最近の新潟県内の経済情勢
平成 30 年 1 月
財 務 省 関 東 財 務 局
新 潟 財 務 事 務 所
※掲載した経済指標等については速報値を含む。
問い合わせ先
関東財務局 新潟財務事務所 財務課
電話番号 025-281-7503 内線 2200、2231
1.総論
【総括判断】
「県内経済は、回復しつつある。
」
項
目
前回(29 年 10 月判断)
今回(30 年 1 月判断)
前回
比較
総括判断
緩やかに回復しつつある。
回復しつつある。
(注)30 年 1 月判断は、前回 29 年 10 月判断以降、30 年 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している。
(判断の要点)
個人消費は回復しつつある。生産活動は緩やかに回復しつつある。雇用情勢は改善しており、人手不足
感が強まっている。
【各項目の判断】
項
目
前回(29 年 10 月判断)
今回(30 年 1 月判断)
前回
比較
個人消費
緩やかに回復しつつある。
回復しつつある。
生産活動
緩やかに回復しつつある。
緩やかに回復しつつある。
設備投資
29 年度は増加見通しとなっている。
29 年度は増加見込みとなっている。
雇用情勢
改善しており、人手不足感が強まっている。 改善しており、人手不足感が強まっている。
住宅建設 持ち直しのテンポが緩やかになっている。
持ち直しの動きに一服感がみられる。
公共事業 前年を上回っている。
前年を下回っている。
企業収益 29 年度は増益見通しとなっている。
29 年度は増益見込みとなっている。
企業の
景況感
「下降」超幅が縮小している。
「下降」超幅が縮小している。
【先行き】
先行きについては、雇用情勢の改善が続くなかで、個人消費は回復しつつあるなど、着実に景気は回復
を続けていくことが期待される。ただし、引き続き海外経済の動向のほか、人手不足に伴う企業活動への
影響を注視する必要がある。
2.各論
個人消費・・・回復しつつある。
百貨店・スーパー販売額は、飲食料品が好調で、前年を上回っている。乗用車新車登録届出台数は、
無資格検査問題などにより前年を下回っている。家電大型専門店販売額やドラッグストア販売額など
は前年を上回っている。このように、個人消費は、全体として回復しつつある。
(主なヒアリング結果)
➢ 客単価が増加傾向にある中、昨今の食中毒問題などを背景に、
「低価格志向」から安心・安全を求める「品質志向」
(国内
産など)へシフトしつつあると感じている。
(スーパー、中堅企業)
➢ お歳暮商戦では地元産の米や果物などの高単価のギフト商品がよく売れたほか、年末年始には高価格帯のおせちの売上が
好調であった。
(スーパー、大企業)
➢ チルド食品や弁当などの「中食」の品揃えを充実させたところ、これらの売上が順調に伸びてきている。
(コンビニエンス
ストア、中小企業)
➢ 11 月以降は気温が低く推移したため、カイロや手袋といった季節商材や暖房器具の売れ行きが好調。
(ホームセンター、
中堅企業)
➢ 家電エコポイントで購入した冷蔵庫や洗濯機の買い替え需要に加え、今年は冬季五輪などのスポーツイベントが開催され
ることから、大画面の有機ELテレビの売上が増加している。
(家電量販店、中小企業)
生産活動・・・緩やかに回復しつつある。
鉱工業生産指数を業種別にみると、食料品、はん用・生産用・業務用機械、金属製品は前期比で低下
しているものの、化学、電子部品・デバイス、輸送機械は上昇しており、緩やかに回復しつつある。
➢ 健康志向の高まりを受け、減塩商品の売れ行きが好調であり、ラインナップを随時増やしている。
(食料品、中堅企業)
➢ 自動車向け製品について、価格面などで同業他社との競合が激しくなってきており、中国など海外からの受注は想定を下
回っているものの、国内については特に西日本向けが好調で、全体としては前期並みとなっている。
(はん用・生産用・業務
用機械、中小企業)
➢ 北米や中国など海外からの受注が増加するなど、スマートフォン向け製品が好調である。
(化学、大企業)
➢ 今冬は寒くなる時期が早かったため、暖房機器の引き合いが多く、生産が増加している。
(金属製品、大企業)
設備投資・・・29 年度は増加見込みとなっている。
法人企業景気予測調査(29 年 10~12 月期調査)で 29 年度通期の設備投資計画をみると、製造業は前年比▲
0.5%の減少見込み、非製造業は同 16.9%の増加見込みとなっており、全産業では同 7.9%の増加見込みとなって
いる。
雇用情勢・・・改善しており、人手不足感が強まっている。
雇用情勢は、有効求人倍率が高水準で推移しているほか、新規求人数が増加傾向にあるなど、改善し
ており、人手不足感が強まっている。
☆ 多くの企業から引き続き「人手不足感が増している」との声が聞かれた。
➢ 新規出店のため、パートの求人広告を出したが、予定数の半分程度しか採用できなかったことから、正社員を配置するこ
とでカバーしている。
(スーパー、中堅企業)
➢ パートが集まりにくいことから、時給引上げや募集広告を多く出すといった対応を行っており、人件費や広告費が増加し
ている。
(食料品、大企業)
➢ 受注増加により工場はフル稼働となっているが、非正規社員は募集をかけても集まらず不足しており、既存社員の残業が
増加している。
(化学、中小企業)
住宅建設・・・持ち直しの動きに一服感がみられる。
新設住宅着工戸数をみると、持家、分譲住宅は前年を上回っているものの、貸家は前年を下回っている。
公共事業・・・前年を下回っている。
公共工事請負金額は、前年を下回っている。
発注者別にみると、国等は前年を上回っているものの、独立行政法人等、県、市町村は前年を下回っている。
企業収益・・・29 年度は増益見込みとなっている。
法人企業景気予測調査(29 年 10~12 月期調査)で 29 年度通期の経常利益(除く「電気・ガス・水道業」
、
「金
融業、保険業」
)をみると、製造業は前年比 30.2%の増益見込み、非製造業は同▲1.2%の減益見込みとなっており、
全産業では同 14.7%の増益見込みとなっている。
規模別にみると、大企業、中小企業は増益見込み、中堅企業は減益見込みとなっている。
企業の景況感・・・「下降」超幅が縮小している。
法人企業景気予測調査(29 年 10~12 月期調査)の景況判断 BSI をみると、全産業では「下降」超幅が縮小して
いる。先行きについては、30 年 1~3 月期は「下降」超幅が拡大する見通しとなっている。
目 次 (頁) 1. 個 人 消 費 1~2 2. 生 産 活 動 3 3. 設 備 投 資 4 4. 雇 用 情 勢 4 5. 住 宅 建 設 5 6. 公 共 事 業 5 7. 企 業 収 益 6 8. 企業の景況感 7 9. 企 業 倒 産 8 9~11 ※掲載した経済指標等については速報値を含む。
平 成 30 年 1 月
財務省関東財務局 新潟財務事務所
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・最近の新潟県内の経済情勢(平成30年1月判断)
( 資 料 )
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 新潟県主要経済指標1.個人消費
【グラフ1】
(注)前年同月(期)比は全店ベース。 【経済産業省】【グラフ2】
【日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会】
1
回復しつつある。
1-3 4-6 7-9 10-11 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 29年 28年 29年 販売額 837 833 875 567 283 355 290 259 287 275 285 273 298 307 270 281 286 新潟 ▲ 1.1 ▲ 0.3 1.3 0.7 1.5 0.5 ▲ 0.4 ▲ 1.9 ▲ 1.2 1.0 ▲ 1.2 ▲ 0.6 1.5 1.4 0.9 0.2 1.2 全国 ▲ 1.5 0.1 0.7 0.5 ▲ 0.1 ▲ 1.2 ▲ 1.0 ▲ 2.6 ▲ 0.9 0.8 ▲ 0.6 0.1 ▲ 0.2 0.7 1.8 ▲ 0.5 1.4 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 ▲ 5 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 販売額(億円) 前年同月(期)比(%)百貨店・スーパー販売額(新潟県)
1-3 4-6 7-9 10-12 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 29年 28年 29年 合計 4.7 12.4 7.8 ▲ 1.0 3.0 5.0 ▲ 1.5 8.5 13.7 8.7 14.6 8.5 7.0 7.7 4.9 ▲ 3.0 ▲ 4.8 普通車 6.9 2.4 ▲ 0.7 1.1 ▲ 1.4 2.4 3.1 11.4 5.6 ▲ 5.2 6.6 1.1 ▲ 5.0 0.8 ▲ 2.8 3.4 3.2 小型車 18.0 6.5 4.3 ▲ 13.6 30.9 18.0 14.7 19.8 14.6 0.1 5.7 2.2 6.5 4.7 ▲ 3.5 ▲ 20.1▲ 16.0 軽自動車 ▲ 5.3 24.2 16.7 7.7 ▲ 8.8 ▲ 1.9 ▲ 13.5 ▲ 1.2 17.5 26.4 29.2 19.4 15.8 15.1 16.3 8.1 ▲ 0.9 ▲ 40 ▲ 30 ▲ 20 ▲ 10 0 10 20 30 40 前年同月(期)比(%)乗用車新車登録届出台数(新潟県)
【グラフ3】 (注)前年同月(期)比は全店ベース。 【経済産業省】 【グラフ4】 【総務省】