Biomechanics Laboratory
第7回目
圧延
生命医科学部 医工学科
バイオメカニクス研究室(片山・田中研) IN116N
田中 和人
E-mail:
[email protected]
内線: 6408
材料加工 Ⅱ
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圧延(Rolling)
圧延の定義
回転する上下ロール間に素材をかみこませ,厚さ
や断面積の小さな板,あるいは形材等をつくる方
法
圧延の歴史
15世紀末:レオナルド・ダ・ビンチ
16世紀:棒や板材の圧延
18世紀末:動力に蒸気力を利用
ロール,ハウジングの大型化
ロールの多段化
20世紀:動力に電動機
計算機による制御技術の近代化により飛躍的に
生産性が向上
鋼の場合:連続鋳造と分塊圧延でスラブを作る
プリントNo.6 図4.1
参考文献 図5.1
接触長さ:ロール
と素材が接触して
いるところ
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板圧延の概要
粗鋼生産量:1億トン/年
大部分が圧延用
圧延速度
鋼板圧延機
熱間圧延1500m/min
冷間圧延2500m/min
板幅:Max.5500mm
板厚:
100μm~300mm
線材圧延機
毎秒120m=432km/h
プリントNo.6 図4.2
参考文献 図5.2
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圧延の種類と製品形状・用途
教科書 p.118 表6.1
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圧延素材の製造方法
連続鋳造
溶解金属から連続的に素材を製造
する方法.圧延加工の素材は、現
在ほとんどこの方法で製造されてい
る.
分塊圧延
連続鋳造が難しい材料や、生産量
が少量のものの圧延素材を製造す
る場合などに用いられる
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鋼の製品の製造工程
【鋼の製品の圧延工程による分類】
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板圧延の変形機構
素材:ロールによって厚さ方向に圧縮さ
れ板厚が減少
上下ロールの最小間隔の出口から製品
となって出てくる
厚さ方向の変形:一様ではない
圧延方向,厚さ方向,幅方向すべてに
おいて
速い
遅い
出口
遅い
速い
入口
中央部
ロール接触部
表 圧延方向の速度(ロールの回転速度一定下)
プリントNo.6 図4.1
参考文献 図5.1
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板圧延の変形機構
図中白い部分に変形が集中
変形集中領域の形や大きさに与える
影響因子
板の厚さと力学的性質
ロール半径
加工度
摩擦力
付加的せん断応力をうける:接触部
のせん断応力
プリントNo.6 図4.3
参考文献 図5.4
教科書 p.119 図6.1
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平均変形抵抗:ロール間のひずみ分布に
対応した応力を評価するのは大変なので
加工の最終過程(出口)での相当ひずみ
εmまでの変形抵抗を平均値とする.
板の圧延では平面ひずみ変形が仮定できる.
板圧延の変形機構
σ
ε
σ
m
ε
m
0
m
m
m
d
ε
σ ε
σ
ε
=
∫
0
2
1
2
2
3
3
m y
h
n
h
ε
=
ε
=
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板幅方向の変形と加工度
板幅方向の広がりに及ぼす影響因子
ロールと板間の摩擦力
ロール直径
加工度(下の式参照)
板寸法
加工度:圧下量,圧下率(reduction)
圧延前後の板厚の変化(公称ひずみの形で表示)
1 2
1 2
1 1
h
h
h
h
h
h
h
h
Δ =
−
−
Δ
=
圧下量:
圧下率:
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かみ込み条件
ロールと板が接触したときのかみ込まれる条件
ロール面に垂直な力: F
摩擦力: μF
プリントNo.6 図4.6
参考文献 図5.12
1
m a x
m a x
s in
c o s
ta n
ta n
:
F
F
f
f
α
μ
α
α
μ
α
μ
α
−
≤
≤
=
=
: か み 込 み 角
摩 擦 角
噛み込み角:
噛み込む最大の接触角
θ:摩擦角,μ:摩擦係数
冷間圧延:0.03~0.1
熱間圧延: 0.3~0.4
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圧延限界
圧延限界
実行出来ない:ロールの問題
加工材の不良:加工材の問題
実行出来ない場合
かみ込み限界
プリントNo.7 図4.14-2
参考文献 図6.9
1
max
max
sin
cos
tan
tan
:
F
F
f
f
θ μ
θ
θ μ
α
μ
α
−
≤
≤
=
=
:かみ込み角
摩擦角
(
)
1 2
1 2 max
2 (1 cos )
2 (1 cos )
h
h
R
h
h
R
f
α
−
=
−
−
=
−
最大の圧下量
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噛み込み角とロール接触角
厚さh
0の板をh
1に圧延する時,噛み込み可能なロール半径R
は,次式で与えられる.
(
)
(
)
0 1 0 1
2 4 6
2
0 1
2
1
0 1
2
1
cos 1 cos
2 2
1
cos 1 1
2 ! 4 ! 6 ! 2
tan
tan
h h h h
R R
R
h h
R
h h
R
θ
θ
θ
θ
θ
θ
θ
θ
μ θ
μ
−
−
− ⎛ − ⎞
= −
⎜ = −
⎟
⎝ ⎠
≡ − + − + ≡ −
−
=
≥
−
≥
∵
教科書 p.121 図6.4
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中立点
入口方向(逆方向)
先進(速い)
出口側
出口方向
ロールより遅い
入口側
板とロールの接触面における
摩擦せん断応力の向き
板
中立点よりも
hv
v
h
v
h
0 0 =
1 1 =
1
0
h
h
>
中立点(無すべり点,等速点)
圧延される板とロールの周速が等しくなる点
素材は横に広がらない
であるので
材料速度とロール速度が等しくなる点が存在する
1
0
v
v
<
教科書 p.121 図6.4
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摩擦せん断応力と先進率
先進率 f :材料の先進の大小
ロール速度 の場合
多くの場合,f=1~8%位の値(重要な特性値)
摩擦係数とともに増加し,圧下率により大きく影響を受ける.
材料の成分,圧延温度,圧延ロールの直径,潤滑剤の有無,
加工硬化,張力 etc.
R
v
R
R
v
v
v
f
=
1
−
摩擦せん断応力:F
R
P
F
P
μ
=
圧延圧力(接触圧力)
:
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摩擦係数
圧延ロールと材料間の摩擦係数は重要な特性
→ 本質は未解明な部分が多い
エケルンド(S.Ekelund), ゲレジィ(A.Geleji)によって提案され
た700℃以上の熱間圧延に対する摩擦係数の推定式
1.05 0.0005 0.056
0.82 0.0005 0.056
/
t v
t v
t v m s
μ
μ
= − −
= − −
鋼ロール:
研磨した鋼ロール:
:圧延温度(℃), :圧延速度( )
教科書 p.125 表6.2
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圧下率と先進率(計算と実験)
先進率から平均摩擦力を算出可能
プリントNo.6 図4.8,図4.9
参考文献 図5.14,図5.15
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幅広がり,幅広がり率
幅広がり:
圧延により圧延方向だけでなく,圧延直角方向(板幅方向)に
も変形を生じ,板幅が増大すること.
幅広がり量:Δb,幅広がり率:S
高さの大きな鋼塊の分塊圧延,各種形材の圧延,厚板の圧延
で大きな値を示す.しかし,板厚が板幅に比べて小さい板圧延
の場合はきわめて小さくなり問題とならない.
圧延温度が低く,圧延速度が小さいほど,ロール径,圧下率,
材料の厚みが大きいほど増大する.
複雑なため,理論解析では無視する場合が多い.
0
0
1
0
1
b
b
b
S
b
b
b
−
=
−
=
Δ
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ロール接触弧長
ロール接触弧長(ロール接触長さ):ℓ
d
ロールと材料の接触している部分の水平投影長さ
(
)
(
) (
)
(
)
2
0 1
2 2 2 2
2
0 1
0 1
0 1
2
4
d
d
h h
R OY R R
h h
R h h
R h h R h
⎧ − ⎫
⎪ ⎪
= − = −
⎨ −
⎬
⎪ ⎪
⎩ ⎭
−
= − −
= − = Δ
第2項は小さいとして無視すると
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圧延圧力の分布
圧延圧力
ロールと被加工物接触面に作用する応力
圧延方向:出口よりで最大値
板幅方向:幅中央で最大値
加工度が小さいとき
圧力が低く,板縁近傍を除きほぼ一様,最大値は縁
に寄ったところに生じる
プリントNo.6 図4.4
参考文献 図4.1 図
5.7
中央
Z方向
ロール表面に
圧力センサーを
装着して
圧力を測定
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圧延圧力の分布
圧延荷重:ロールが材料から受ける荷重
圧延機の設計に重要なファクター.
圧延荷重P:
p:ロール面圧(圧延圧力), b:板幅, dφ:
微小接触角
pは実験的にも理論的も求められる.
便法として平均圧延圧力p
mを用いて実験
的に求めることが多い.
0
P
=
b
∫
θ
pRd
φ
m m d m m
P
≅
p b
=
p b
R h
Δ
図16.1 圧延圧力分布
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圧延圧力の分布
圧延荷重Pの値は,圧延作業の特性を比較するのに使われる.
圧延機の形式や圧延条件が変わった場合には,
より平均圧延圧力を求め,この値を使って比較する方法がよく
用いられる.
pmを次式で推定し,上式に代入することもある.
k:材料の1軸変形抵抗,q:外部張力,C:圧下力係数(冷間圧延
≒1.2)
ロールに作用する面圧の平均値を示す式である.
m m d m m
P
≅
p b
=
p b
R h
Δ
(
)
m
p
=
C k
−
q
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圧延トルクと圧延動力
圧延トルク:ロールの回転
軸に関するモーメントで,2
本のロールの和として表さ
れる.
トルクアームa:ロール中心
から圧延圧力の作用線ま
での長さ.
圧延圧力p,トルクアームa,
トルクT:
(
)
1 1 1 1 2 3
1 1 1 2 2 2 3 3 3
1 2 3
, , , , ,
, , ,
T 2 2 2 2
p p p a a a
T a p T a p T a p
Pa T T T
= = =
= = + + +
圧延圧力: ,トルクアーム:
トルク:
合成トルク:
図16.2 圧延トルク
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圧延トルクと圧延動力
トルクアーム係数λを用いて概略トルクを推定する.
圧延動力 T
t:圧延機を駆動させるのに必要な動力.
ロール角速度:ω,ロール回転数:N rpm,必要動力:Hは,
(
0 1)
(
)
0.45 ~ 0.50 :
2
d
d
a a
R h h
T P
λ λ
λ
= = =
−
=
圧延実績
1 2 3 4
t
T
=
T
+
T
+
T
+
T
1 2
3 4
: :
: :
T T
T T
ロールにより圧延材を変形させる動力, ロール軸受け部の動力損失
ピニオンスタンドなどの動力伝達損失, ロール空転時の必要動力
[ ]
[
]
3 3
2
60
2
0.1423 10 , 0.1047 10
75 60 9.807
t t
t
t t
N
H T T
T N
H T N PS H T N KW
π
ω
π − −
= =
= = × × = × ×
× ×