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資料5-1 博士後期課程 基本計画

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札幌市立大学大学院〔博士後期課程〕

基本計画

平成22年10月

公立大学法人札幌市立大学

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札幌市立大学大学院〔博士後期課程〕基本計画

目 次

Ⅰ 基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1.設置の趣旨及び必要性 2.教育・研究理念 3.育成する人材像 4.地域貢献

Ⅱ 大学院〔博士後期課程〕の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

1.大学院〔博士後期課程〕の概要 2.デザイン研究科の特色 3.看護学研究科の特色

Ⅲ 教育・研究上の特色ある取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

1.昼夜開講制の実施 2.長期履修学生制度の実施 3.両研究科の連携

Ⅳ 入学者の受入等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

1.基本的な考え方 2.国際化への対応

Ⅴ 管理運営体制等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

1.教員組織 2.研究指導方法及び履修指導方法 3.自己点検・評価 4.情報の提供 5.教員の資質の維持向上(FD)

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Ⅵ 施設・設備

1.施設・設備の整備

... 12

Ⅶ スケジュール

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札幌市立大学大学院〔博士後期課程〕基本計画

Ⅰ 基本的な考え方

1.設置の趣旨及び必要性 (1)設置の趣旨 「知識基盤社会 1」の時代である21世紀を迎え、高等教育機関においては社会におけ る様々な課題を発見・解決し、安心して豊かに暮らせる社会の構築に貢献できる教育・ 研究への取り組みがこれまで以上に強く求められている。また、北海道や札幌にあって は、地域の振興や国際競争力の確保の点において、高度の専門性を培い、より一層の地 域活性化を促す教育・研究機能を提供することが期待されている。 このことから、札幌市立大学では、既設のデザイン研究科修士課程及び看護学研究科 修士課程における教育・研究活動を更に発展させ、より高度な実践的専門職業人並びに 高度な研究者・教育者の育成を目的として両研究科に博士後期課程(以下本課程という) を設置する。 博士課程については、「専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又 はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる 豊かな学識を養うことを目的とする。」(大学院設置基準第四条)こととされており、本課 程の設置により、多角的な分析、検証を重ね、独創的な視点から一層深い研究を行い、 複雑かつ多岐に亘る地域の課題を発見・解決できる能力を身に付けた人材を育成する。 本課程は、デザイン・看護それぞれの分野における学術研究の理論の高度化の追究と 両分野のサービスの高度化に向けた方法論研究を通じて、本学の教育・研究理念に基づ く独自の教育・研究をより高い次元で具現化し、その社会的ニーズに応えようとするも のである。 (2)設置の必要性 社会情勢が急速に変化し、複雑化・多様化する現代社会においては、高度で専門的な 知識や社会に内在する様々な課題を発見・解決する的確な判断能力及び処理能力を身に 付け、未来を見据えた新たな施策やシステムを開発・構築・革新できる高度な能力を有 する専門職業人の育成が望まれている。また、新たな発想のもと、高度で先端的な研究 活動を推進する研究者や、深い学識と豊かな人間性をベースに高い専門性と実践的指導 力を有する教育者の育成が期待されている。 デザイン分野においては、近年、デザインそのものの概念が拡張し、社会におけるデ ザインの果たす役割がますます重要となっている中で、従来のような造形や視覚表現に とどまらず、地域社会や産業等の複雑な問題をデザイン課題として受け止め、それを解 1 21 世紀は,新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す「知識基 盤社会」(knowledge-based society)の時代であると言われている。(平成 17 年中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」より)

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2 決するための新たなデザイン理論を構築し、地域社会の発展や産業の振興に貢献できる 人材の育成が喫緊の課題となっている。 一方、保健医療福祉分野に目を向けると、北海道では道内人口に対する 65 歳以上の老 年人口の割合が 24.2%を占める2超高齢社会となる中で、更なる少子化の進展、市民の健 康指向の拡大、医療現場の急速な技術革新、保健医療制度の変革、保健分野・医療分野・ 福祉分野の相互の連携等、社会構造や市民の意識の変化とともに新たな地域課題が生じ ており、看護の果たす役割はますます重要となっている。看護分野では、高度な学識と 豊かな臨床経験に裏打ちされた高い看護能力を備え、安全・安心な地域社会を支え、自 ら行動できる看護実践者や研究者の育成とともに、そのような人材を育てることのでき る教育者の育成が望まれている。 また、地球規模で進展するボーダレス化を背景に、様々な分野において、国際的な広 い視野で社会事象を的確に捉え、深い洞察による適切な対応を図ることが不可欠となっ ている。デザイン・看護分野にあっても、国際社会の一員として諸外国の異文化や価値 観の理解のもと、自立した活動ができる専門職の育成が必要である。本課程では、こう した状況を踏まえ、最高学府として教育・研究機能の更なる高度化を図るとともに、国 際的な学術交流環境を整えることとし、外国人留学生(正規留学)の受け入れや、教員 及び学生の学術交流を積極的に推進する。 2.教育・研究理念 ○人間重視を根幹とした高度な教育・研究を実践し、「知と創造の拠点」として地域か らの付託に応える ○デザイン・看護分野における高度で実践的な教育・研究を通じて、より深い知識と応 用力を涵養し、高度の専門知識・技術を基盤に社会の発展に資する ○高度で先進的な教育・研究の中枢機関として機能し、人々の健康で豊かな生活の創造 と地域社会の発展に寄与する ○新しい理論構築や技術開発に独創的に取り組み、新たな社会価値の創造を図る 3.育成する人材像 (1)基本的な考え方 両研究科の本課程においては、学部及び修士課程の教育・研究を基盤に、より高度な 教育・研究に発展的に取り組み、デザイン・看護分野において自立的な研究能力を備え た高度専門職業人及び研究者・教育者を育成し、地域が抱える様々な課題に対して、専 門的かつ高度な知識・技術を基に的確な課題解決を図り、豊かな地域社会の実現に貢献 する。 2 総務省統計局公表「人口推計」(H21.10.01 現在)より

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(2)育成する人材像 (ア)高度専門職業人の育成 多様化、複雑化する社会問題に現実的かつ柔軟に対処でき、多岐に亘る地域課題の分 析、課題解決を図る高度な知識と能力を有する高度専門職業人を育成するとともに、高 度な知識やマネジメント能力、コミュニケーション能力を有し、リーダーシップを発揮 しながら新たな社会価値を創造できる人材を育成する。 (イ) 研究者の育成 自主的・自立的に高度な研究活動を展開できる能力を備え、独創的・先端的な研究の 遂行とその成果を通じて、新たな理論や価値を創造し、デザイン及び看護の視点を軸と した諸課題への提言等を行い、安心して暮らせる豊かな地域社会の実現に指導的役割を 担うことができる研究者を育成する。 (ウ)教育者の育成 高度な教育技法や研究技法を修得し、深い学識と豊かな人間性をベースに、大学等の 高等教育機関において、次世代を担う若者に高度な教育・研究の成果とその方法論、指 導論等を高い倫理観や職業観を持って教授し、高等教育機関の発展に貢献できる教育者 を育成する。 4.地域貢献 (1)基本的な考え方 本学大学院に本課程を設置し、最高学府として博士の人材育成に取り組むことにより、 本学が教育・研究上の目的に掲げる「まちづくり全体により大きな価値を生み出す『知 と創造の拠点』の形成」をより高次に実現させる。このことによって札幌市を始め道内 自治体や地元企業等との協働・連携の強化を図り、より一層の地域貢献に取り組む体制 を確立し、地域を担う高度専門職業人及び研究者・教育者を育成するとともに、高度な 教育・研究成果を基にした地域貢献を推進する。 具体的には、これまでの学部及び修士課程の教育・研究レベルで取り組んできた地域 課題に対して、本課程における高度な教育・研究の成果を活用することにより、理論及 び実践の両面から総合的に取り組み、より一層の成果を上げることを意図する。また、 将来的な地域の課題を予測した提案等にも取り組み、本学が行う地域貢献全体の質的高 度化を図る。 地域貢献で取り組む分野については、本課程が両研究科ともに学部及び修士課程を基 礎に設置することから、様々な地域課題に対して、より長期的な視野に立ち、多角的に 取り組むことを通じて、具体的かつ効果的な地域貢献を果たす。

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4 (2)具体的な取組内容・方法 本課程では、デザイン・看護分野における教育・研究活動を通じて、デザイン関係及 び保健医療福祉関係における具体的な地域貢献の取り組みを次のとおり計画する。 (ア)地元自治体が抱える課題への取組 持続可能なまちづくりや地域活性化への取り組み、積雪寒冷地としての地域課題等に ついて、高度な教育・研究の成果を基にした提言等を行う。 また、デザイン・看護分野それぞれの専門的見地から、より安心で暮らしやすいまち づくりの実現に向け、一層高度な研究に取り組む。 【デザイン関係の取組例】 ○ 積雪寒冷地における都市空間・住空間の改善に対する研究 ・ 積雪寒冷地としての地域特性をエコロジカルの視点から捉え、雪・氷及び北国の涼風を利用した夏季 冷房システムの構築に取り組む等、市民が快適に暮らせる都市空間・住空間を確保するための研究・ 提言を行う。 ○ 路面電車をはじめとする公共交通ネットワークシステムの整備に対する研究 ・ 札幌市の路面電車のトータルデザインについて、多角的な調査・研究に取り組み、都市型公共交通シス テムの構想づくり等を支援する。 【保健医療福祉関係の取組例】 ○ 高齢在宅ケアにおける行政課題への対応 ・ 在宅看護の需要が増加する現状に鑑み、看護技術の評価・検証を通じて、より安全な看護サービスのあり 方を探求し、その成果を行政に対する看護政策として提言する。 ○ 地域における子育て支援への対応 ・ 保健医療福祉の視点から子育て支援、虐待予防ネットワークの構築等に関する調査・研究に取り組む。 (イ)地元企業や保健医療福祉機関が抱える課題への取組 地域の企業等を交えた産学公連携事業や受託研究、共同研究等を通じて地元産業の活 性化に寄与する。デザイン分野においては、高度な教育・研究の成果を基に、産業振興 策と連携した地域ブランドの構築や新産業の創出を支援する。看護分野においては、保 健医療福祉機関等とのネットワークを活かした共同研究により課題解決に取り組む。 【デザイン・保健医療福祉関係共通の取組例】 ○ 保健医療福祉分野における教育教材等の研究、開発 ・ 両研究科における人間工学的視点と臨床現場の視点から、ユニバーサルデザインを活かした保健医療福 祉分野での医療器具や教育教材の研究、開発等に取り組む。 【デザイン関係の取組例】 ○ ICT・コンテンツ等新産業育成に対する研究 ・ 製品デザイン分野とコンテンツ・メディアデザイン分野を発展・融合させた「人間情報デザイン分野」に おいてICT・コンテンツ等新産業育成について研究する。 ○ デザインによる観光資源の有効活用に対する研究 ・ アジア地域から札幌圏への観光客が増加していることを踏まえ、コンテンツやメディアを活用したP R手法や新たな観光メニューの創造に取り組む。 ○ デザインによる地元の食産業の振興に対する研究 ・ 北海道の食に関する情報を消費者の視点に立ったコンテンツとして整理・発信し、消費の促進に向け た研究を行う。 ・ 食品のパッケージデザイン等の提案・評価等を通じて商品の付加価値を創造し、販路拡大の可能性を

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研究する。 【保健医療福祉関係の取組例】 ○ 看護職の技術開発や評価によるサービス向上に向けた研究 ・ 最新の看護技術・評価手法の研究・開発に取り組み、その技術を医療現場等で活用しながら継続して評価 を行うことにより、看護技術力の向上とサービスの高度化を図る。 ○ 地域の保健医療福祉分野の課題解決研究・コンサルテーションを担う人材の育成 ・ 看護の各領域に特化した高度な看護理論・技術、研究成果等を活用して、地域の潜在的保健医療ニーズ を掘り起こし、保健医療福祉分野における課題解決やコンサルティングを行う人材を輩出する。 (ウ)市民に開かれた取組 より豊かで健康的な生活を創造するため、市民と一体となって地域づくりや健康づく りを支援し、生涯学習等を通じた知的資源の提供や産学公連携による知の交流拠点とし て市民生活に貢献する。具体的には、デザイン分野においては、より豊かで快適なまち づくりに対する支援を中心とした活動を行う。看護分野においては、地域看護や在宅看 護・介護への理解を深めるとともに、誰もが安全に看護や介護の実践ができるよう研修 会や講演会等を行う。研修会は専門職のみならず一般市民も対象とし、安心して暮らせ る健やかなまちづくりと市民の健康づくりに寄与する。 【デザイン・保健医療福祉関係共通の取組例】 ○ 社会人学生の積極的な受け入れと地域に貢献できる人材の育成 ・ 社会人等が勤務を続けながら大学院で学修できるよう昼夜開講制や長期履修学生制度を導入し、社会人 等の多様な生涯学習ニーズに対応するとともに、地域に貢献できる高度専門職業人及び研究者・教育者 を育成する。 ○ デザイン分野、保健医療福祉分野における公開講座、専門講座の開催 ・ 高度な教育・研究の成果である知的財産を広く地域に還元するため、市民を対象とした公開講座、研修会、 講演会等を積極的に開催する。 【デザイン関係の取組例】 ○ 持続可能なまちづくりに対する研究 ・ 環境保全、都市空間整備、コミュニティ活動、都市景観、観光産業等について、プロジェクト研究を行 い、行政施策への提言を通じて豊かな市民生活の創造に寄与する。 【保健医療福祉関係の取組例】 ○ 現職看護師等の再教育支援 ・ 実践の医療現場で勤務する現職看護師や潜在看護師を対象に、医療の高度化等への対応、他職種との有 機的連携を果たすための再教育を行う。 ○ 模擬患者養成と看護教育への協力体制づくり ・ 一般市民が模擬患者として看護教育に参画するための教育支援を行い、市民とともに看護学教育の評 価・検証、あるいはシステムの構築を行う等、市民の社会参加を通じた健康づくりを推進する。 (エ)地域に根ざした研究体制の構築 本課程の設置を機に、本学では行政や地元企業、保健医療福祉機関との協働による恒 常的で持続可能な地域基盤型研究体制の構築を目指す。具体的には、本学の地域連携研 究センターの強化を図り、行政や地元企業、保健医療福祉機関等の専門家や実務担当者 等との協力体制を築き、これらの関係者等から示される今日的な行政課題や地域課題等

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6 を研究テーマとして検討・設定し、本課程においてその研究に取り組む。 本研究体制の構築により、地域社会のニーズと大学院教育のマッチングを図り、地域 課題をテーマとする研究を推進する。

Ⅱ 大学院〔博士後期課程〕の概要

1.大学院〔博士後期課程〕の概要 名 称 札幌市立大学大学院 設 置 者 公立大学法人札幌市立大学 研 究 科 ・ 専 攻 デザイン研究科 デザイン専攻 看護学研究科 看護学専攻 課 程 博士後期課程 学 位 の 種 類 博士(デザイン学) 博士(看護学) 標 準 修 業 年 限 3年 入 学 定 員 3人* 3人 設 置 時 期 平成24年4月 設 置 場 所 札幌市南区芸術の森1丁目 (芸術の森キャンパス) 札幌市中央区北11条西13丁目 (桑園キャンパス) *)平成 20 年 6 月策定の大学院基本計画において、デザイン研究科は 4 領域を想定し、入学定員を「4 人」としていたが、その後、 修士課程を 3 領域としたため、入学定員を「3 人」に変更した。

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2.デザイン研究科の特色 (1)教育目標 地域社会は、環境、医療、文化、生活、情報、経済、産業、国際関係、行政等、多種 多様なシステムが複雑かつ相互に関係しながら構成されており、近年の社会構造の急激 な変化に伴い、様々な課題が生じている。 本課程では、地域社会に内在する様々な課題をデザインの視点から発見するとともに、 高度な教育・研究の成果を通じてその解決策を見い出し、地域の再生や活性化等に貢献 することを目指している。 本課程の教育・研究分野は、修士課程の教育・研究分野である「空間デザイン分野」 「製品デザイン分野」「コンテンツ・メディアデザイン分野」を基に、「空間デザイン分 野」を発展させた「人間空間デザイン分野」を設けるとともに、「製品デザイン分野」と 「コンテンツ・メディアデザイン分野」を発展、融合させた「人間情報デザイン分野」 の二分野を設け、より高度な教育・研究に取り組み、豊かな人間生活・地域社会の実現 を目指す。 「人間空間デザイン分野」では、建築をはじめ、都市や景観等、人間生活を取り巻く 様々な空間と環境を対象に高度な教育・研究を行う。自然環境問題や少子高齢社会、更 には積雪寒冷地としての地域課題を踏まえ、自然との調和及び省エネルギーの視点を重 視しながら、次世代の人間空間設計論を追究する。 「人間情報デザイン分野」では、身の回りに存在する様々なモノ(製品)やコンテン ツを対象に、人間とその対象との間の身体的、生理的、感性的な相互作用を研究し、両 者間のより良い関係を構築する次世代の人間情報設計論を追究する。 (2)教育課程の考え方 本課程の教育課程は、「人間空間デザイン分野」では、建築及び都市の人間と空間の デザインに関する新たな理論の構築ができる人材を、「人間情報デザイン分野」では、 人間とモノや情報のインタラクションデザイン 3に関する新たな理論の構築、ならびに 地域社会活性化への高度なサービス設計ができる人材を育成するため、次の考え方によ り教育課程を設定し、地域活性化を多面的な視点からアプローチできるような教育及び 研究指導を行う。 教育課程は、連携科目、専門科目、特別研究の区分を設け、専門科目は、専門基礎科 目及び専門教育科目で編成する。 連携科目は、両研究科が連携する演習科目により構成し、高度専門職業人及び研究者・ 教育者に求められる基本的な素養と幅広い視野を養う。 専門基礎科目は、学生が博士後期課程において高度な研究に取り組み、それを支えて 3 人が製品やサービスを通じて、どのようにして互いとつながり合うかを扱うデザイン。インタラクションとは、ふたつ以上の存在が相互に影 響を及ぼしあうことをさす。

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8 いくための授業科目を配置し、高度なデザイン研究を進めるための知識・技術を教授す る。また、様々な社会課題へ多面的な視点からアプローチできるよう両分野の枠を超え て横断的な科目選択が可能な仕組みを構築する。 専門教育科目は、特論科目を配置し、学生は研究指導教員が担当する特論及び演習を 中心に履修するとともに、研究及び論文作成のため複合領域として関連する特論を履修 する。 学生は、講義・演習の授業科目を履修するとともに、特別研究において研究指導教員 から博士論文作成のために必要な助言・指導を受け、研究の集大成となる博士論文を取 りまとめる。 (3)人材育成の考え方 本課程では、二つのデザイン分野を設けて多面的な能力ならびに創造力を備えた人材 育成を行う。 「人間空間デザイン分野」では、自然環境問題や省エネルギーに加え、北国の積雪寒 冷地としての地域特性を踏まえ、屋内外の様々な空間を対象として、住環境をはじめと する建築デザインや環境デザインに関する高度なデザイン能力を基に、生活をより豊か にする人間空間のデザインや企画立案に取り組むことができる高度専門職業人を育成す るとともに、その実現に向けた新たな理論構築を行うことができる研究者・教育者を育 成する。 「人間情報デザイン分野」では、人間とモノ(製品)やコンテンツとの間に生じる身 体的、生理的、感性的な相互作用を研究対象とし、同時にコンテンツの創作やその機能 性の研究に取り組み、モノやコンテンツに一層の付加価値や機能性を付加して、ユーザ ビリティ 4を高め、誰もがより簡便で快適に使えるモノやコンテンツの研究を行う。そ のため、理論的、統計的もしくは感性的データ等による多角的な解析・分析の結果を活 かした人間情報のデザインや企画立案に取り組み、人間の感性に訴求するインタフェー スの実現やコンテンツの創造ができる高度専門職業人を育成するとともに、より豊かな インタフェースの新たな理論構築を行うことができる研究者・教育者を育成する。 想定される修了後の進路は次の通りである。 ① 情報系産業等のサービス産業をはじめ、建設業、製造業等における企画立案部門、 設計部門のプロジェクトマネージャー、設計技術者等の高度専門職業人 ② 公的試験研究機関、民間企業の研究部門・研究所、シンクタンク等における研究 者 ③ 本学デザイン学部の教員をはじめ、大学等の高等教育機関における教育者 4 コンピューターやソフトウエア、機械製品などの使いやすさ、使い勝手をさす。Usability とは、use+able に由来する。 5 新しい医療を開発し、臨床の場で試用してその有効性と安全性を確認し、日常医療へ応用していくまでの一連の研究過程をいう。 6 証拠、根拠、証明、検証結果。科学的根拠、臨床的な裏づけをいう。

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なお、本課程では、職業を有する社会人を積極的に受け入れるため、高度な知識・技 術を修得し、本課程修了後は、従前の勤務先において、より実践的に活躍することも考 えられる。 3.看護学研究科の特色 (1)教育目標 近年の健康志向の高まりや医療制度の改革、更に日進月歩で進行する臨床現場での技 術革新等、保健医療福祉分野の構造的変化がかつてない速さで進展している現代社会に おいては、高度な知識、技能とともに管理能力、判断能力、実践能力等を修得した看護 職育成の必要性が高まっている。人々が安心して健康で豊かな生活を送るためには、グ ローバルな視点で思考し、地域に根ざして実践・行動する人材が必要である。 本課程では、修士課程の教育・研究分野である「実践看護学分野」と「看護マネジメ ント学分野」をより高度に発展、融合させた「看護実践開発学分野」を設け、トランス レーショナルリサーチ 5等による研究をその特長としながら、看護基礎教育と看護継続 教育・看護卒後教育の有機的連携を意図した教育・研究を行う。 これにより、高い指導力を発揮し、臨床現場での新たな技術開発やシステム開発を実 現する高度な看護専門職業人を育成するとともに、エビデンス 6に基づいた看護学の基 礎研究や応用研究を自立的に推進し、その成果を臨床現場に普及できる高い研究・教育 能力を備えた研究者・教育者を育成する。 (2)教育課程の考え方 本課程は修士課程の「実践看護学分野」と「看護マネジメント学分野」をより高度に 発展、融合させた「看護実践開発学分野」の一分野で構成し、教育課程は、連携科目、 専門基礎科目、専門科目、論文(特別研究)の科目区分により授業科目を配置する。 連携科目は、両研究科が連携する演習科目により構成し、高度専門職業人及び研究者・ 教育者に求められる基本的な素養と幅広い視野を養う。 専門基礎科目では、看護企業開発や看護指導者の人材育成を意識した看護開発学特講 を設けるほか、ディベートや行動分析を行う看護開発学ゼミ等を開講する。 また、専門科目には、より高度な実践力を涵養することを目的に、看護実践開発学と 看護教育開発学に関するコア科目(特講・ゼミ)を配置する。 学生は、講義・演習の授業科目を履修するとともに、特別研究において研究指導教員 から博士論文作成のために必要な助言・指導を受け、研究の集大成となる博士論文を取 りまとめる。 5 新しい医療を開発し、臨床の場で試用してその有効性と安全性を確認し、日常医療へ応用していくまでの一連の研究過程をいう。 6 証拠、根拠、証明、検証結果。科学的根拠、臨床的な裏づけをいう。 6 証拠、根拠、証明、検証結果。科学的根拠、臨床的な裏づけをいう。

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10 (3)人材育成の考え方 保健医療福祉分野では、高度な学識と豊かな臨床経験の両面から的確な分析・評価を 行い、その結果を現場にフィードバックし、組織やシステムを再構築できる人材が求め られており、本課程では以下に掲げる人材を育成する。 ① 将来を見据えた様々な看護現象の分析・評価により、組織変革、看護(医療)コ ンサルティング、看護政策等、看護システムをグローバルに構築・変革し、その 実現に向けて自ら行動できる高度専門職業人 ② 地域社会の健康問題の解決に寄与する看護学の基礎研究・応用研究に自立的に取 り組み、保健医療体制を基軸とした人材育成システム等の開発・提言ができる研 究者、開発者 ③ 自ら高度な看護実践能力を有し、指導的な立場で看護の質の向上・改善に取り組 むことのできる卓越した看護実践者及び管理者を養成できる教育者 なお、本課程では、職業を有する社会人を積極的に受け入れるため、高度な知識・技 術を修得し、本課程修了後は、従前の勤務先において、より実践的に活躍することも考 えられる。

Ⅲ 教育・研究上の特色ある取組

1.昼夜開講制の実施 昨今の生涯学習ニーズに応え、社会人学生を積極的に受入れることを目的として、両研究 科において大学院設置基準第14条に定める教育方法の特例「昼夜開講制」を実施し、授業 を昼夜間の時間帯に重複して開講する。 2.長期履修学生制度の実施 職業を有している等の事情により標準修業年限内での修学が困難な学生を対象に、一定の 延長期間を加えた期間で計画的に学修することを認める「長期履修学生制度」を両研究科に おいて実施する。 3.両研究科の連携 異分野であるデザインと看護の連携による教育・研究を通じ、人々の多種多様な価値観を 認め、社会における協調性や人間性を育むことを狙いとする連携科目(スタートアップ演習、 学部連携演習、連携プロジェクト演習)は、本学の学部及び修士課程における特長的な取り 組みとなっている。

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本課程においても、その実効性の認識のもと連携教育に発展的に取り組むこととし、両研 究科共通の演習科目を設けて、学問分野を問わず高度専門職業人及び研究者・教育者として 求められる基本的な素養と幅広い視野を養う。

Ⅳ 入学者の受入等

1.基本的な考え方 本課程の設置の趣旨、教育・研究理念を踏まえ、アドミッションポリシーを策定し、その 受入方針に基づいて両研究科の目的に沿った優秀な人材を受け入れる。また、大学院教育を 受けるに相応しい能力・適性を備えた人材を選抜するため、公平かつ透明性のある選抜方法 を実施し、本学及び他大学院の修士課程修了生をはじめ、社会人、外国人留学生等の多様な 人材を幅広く受け入れる。 なお、社会人学生については、学問の更なる追究を図ることを目的に自ら入学を志願する 者に加えて、勤務先等からの要請により、専門的な知識や技術の修得とともに学位の修得を 目指す者が見込まれる。 2.国際化への対応 進展する国際化に対応するため、東アジアを中心とする諸外国から外国人留学生(正規留 学)の受け入れも積極的に行うこととする。更にデザイン・看護分野における先進事例や新 たな技術・理論等の学修の機会を確保し、グローバルな視点から本学の教育・研究水準を高 めることを意図して、学術交流協定校を中心とした教員及び学生の学術交流を積極的に推進 する。

Ⅴ 管理運営体制等

1.教員組織 両研究科ともに教育実績、研究業績、実務経験等において高い資質・能力を備えた専任教 員を配置し、学部教育から本課程まで連続性、一貫性のある教育・研究を行い、きめ細やか な指導のもと、十分な教育効果を上げることのできる教員組織を構築する。 2.研究指導方法及び履修指導方法 研究指導は、研究指導教員が学生の理解度、進行度等を評価しながら行う。特別研究にお ける博士論文のテーマは、研究指導教員及び関連分野の教員の指導のもとで決定し、学生は 定期的に指導、助言を受けながら論文を完成させる。また、学生の段階的・効果的な学修、 理解を促すため履修モデルを用意する。

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12 3.自己点検・評価 自己点検・評価は、本学の開設当初から学内委員会を設け、開学3年目(平成 20 年度)に、 開学からの2年間を自己点検・評価の対象とした中間的な評価を実施している。 近年、高等教育機関が取り組むべき方向性として重要視されている「質の保証」の観点に 立ち、本課程においても教育・研究等の内容を継続的に検証・改善する自己点検・評価を実 施する。 4.情報の提供 大学の社会に対する説明責任を果たすとともに教育の質を向上させることを意図して平成 23 年度から施行される法令(学校教育法施行規則)の改正を踏まえ、更に公立大学法人とし て地域社会に対する説明責任を果たすため、本課程での教育・研究等に係る情報や教員組織 に関する情報、進学者・卒業者の状況に関する情報等について、ホームページや各種刊行物、 公開講座等を通じて、広く社会に提供する。 5.教員の資質の維持向上(FD) FD活動に関しては、教員の資質の維持向上を図るため、学内委員会を設け、学内・学外 研修会の実施、教員相互の授業参観等に積極的に取り組んできたところであり、本課程にお いても継続して実施する。

Ⅵ 施設・設備

1.施設・設備の整備 デザイン研究科は芸術の森キャンパス、看護学研究科は桑園キャンパスをそれぞれの中心 キャンパスとして教育・研究を行い、両キャンパスともに大学院修士課程の設置にあわせて 建設した大学院棟を使用する。また、高度な教育・研究に対応するため、図書及び学術雑誌、 機械・器具等の整備を行う。

Ⅶ スケジュール

1.大学院整備スケジュール 平成 23 年5月に文部科学省へ課程変更認可申請を行い、平成 24 年4月に両研究科に本課 程を設置する。また、本課程の設置にあわせて、既存の両研究科の修士課程をそれぞれ博士

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