韓国におけるデザインの保護
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(2) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. 2.2. デザイン権の発生及び保護期間. デザイン法で保護されるデザインは、デザイン法2条1号が定義する「物. 品(物品の部分及び書体を含む)の形状、模様、色彩、又はこれらを結合し たものであって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」でなければならな い。すなわち、デザイン法における保護対象は、①物品性(独立性のある具 体的な物品であり、原則的に有体動産であること)、②形態性(物品の外観 に関するものであること)、③視覚性(肉眼で識別可能であること)、④審美 性(当該物品から美感が感じられるように処理されていること)を具備する ものに限られる7)。 特に、デザイン法が保護するデザインは「物品」を前提としているため、 物品を離れることができない。例えば、創作された美的図案はそれ自体が保 護対象となるわけではなく、その美的図案が適用された物品が保護対象とな る。また、商品の展示や販売などの際に物品自体の形態とは別に形態が付加 されるもの(いわゆる「サービス意匠」、例えば複数のハンカチを花の形に 見えるように配置した詰め合わせ)は、物品そのものの形態ではないので、 デザイン法でいう物品ではない。 また、デザイン権を得るためには、特許権と同じく、デザイン登録出願と いう特許庁への出願手続きが必要である。デザイン登録出願がされると、特 許庁は、主体的要件、手続的要件、実体的要件からなる登録要件を満たして いるかを審査し、全ての登録要件を満たすとき(拒絶理由が発見されないと き)にはデザイン登録を決定する(デザイン法65条)。その後、デザイン登 録料を納付すると設定登録によりデザイン権が発生する(登録主義 : デザイ. ン法90条1項)。なお、権利の安定性を保持するために、デザイン権はデザ イン公報に公示される(デザイン法90条3項)。 このように発生したデザイン権は設定登録日から発生し、デザイン登録出 願日後20年存続する(デザイン法91条1項)8)。日本の意匠法では存続期間. の始期が設定登録日であるのに対し、韓国のデザイン法ではデザイン登録出 願日である。なお、韓国のデザイン法において存続期間の始期を設定登録日 からデザイン登録出願日に変更した理由は、複数デザイン登録出願(デザイ ン法41条)における一部登録/一部拒絶制度(デザイン法62条5項)が導入 されたことにより、同日に出願した複数デザイン登録出願の設定登録日が異 なる可能性が生じ、デザイン権の始期を設定登録日とすると、同日に出願し た複数デザイン登録出願について存続期間が異なってしまうという不都合が 生じるからである9)。 デザイン権は独占排他権であり、権限のない第三者が業として登録デザイ ン又は類似デザインを実施するとデザイン権の侵害となる。侵害が認められ た場合には、民事的な救済として差止請求(デザイン法113条)、損害賠償請 求(デザイン法116条)、信用回復措置請求(デザイン法117条)などが可能 である。また、一年以下の懲役又は一億ウォン以下の罰金に処すること(デ ザイン法220条)、侵害行為を組成した物などを没収すること(デザイン法 228条)などの刑事的な救済も可能である。 7)デザイン審査基準108-111頁。. 8)かつてはデザイン権の存続期間はデザイン権の設定登 録日から15年であったが、デザイン権の存続期間を拡 大している先進国の動きを反映して、2013年改正によ り存続期間は20年となった。 9)特許庁デザイン審査政策課「デザイン保護法全部改正 法律(案)主要内容」(2012年)16-17頁。. 2.3. 登録要件. 韓国のデザイン法は登録主義を採用しているため、デザイン登録出願がさ. れると、特許庁はデザイン登録出願が主体的要件、手続的要件、実体的要件 からなる登録要件を満たすか否かを審査する。. 71.
(3) 72. 特集:各国におけるデザイン保護法制. ここで、主体的要件は、ⅰ出願人が正当な創作者であること(デザイン法 3条)、ⅱ当事者能力を有すること(デザイン法27条など)、ⅲ共同出願人の 場合には全員が出願すること(デザイン法39条) 、を含み、手続的要件は、 一デザインごとに一デザイン登録出願すること(デザイン法40条)、デザイ ン登録出願が特許庁において審査するために適切な状態にあること10)を含 む。また、実体的要件は、ⅰ工業上利用可能性(デザイン法33条1項本文)、 ⅱ新規性11)(デザイン法33条1項各号) 、ⅲ創作非容易性12)(デザイン法33条 2項)、ⅳ拡大先願(デザイン法33条3項本文)、ⅴ不登録理由13) (デザイン 法34条)、ⅵ先願(デザイン法46条)を含む。 この点、日本の意匠法では一出願で複数デザインを含む出願は許されない が、韓国のデザイン法では同じ物品類に属する物品について100以内のデザイ ンを各デザインに分離して表現しつつ、一つのデザイン登録出願とすること ができる14)。デザインが、一つの発想を中心に類似するものが多数創作され る場合が多いことから、類似のデザインの統一的な保護の便宜を高め、出願 手続きの簡略化及び出願にかかる費用負担の軽減を目的とするものである。 他方、デザイン法は、登録主義を原則としつつも、デザイン一部審査登録 制度を採用している。この制度は、デザイン登録出願のうち流行性が高くラ イフサイクルが短い対象物品を定め、当該対象物品に関するデザイン登録出 願は一部の登録要件だけを審査し、当該対象物品ではない物品に関するデザ イン登録出願は全ての登録要件を審査するという制度である。すなわち、デ ザイン法は物品分類を基準として、デザイン登録出願を、全ての登録要件を 審査するデザイン全部審査登録出願と、一部の登録要件だけを審査するデザ イン一部審査登録出願に二分化して審査を行う。このデザイン一部審査登録 制度は諸外国に見られない制度であり、デザインの重要性が増すにつれデザ イン登録出願が急激に増加しデザイン登録出願の審査が遅延した1990年代の 問題を解消するため、1998年に韓国法に導入され現在に至るまで残存してい る制度である。 デザイン一部審査登録制度の対象物品は法改正により変化しているもの の、現在のデザイン法では、ロカルノ物品分類基準総32物品類のうち、2 類(衣服類及びファッション雑貨用品)と5類(織物製品、人工及び天然 シート織物類)と19類(文房具、事務用品、美術材料、及び教材)の物品類 10)例えば、複数デザイン登録出願(デザイン法41条)、 一組の物品のデザイン(デザイン法42条)などの特殊 なデザイン登録出願は、一定の手続的要件を追加的に 規定している。 11)デザイン法における新規性の判断は、特許法と同じ く、国内外における公知、公然実施、刊行物の記載に 基づいて行われる。 12)デザイン法における創作非容易性の判断は、国内外に おける公知、公然実施、刊行物の記載に加えて、国内 外における周知形態が判断資料となる。なお、かつて は周知形態の判断対象は韓国内のものに留まっていた が、2014年の改正によりその範囲が外国まで広がった。 13)「ⅰ国旗、国章、軍旗、勲章、褒章、記章、その他の 公共機関等の標章及び外国の国旗、国章又は国際機関 等の文字若しくは標識と同一又は類似するデザイン、 ⅱデザインが与える意味又は内容等が、一般人の通常 の道徳観念若しくは善良な風俗を害するか、又は公の 秩序を害するおそれがあるデザイン、ⅲ他人の業務に 係る商品と混同をもたらすおそれがあるデザイン、ⅳ 物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなる デザイン」はデザイン登録を受けることができない。 14)デザイン法41条。. と定められている。これらの物品類においては、一部の登録要件だけが審査 される。具体的には、上述した登録要件のうち、新規性、公知デザインによ る創作非容易性、拡大先願、先願については審査されない(デザイン法62条 2項)。また、関連デザインの場合は、原則的に関連デザインに追加要求さ れる登録要件の審査も省略される(デザイン法62条3項)。これらの審査を しない登録要件は、デザインの同一性の判断など他の登録要件と比較して審 査に時間を要するものであり、審査の迅速性を図るというデザイン一部審査 登録制度の目的から選択されたものである。デザイン一部審査登録出願につ いては、審査官は全ての登録要件を審査しないため、当該デザイン登録出願 が審査しない登録要件を満たしていない場合であっても、デザイン権が発生 することになる。そこで、デザイン法は、瑕疵あるデザイン権を発生させる というデザイン一部審査登録制度の問題点を補完するために、デザイン一部 審査登録の異議申立制度を設けている。デザイン一部審査登録の異議申立て は、異議申立人側にとっては、デザイン登録無効審判より時間と費用の面で 有利であり、デザイン登録無効審判と共にデザイン権者からの権利行使に対.
(4) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. する防御方法の一つとして利用できるものである。一方で、デザイン権者側 にとっては、審査で判断されない登録要件を特許庁で早期に判断してもらう ことが可能となり、デザイン権の権利行使が安定的に可能となるというメ リットがある。 具体的には、デザイン権が設定登録された日からデザイン一部審査登録公 告日後の三ヶ月を経過する日まで、何人もそのデザイン一部審査登録に異議 申立理由があることを理由として異議申立することができる(デザイン法68 条1項) 。その後、異議申立書が異議申立の対象となったデザイン権者に送達 され、デザイン権者は答弁書を提出することができる(デザイン法68条3項) 。 また、異議申立は審査官合議体により審査されるが、審査官合議体はデザイ ン権者又は異議申立人が主張していない理由についても審査することができ、 この場合にはデザイン権者又は異議申立人にその理由について意見陳述の機 会を与える(デザイン法71条1項) 。その後、審査官合議体は異議申立人が提 出した異議申立書とデザイン権者が提出した答弁書を考慮し、異議申立に理 由があると認められるときはデザイン登録の取消決定をし、異議申立に理由 がないと認められるときは異議申立の棄却決定をする。デザイン登録の取消 決定については取消決定不服審判を請求することができるが(デザイン法120 条) 、異議申立の棄却決定については不服を申し立てることができず(デザイ ン法73条6項) 、この場合にはデザイン登録無効審判を利用することとなる。. 2.4. 特殊なデザインの保護 ⑴ 部分デザイン. 原則的に物品の部分は独立性のある具体的な物品ではないので、デザイン 法の保護対象となるための物品性を欠いている。しかし、デザイン法は、物 品の一部がデザインの要部となる場合には、デザイン法における保護対象に なるように部分デザイン制度を採用している。 具体的には、部分デザインを含む物品がデザイン法でいう物品性を有し、部 分デザインが当該物品の部分の形態であることが認められ、かつ他のデザイン と対比可能な部分として一つの創作的単位と認められる場合には15)、当該部分 デザインは保護対象となる。 特に、画像デザインは部分デザインとして保護される一例である。画像デ ザインを含む物品とは、画像が表示されたものとすることも可能であり(例 えば、 「画像デザインが表示された携帯端末機」 ) 、画像が表示された部品とす ることも可能である(例えば、 「画像デザインが表示されたディスプレーパネ ル」 ) 。よって、次ページの登録デザインのように、携帯端末機の表示画面の 一部を含む物品を「グラフィック使用者インタフェースが表示されたディス プレーパネル」とした場合、当該グラフィックが表示された洗濯機や冷蔵庫 にもデザイン権の権利範囲が及ぶ。一方で、当該表示画面を含む物品を「グ ラフィック表示された携帯端末機」とした場合には、そのデザイン権の権利 範囲は、非類似の物品、例えば洗濯機や冷蔵庫には及ばないと判断される。 デザイン登録出願時に提出する図面では、全体のデザインのうち、部分デ ザインとしてデザイン登録を受ける部分は実線で表現し、その他の部分は破 線で表現しておくことで、デザイン登録を受ける部分を明確に特定する必要 がある。また、次ページの登録デザインのように、デザイン登録を受ける部 分以外の部分を無彩色で塗って表現することも可能である。さらに、画像デ 15)デザイン審査基準112頁。. ザインの場合、画像デザインが図示された正面図だけでデザイン登録を受け. 73.
(5) 74. 特集:各国におけるデザイン保護法制. る部分を明確に特定することができるので、六面図の提出は必須ではなく、 正面図以外の図面は提出を省略することが可能である。. 登録デザイン30-0903324 登録日:2017年4月12日 名称:グラフィック使用者インタフェースが表示されたディスプレーパネル. ⑵ 書体デザイン デザイン法は、「書体」を「記録、表示又は印刷等に使用するために共通 の特徴を有する形態で作成された一組の書体(数字、文章符号及び記号等の 形態を含む)」と定義する16)。書体は原則的に独立性のある具体的な物品で はなく、形状、模様、色彩、又はこれらを結合したものではないため、デザ イン法の保護対象となるための物品性や形態性が欠けている。しかし、デザ イン法は、例外として、デザイン法2条1号により書体デザインを保護対象 として加えている。 ただし、書体デザインは、保護を受けるためには、①記録及び表示あるい は印刷などに使用されるものであり、②共通の特徴を有する形態で作られ、 ③一体のハングル書体、一体の英文字書体、一体の漢字書体、その他一体の 外国文字書体、一体の数字書体、一体の特殊記号文字体である必要がある17)。 よって、例えばハングル書体と英文字書体をまとめて一つのデザイン登録出 願をすることはできない。 また、書体デザインが設定登録された場合でも、タイプ・組み版又は印刷 等の通常の過程において書体を使用する場合と、このような書体の使用に よって生産された結果物(例えば、本などの印刷物)である場合には、デザ イン権の効力は及ばない18)。. 16)デザイン法2条2号。 17)デザイン審査基準112頁。 18)デザイン法94条2項。. 登録デザイン30-655755 登録日:2012年8月7日 名称:日本文字(ひらがな)書体.
(6) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. ⑶ 建築不動産 デザイン法上、有体動産だけが物品性を有し保護対象となるのが原則であ る。ただし、バンガロー、公衆電話ボックス、移動販売台、防犯警戒所、乗 車台、橋梁、移動トイレ、組立家屋などのように、大量生産可能でかつ運搬 可能であるものは物品性があるものと取り扱われている19)。 一方で、現場施工を通じて建築されるデザインに関して、物品性が否定さ れた裁判例がある。下のような蒸し風呂を物品とするデザインについては、 「外部層には築台を積む石と類似の御影石を27段の高さで鐘のように積層し、 その下部の両側に対向された位置に御影石4段の高さで2個の出入口を設置 し、内部層には黄土と石板を相互に積層し、全体的に相当な厚さの壁体を形 成するという事実が認定でき、上の認定事実によれば、登録デザインの対象 物品である蒸し風呂はその材質と構造及び形状や模様などに鑑み、現場施工 を通じて建築される不動産にあたると判断され、工業的な生産方法によって 同じ形態で量産されかつ運送可能な有体動産ではない」20)とし、デザイン法 の保護対象でないとしている。. 2.5. その他. デザイン法は他の知的財産権法と同じく、先願主義、審査主義、登録主義. を採用している。よって、デザイン創作者はデザイン法により自身のデザイ ンの保護を希望する場合には、他の創作者より先にデザイン登録出願という 特許庁への手続を行い、その後特許庁の審査を経てデザイン権を確保しなけ ればならない。 ただし、デザイン登録出願によりデザイン権を確保したデザイン権者も自 己の登録デザインを自由に実施できない場合もある。例えば、デザイン権者 であっても、登録デザイン(又は登録デザインに類似するデザイン)がその デザイン登録出願日前に出願された他人の登録デザイン又はこれに類似する デザイン・特許発明・登録実用新案若しくは登録商標を利用する場合又は権 利が抵触する場合には、その他人の許諾を受けずに自己の登録デザイン(又 は登録デザインに類似するデザイン)を実施することはできない21)。また、 デザイン権者は、登録デザイン若しくはこれに類似するデザインがそのデザ イン登録出願日前に生じた他人の著作物利用する場合又は権利が抵触する場 合にも、著作権者の許諾を受けずに自己のデザイン又はこれに類似するデザ 19)デザイン審査基準109頁。. インを業として実施することができない22)。これらの規定は、知的財産権法. 20)特許法院2007年10月4日宣告2007HEO5260判決。. の根幹となる先願主義の原則のもとで、先に出願された権利(デザイン権、. 22)デザイン法95条3項。. 特許権、実用新案権、著作権)を保護するために後に出願された登録デザイ. 21)デザイン法95条1項、2項。. 75.
(7) 76. 特集:各国におけるデザイン保護法制. ンの実施を制限すると同時に、後のデザイン権者も自己の登録デザインを実 施する可能性を設け、先後の権利者間の公平を保つものである。. 3.著作権法によるデザインの保護 3.1. 著作権法の目的と保護対象. 著作権法1条は「著作者の権利及びこれに隣接する権利を保護し、著作物. の公正な利用を図ることにより、文化及び関連産業の向上発展に寄与するこ とを目的とする」と規定している。ここで、著作権の保護とは、著作者の 人格的権利23)及び著作者の財産的利益24)を保護することを意味する。また、 著作者の権利に隣接する権利の保護とは、著作物を一般公衆に伝達する重要 な役割を果たす実演者、レコード製作者、放送事業者などの利益を保護する ことを意味する。 時代の移り変わりや技術水準の向上により人間の表現方法は多様となり、 著作権法の保護対象となる著作物も多様化している。従来は文学、学術及び 純粋美術が著作物の典型例として理解されていたが、現在ではコンピュータ プログラムや応用美術なども著作物として把握されるに至っている。 狭義のデザインに該当するものとしては、視覚性を有する美術著作物25) のうち、物品性を有する応用美術著作物26)が著作権法の保護対象となる。. 3.2. 権利の発生及び保護期間. 著作権法では、特許法やデザイン法を含む他の知的財産権法と異なり、著. 作権は著作物を創作した時から発生し、いかなる手続又は形式の履行も要し ない(著作権法10条2項)。すなわち、著作権法はベルヌ条約に対応して無 方式主義を採用している。また、著作財産権は、原則的に著作者が生存する 間及び死亡した後70年間存続する(著作権法39条1項)。 著作権者以外の者が、著作物に依拠し、著作物と同一又は実質的に類似の ものを、無断で利用し又は許諾範囲外で利用すると、著作権侵害を構成す る。著作権侵害が認められた場合には、民事的な救済として差止請求(著作 権法114条)、損害賠償請求(著作権法125条)、名誉回復請求(著作権法127 条)などが可能である。また、違反行為の是正勧告(著作権法133条の3) などの行政的な救済と、五年以下の懲役又は五千万ウォン以下の罰金に処す ること(著作権法136条)、複製物などを没収すること(著作権法139条)な 23)公表権(著作権法11条)、氏名表示権(著作権法12. どの刑事的な救済も可能である。. 条)、同一性保持権(著作権法13条)が含まれる。 24)複製権(著作権法16条)、上演権(著作権法17条)、公 衆送信権(著作権法18条)、展示権(著作権法19条)、 譲渡権(著作権法20条)、貸与権(著作権法21条)、翻 案権(著作権法22条)が含まれる。 25)著作権法4条1項4号は、美術著作物を「絵画、書 芸、彫刻、工芸、応用美術著作物」と例示している。 26)著作権法2条15号は、応用美術著作物を「物品に同 一の形状で複製されることができる美術著作物であっ て、その利用された物品と区別されて独自性を認める ことができるものをいい、デザイン等を含む」と定義 している。 27)SEUNGJONG OH『 著 作 権 法 』(PAKYOUNG 社、 2013年)249頁。. 28)著作権法4条1項4号は美術著作物を「絵画、書芸、 彫刻、工芸、応用美術著作物」と規定している。 29)SEUNGJONG OH・前掲書255頁。. 30)SEUNGJONG OH『 応 用 美 術 の 保 護 』 季 刊 著 作 権 (1995年)5頁。. 3.3. デザイン法との関係. 1987年以前の著作権法2条は著作物を「表現の方法又は形式に関わらず文. 書、演述、絵画、彫刻、工芸、建築、地図、図形、模型、写真、楽曲、楽 譜、演奏、歌唱、舞譜、脚本、演出、レコード、録音フィルム、映画とその 他の学門又は芸術の範囲に属する一切のもの」と定義しており、応用美術著 作物においては一品製作的な手工芸品のみを保護の対象としているとするの が通説的な見解であった27)。 ところが、1986年度の改正著作権法は応用美術著作物が美術著作物の一例で あることを明記し、全ての応用美術著作物が著作権法の保護対象となった28)。 当時の立法資料では、「著作権に関連する用語の定義及び著作物の例示を現 実に合わせて具体的に分類して規定した」29)と説明され、美術著作物の意味 やデザイン法との関係に関する記述は存在しない30)。.
(8) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. 1986年度の改正により全ての応用美術著作物が著作権法の保護対象となっ たことから、応用美術著作物であるデザインがデザイン登録出願を経て登録 された場合には、デザイン法による保護と著作権法による保護が重複する。 この点については、デザイン法と著作権法の重複保護を認めるとデザイン法 の趣旨が没却されるおそれがあるとの批判もあった31)。この点、大法院は、 1986年の改正著作権法の下では、 「応用美術作品に対しては原則的にデザイン 法による保護で十分であり、例外的に著作権法による保護が重複されて行わ れるとみることがデザイン法及び著作権法の立法趣旨である。よって、産業 上の大量生産への利用を目的として創作される全ての応用美術作品が直ちに 著作権法上の著作物として保護されるということはできず、それ自体が一つ の独立的かつ芸術的な特性や価値を持っており、芸術の範囲に属する創作物 に該当する場合にのみ著作物として保護されるべきである」32)と判示している。 その後、2000年の改正著作権法は、応用美術著作物を「物品に同一の形状 で複製できる美術著作物であって、その利用された物品と区別して独自性を 認めることができるものをいい、デザイン等を含む」と定義することで(著 作権法2条15号)、この定義を満たす応用美術著作物だけが著作権法の保護 対象になることを明らかにした。. 3.4. 保護要件 ⑴ 概要. 著作権法は著作物を「人間の思想又は感情を表現した創作物」と定義して おり、応用美術著作物は著作物の一種である以上、その表現に創作性が必要 である。ここで、創作性とは「完全な意味での独創性をいうものではなく、単 にある作品が他人のものを単純に模倣したものではなく創作者自身の独自の思 想又は感情の表現が含まれていることだけを意味し、この要件を満たすために は単に著作物に著作者自身の精神的努力の所産としての特性が付与されてお り、他の著作者の既存の作品と区別できれば十分である」33)と解釈されている。 また、著作権法での応用美術著作物の定義上、応用美術著作物は、創作性 以外にも、物品に同一形状で複製することができ(複製可能性)、物品と区 別される独自性を認めることができる(分離可能性)という要件を満たすこ とが必要である34)。 ⑵ 複製可能性 まず、応用美術著作物は複製可能性があるものに限られる。よって、美術 著作物のうち一つしか製造できないもの(例えば、一品製作の手工芸品な ど)は応用美術著作物に該当せず、大量生産が可能な物品に同一形状で複製 できる美術著作物が応用美術著作物に該当する。 では、デザインが、純粋美術著作物にも該当するが複製可能な応用美術著 作物としても利用される場合に、当該美術著作物は応用美術著作物として著 作権法の保護対象となるであろうか。 31)SEUNGHUN HAN『著作権の法制と実務』 (SAMMIN 社、. この点、純粋美術著作物に該当する図案が大量生産可能な物品であるネ. 1998年)308頁、JUKIN HWANG=SUNHEE JUNG=. クタイに利用された場合に、「ヒディンクネクタイの図案は、告訴人が……. 195頁など。. 2002年ワールドカップサーカー大会で勝利を祈願する意味で創作したこと、. YUNHO CHOI『著作権法』(BUPMUN 社、1988年). 32)大法院1996年2月23日宣告94DO3266判決。. 告訴人が当該図案を織物に渲染又は捺染の方法により複製したネクタイを製. 34)TAEHO JUNG『動物キャラクター図案の事例を通じ. 作して販売したことが認められ、図案は『物品に同一形状で複製できる美術. 33)大法院1995年11月14日宣告94DO2238判決。. た応用美術著作物と純粋美術著作物の境界に関する考. 察 ─ 大 法 院2014年12月11日 宣 告2012DA76829判 決 を 中心に』知識財産研究10巻2号(2015年)142頁。. 著作物』に該当するというべきであり、また、その利用された物品(この事 件ではネクタイ)と区分して独自性が認められるものであれば……応用美術. 77.
(9) 78. 特集:各国におけるデザイン保護法制. 著作物に該当するというべきである。そうであるとすると、ヒディンクネク タイの図案がその利用された物品と区分されて独自性を有すると認められる ものであれば、著作権法の保護対象である著作物に該当し、そうでなければ 著作物に該当しないと判断すべきである」35)と判示したものがある。. ⑶ 分離可能性 次に、応用美術著作物は、分離可能性があるものに限られる。分離可能性 とは、応用美術著作物のデザインが複製可能な物品に使用されている場合に 当該物品の機能的側面と物理的又は概念的に分離されて認識できるものであ ることを意味する36)。また、分離可能性の有無を判断する具体的基準は、当 該物品が有する機能的側面の考慮が美的表現に対して実質的に制約要素とし て働くか否かによる37)。 この点、書籍の表紙・題号デザインが応用美術著作物であるかの判断につ いて、 「表紙・題号デザインは、全て……書籍の内容が存在することを前提 としてこれを効果的に伝達する手段に過ぎないことから、書籍表紙という実 用的な機能と分離認識して独立的に存在することができず、この文字、絵の 形態や配列などの形式的要素自体には一つの美術著作物といえる程度の独自 的な実態が認められないため、表紙・題号デザインは著作権法の保護対象と なる応用美術著作物ではない」38)とし、書籍の表紙・題号デザインは物品と の分離可能性がなく応用美術著作物ではないと判示したものがある。. 35)大法院2004年7月22日宣告2003DO7572判決。. 36)通説。HAEWAN LEE『著作権法』(PAKYOUNG 社、 2015年)109頁、 SEUNGJONG OH ・前掲書255頁、. GYUNGSOO CHOI『著作権法概論』(HANWOOL ACADEMI、2010年)130頁など。. 37)HAEWAN LEE・前掲書111頁。. 38)大法院2013年4月25日宣告2012DA41410判決。. 3.5. その他. 現行制度では、応用美術著作物であるデザインは、デザイン権と著作権法に. よって重複保護を受けることが可能である。著作権は無登録で発生することか ら応用美術著作物であるデザインの創作時に直ちに著作権が発生し、登録要 件を満たしている場合には、デザイン登録出願を経てデザイン権が発生する。.
(10) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. この点、デザイン権は財産権であるのに対し、著作権は財産権と共に著作 者人格権を含む。また、著作権財産権は文化及び関連産業の向上発展を目的 としているため、著作権は第三者が独自的に創作したものには権利が及ばな い長期の相対的排他権である。. 4.不正競争防止法によるデザインの保護 4.1. 不正競争防止法の目的と保護対象. 不正競争防止法1条は「国内において周知の他人の商標、商号等を不正に. 使用する等の不正競争行為及び他人の営業秘密を侵害する行為を防止し、健 全な取引秩序を維持することを目的とする」と規定している。 ここで、不正競争行為とは、営業主体が事業活動を行うための競争力にた だ乗りしようとする行為である。このような不正競争行為は不正競争防止法 2条1号各目に列挙されており、そのうち、デザインの保護と関連するもの は JA 目である。不正競争防止法2条1号 JA 目は、当時の日本の不正競争防 止法第2条第1項第3号を参考にしたものである。. 不正競争防止法2条1号 JA 目は「他人が製作した商品の形態(形状・模. 様・色彩・光沢又はこれらを結合したものをいい、試作品又は商品紹介書上 の形態を含む)を模倣した商品を譲渡・貸渡し若しくはこのための展示を. し、又は輸入・輸出する行為。ただし、次のいずれかに該当する行為は除 く。ⅰ商品の試作品製作等、商品の形態が備えられた日から3年を経過した 商品の形態を譲渡・貸渡し若しくはこのための展示をし、又は輸入・輸出す る行為、ⅱ他人が製作した商品と同種の商品(同種の商品がない場合には、 その商品と機能及び効用が同一又は類似の商品を言う)が通常有する形態を 模倣した商品を譲渡・貸渡し若しくはこのための展示をし、又は輸入・輸出 する行為」と規定し、デザインが商品形態の場合の商品形態模倣行為、いわ ゆる「デッドコピー」が不正競争行為となることを明らかにしている。 不正競争防止法が商品形態模倣行為を不正競争行為と規定する理由は、商 品形態の模倣行為を見逃すと、模倣者としては商品開発者が投資した時間と 費用などの努力を省略しつつ商品開発に係る危険負担を回避できるので、商品 開発者の市場先行利益が顕著に毀損され商品開発者と模倣者の競争に顕著な 不公平が生じ、結果として新たな商品開発に対する社会的な意欲が減少して しまうからである39)。すなわち、不正競争防止法は、商品開発者の市場に対す る先行利益を模倣者から保護するために、商品形態模倣行為を規制している。. 4.2. 権利の発生及び保護期間. 不正競争防止法は、商品形態模倣行為を、その商品の試作品製作等商品の. 形態が備えられた日から起算して3年間、不正競争行為として規制する。 ここで、不正競争防止法が保護期間に制限を設けていることは日本の不正 競争防止法を参考にしたと言われている。但し、日本の不正競争防止法19条 1項5号イでは、保護期間の始期を「日本国内において最初に販売された日」 と規定しているのに対し、韓国の不正競争防止法では、その始期を「商品の 試作品製作等商品の形態が備えられた日」としているので、始期は異なる。 韓国の不正競争防止法が日本と異なる始期を規定しているのは、商品を実 39)ソウル高等法院2015年9月10日宣告2014NA2052436 判決。. 40)JUNGRYUL CHOI = GYUHO LEE『不正競争防止法』 (JINWON 社、2015年)192頁。. 質的に販売していなくとも試作品が完成すると商品開発のための投資はほぼ 完了されているとみることができ、このときから営業上の利益侵害の可能性 が生じるといえるからである40)。なお、外国で商品の形態が備えられた日が. 79.
(11) 80. 特集:各国におけるデザイン保護法制. 韓国内で商品の形態が備えられた日より先であった場合には、外国で商品の 形態が備えられた日から3年を経過した商品を保護対象から除外すると判示 した裁判例がある41)。外国で先に形態が備えられた商品が韓国に輸入された 日を保護期間の始期とすると、当該商品は外国で販売された期間と韓国に輸 入された日から3年間保護される結果となるため、その保護期間が3年を超 え韓国で先に形態が備えられた商品との保護期間が異なってしまうという不 合理が生じるからである42)。 なお、不正競争行為を構成する場合には、民事的な救済として差止請求 (不正競争防止法4条)、損害賠償請求(不正競争防止法5条)、信用回復措 置請求(不正競争防止法6条)などが可能である。また、違反行為の是正勧 告をすること(不正競争防止法8条)、2,000万ウォン以下の過料を科するこ と(不正競争防止法20条)などの行政的な救済と、十年以下の懲役又は一億 ウォン以下の罰金を処すること(不正競争防止法18条)などの刑事的な救済 も可能である。. 4.3. 他法との関係. 不正競争防止法15条1項は「 『特許法』 、 『実用新案法』 、 『デザイン法』 、 『商. 標法』 、 『農水産物品質管理法』 、又は『著作権法』に2条から6条まで及び18 条3項と別段の規定があるときは、その法律による」と規定している。この 規定は不正競争防止法がデザイン法や著作権法などの法律と抵触すると他法 律が優先することを明らかにしたものである。よって、商品の形態に表れた デザインがデザイン法や著作権法により保護される場合にも、デザイン法や 著作権法に抵触しない範囲では不正競争防止法による保護も可能である43)。 なお、デザイン権の権利行使が可能である場合でも、当該行為が不正競争 行為となる場合があるかについて、「デザインの登録が対象物品に美感を起 こさせる自分のデザインの保護のためではなく、一般の需要者において韓国 に広く認識されて使用されている他人の商品と混同を生じせしめて利益を得 るために形式的にデザイン権を取得した場合には、このデザイン登録出願自 体が不正競争行為を目的としたものであり、仮に正当な権利行使の外観を呈 しているとしても、これはデザイン法を悪用するか濫用するものとなり、デ ザイン法に基づく適法な権利の行使と認めることはできず、不正競争防止法 15条1項による不正競争防止法2条の適用は排除されない」44)とし、デザイ ン権の権利行使が権利濫用と判断される場合には、不正競争防止法が適用さ れると判示した裁判例がある。. 4.4. 保護要件 ⑴ 概要. 不正競争防止法2条1号 JA 目の定義上、不正競争防止法でいう不正競争. 行為と認められるためには、他人が製作した商品に表れているデザインを模 41)ソウル中央地方法院2011年6月8日宣告2010GAHAP 135897判決。. 42)WONMO AN『不正競争防止及び営業秘密保護に関. する法律2条1号 JA 目の保護対象である商品形態の 意味と範囲』弘益法学8巻2号(2007年)319頁。. 43)特許庁=韓国知識財産研究院『知識財産制度の実効性 を高めるための保護制度基礎研究 ─ 不正競争防止及 び営業秘密に関する法律条文別解説書』(2014年)372 頁。 44)大法院2013年3月14日宣告2010DO15512判決。. 倣しているという積極的要件と、他人が製作した商品が同種の商品が通常有 する形態ではないという消極的要件を満たさなければならない。 ⑵ 積極的要件 不正競争防止法2条1号 JA 目でいう不正競争行為と認められるためには、. 「他人が製作した商品の形態の模倣行為」でなければならない。ここで、模. 倣とは「他人の商品形態に基づいてこれと実質的に同一形態の商品を製作す ることをいい、形態に改変がある場合に実質的に同一形態の商品に該当する.
(12) デザイン学研究特集号 Vol.25-2 No.98. か否かは当該変更の内容・程度、この着想の難易度、変形による形態的効果 などを総合的に考慮して判断される」45)。 また、不正競争防止法2条1号 JA 目が「製作」との用語を使用している. ことと、不正競争防止法2条1号 JA 目が規制する行為を「譲渡・貸渡し若. しくはこのための展示をし、又は輸入・輸出する行為」に限定していること に鑑みると、商品形態とは有体物に限定すべきである46)。よって、商品形態 が具体的ではない商品、例えばアイデアに留まっている商品の形態を模倣す ることは不正競争行為ではない。 この点、下のようなソフトアイスクリームの上に直方体形状であって蜂. 蜜が含まれたままの蜂の巣をのせる形態が商品形態に該当するかについて、 「需要者がこの商品の外観自体で特定の商品を認識できる程度の形態的特異 性があるとしても、一定の定型性がない場合には、仮に商品形態を構成する アイデアや着想又は特徴的な模様や機能などに同一性があるとしても、『商 品形態』を模倣する不正競争行為の保護対象に該当しない」47)とし、「その 製造・販売方式の特性上……個別製品別に異なる可能性が高く……蜂の巣が ソフトアイスクリームにのせた位置が異なっているため一定の形態に定型化 されてから販売されておらず……『巻きつけているソフトアイスクリーム状 に直方体形状の蜂の巣をのせる形態』であることが共通しており商品形態に 関連しているとしたとしても、これは商品形態そのものではなく個別製品の 抽象的な特徴に過ぎないか……ソフトアイスクリームとトッピングとしての 蜂の巣を組み合わせる商品の結合方式又は販売方式に関するアイデアが共 通するに過ぎず、不正教法防止法2条1号 JA 目でいう保護対象ではない」48). と判示した裁判例がある。. ⑶ 消極的要件 他人が製作した商品の形態を模倣した商品であっても、「他人が製作した 商品と同種の商品が通常有する形態を模倣した商品」は除外される。ここ で、同種の商品が通常有する形態とは「同種の商品であれば通常有している ありふれた特別な特徴のない商品形態と、このような商品の形態を単純に組 み合わせた形態及び当該商品としての機能を確保するために不可欠に有しな ければならない形態である」49)と解釈されている。 この点、ありふれている特別な特徴のない商品形態について、 「アイスク リームが商品である場合、アイスクリームの容器、容器内のアイスクリーム 45)大法院2008年10月17日 JA2006MA342決定。. 46)JUNGRYUL CHOI = GYUHO LEE・前掲書179頁。. の形状、……トッピングの模様及び配置等により構成された全体的形状・模 様・色彩・光沢等が商品形態になるものの、……原告の商品を構成するアイ. 47)大法院2016年10月27日宣告2015DA240454判決。. スクリームの容器、ソフトアイスクリーム、蜂の巣における各々の形態には. 49)前掲ソウル高等法院2015年9月10日判決。. 如何なる独自的な特徴も存在せず、これらを組み合わせた原告の商品の形態. 48)前掲大法院2016年10月27日判決。. 81.
(13) 82. 特集:各国におけるデザイン保護法制. も同種の商品の形態が通常有する形態を超えるものではないので、……ソフ トアイスクリームと蜂の巣を組み合わせる方法が存在しなかった……との事 情だけでは原告の商品の形態が同種の商品が通常有する形態に該当しないと みることはできない」50)とした裁判例がある。これまで当該商品分野において そのようなソフトアイスクリームが存在しなかった事情がありながらも、同 種の商品が通常有する形態に過ぎないと判断されていることから、不正競争 防行為の対象商品には実質的に一定の創作性が要求されていると思われる51)。. 4.5. その他. デザイン権による保護を受けていないデザインのうち、商品形態であるデ. ザインは、その模倣行為が不正競争防止法2条1号 JA 目で規定する不正競 争行為に限って不正競争防止法により保護される。. また、2013年の改正により、不正競争防止法2条1項 CHA 目が新設され、. 「その他、他人の相当な投資又は努力により作成された成果等を公正な商取 引慣行又は競争秩序に反する方法により自身の営業のために無断で使用する ことにより、他人の経済的利益を侵害する行為」が不正競争行為と規定され た。既存の不正競争防止行為は JA 目のように限定列挙されていたものだけ. であったが、この規定は制限的であるものの不正競争行為を一般化したもの. であると評価されている52)。よって、不正競争防止法2条1号 JA 目の保護 期間が過ぎたとしても、同法2条1号 CHA 目でいう「自身の営業のために. 無断で使用することにより、他人の経済的利益を侵害する行為」と解釈され る場合もありえる。. 5.おわりに 韓国におけるデザインの保護は、デザイン法が基本になりながらも著作権 法と不正競争防止法による保護が可能である。デザインの創作者がデザイン 登録出願と特許庁の審査を経てデザインを登録させた場合、当該デザインは 独占排他権であるデザイン権により保護できる。一方で、デザイン権を有し ていない場合にも、著作権法及び不正競争防止法における各々の保護要件を 満たしているデザインも保護される。. 50)前掲ソウル高等法院2015年9月10日判決。 51)一方、WONMO AN・前掲論文308-309頁は「本条項. の立法趣旨を考慮すると、他人の商品形態に創作性ま では要求しないと解釈することが妥当である」とし、創 作性を要求しないとの見解が多数説とみられるとする. (JUNGRYUL CHOI = GYUHO LEE・前掲書180頁) 。. 52)特許庁=韓国知識財産研究院・前掲書172頁。.
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