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本日の内容 化学療法 ( 抗がん剤治療 ) の現状 肺がん治療薬と副作用 いざという時に備えて

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本日の内容

• 化学療法(抗がん剤治療)の現状

• 肺がん治療薬と副作用

(3)

抗がん剤治療に対するイメージ

苦しい

負の3K

怖い

(4)

がん化学療法の進歩

化学療法の目標 治療の進歩 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 強い副作用を伴う化学療法が行われていた 生存期間の延長が期待できる抗がん剤の登場 副作用に対する有効な支持療法の登場 副作用の少ない抗がん剤の登場 外来化学療法が可能となる 外来化学療法の普及 腫瘍縮小効果 生存期間の延長 QOLの改善 生存期間の延長

(5)

化学療法実施件数

2007年 2008年 2009年 3487 3447 4000 1767 2101 2321

入院

外来

(6)

各種悪性腫瘍に対するがん薬物療法の有効性

1997年 治癒が 期待できる 絨毛がん、急性非リンパ性白 血病、Hodgkin病、 非Hodgikinリンパ腫(中・高 悪性度)、睾丸腫瘍 延命が 期待できる 小細胞肺がん、乳がん、 卵巣がん、多発性骨髄腫、 慢性骨髄性白血病、 悪性リンパ腫(低悪性度) 症状改善が 期待できる 非小細胞肺がん、前立腺がん、 軟部組織肉腫、頭頸部がん、 膀胱がん、食道がん、胃がん、 子宮頸がん、大腸がん 抗がん剤の 効果があまり 期待できない 悪性黒色腫、甲状腺がん、 膵がん、肝がん、脳腫瘍、 腎がん がん診療レジデントマニュアル第5版(医学書院)を改変 2010年 急性骨髄性白血病、急性リンパ性白 血病、Hodgkinリンパ腫、 非Hodgikinリンパ腫(中・高悪性度)、 胚細胞腫瘍、絨毛がん 小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、 多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、 非Hodgikinリンパ腫(低悪性度)、 骨肉腫、大腸がん 非小細胞肺がん、軟部組織肉腫、頭 頸部がん、食道がん、子宮がん、胃 がん、前立腺がん、膀胱がん、 膵がん、肝がん、脳腫瘍、腎がん 悪性黒色腫、甲状腺がん 小細胞肺がん 非小細胞肺がん

(7)

本日の内容

• 化学療法(抗がん剤治療)の現状

• 肺がん治療薬と副作用

(8)

抗がん剤は投与後、

血液の中に入って全身をまわり、

体中のがん細胞を攻撃します。

肺だけではなく、

全身に散らばった

がん細胞も攻撃するので、

手術や放射線治療のような

局所効果にとどまらず

全身的な効果が期待できます

化学療法

(9)

■化学療法の目的

1. がんの治癒

2. がんの浸潤や転移を阻止する

3. がんの増殖を遅らせる

4. がんによる症状を改善する

(生活の質「QOL」の向上)

5. 放射線療法の効果を上げる

6. 手術の効果を上げる

化学療法

(10)

治療方針の決定要因

がんの種類

・ 原発の部位(肺がん、胃がん、大腸がん など)

・ 病理組織の型

がんの進行度

・ がんの大きさや拡がり

・ 転移の有無

患者さんの状態

・ 年齢

・ 体力(心臓、肺、腎臓、肝臓など大切な臓器の機能)

・ 以前から持っている病気

(11)

PS

0

無症状で社会的活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる

1

軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や坐業はできる

2

歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助がいることもある軽作業はできないが、日中50%以上は起居している

3

身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就寝している

4

身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている

日常生活や労働などをどの程度行えるかという全身状態の指標

パフォーマンス・ステイタス (

PS)

(12)

主に肺がんの薬物療法は、「プラチナ製剤」といわれる抗がん剤

と、それ以外の抗がん剤を組み合わせて使用する。

主なプラチナ製剤 その他の主な抗がん剤 分子標的治療薬 それぞれ1種類ずつ組み合わせて使用 副作用は治療方法によって異なる ●シスプラチン ●カルボプラチン ●パクリタキセル ●ドセタキセル ●ゲムシタビン ●イリノテカン ●ビノレルビン ●ゲフィチニブ ●エルロチニブ

肺がん治療に使用される抗がん剤

(13)

薬剤名 病名 薬剤名 主な製剤名 非小細胞 肺がん 小細胞 肺がん 代謝拮抗剤 ペメトレキセドナトリウム水和物 ゲムシタビン塩酸塩 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤 アリムタ ジェムザール ティーエスワン ● ● ● 白金製剤 シスプラチン カルボプラチン ネダプラチン ランダ、ブリプラチン パラプラチン アクプラ ● ● ● ● ● ● アルキル化剤 シクロホスファミド エンドキサン ● ● 植物アルカロイド・ 植物由来 イリノテカン塩酸塩水和物 ノギテカン塩酸塩 エトポシド ビノレルビン酒石酸塩 パクリタキセル ドセタキセル水和物 カンプト、トポテシン ハイカムチン ベプシド、ラステット ナベルビン タキソール タキソテール ● ● ● ● ● ● ● 抗生物質 ドキソルビシン塩酸塩 マイトマイシンC アムルビシン塩酸塩 アドリアシン マイトマイシン カルセド ● ● ● ● ● ● 分子標的治療薬 ゲフィチニブ エルロチニブ ベバスシズマブ イレッサ タルセバ アバスチチン ● ● ●

肺がん治療に使用される抗がん剤

(14)

DNA阻害

・ DNA合成の原材料をなくす

・ DNA鎖の複製阻害やDNA鎖切断

微小管阻害

(ホルモンによる促進を阻害)

抗がん剤の基本作用 (分裂を止める方法)

抗がん剤はどのように効くの?

(15)

代謝拮抗薬

(16)

DNA複製阻害薬(アルキル化剤、抗生物質、白金製剤)

(17)

微小管阻害薬

(18)

分子標的治療薬とは

・「分子標的治療薬」は、がんの増殖・転移に関わっている

遺伝子やタンパク質を標的として、その働きを抑える治療薬です。

・ がんの種類や性別、身体の状態などによって効果に差があります。

(選択性)

・ 肺がん治療には、エルトチニブ、ゲフィチニブが用いられています。

(19)

化学療法のメリット・デメリット

メリット

・ 抗がん剤は投与した後で血液の流れにのって全身をめぐるので、

目に見えない微小病変も取りこぼしなく攻撃してくれます。

・ 体力がなくて手術を行えない患者さんでも受けることができます。

デメリット

・ 抗がん剤は細胞分裂の盛んながん細胞を攻撃するように

作られていますので、正常な細胞の中でも比較的分裂の早い

毛髪や消化器なども影響を受けることがあり、これが副作用として

現れます。

(20)

抗がん剤で副作用が現れる理由

なぜ抗がん剤は副作用が強いのか

?

一言でいえば

選択的毒性がない

からです

攻 撃

成長の早いがん

成長の早い正常細胞

•骨髄で作られる血液細胞 •消化器細胞 •生殖器細胞 •毛根細胞

この正常細胞への攻撃が

副作用の原因

抗がん剤

(21)

副作用のマネジメント

効 果 副作用 新しい抗がん剤の開発 効果 副 作 用 支 持 療 法 の 開 発 ・ 吐 き 気 を 抑 え る 薬 ・ 血 液 成 分 の 減 少 を 抑 え る 薬 投 与 方 法 の 開 発 ・ 持 続 点 滴 投 与 ・ 分 割 投 与

(22)

副作用について知っておきたい知識

投与からどれくらい経過してから(時期)

どのような副作用が(種類)

どれくらいの程度で(重篤度、重症度)

どれくらい出現し(頻度)

いつ頃回復するか(可逆性とその時期)

発現時の対処方法

(23)
(24)
(25)
(26)
(27)

悪心・嘔吐のメカニズム

CTZ 嘔吐中枢 前庭器官 消化管 大脳皮質 ドパミン 受容体 5-HT₃受容体 NK-1受容体 CTZ、消化管を介する経路で 抗がん剤が関与

(28)

抗がん剤による悪心・嘔吐のメカニズム

求心性迷走神経 腸クロム親和性細胞 化学受容体器引金帯

嘔吐中枢

5-HT₃拮抗薬 NK-1受容体 NK-1受容体 サブスタンスP サブスタンスP NK-1受容体 拮抗薬 NK-1受容体 拮抗薬 中枢性経路 末梢性経路

(29)

嘔吐の分類

急性嘔吐:

化学療法後、0~24時間以内の嘔吐

遅発性嘔吐:

化学療法後24時間以降の嘔吐

予測性嘔吐:

化学療法を開始する前からの嘔吐

(30)

悪心・嘔吐に影響を及ぼす因子

● 治療因子

抗がん剤の種類や投与量

投与スケジュール

投与方法

● 患者因子

年齢、性別

(高齢者

若年者、女性>男性)

乗り物酔いの既往歴

精神状態

全身状態

(31)

悪心・嘔吐が起こりやすい抗がん剤

高度 (>90%) 中等度 (30-90%) 低度 (10ー30%) 最小 (<10%) •シスプラチン •シクロホスファミド (≧1500mg/㎡) •ダカルバジン •アクチノマイシンD •カルボプラチン •シクロホスファミド (<1500mg/㎡) •シタラビン (>1g/㎡) •ダウノルビシン •ドキソルビシン •エピルビシン •イダルビシン •イホスファミド •イリノテカン •オキサリプラチン •ボルテゾミブ •シタラビン (≦1g/㎡) •ドセタキセル •エトポシド •フルオロウラシル •ゲムシタビン •メトトレキサート •マイトマイシン •ミトキサントロン •パクリタキセル •ノギテカン •トラスツズマブ •ペメトレキセド •ブレオマイシン •ブスルファン •クラドリビン •フルダラビン •リツキシマブ •ビンブラスチン •ビンクリスチン •ビノレルビン

Kris MG et al : J Clin Oncol 24 : 2932-2947,2006より改変

(32)

悪心・嘔吐の対策

嘔吐リスク

予防薬剤と投与スケジュール

高度

セロトニン受容体拮抗薬 : day1 デキサメタゾン : day1、2、3、4 NK-1受容体拮抗薬 : day1、2、3

中等度

セロトニン受容体拮抗薬 : day1 デキサメタゾン : day1(2、3)* (NK-1受容体拮抗薬 : day1、2、3)**

軽度

デキサメタゾン : day1

最小

必要に応じて処方 *アプレピタント投与の場合は、day1のみでも可 **アントラサイクリン系薬剤とシクロホスファミドの併用療法を受ける患者に対して

(33)

悪心・嘔吐予防に使用する薬剤

薬剤分類 薬剤名 特徴 主な注意点 セロトニン 受容体拮抗薬 グラニセトロン、 オンダンセトロン、 パロノセトロンなど セロトニン受容体に拮抗し、 制吐作用を示す 遅発性嘔吐に対する有効性 が確立されていないため、 漫然とした使用は避けるほ うが望ましい ステロイド薬 デキサメタゾン、 メチルプレドニゾロン、 ベタメタゾン 制吐作用の機序は不明。他の 制吐剤との併用により有効 ステロイド薬の副作用発現が懸 念されるため、原則として 大量投与は短期間にする ドパミン 受容体拮抗薬 メトクロプラミド 主に抗ドパミン作用により制吐 作用を示す 副作用として錐体外路症状 が懸念されるため、注意が 必要である ベンゾジアゼピン 系抗不安薬 ジアゼパム、 ロラゼパム マイナートランキライザーに属し、精神・ 心理面からの悪心・嘔吐に有 効 眠気、めまい、血圧低下な どの副作用を起こすおそれ があるので注意する 選択的NK-1 受容体拮抗薬 アプレピタント 神経伝達物質サブスタンスPとその 受容体であるNK1受容体と の結合を選択的に阻害し、悪 心・嘔吐を抑制 CYP3A4により代謝を受 ける薬剤との相互作用に十 分な注意が必要

(34)

悪心・嘔吐を防ぐ様々な方法

z 治療の前日は十分に睡眠をとる

z 身体を締め付ける服装は避ける

z 吐き気が現れてきたら横向きに寝てひざを曲げ、

お腹の緊張をとる

z 食事を工夫し、

無理をせず食べたいときに食べたいものを摂る

(味が濃いもの、匂いがきついもの、脂っこいものを避ける)

z 首の後ろや胃を冷やすことで軽快することもある

z テレビや音楽などで意識をほかにそらす

(35)
(36)

骨髄抑制とは

z 何らかの原因で骨髄が障害され、

血球成分が減少する状態

z 抗がん剤の量が多く、短期間に繰り返し治療が行われ

るほど骨髄抑制の程度は強くなる。

(37)
(38)

好中球減少

患者さんへの注意ポイント 38℃以上の発熱がある場合はすぐに医師に報告すること 発現時期 薬剤により好中球減少のピークとなる時期や回復にかかる時期は異なるが プラチナ製剤、イリノテカン、パクリタキセルなどでは 投与後10~14日で最低値に達し、その後1~2週間で回復する 治 療 発熱 なし •好中球が100/㎣未満では重症感染症の発症リスクが高い •うがい、手洗いを励行し、人混みを避けるなど感染予防に努める •抗生剤の予防投与は行わない。 •好中球数の減少が遷延する場合は、薬剤投与を中止して回復を待つ 発熱 あり •発熱性好中球減少では、適正な抗生剤の投与が必要となる •好中球数500/㎣未満の場合はG-CSFを投与

(39)

血小板減少・貧血

患者さんへの注意ポイント 気づかぬうちに打ち身やあざができたり、歯茎からの出血があった場合は 必ず医師に報告する。また、鼻は静かにかみ、歯ブラシは柔らかいものを 使用するなど出血のリスクを避けるようにする。 発現時期 抗がん剤投与の2週間後ごろから発現することが多い 治 療 血小板数が20,000/㎣以下で、 かつ出血傾向を認める場合には、血小板輸血を行う

z

血小板減少

z

貧血

発現時期 抗がん剤投与の数カ月後から発現することが多い 症 状 労作時の息切れ、顔面蒼白などの症状が現れる 治 療 Hb6g/dL以下では輸血の適応がある 回復が悪い場合は消化管出血の可能性も検討 患者さんへの注意ポイント ふらつきによる転倒に気をつけるように注意する

(40)
(41)

下痢

z

下痢をおこしやすい抗がん剤

イリノテカン

発現時期 • 急性下痢 :投与当日 • 遅延性下痢 :投与4~10日後 予 防 イリノテカンによる遅延性下痢に対して腸管内のアルカリ化が有効 症 状 脱水症状や電解質異常を引き起こすと生命の危険を伴うので注意が 必要 治 療 • 急性下痢 :抗コリン薬 • 遅延性下痢 :ロペラミド 患者さんへの注意ポイント 下痢のために水分が失われると脱水が生じることがあるので、十分に水分 を摂取するように心がける。 イリノテカン使用中に1日④回以上の水様性下痢があればすぐに医師に報告すること

(42)

一般的な下痢の対策

z 低残渣食にする

z 生野菜、生の果物を避ける

z 冷たいものを避ける

z 刺激物(香辛料など)を避ける

z 牛乳や乳製品、脂肪分の多いものを避ける

z 一度に多く摂取せず、少量ずつ食べる

(43)

便秘

z

便秘を起こしやすい抗がん剤

ビノレルビン

患者さんへの注意ポイント 4日間以上便秘が継続する場合はすぐに医師に報告すること 発現時期 投与数日後 予 防 水分、繊維質の摂取を促す 症 状 放置により麻痺性イレウスを生じる可能性もある 治 療 第一選択は酸化マグネシウム 他にセンノサイドのような刺激性下剤も投与可能

(44)

腎障害

z

腎障害を起こしやすい抗がん剤

シスプラチン

患者さんへの注意ポイント 翌日以降、尿量が少ない場合は、連絡すること 発現時期 (シスプラチンの場合) 腎機能の低下は投与から1~2週間後に発現 予 防 (シスプラチンの腎障害予防の場合) 1日3,000mLの大量補液を行う。 1日3,000mL程度の尿量を確保する。 適宜、利尿薬を投与する。 検 査 シスプラチン50mg/㎡以上投与時は投与前の腎機能検査(Cr/BUN) を行う。 心不全患者には禁忌。 治 療 翌日以降、乏尿傾向が認められた場合には利尿薬を使用

(45)

間質性肺炎

z

間質性肺炎を起こしやすい抗がん剤

ゲフィチニブ、エルロチニブ

患者さんへの注意ポイント 咳、息切れなどの自覚症状があればすぐに訴えること 発現時期 一般に投与数日後~数ヵ月後 予 防 (ゲフィチニブによる間質性肺炎の危険因子) ①すでに肺線維症のある患者 ②喫煙者 ③PSが2以上 これらの因子のある患者さんには投与しない 症 状 発熱、乾性咳嗽、呼吸困難 検 査 Cxpの定期検査、CTによる精査、血液検査(LDH,KL-6,SP-A)、BAL 対処法 薬剤の中止。 ステロイド薬の投与

(46)

脱毛

z

脱毛を起こしやすい抗がん剤

パクリタキセル、ドセタキセル、シスプラチン、エトポシド

患者さんへの注意ポイント 脱毛の予防法に関しては、現在確立されたものはない 発現時期 投与から2~3週間後 対処法 女性の場合は特に精神的サポートが必要

(47)

神経障害

z

末梢神経障害を起こしやすい抗がん剤

パクリタキセル、シスプラチン、ビノレルビン

z

聴力障害を起こしやすい抗がん剤

シスプラチン

患者さんへの注意ポイント 自覚症状があれば訴えること! (箸が使いにくい、字が書きにくい、ボタンの掛け外しがしにくい歩きにくい等) 発現時期 (パクリタキセル)投与から3~5日後ごろに発現することが多い 症 状 筋力の低下、細かい指先の作業が困難になる、痛み、痺れ、感覚麻痺 治 療 薬剤の中止。ビタミン製剤、抗うつ薬の使用 対処法 患者さんの声に耳を傾け、早期発見に努める

(48)

エルロチニブ(タルセバ® )による

皮膚障害について

(49)

国内臨床試験-皮膚障害発現状況-

事象 Grade1 Grade2 Grade3 Grade4 合計 発疹 24.1% (26例) 69.4% (75例) 4.6% (5例) 0% 98.1% (106/108例) 皮膚乾燥 63.9% (69例) 7.4% (8例) - - 71.3% (77/108例) そう痒症 56.5% (61例) 13.0% (14例) 0% 69.4% (75/108例) 爪囲炎 22.2% (24例) 6.5% (7例) 0.9% (1例) 0% 29.6% (32/108例) 【発現時期-JO16565試験-】 事象 発疹 皮膚乾燥 そう痒症 発現日 中央値 (範囲) 6日 (1-22日) 12日 (4-58日) 9日 (2-142日) 注) 国内第II相臨床試験における発疹については、脂漏性皮膚炎やざ瘡様皮疹も含まれています。 【発現状況-JO16565試験・JO18396試験-】 事象 発疹 皮膚乾燥 そう痒症 発現日 中央値 (範囲) 6日 (2-23日) 23日 (6-167日) 7日 (3-39日) 【発現時期-JO18396試験-】

(50)
(51)
(52)
(53)

最近使用可能となった新薬

(54)

※対症療法:痛みなどの症状を和らげる治療 ※※生存期間中央値:治療した患者さんの生存期間を一列に並べたとき、ちょうど中央にくる人の生存期間 0 2 4 6 8 10 12 1970年代 1980年代 1980-2005年代 2005年代 (月) 対症療法※のみ 2-4ヵ月 対症療法※のみ 2-4ヵ月 対症療法※のみ 2-4ヵ月 生存期間中央値 ※※

治療効果

プラチナ製剤を含む 2剤併用化学療法 6-8ヵ月 プラチナ製剤を含む 2剤併用化学療法 (新規薬剤との併用) 8-10ヵ月 アバスチン+ プラチナ製剤を含む 2剤併用化学療法 >12ヵ月

(55)
(56)

作用機序

「血管の形成を促すVEGFという物質」をつかまえて、

新しい血管が作られないようにすることで、

(57)

作用機序

がんに対する血管網の構造を整備することで

がんに抗がん剤を届きやすくします

(58)

アバスチンまとめ

扁平上皮がんを除く

非小細胞肺がんのうち

手術ができない進行がんの患者

血管新生を抑制してがんの成長を妨げる薬です

がんの成長を抑えます

抗がん剤の効果を高めます

(59)

アバスチンまとめ

副作用

高血圧、たん白尿、血痰、鼻出血、

白血球・好中球数の減少、倦怠感(だるさ)、下痢など

喀血/肺胞出血、脳出血、血栓塞栓症、

消化管穿孔、創傷治癒遅延など

重大な副作用

(60)

Y さ ん が 、 1 サ イ ク ル 3 週 間 と し て CP療法 + アバスチンの併用を行った場合の薬剤費内訳(1サイクルあたり) カルボプラチン パクリタキセル アバスチン 目標AUC × (GFR 92 + 25) 200mg/㎡ × 体表面積1.6㎡ 15mg/kg × 体重60kg =78,413円 =130,550円 =430,465円 モデルケース

カルボプラチン+パクリタキセル(

CP)療法にアバスチンを併用した場合

(61)

入院①サイクル の場合 入院①サイクル + 外来1サイクル の場合 外来①サイクル の場合 外来②サイクル の場合

薬剤費

70万円 140万円 70万円 140万円

薬剤費以外

50万円 55万円 5万円 10万円

合計

120万円 195万円 75万円 150万円 入院治療か外来治療か また 1ヶ月に実施したサイクル数 により異なります ※ 治療を開始する日(時期)によって、治療が月①サイクルの月と、月②サイクルの月があります。 ※ 薬剤費には抗がん剤の他に、吐き気などの副作用を予防する薬剤が含まれています。 ※ 薬剤費以外には、入院費、外来管理料、検査料などが含まれます。 モデルケース

カルボプラチン+パクリタキセル(

CP)療法にアバスチンを併用した場合

(62)

入院①サイクル の場合 入院①サイクル + 外来1サイクル の場合 外来①サイクル の場合 外来②サイクル の場合

自己負担が

36万円 58万5千円 22万5千円 45万円

自己負担が

12万円 19万5千円 7万5千円 15万円 医療費1割負担者か また 1医療費3割負担者か により異なります 1ヵ月の窓口支払い額 概算 モデルケース

カルボプラチン+パクリタキセル(

CP)療法にアバスチンを併用した場合

(63)

モデルケース

カルボプラチン+パクリタキセル(

CP)療法にアバスチンを併用した場合

年齢・所得区分別自己負担限度額

1ヶ月の概算 ※Yさんと同じ身長、体重、体表面積などの条件で算出した場合 年齢 所得区分 自己負担額 多数該当 入院①サイクル の場合 入院①サイクル + 外来1サイクル の場合 外来①サイクル の場合 外来②サイクル の場合 70歳未満 上位所得者 157,000円 164,500円 152,500円 160,000円 83,400円 一般 89,430円 96,930円 84,930円 92,430円 44,400円 低所得者 35,400円 35,400円 35,400円 35,400円 24,600円 70歳 ~ 74歳 現役並み所得者 89,430円 96,930円 44,400円 44,400円 44,400円 一般 44,400円 44,400円 12,000円 12,000円 低所得者Ⅰ 15,000円 15,000円 8,000円 8,000円 低所得者Ⅱ 24,600円 26,400円 8,000円 8,000円 75歳以上 現役並み所得者 89,430円 96,930円 44,400円 44,400円 44,400円 一般 44,400円 44,400円 12,000円 12,000円 低所得者Ⅰ 15,000円 15,000円 8,000円 8,000円 低所得者Ⅱ 24,600円 24,600円 8,000円 8,000円

(64)

本日の内容

• 化学療法(抗がん剤治療)の現状

• 肺がん治療薬と副作用

(65)

がん保険の代表的な保障

診断給付金 がんと診断された時に受け取れます。商品によって、初めにがんと診断され た時1回限りのものと、2回目以降でも受け取れるものがあります。また給付 対象のがんに上皮内新生物が含まれるものと含まれないものがあります。 入院給付金 一般の医療保険と同様に入院日額○○円、と入院日数に応じて受け取れま す。がん保険の入院給付金には、通常、日数制限がありません。 手術給付金 がんで手術を受けた場合に受け取れます。給付金の額は一律で決まってい るものと、手術内容で段階的に変わるものがあります。通常、給付される回 数に制限はありません。 通院給付金 がんで一定期間入院し、退院後に通院する場合に、1日につき○○円という かたちで受け取れます。 商品によっては、退院時に一時金として受け取れるものや、入院前の通院も 対象となるものがあります。 先進医療給付金 厚生労働省で定められた先進医療を受けた場合に、給付されます。 がん死亡保険金 がんで死亡した場合に受け取れます。一般的にがん保険は治療費の保障が 中心なので、死亡保険金は低額であるか、設定がない場合も多いです。

(66)

本日ご参加の皆様

あなたと愛する家族のために

最高の治療を

安心して受けられるよう

がん保険には

加入しておきましょう!

参照

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