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Ginzburg-Landau A A Kyoto Univ. Kobe Design Univ. A N. Tsukamoto, H. Fujisaka, K. Ouchi A Ginzburg-Landau ψ = ψ + (1 + ic 1 ) 2 ψ (1 + ic 2 ) ψ 2 ψ (1

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(1)

複素

Ginzburg-Landau

方程式の振る舞いを記述する

位相写像モデル

京大情報,神戸芸工大

A

塚本直史,藤坂博一,大内克哉

A

Kyoto Univ. Kobe Design Univ.A N. Tsukamoto, H. Fujisaka, K. OuchiA

複素

Ginzburg-Landau

方程式

˙

ψ = ψ + (1 + ic

1

)∇

2

ψ − (1 + ic

2

)|ψ|

2

ψ

(1)

は一般に空間一様な定常解の

Hopf

分岐点近傍を記述する。その方程式の

普遍性から,非常に多くの研究がなされている

[1]

。ここで

c

1

, c

2

は定数で

ある。

(1)

に対応した写像モデルとして

ψ

n+1

(r) =

Z

dr

0

J(r − r

0

n

(r

0

)

n

n

(r

0

)|

2

+ δ

o

−(1+ic2)/2

(2)

を考える。

δ > 0

は微小量,

J(r) = e

(1+ic1)∇2

δ(r)

である。この写像は式

(1)

を用いて

Ref.[2]

と同様の方法で構成される。また,

n

|

2

À δ

のとき,

(2)

δ

を無視し,

θ

n

= arg ψ

n

− c

2

log |ψ

n

|

とすれば,式

(2)

e

iθn+1(

r

)

=

Z

dr

0

J(r − r

0

)e

iθn(

r

0)

, ¯

¯

¯

¯

Z

dr

0

J(r − r

0

)e

iθn(

r

0)

¯

¯

¯

¯

1+ic2

(3)

という位相

θ

n

についての写像に変換できる。位相写像

(3)

Benjamin-Feir

不安定点

(1 + c

1

c

2

= 0)

近傍で式

(1)

と同様に位相乱流状態を示す。また式

(1)

において

ψ

の振幅が主要な役割を果たす現象

(

振幅乱流,螺旋波

)

を写

(2)

によって観測することができる。

今回の発表では,写像

(2)

が式

(1)

の振る舞いを定性的に再現することを

数値的,及び,解析的に示す。また写像

(2)

の振る舞いが実質的に位相写

(3)

で記述できること,すなわち,式

(1)

の振る舞いが振幅を繰り込んだ

位相の振る舞いから決まることについて議論を行いたい。

[1] I. S. Aranson, L. Kramer, Rev. Mod. Phys., 74, 99 (2002).

[2] S. Uchiyama, H. Fujisaka, Phy. Rev. E, 56, 99 (1997).

(2)

Synchronization of excitatory neurons

with strongly heterogeneous phase response

Yasuhiro Tsubo, Jun-nosuke Teramae, and Tomoki Fukai Laboratory for Neural Circuit Theory, RIKEN BSI

E-mail: [email protected] 大脳皮質神経細胞の同期発火現象は,脳の高次機能において重要な役割を果 たすと考えられている.同期発火現象は神経系の回路構造とともに,位相応答 などの神経細胞固有の性質によって影響を受ける.現在までの研究から,興奮 性神経細胞である錐体細胞の位相応答は,あるクラスの関数で記述されること, またそのクラスの中で定性的に異なる2つのタイプに分類されることが示され てきた.我々の最近の研究から,錐体細胞の位相応答はその細胞が属する層(場 所)に依存してそのタイプが異なることがわかった.さらに,同じ層に属する 錐体細胞であっても,その位相応答の形は同じタイプでも均質ではなく不均質 な性質をもつことがわかった.このように,神経細胞の位相応答は不均質であ ると考えられるが,不均質な位相応答をもつ振動子集団がどのような挙動を示 すのかは,明確にはわかっていない. そこで,我々は不均質な位相応答をもつ振動子集団の挙動を,大域的にパル ス結合された位相振動子モデルを用いて,解析的,数値的に調べた.その結果, 均質な場合に同期傾向が弱い位相応答をもつ振動子は,不均質にしても定性的 に変化がなかった.一方で,均質な場合に同期傾向が強い位相応答をもつ振動 子は,不均質性を強めると同期,部分同期,非同期と転移することがわかった.

(3)

1

真正粘菌変形体の予想と想起

∼振動子を用いた学習と記憶のメカニズム∼

手老 篤史 北海道大学工学研究科

三枝 徹 北海道大学創成科学研究機構

中垣 俊之 北海道大学創成科学研究機構

真正粘菌 Physarum polycephalum の変形体の「記憶」について発表する。真正 粘菌変形体は単細胞生物であり、記憶のようなものは持たないと考えられて来た。 だが、次のような実験結果が得られた。  変形体にとって冷たく乾燥した環境は悪い「刺激」となって作用する。このよ うな刺激を受けると変形体の活動が抑制される。この実験では、このような刺激 を 60 分程度(40 分∼90 分で観測済)の一定間隔を空けて 3 回与える。すると変形 体の活動はその度ごとに抑制される。この後、変形体は刺激の間隔を「学習」し、 次の 60 分後に刺激を与えなくても変形体は自主的に活動を抑制する。これは変形 体が一定間隔の刺激を受け、次のタイミングを「予想」したと見る事ができる。こ の後、しばらく刺激を与えない状態に置いておくと、変形体は回復し通常どおり に振舞う。だが、充分時間が経った後で、変形体にもう1度刺激を与えると、変 形体は一度受けた記憶を「想起」し、また 60 分後に活動を抑制する。このような 現象は「学習」した変形体にのみ見られる。  ここではこの実験結果を振動子を用いたモデル方程式により再現し、変形体の 記憶と学習のメカニズムについて説明する。

(4)

2 Fig. 1: 変形体の「学習」の実験結果。上段は実験における温度と湿度である。実 験開始から 120 分、180 分、240 分に温度と湿度を下げている。中段は変形体の移 動速度を示す。刺激を与えていないにもかかわらず、変形体は 300 分の時点で移動 速度を下げる。また、600 分の時点で刺激を与えると、660 分の時点でも移動速度 を下げる。これは「学習」していない変形体には見られない行動である(灰線で 比較)。下段はモデル方程式によるシミュレーション結果。「予想」と「想起」が 再現されている。

(5)

日長の季節性変動と概日リズム振動体

○徳丸信子, 福元達也, M.P.Butler, 本間さと, 本間研一

北海道大学大学院医学研究科生体機能学専攻

統合生理学講座時間生理学分野

キーワード: 視交叉上核 光周性 M 振動体 E 振動体

【目的】視交叉上核 (SCN) に存在する生物時計は光周期の変化に応じて同

調構成を変える. SCN の光周性同調の背後にあるとされる Morning とEvening

の二振動体の局在を調べるため, ラットを対象として短日・長日下で Per1,

Per2 発現リズムを視交叉上核部位別に解析した.

【方法】Wistar 系雄ラットを明暗 18:6 (長日) と6:18 (短日) の 2 種類の光周期

に暴露して, 行動リズムが各光周期条件に同調した後, 恒常暗 (DD) におい

て灌流固定し, 脳を採取した. 厚さ 30μm の冠状断連続切片を作成し, ジゴ

キシゲニンラベルプローブによる in situ hybridization を行った. SCN を75μm

四方の区画に分け, 区画別に陽性細胞数を計測した.

【結果】長日下では, Per1 発現細胞数は吻側では明期開始と終了後にピーク

を持つ 2 相性を示したが, 尾側に移行するに従って, 1 つのピークに統合され

た. また尾側での発現ピークが吻側での発現ピークより早い時間帯に見られ

た. しかしPer2 ではこのような部位別変化は Per1 ほど顕著ではなかった. ま

た短日下では, 遺伝子発現リズムの部位差は小さくなった.

【考察】長日下の Per1 発現からM 振動体は尾側にあると考えられ, 一方 E 振

動体は吻側に存在していると考えられる. E 振動体とM 振動体のカップリング

が光周性により変化することによって, 行動リズムに光周性が発現すると考え

られる.

(6)

ᄖㇱೝỗ䈮䉋䉎⁛┙䈭ᝄേሶ䈱หᦼ⃻⽎

੩ᄢℂ ᳗੗ ஜ ቯᏱ㔚ᵹࠍട߃ߚᤨޔ࠾ࡘ࡯ࡠࡦߩ⊒Ἣ࠲ࠗࡒࡦࠣߪ࡜ࡦ࠳ࡓߢ޽ࠆ߇ޔ౒ ㅢߩᄌേ㔚ᵹࠍട߃ࠆߣ⊒Ἣ࠲ࠗࡒࡦࠣ߇ߘࠈ߁ߎߣ߇ࡑࠗࡀࡦࠄߦࠃߞߡታ 㛎⊛ߦႎ๔ߐࠇߡ޿ࠆ[1]ޕߎߩࠃ߁ߦ⁛┙ߥᝄേሶߦ౒ㅢߩᄖㇱೝỗࠍട߃ࠆ ߎߣߢᝄേሶ߇หᦼߔࠆߎߣ߇޽ࠆޕߎߩࠃ߁ߥหᦼ⃻⽎ߪᄖㇱೝỗ߇ᓸዋߢ ޽ࠆߣ߈ߩℂ⺰⸃ᨆߪኹ೨ࠄߦࠃߞߡߥߐࠇߡ޿ࠆ߇[2]ޔ৻⥸⊛ߥ⸃ᨆߪ࿎㔍 ߢ޽ࠆޕ ߎࠇ߹ߢߦޔFitzHugh-Nagumo ࡕ࠺࡞ߦ㧞୯ࠍࡐࠕ࠰ࡦㆊ⒟ߢⴕ߈᧪ߔࠆᄖ ㇱೝỗࠍട߃ࠆߎߣߢޔߎߩࠃ߁ߥหᦼ⃻⽎߇⿠߈ࠆߎߣ߇⸘▚ᯏታ㛎ߦࠃߞ ߡ⏕⹺ߐࠇߡ޿ࠆޕߎߩหᦼ⃻⽎ߪᄖㇱೝỗߦࠃߞߡᒁ߈⿠ߎߐࠇࠆᝄേሶߩ ૏⋧ᄌൻࠍ૏⋧ߩ౮௝ߣᝒ߃ޔߘߩࡑ࠶ࡇࡦࠣߩ࡝ࠕࡊࡁࡈᜰᢙࠍ⹏ଔߔࠆߎ ߣߦࠃߞߡ㕖✢ᒻേജቇ⊛ߦℂ⸃ߢ߈ࠆ[3]ޕ ੹࿁⊒ା࿁〝ߦኻߒߡߎߩࠃ߁ߥᄖㇱೝỗࠍട߃ࠆߎߣߢޔห᭽ߩ૏⋧ߩห ᦼ⃻⽎߇⿠ߎࠆߎߣࠍታ㛎⊛ߦ␜ߔޕ߹ߚޔᄖㇱೝỗߦࠃࠆ૏⋧౮௝ࠍ᳞߼ޔ ℂ⺰⸃ᨆߣߩᲧセࠍⴕ߁ޕ

[1] Z. F. Mainen and T. J. Sejnowski, Science 268, 1503 1995. [2]J. Teramae, and D. Tanaka, Phys. Rev. Lett. 93, 204103 (2004) [3]K. Nagai, H. Nakao, and Y. Tsubo, Phys. Rev. E, 71, 036217 (2005)

࿑㧝:౒ㅢߩ࡜ࡦ࠳ࡓ㧞୯ࡁࠗ࠭ࠍട߃ࠆߎߣߦࠃࠆ⊒ା࿁〝ߩหᦼޕታ㛎㐿ᆎᤨᏀ ࿑ ߦߪᝄേሶߩ૏⋧߇ߕࠇߡ޿ࠆ߇ޔߒ߫ࠄߊߚߟߣฝ࿑ ૏⋧߇ߘࠈߞߡߊ

(7)

液滴運動の数理モデルとその数値計算法

長山 雅晴

金沢大学大学院自然科学研究科 数物科学専攻 助教授 *****アブストラクト***** 水面上を動き回る液滴(ペンタノ−ル)の運動を記述する数理モデルを提出する. また,その数理モデルに対する数値計算法を提案し, 液滴の分裂や結合する現象を数理モデルで再現できるかどうか検証を行う.

(8)

結合レスラー系を用いた連想記憶モデルのカーネ

ル法による解析

野村 真樹、青柳 富誌生

京都大学情報学研究科、科学技術振興機構

神経科学の分野において近年 Brain Machine Interface (BMI) の研究が注目されている。BMI 研究は 神経活動パターンを用いたロボット等のコントロールを目的としており、神経活動パターンとコント ロールを関連づける事 (学習) が必要である。学習過程では、様々なコントロールに対応する神経活動 パターンを弁別する必要があるため、複数のチャンネルから計測された多次元時系列神経活動データ 間の類似度を効率よく計算するアルゴリズムが必要である。一般に神経活動データは揺らぎを含んで おり、その様なデータに対してもロバストに処理可能な事がアルゴリズムには求められる。我々はそ のようなアルゴリズムの候補として多次元時系列データ間の類似度を計算するカーネル関数を作成し [1]、結合レスラー系を用いた連想記憶モデルから得たデータでこのカーネル関数をテストした。 本研究で用いた連想記憶モデルは位相パターンを想起可能であるが、カオス素子と時間依存する自 然周波数を用いている為その周期は揺らいでいる。下図 (a) では [0, 2π] で一様ランダムに生成した位 相パターンを 3 つ埋め込んだ連想記憶モデルの想起状態の様子である。各々のパターンに近い初期位 相をそれぞれ 50 個生成しそれを初期状態として系を時間発展させるとその全てで元のパターンを復 元できた。これら 1500 個のデータをカーネル関数で処理する事により、下図 (b) に表示したカーネ ル行列を得た。これよりトライアル#1-50、51-100、101-150 はそれぞれ類似したデータのクラスタを 形成しており、我々のカーネル関数が時系列データをロバストに分離できる事を示している。本研究 では、連想記憶モデルで従来より用いられているオーバーラップを用いた解析と、カーネル関数を用 いた解析とを比較する。カーネル関数を用いた解析では、位相を計算する必要が無い、埋め込んだ位 相パターンを知っている必要が無い、解析するデータは定常状態である必要が無い事等がメリットで ある。 trial1 100

200 trial25 trial50 trial#

trial51 100 200 trial75 trial100 trial101 10 20 30 100 200 trial125 10 20 30 trial150 10 20 30 time u ni t# trial# p att er n2 p att er n3 p att er n1 50 100 150 50 100 150 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 (a) (b) Fig. 1. (a)連想記憶モデルにおける想起状態。x = 0かつy < 0の平面をxが正の方向に横切るイベントを神経系で言うスパイクと みなしスパイク時刻をラスター表示した。レスラー素子数200を用いたモデルである。1500個のデータの一部を表示している。(b)(a) のデータを用いて得たカーネル行列。 REFERENCES

[1] L. Shpigelman, Y. Singer, R. Paz, and E. Vaadia, “Spikernels: Predicting arm movements by embedding population spike rate patterns in inner-product spaces,” Neural Comput., vol. 17, pp. 671–690, 2005.

(9)

回転外力に駆動されるパターンの動力学

京大情報 藤原 直哉,小林 丈朗,藤坂 博一 強い周期外力下における系の非線形応答は,非平衡統計力学のみならず物性物理や非線 形科学の観点からも興味深い問題である。振動外力下における応答の時間振動の対称性の 破れである動的相転移現象1)は,強磁性体をはじめ,触媒上での一酸化炭素の酸化反応2) やジョセフソン接合3) など,さまざまな物理系におけるモデルで報告されている。本講演 では,回転外力下での Time Dependent Ginzburg-Landau (TDGL) 方程式

∂tψ(r, t) = ψ + γψ∗− |ψ|2ψ + ∇2ψ + heiΩt, (ψ = X + iY ) (1) において動的相転移に伴って発生する,空間パターンの動的性質について報告する。 この方程式の空間一様振動解は,周期振動のほかカオス運動や準周期振動を示すパラメタ 領域がある。一様解がカオスを示す場合には時空カオスが発生する。図 1 は,γ = 0.3, Ω = 0.5, h = 0.5415 において空間一次元系で観測される空間パターンである。一様なカオス解 に,弱いノイズを加えた初期条件から出発すると図 1 (a) に示すように,ゆらぎの小さいラ ンダムなパターンが発生する。一方,加えるノイズ強度が強い場合には図 1 (c) に示すよう にゆらぎの大きなパルス的なパターンが発生する。これらのパターンは初期値鋭敏性をも つ。図 1 (b) と (d) は,空間平均 hψi(t) =R0Lψ(z, t)dz/L の軌道であるが,初期条件のゆら ぎが小さい場合は軌道は非対称であるのに対し (図 1 (b)),初期条件のゆらぎが大きい場合 には軌道は原点対称である (図 1 (d))。 空間二次元系において一様解が準周期振動の場合についても報告する予定である。準周 期軌道は,小さいが有限の γ に対しても観測された。γ 6= 0 の場合には時間に陽に依存す る項を消去することができないので,通常の位相ダイナミクスの方法で記述することがで きない。数値実験においては図 2 (a) のようなパターンが観測され,ターゲットパターンや スパイラルは観測されなかった。しかし,このパターンの外力の位相 θ = 0 のときのポア ンカレプット (図 2 (b)) の点は空間一様解のポアンカレプロットとほぼ重なり,このことは このパターンの動力学が位相ダイナミクスに類似の方法で記述できる可能性を示唆してい る。講演では,回転外力によって駆動される様々なパターンを報告するとともに,時空カ オスのパルスの崩壊過程などのパターンの動的性質について報告する予定である。 -0.55 -0.548 -0.546 -0.544 -0.542 -0.54 0 200 400 600 800 X(z,t) z (a) -1 0 1 -1 0 1 〈 Y 〉 〈 X 〉 (b) -0.5 0 0.5 1 0 400 800 1200 1600 X(z,t) z (c) -1 0 1 -1 0 1 〈 Y 〉 〈 X 〉 (d) 図 1: 時空カオス。(a) (b)はゆらぎが小さい時空カオ ス,(c) (d) はゆらぎが大きい時空カオス。 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 x y (a) -1.2 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 Y X (b) 図 2: γ = 0.05, Ω = 1.0, h = 0.5に おいて観測された二次元パターン。(a) X(x, y)のスナップショット。(b)パター ンの各点と空間一様解のポアンカレプ ロット。

1)B. K. Chakrabarti, and M. Acharyya, Rev. Mod. Phys. 71, 847 (1999). 2)E. Machado et al., Phys. Rev. E 71, 016120 (2005).

(10)

細胞性粘菌アメーバの自発的形態運動に現れる規則的パターン

猪瀬淳也1、松尾美希2、前田裕介1、岩谷卓1、佐野雅己1 1東京大学大学院理学系研究科 2東京大学生産技術研究所 本発表では細胞性粘菌のアメーバ形態細胞の形態運動の解析を行った結果を報告する。運動解析 の対象として、集合体を形成する前の段階の栄養状態にある細胞と、集合体を形成する直前の飢餓状 態にある細胞を用いる。これらの細胞の動きを位相顕微鏡により録画観測し、その映像をデジタルイ メージ分析により解析する。その分析では重心の運動と膜の運動が抽出され、特に膜の運動は、一次 元の場の運動に焼き直される。この分析によって、形態の運動がいくつかの運動モードに支配され ていることを示す (図)。また重心運動と形態の場の運動との間に、ある関係があることが示される。 これらの運動モードの分析により、栄養状態と飢餓状態の運動の定性的差異を明確に示すことがで きる。 CPINGFGI VKOGUGE CPINGFGI VKOGUGE

CPINGFGI CPINGFGI CPINGFGI

CORNKVWFGRKZGN XGNQEKV[RKZGNUGE CPINGFGI (a) (b) (c) (d) (e) (f) 図 1: 細胞性粘菌のアメーバ形態細胞の飢餓状態における自発的運動。膜の形態を表す場 (a)∼ (c) と、重心運動の速度場 (d) ∼ (f) が表示されている。ただし (a) と (d)、(b) と (e)、(c) と (f) は同 じイメージから得られている。ここは三つの特徴的運動パターンが示されている。(a)(d):直進運動 (b)(e):S字運動 (c)(f):仮足運動

(11)

[ タ イ ト ル ] 母 子 分 離 に よ る 新 生 児 ラ ッ ト 生 物 時 計 の 同 調 と 環 境 温 度 の 影 響 [ 所 属 ] 北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 統 合 生 理 学 講 座 時 間 生 理 学 分 野 ○ 松 野 亜 美 、 本 間 さ と 、 本 間 研 一 [ 目 的 ] 出 生 初 期 の 環 境 が 成 長 後 の 生 体 リ ズ ム に 及 ぼ す 影 響 の メ カ ニ ズ ム を 明 ら か に す る た め 、 出 生 直 後 の 仔 ラ ッ ト に 母 子 分 離 を 行 な い 、 分 離 中 の 仔 ラ ッ ト の 環 境 温 度 を 変 化 さ せ 生 物 時 計 の 機 能 を 解 析 し た 。 [ 方 法 ] 実 験 に は W i s t a r 系 ラ ッ ト を 用 い た 。 出 生 直 後 に 仔 ラ ッ ト の 眼 球 摘 出 を 行 な い 、 母 子 分 離 は 生 後 1 ∼ 5 日 の 5 日 間 、 明 期 開 始 か ら 6 時 間 と し た 。 母 子 分 離 中 、 仔 ラ ッ ト は 1 0 ℃ 、 2 0 ℃ 、 3 0 ℃ の 室 温 に 保 存 し た 。 そ の 後 、 仔 ラ ッ ト は 母 ラ ッ ト に 2 4 時 間 飼 育 さ せ 、 生 後 2 1 日 目 に 離 乳 し 、 個 別 ケ ー ジ に 移 し た 。仔 ラ ッ ト の 自 発 行 動 と 体 重 を 生 後 7 0 日 目 ま で 測 定 し た 。 [ 結 果 ] 離 乳 後 の 自 発 行 動 リ ズ ム の 活 動 開 始 位 相 を 指 標 と し て 仔 生 物 時 計 が 室 温 の 影 響 を 受 け る か 否 か を 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 母 子 分 離 中 の 室 温 が 1 0 ℃ の 群 は 、 活 動 開 始 位 相 が Z T ( z e i t g e i b e r t i m e ) 8 、 2 0 ℃ の 群 は Z T 2 3 、 3 0 ℃ の 群 は Z T 2 1 に 認 め ら れ 、 母 子 分 離 を せ ず に 眼 球 摘 出 の み の 対 照 群 で は 、 Z T 1 2 で あ っ た 。 [ 考 察 ] 以 上 の 結 果 か ら 出 生 初 期 の 環 境 温 度 の 違 い は 、仔 ラ ッ ト の 生 物 時 計 の 位 相 に 影 響 し 、 行 動 リ ズ ム に 変 化 を 与 え た 。 温 度 は 仔 ラ ッ ト の 生 物 時 計 の 同 調 因 子 に な る と 考 え ら れ る 。 [ キ ー ワ ー ド ] 母 子 分 離 、 温 度 、 行 動 リ ズ ム 、 同 調 因 子

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興奮性ニューラルネットワークにおける自発発火と刺激応答

北海道大学 電子科学研究所 情報数理 柳田達雄 一宮尚志 ニューロンは通常の細胞と異なり興奮と静止という二つの状態をとる。静止状態にあるニュー ロンに、閾値以上の刺激が加えられると、一定期間の興奮状態の後に静止状態へ戻る。外部から の刺激によって細胞体あるいは神経繊維の一部が興奮すると、その興奮はパルス上の信号となっ て繊維上を伝播する。このような興奮性ニューロンの定性的な性質を備えた簡単な数理モデルと して以下の FitzHugh-南雲 (FHN) モデルがある [1, 2]。 du/dt = u(u− α)(1 − u) − v, (1) dv/dt = τ (u− γv). (2) ここで α, γ, τ はパラメータであり、u = u(t) は活性度 (活性電位) を表し時定数の短い変数、v = v(t) は抑制度を表し遅い変数である。 一般に、ニューロンは神経繊維によって他の多くのニューロンと結合し、複雑なネットワーク を形成している。外部刺激によって細胞体が興奮したという情報は、パルス状の電気信号となっ て神経繊維上を伝播し、シナプスを介して他のニューロンに入力され刺激する。受け取った刺激 の総和が閾値を超えるとその細胞は興奮し、他のニューロンに情報を順次伝えていくと考えられ ている。 このようにニューロンがネットワーク結合したシステムの解析は縮約された位相振動子型ニュー ラル・ネットワークで行われている [3]。ここでは、素子が振動性ではなく興奮性のニューラル・ ネットワークを解析する。一般に、ネットワークは層状などの構造を形成しているが、ランダム に結合した以下のモデルを考える。 dui/dt = ui(ui− α)(1 − ui)− vi+ K Ni6=j κi,j(uj− ui), dvi/dt = τ (ui− γvi), Kは結合強度、N は素子数である。また、{κi,j} は隣接行列であり、ニューロン間の結合を決定 する以下の様なバイナリ結合を考える: κi,j = { 1, with probability 1− p −1, with probability p , ここで、p は抑制結合となる確率である。この系は興奮結合(引力的作用)と抑制結合(斥力的作 用)が混在し、フラストレーションがある。以下では α = 0.01, τ = 0.001, γ = 1.0 とし、興奮素 子を考える。p = 0 の場合は、全結合が興奮的であり、全素子が静止の状態 (ui, vi) = (0, 0)が大域 安定である。二つの興奮素子が抑制結合した場合には、周期発火・多重アトラクター・カオス発火 を導くことが知られているが [4]、抑制・興奮結合の混在した興奮素子のダイナミクスは解析され ていない。ここでは、素子間の抑制的結合の割合 p と結合強度 K に対する系の挙動を調べた。抑 制結合率 p の増加に伴い、全素子静止状態が不安定化し、図 1(a) の様な振動状態が現れる。この とき、隣接行列がランダムであるにもかかわらず、周期的なアトラクターが多数を占める。また、

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結合強度の増大に伴いニューロンは同期的に発火する傾向が見られる (図 1(c))。このような、発 火時間がランダムに凍結した安定周期解への分岐は κi,jの選び方によらない普遍的な性質のよう である。特に、素子数 N が十分に大きい場合には、振動解は全素子静止解から Hopf 分岐によっ て不安定化し、Kcの値は(κi,jに依らず) Kc(2p− 1) = α + γτ. (3) となる [5]。発表では遷移点の理論解析 (図 1(b)) と振動解の特徴づけ、外部刺激に対する応答につ いて報告する予定である。 0 1 p 0 0 .1 K 0 5 0 0 0 t  0 . 5 0 1 u i 0 5 0 0 0 t  0 . 5 0 1 u i 0 5 0 0 0 t  0 . 5 0 1 u i (a) (b) (c) 図 1: (a) 典型的な uiの時間発展の重ね書き:固定した{κi,j} に対して多数の発火パターンが共存 する。(b)(p, K)-パラメータ空間での相図:灰色領域は静止状態が安定な領域。点線は N À 1 で 静止状態が不安定化 (Hopf 分岐) する理論曲線。(c) 各素子に対する発火点の時系列:結合強度の 増加に伴い(下図が K 大)発火ニューロン数が増加し同期する。

参考文献

[1] R. FitzHugh. Impulses and physiological states in theoretical models of nerve membrane.

Biophysical Journal, 1:445–466, 1961.

[2] J. Nagumo, S. Arimoto, and S. Yoshizawa. An active pulse transmission line simulating nerve axon. Proc. IRE, 50:2061–2070, 1962.

[3] T. Aoyagi. Network of neural oscillators for retrieving phase information. Phys. Rev. Lett., 74:4075–4078, 1995.

[4] T. Yanagita, T. Ichinomiya, and Y. Oyama. Pair of excitable fitzhugh-nagumo elements: Synchronization, multistability, and chaos. Phys. Rev. E, 72(5):056218, Nov 2005.

[5] Y.Oyama, T.Yanagita, and T. Ichinomiya. Numerical analysis of fitzhugh-nagumo neurons on random networks. Prog. of Theor. Phys. Suppl., 161:389–392, 2006.

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コオロギ介在神経の同期発火による気流方向の符号化

北海道大学電子科学研究所 神経情報分野 余野央行

昆虫の神経系を構成する細胞の数は脊椎動物にくらべて 10 万分の 1 程度であるにもか かわらず、昆虫はすぐれた感覚器や行動発現能力をもち、環境に適応している。細胞数が 少なく,同定可能な神経回路網をもつ昆虫は、神経系での情報処理機構をニューロンレベ ルで解析するのに都合のよい材料である。なかでも、コオロギの気流感覚系は感覚受容か ら行動解発までの神経経路が比較的よくわかっている系である。 コオロギは捕食者が近づくと、その時発生す る気流の動きを検知して、気流の来た方向と は反対の方向に正確に逃避行動をおこす。腹 部後端にある気流を検知する感覚器 (尾葉) か ら脳へ気流情報を伝達する複数の介在神経よ り電気信号を記録し、どのように気流方向を 符号化しているのかについて研究を行った。 その結果、特定の組み合わせの介在神経が、 特定の方向から気流刺激を与えているときに のみ同期して発火することがわかった。また 異なる介在神経の組は、異なる気流刺激方向 に対して同期発火していることがわかった。 図は介在神経 10-2 と介在神経 10-3 の組の同 期発火による directional tuning curve。また、 情報量解析によって 10ms 程度の time window のとき、方向に関して最大の情報を運んでい ることがわかった。さらに、感覚器からの興 奮性、および抑制性入力によって介在神経ど うしの同期発火が実現していることも明らか にした。 このことから、コオロギは介在神経どうしの 同期発火によって気流方向を認識している可 能性がある。 図 1: 気流刺激方向による二つの介在神経の発火 パターンの変化。刺激は Gaussian White Noise。

10-3L & 10-3R 12 8 4 0 4 8 12 N=9 0 90 180 events/s 270 6 4 2 0 2 4 6 N=9 0 90 180 events/s 270 6 4 2 0 2 4 6 N=9 0 90 180 events/s 270 10-2L & 10-3L 10-2R & 10-3R 12 8 4 0 4 8 12 N=9 0 90 180 events/s 270 10-2L & 10-2R 図 2: コオロギ気流感覚系介在神経どうしの同 期発火での directional tuning curve。L は左体 側、R は右体側の介在神経。

参照

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