリでは花房形成期(7)で あるい花芽がこれらの段階に達する時期に軋 開花のために必要な低温造は最高であり,その後は花芽が発達するに っれて減少すると考えられる爪 しかし,花芽が低温の直接的作用の下で分化 発達する種類では,花芽完成までの花 芽発達に対する低温の効果と,開花に対する効果とを分けることはきわめて難かしい.シナレンギョウでは,1964年 の実験において,−20Cで処理したばあいでも,花芽が雌ずい形成期で自然の低温をほとんど受けていないと考えら れる10月28日処理区では,長期間処理によっても開花はほとんど認められなかったこれに対し,花芽が胚珠形成期 で自然の低温をか怒り受けたと考えられる11月25日処理区で軋 4週間の低温処理でよく開花した…1970年の結果で 軋 9月17日における花芽はほほ雌ずい形成期であったが,この段階で低温を与えても,開花はほとんど認められを かった.10月15日頃は胚珠形成初期であり,低温の開花促進効果は認められたが,そのばあい,正常な開花のために は6週間の低温が必要であった.処理時期がこれより遅くなると,それだけ自然の低温を受けることと,花芽がさら に発達することもあって,必要な低温盈は次第に少なくをり,1月以後は,もはや人為的処理は不要であった1・ 以上のことから,レンギョウでは,少なくとも花芽が胚珠形成期に達する時期以後でをければ,低温処理による開 花促進は期待できないと考えられる−.そのばあい,開花促進に必要な低温盈は多ぐて−20C6週間であろう・ト 一腰に低温が花木の開花に作用するばあい,その効果は,これまでの知見から,つぎのどれかであると考えられる・ すをわち, 1)◆花芽形成の誘導(直接的効果ト‥たとえばアジサイ,コデマリなどい

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2)花芽発達に対する直接効果‥‥たとえばボケ,ユキヤナギ, 3)花芽発達に対する間接的効果(すをわら,花芽分化後,ある時期に低温を受けて,さらに好適な環境に移され たときに花芽が完成し開花するばあい)たとえば,サクラ,モモ,コデマリなど. 4)完成した花芽の伸長・展開に対する直接的効果(すをわち開花適温)‥たとえば,ウメ? 5)完成した花芽の伸長・展開に対する間接的効果(休眠打破的効果)たとえば春咲ツバキ,ツツジ類,レン ギョウをど. レンギョウの開花に対する低温の効果が,どのような機作によるものかは,これまでのところでは明らかではない. ところで,レンギョウの花芽は,低温以外の処理,たとえば,ジベレリン(12),温湯処理(11)をどによっても開花が促 進される.また,著者が行なった他の実験においては,−100Cで凍書が生じる限界(2∼3日)の処理を行なった とき,−20C8週間処理区におけると同様に開花が促進された.このほか,傷をつけた枝の傷口に近い花芽が開花し やすいこ.とも観察されている小 これらの事実から,レンギョウの開花に対する低温の効果軋 主として枝自体または 花芽の呼吸活動を高める(すなわち休眠状態から活動状態への移行)こ.とにあると考えられるひ また花木の促成においては,一・般に高温・多湿条件がよいとされているが,そのような条件ではむしろ開花が妨暮 されるものもある(1)..レンギョウのばあい,200C以上では開花が早まるが品質がわるく,100C以下では開花が遅れ るので,150C前後が適温と考えられるLこれは,RungeIの述べている促成温度とほぼ−・致する. 以上の結果から,実用的な促成方法としては,一応,つぎの方法が考え.られる. 切り枝時期(花芽ステージ) 低温処理 入 室 期 開 花 期 10月中・下旬(雌ずい) −20C6週間 12月上旬 12月下∼・1月上旬 12月上・中旬(胚珠) −20C2週間 12月中・下旬 1月中旬 1月上・中旬以後(胚珠・花粉) 1月上・中旬以後 2月以後 Ⅴ 摘 要 シナレンギョウ(凡叩頭抜=痛よ成ゞ!よ−∽αLINDL.)の促成のための基礎的知見を得るため,1964−1971年にわたって 実験を行なった.その結果は以下のとおりであった.. 1‖ 二花芽は新杓のほとんどの菜腋に形成され,栄養芽は茎頂またはbasalshootの基部に近い葉腋に形成された. 自然環境の下では,花芽形成は7月上旬にはじまり,8月上旬には雌ずいが,また10月上旬には胚珠が形成されはじ めた.11月下旬以後には胚珠が形成され,まもなく花芽は完成した 2..12月上旬以前に切り枝し,低温処理せずに200C定温室または最低夜温150Cの温室で促成すると,開花は不 斉一で,しかも遅れた.12月下旬以後に,同様にして促成すると,開花は斉−・で,しかもはやくなった. 3.花芽が発達初期のとき,低温処理は開花に対してほとんど効果がなかったが,花芽が胚珠形成期に達した後は きわめて効果的であった.花芽が胚珠形成期で,自然の低温をあまり受けていない10月下旬∼11月上旬には,開花促

進のためにおよそ6週間の低温(一20C)が必要であった.その後は,時期が遅くなるほど,必要を低温盈は減少し

た.これは自然の低温に遭うためと考えられる,花芽が完成する1月以後は,もはゃ低温処理の必要はをいぃ 4。到花日数,開花率(花房,小花),開花揃いから考えて,低温処理の適温は−20C前後,促成適温は150C前 後と考えられる. 5‖ 以上の結果から,つぎのように考察した‖ 1)シナレンギョウの花芽は,夏の高温下で命イヒし,初期発達も同じ条件下で進むが,雌ずい形成期から花芽完成 までの発達は秋の涼温下で速やかに進む. 2)完成した花芽は,開花のためにある低温要求をもっているり そのばあいに要求される低温は,ほほ−20C6週 間程度である.

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引 用 文 献 エ∴ンドゥ’について,関学雑(印刷中)(1973)

(7)∴

,長谷川曜,国本 厚:低温処理によ る花木類の開花促進に関する研究.ⅠⅠ.コデマ リの促成い 香川大腰学軌25(1),35一彪(1973) (8)HANAOKA,Y,YoKOI,M。,KosuGl,KりCHIHIRO, T∴ Studiesontheflower bud di鮎rentiation

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ctorsinvoIvedinterminatingtherestperiod

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(4)∴

,小西国乳 狩野邦雄:花木鉢物の促 成に関する研究(第1報)サクラ,ボケの促成 方法について.園芸学会昭和45年度秋季大会発 表要旨,236−237(1970)

(5)∴

,狩野邦私 小西国義:花木鉢物の促 成に関する研究(第2報)ヒラドッツジの促成 方法について1園芸学会昭和46年度秋季大会発 表要旨,208−209(1971)

(6)∵

,国本 夙 小西国義:花水鉢物の促 成に関する研究(第1報)燻性ハナモモ‘ァメ

STUDIES ON THE ACCELERATION OF FLOWERING

IN WOODY ORNAMENTALS

BY LOW TEMPERATURE TREATMENTS

IIIForci喝Of動叩励−αひ去γ泌√5£∽αLINDL.

MasanoriGoI

Sllmmary

TheexperimentswerecarTiedout丘om1964to1971inorder・tOgetthebasicinformation

forflowerforcing ofFbrV,ihia viridis5i’ma LINDL.The results obtained were summarized as

払1lows:

1・Flowerbudswereformedasin80reSCenCeinmostaxi王sofcurrentshootsand vegetative

budswereformedattheshootapICeSOrinAxilsatthebasalpartsofcurrentbasalshoots.Under

naturalconditions,貝owerinitiation occurredin earlyJuly,andtheformation ofpistils and

OVulesbeganinearlyAugustandinearlyOctoberrespectively・

Flowerbuds、developedtothestageOfpollenformationinlateNovember・Orlater.

2・WhencuttwigSOfthetreeswereforcedat20OC(inchamber)orabove150C(ingreenhouse)

without arti丘cialchilling before early December,且owerlngOCCurred unevenly and slowly.

However,魚owerユngOCCurredevenlyandLastJWhentheywereforcedinthesamewayin1ate

Decemberorlater・.

(11)

developmentalstage,butwas e飴ctive atthe satge Ofovuleformation.Arti丘cialchillingOf about6weeksat−20Cwasnecessaryfor月owering丘omiateOctobertoearlyNovember,When the月・OWerbudswereatthestageofovuleformationandrecievedalittlenaturalchilling・

Thereafter,thelatertheseasonwastheshortertheperoidnecessaryforchillingwas,because

theflowerbudsrecievedmor・enaturalchi11ingforflowerlng… Aftercompletionofflower buds ihJanuary,nOmOreChillingwasrequiredfbrflowering.

4・InconsiderationofperiodsfiomforcingtOflowerlng,rateSanduniformltyOfflowerlngr,

itseemedthattheoptlmumtemPeratureWaSabout・−20Cforartificialchillingand150Cfor

鈷r・Cing・

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