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ショートステイ利用前後における要介護者のADL と介護者の介護負担の変化

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 43 巻第 4 号 323ショートステイ利用前後の要介護者の ∼ 332 頁(2016 年) ADL および介護負担の変化. 323. 症例研究. ショートステイ利用前後における要介護者の ADL と 介護者の介護負担の変化* 岡 前 暁 生 1)# 原 田 和 宏 2) 岡 田   誠 1) 松 下 和 弘 1) 村岸亜伊子 1) 1) 3) 4) 5) 和 田 智 弘  和 田 陽 介  浅 川 康 吉  道 免 和 久. 要旨 【目的】本研究の目的は,ショートステイ利用前後における要介護者の ADL の変化と介護者の介護負担 の変化に関連する要因,および自宅と施設における離床時間について検証することである。【方法】対 象はショートステイを利用する要介護者 50 名とその主介護者 50 名とした。調査項目は要介護者の ADL と介護者の介護負担とした。 【結果】ショートステイ利用後に要介護者の ADL は有意な改善が認められた。 多重ロジスティック回帰分析の結果,介護者の介護負担の変化に関連する要因として,要介護度,介護 者仕事の有無が有意な関連因子として抽出された。自宅とショートステイ利用中の離床時間には有意な 差は認めなかった。【結論】ショートステイの利用により要介護者の ADL は悪化よりむしろ改善するこ とが示唆された。また,介護者の介護負担は,要介護者の要介護度が高く,仕事をしている介護者にお いて不変であるか減少する可能性が示唆された。 キーワード ショートステイ,要介護者,介護負担,離床時間. はじめに. んらかの理由で家を空けなければならないときや緊急時, 介護疲れからのリフレッシュを図りたいときなどにレス.  高齢化に伴い,要介護(要支援)認定者数は 2014 年に. 2) パイト目的で利用され ,家族介護者の介護負担軽減を. 1) は 590 万人に達している 。在宅で介護が必要となって. 図るなど在宅生活継続のための重要な役割が期待されて. いる要介護者の数は増加し,在宅生活を継続していくた. いる。. めの支援はますます重要となっている。施設などに短期.  施設などに一時的に入所する海外でのレスパイトケア. 間入所するショートステイは,介護をしている家族がな. に関する先行研究では,利用する高齢者などで記憶と行 動の改善. 3). がみられたとの報告がある一方で,日常生. *. Changes in Activities of Daily Living among Frail Elders in Need of Care and the Burden on Their Primary Caregivers before and after a Short-term Stay in a Geriatric Health Care Facility 1)兵庫医科大学ささやま医療センターリハビリテーション室 (〒 669‒2321 兵庫県篠山市黒岡 5) Akio Okamae, PT, MSc, Makoto Okada, PT, Kazuhiro Matsushita, PT, Aiko Muragishi, PT, Tomohiro Wada, PT: Department of Rehabilitation, Hyogo College of Medicine Sasayama Medical Center 2)吉備国際大学保健医療福祉学部 Kazuhiro Harada, PT, PhD: Department of Physical Therapy, Graduate School of Health Science, Kibi International University 3)兵庫医科大学地域総合医療学 Yousuke Wada, MD: Department of General Medicine and Community Health Science, Hyogo College of Medicine 4)首都大学東京健康福祉学部理学療法学科 Yasuyoshi Asakawa, PT, PhD: Faculty of Health Sciences, School of Physical Therapy, Tokyo Metropolitan University 5)兵庫医科大学リハビリテーション医学教室 Kazuhisa Domen, MD, PhD: Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Hyogo College of Medicine # E-mail: okamae90@yahoo.co.jp (受付日 2015 年 8 月 28 日/受理日 2016 年 3 月 9 日) [J-STAGE での早期公開日 2016 年 4 月 20 日]. 活動作(Activities of daily living;以下,ADL)などで 悪化. 4). ,睡眠障害のパターンの悪化 5) など,負の効果. も報告されている。また,ADL などで変化がみられな かったとの報告もあり. 6‒8). ,知見は一致していない。た. だ,これら海外での先行研究については,レスパイト入 所期間が平均約 2 週間となっている。  一方,国内の介護保険制度導入後の報告では,1 ヵ月 の 1 人あたりの利用日数は特別養護老人ホームなどに入 所する短期入所生活介護が 9.6 日,介護老人保健施設な どに入所する短期入所療養介護が 7.2 日. 9). である。また,. これら両方のサービスを併わせたショートステイの 1 回 の利用日数は 3 日がもっとも多く,7 日以下の利用者が 8 割以上を占めているとの報告もあり. 10). ,海外のレス. パイト入所と比べ短期間の利用が主流になっている。.

(2) 324. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 図 1 対象者決定・調査完了までの流れ.  国内のショートステイに関するこれまでの報告では,. の変化,また自宅と施設での離床時間を把握することが. 利用する高齢者において心身面で高い効果がある一方で. 重要になる。. 低下傾向を示す者も多く含まれるといわれている. 11‒13). 。.  本研究の目的は,ショートステイ利用前後における要. しかし,これらの報告は後ろ向きであり,信頼性・妥当. 介護者の ADL の変化と介護者の介護負担の変化に関連. 性が示された評価指標によるショートステイ利用前後の. する要因および自宅と施設における離床時間について検. 調査に基づいた観察的な研究は,これまでなされてい. 証することである。. ない。  介護者の介護負担に関しては,Adler ら の介護負担と抑うつが低下し,Burdz ら. 7). 3). は介護者. は介護負担 14). 方   法 1.対象. は.  対象は兵庫県東南部の一介護老人保健施設のショート. ショートステイ終了時に疲労感や抑うつ感などが有意に. ステイを利用する要介護者とした。包含基準は①病状の. 減少し,介護者の健康状態の悪い者に疲労が改善傾向で. 安定している要介護者,②自宅から入所し自宅へ退所す. あったと報告している。しかし,疲労感が改善しなかっ. る者,③研究参加の同意が得られた者とした。除外基準. に 正 の 影 響 が あ っ た と 報 告 し て い る。 山 田 ら. た者が一定数存在している. 14). ことがわかっており,. は,①調査期間中に急な体調の変化が生じた者,②要介. ショートステイ利用後には一時的な介護からの解放から. 護者の普段の生活の様子を観察できる介護者がいない. 再び介護がはじまることで,一部の介護者には負の影響. 者,③利用開始の申込み手続きがひとりで行えなかった. 3) が生じる可能性がある 。ところが,これらの影響が生. など,介護者の認知機能の低下などが疑われ正確な情報. じる可能性がある介護者や要介護者の特徴については明. を得ることが困難であると施設の相談員らと協議して判. らかにされていないことも多く,介護者の介護負担の変. 断した者とした。登録期間は 2013 年 7 月 1 日∼ 2014 年. 化に関連する要因については十分に検討されているとは. 6 月 30 日までの 1 年間とし,その期間に入所を開始し. いえない。. た要介護者とその主介護者を調査対象とした(図 1)。.  また,離床時間は施設入所者の健康的側面への影 響. 15). や ADL と関連性があり 16),廃用症候群の予防の. ためにもその重要性が指摘され. 15). ,これまでにも在宅. 生活者や長期施設入所者において調査が行われてい る. 15‒18). 。ショートステイでは生活面などで自宅と施設 12). 2.評価項目と方法 1)要介護者・主介護者の評価  要介護者に関する調査内容は基本属性(年齢,性別, 認知機能,要介護度,要介護状態になったおもな原因疾. ,ショートス. 患,ショートステイ利用日数・利用回数) ,ADL,ADL. テイ利用者の自宅と施設の離床時間に関しても,その差. に関する意欲とした。また,自宅とショートステイ利用. がどの程度あるのかを把握することは重要であるにもか. 中の施設での離床時間,ベッドや布団から起き上がる時. かわらず,これまでほとんど検討されていない。. 刻,ベッドや布団に臥位になる時刻を調査した。.  理学療法士がショートステイでより効果的にかかわる.   認 知 機 能 は Mini-Mental State Examination( 以 下,. ためには,利用前後の要介護者やその家族に生じる状態. MMSE). の連続性が重要であるといわれており. 19). と Clinical Dementia Rating(以下,CDR)20).

(3) ショートステイ利用前後の要介護者の ADL および介護負担の変化. 325. を用いて調べた。調査はショートステイ利用中に調査者 が実施した。ADL に関する意欲は Vitality Index(以下, 21). VI). を用いて調べた。VI は起床,意思疎通,食事,. 排泄,リハビリ・活動の 5 項目に関する意欲について各 項目 0 ∼ 2 点の 3 段階で評価される。合計得点は 0 ∼ 10 点で,得点が高いほど生活意欲が高いことを示す。 22). ADL は Barthel Index(以下,BI). を用いて調べた。. 合計得点は 0 ∼ 100 点で,得点が高いほど基本的 ADL が高いことを示す。実施方法は,十分な説明を行ったう えで主介護者に評価を依頼し,調査票回収時に調査者が 記載内容を確認し,内容に不備や実情と異なる記載があ る場合には,主介護者に記載内容について確認し修正を 行った。離床時間と起き上がる時刻・臥位になる時刻に ついては,自宅とショートステイ利用中の施設において 調査した。離床時間は座位および立位の姿勢を取ってい た時間と定義した. 18). 。起き上がる時刻は朝,ベッドや. 図 2 利用前後の調査の流れ. 布団から起き上がった時刻,臥位になる時刻は夜,ベッ ドや布団に臥位になった時刻とした。自宅に関しては評 価前 1 週間のショートステイや通所サービスを利用して. 時間,起き上がる時刻・臥位になる時刻は,自宅での状. いない日の平均的な時間・時刻について,主介護者から. 況は主介護者,施設での状況は介護リーダーから回答を. 回答を得た。施設に関しては,ショートステイの退所前. 得た。J-ZBI_8 は,利用前の状況は入所 2 日前から前日. 日から退所日の離床時間,起き上がる時刻・臥位になる. の状況について,利用後の状況は退所翌日から 2 日目の. 時刻について介護リーダーから回答を得た。. 状況について,主介護者から回答を得た(図 2)。.  介護者に関する調査内容は基本属性(年齢,性別,要 介護者との関係,同居家族数,介護経験年数,仕事の有. 3.データ分析. 無,健康状態),介護負担とした。介護負担は Zarit 介.  すべてのデータについて正規性の確認を行い,正規性. 23)24). 護 負 担 尺 度 短 縮 版(J-ZBI_8). を 用 い て 調 べ た。. が確認された変数についてはパラメトリック検定を行. J-ZBI_8 は介護を必要とする状況に対する否定的な感情. い,そうでない変数についてはノンパラメトリック検定. の程度や介護によって社会生活に支障をきたしている程. を行った。VI,BI,J-ZBI_8 の利用前後の値,自宅と施. 度に関する 8 項目から構成され,各項目について 0 ∼ 4. 設の離床時間,起き上がる時刻・臥位になる時刻につい. 点の 5 段階で評価される。合計得点は 0 ∼ 32 点で,得. ては Wilcoxon 検定を用いて比較した。時刻はシリアル. 点が高いほど介護負担感が高いことを示す。評価は主介. 値(時刻を 24 で割って 0 ∼ 0.999 までに換算した値). 護者に依頼した。. にして計算した。.  また,ショートステイ利用後の要介護者の心身状況, 13).  次に,介護者の介護負担の変化に関連する要因を検証. が用いた心身状況. するため,利用前後の J-ZBI_8 の値から,利用前と比べ. の調査項目を参考にして,要介護者のショートステイ利. 利用後に不変もしくは減少の者を不変減少群,増加した. 用前と比較した利用後の精神状況,身体状況,排泄状況,. 者を増加群として,基本属性,通所・訪問系サービス利. 食事状況,睡眠状況,会話回数の変化に関して,「おお. 用の有無,ショートステイ利用中の個別リハビリテー. いに調子がよくなった」から「おおいに調子が悪くなっ. ション実施加算の算定の有無,各評価指標,各評価指標. た」 ,までの 7 段階尺度で評価し,利用後に主介護者か. の変化について対応のある t 検定,Mann-Whitney の U. ら回答を得た。. 2 検定,χ 独立性の検定を用いて群間比較を行った。有. 2)調査手順. 意差が認められた項目を独立変数,J-ZBI_8(不変減少.  利用前後の機能的状態に関するデータ収集は,VI,. 群:1,増加群:0)を従属変数とした多重ロジスティッ. BI の得点に関しては,利用前の状況は入所 2 日前から. ク回帰分析を行った。統計解析は IBM SPSS Statistics. 前日の状況について,利用後の状況は退所翌日から 2 日. version 22 を使用した。統計学的有意水準は 5%とした。. 生活状況の変化について,立松ら. 目の状況について,要介護者の主介護者から回答を得 た。また,要介護者の心身状況,生活状況の変化につい. 4.倫理的配慮. ては利用後の調査の際に主介護者から回答を得た。離床.  本研究計画は兵庫医科大学の倫理審査委員会の承認.

(4) 326. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 表 1 対象者の基本属性. (第 1484 号)と吉備国際大学の倫理審査委員会の承認 (13-08)を得た。調査依頼者には本研究の意義・方法・ 不利益等を文書と口頭で説明し,文書による同意を得た。 結   果. 要介護者(n=50) 年齢(歳) 性別(男/女)(人). 84.5(80.5, 91.3) 23 / 27. MMSE(点). 13.0(5.0, 19.3). 1.対象者の特徴. CDR(点). 1.0(0.88, 2.0).  対象者は,要介護者 50 名とその主介護者 50 名であっ.  要介護度(人). た。要介護者は男性 23 名(46%),女性 27 名(54%) ,.  要介護 1. 主介護者は男性 4 名(8%),女性 46 名(92%)であっ.  要介護 2. 6. た(表 1)。ショートステイ期間中には,特別なケアや.  要介護 3. 13.  要介護 4. 13.  要介護 5. 7. アクティビティプログラムは行っていないが,対象者全 員にリハビリテーション機能強化加算,22 名に個別リ ハビリテーション実施加算の算定を行った。内容は,理 学療法士等による基本動作訓練,ADL 訓練,また状態 に応じた移動方法の選択,居住環境の整備,福祉用具の 選定などを利用者のサービス計画に沿って実施した。. 11. 主たる疾患(複数回答)(人)  脳血管疾患  関節疾患. 25 6.  骨折. 15.  心疾患. 11. 2.利用前後の要介護者の ADL の変化 .  糖尿病. 10.  ショートステイ利用前後の要介護者の各指標の得点の.  認知症. 16. 変化については,利用前と比べ利用後では,BI の得点.  その他. 23. は有意に高い値を示した。VI の得点は有意な差は認め られなかった(表 2)。 3.介護者の介護負担の変化に関連する要因  ショートステイ利用前後の主介護者の J-ZBI_8 の得点 は有意な差は認められなかった(表 2)。各評価項目, 基本属性等について介護負担の不変減少群と増加群を比 較した結果,要介護度(不変減少群で介護度が高い), 介護者仕事の有無(不変減少群で仕事ありが多い)で有 意な差が認められた(表 3)。群間比較で有意差が認め. ショートステイ利用日数(日). 4.0(3.0, 5.0). 利用開始からのショートステイ 利用回数(人)  1 回. 1.  2 ∼ 5 回. 15.  6 ∼ 10 回. 7.  11 回以上. 27. 介護者(n=50) 年齢(歳). 63.2 ± 9.3. られた要介護度,介護者仕事の有無を独立変数,介護負. 性別(男/女)(人). 担の変化を従属変数,調整変数として要介護者年齢と介. 要介護者との関係(人). 護者年齢,通所系サービスの有無,訪問系サービスの有.  配偶者. 14. 無を投入した(Model 2)多重ロジスティック回帰分析.  娘. 14. を行った結果,要介護度(オッズ比:1.85,95%信頼区.  息子. 間:1.05 ‒ 3.28)と介護者仕事の有無(オッズ比:5.69,.  息子の配偶者. 95%信頼区間:1.02 ‒ 31.81)が独立した有意な関連因子.  その他. と し て 抽 出 さ れ た。 モ デ ル の 適 合 度 は Hosmer‒. 同居家族数(人). Lemeshow で p = 0.581 であった(表 4) 。調整変数のな. 仕事の有無(有/無). かで有意な関連因子はなかった。. 健康状態  健康でない. 4.利用後の心身状況,生活状況の変化  6 項目すべてにおいて「変化がない」という回答の相 対度数がもっとも多かった。精神状況では, 「いくぶんか 調子がよくなった」 「ほどほどに調子がよくなった」 「お おいに調子がよくなった」を併わせた回答が 24%,身体 状況と会話回数では 18%,睡眠状況は 14%であった。 「い くぶんか調子が悪くなった」 「ほどほどに調子が悪くなっ.  あまり健康でない  まあまあ健康である  大変健康である. 4 / 46. 4 17 1 3.0(2.0, 4.0) 21 / 29. 2 7 38 3. 正規分布データ:平均値±標準偏差 非正規分布データ・順序尺度データ:中央値(25%,75% 四分位点) MMSE:Mini-Mental State Examination,CDR:Clinical Dementia Rating.

(5) ショートステイ利用前後の要介護者の ADL および介護負担の変化. 327. 表 2 ショートステイ利用前後の変化. BI. 利用前. 利用後. 35.0(23.8, 76.3). 45.0(20.0, 76.3). p値 0.011*. VI. 8.0(6.0, 10.0). 8.0(6.0, 9.3). 0.337. J-ZBI_8. 9.0(5.8, 15.3). 8.5(5.0, 15.3). 0.534. *:p < 0.05 中央値(25% , 75%四分位点) BI:Barthel Index,VI:Vitality Index,J-ZBI_8:Zarit 介護負担尺度短縮版. た」を併わせた回答が,精神状況・睡眠状況・会話回数. る可能性がある. 25)26). 。. では 2 ∼ 8%,身体状況では 12%であった(表 5) 。 2.介護者の介護負担の変化に関連する要因 5.自宅と施設での離床時間,起き上がる時刻・臥位に なる時刻の比較.  利用前後の評価で介護者の介護負担の変化を調べた先 行研究では,介護負担が低下する. 3)7). ,疲労感や抑うつ. 14). がある一方で,.  離床時間には有意な差は認められなかった。起き上が. 感,不安感などが減少するとの報告. る時刻と臥位になる時刻は自宅と比べ施設では有意に早. 一部の介護者には負の影響が生じるとされ. かった(表 6)。. 評価では介護者の精神機能に正の影響があったとする報. 考   察. 告. 6). る. 27). 3). ,利用中の. や健康指標で変化がなかったとする報告があ. 。今回,全体では介護負担に有意な変化はなかっ. 1.要介護者の利用前後の変化. たが,変化なしや減少した介護者は増加した介護者より.  入所期間が平均で約 4 日間であった今回の結果では,. も多い結果となった。. 全体では ADL について悪化は認められずむしろ改善の.  介護者の介護負担などの変化に関連する介護者の要因. 傾向が示された。レスパイト期間が平均 1 週間で調査さ. についての先行研究では,利用前後の比較で山田ら. れた先行研究. 6). では,多くの者に健康と精神機能に変. 14). が健康状態の悪い者に疲労が改善傾向であったと報告し 27). が,情緒的な. 化がなかったが,悪化の割合より改善の割合の方が多い. ている。利用中の評価では Homer ら. 結果となっている。本研究とは異なり,統計解析は行わ. 健康が改善した介護者は維持や低下した介護者より不. れておらず,利用中の調査であるが,比較的短い入所期. 安・不眠などの状態であったと報告している。今回の結. 間でも改善傾向を示す可能性が示されている。. 果では,仕事をしている介護者は,仕事をしていない介.  今回の対象者は要介護者であったため,認知機能の低. 護者に比べて介護負担が減少しやすく,増加しにくいこ. 下を認める者が多くみられ,認知症の診断がある者とな. とが示された。利用後には家族関係の悪化や大きな困難. 3). は認知症者と非認知. が生じた者が一定数存在することが指摘されている. 症者を対象とし,問題行動などで改善したと報告してい. 3) が ,仕事をしている介護者は仕事をしていない介護者. る。利用前後の比較をしたなかで唯一悪化を示した. と比べ要介護者とかかわる時間が短いことなどから,利. い者が混在していた。Burdz ら. Hirsh らの報告. 4). では,レスパイトケアをはじめて利. 用後の要介護者との関係の悪化や困難が生じにくい状況. 用した者を対象として,ADL で悪化が認められている。. が推察され,介護負担が増加するのを防ぐ要因のひとつ. レスパイトケアのリピーターを対象としている報告で. となっている可能性が考えられる。就業していること. は,ADL で 悪 化 を 示 し た も の は 見 ら れ な い。 ま た,. が,介護負担が低くなる要因であるとの報告もあり. Hirsh ら. 4). も退所の 2 週間後には入所前の値に戻ると 7). 28). ,. 仕事をしながらショートステイなどの介護サービスを利. は, リ ピ ー タ ー も 含 め て. 用し介護を続けることは,介護負担を増加させずに在宅. ADL などで変化がなかったと報告しているが,退所の. 介護を長く継続していくための要因のひとつになる可能. 2 週間後に評価をしている。これらの先行研究では初回. 性が考えられる。. 利用者において退所直後に悪化がみられているが,リ.  これまでの先行研究において,ショートステイ利用前. ピーターにおいては維持もしくは改善傾向になることが. 後の介護者の介護負担の変化に関連する要介護者の要因. 示されており,リピーターが多い今回の調査でも同様の. については,ほとんど検討されていない。鷲尾ら. 傾向が示されたことから,利用を重ねることで施設生活. 介護負担の高い介護者は低い介護者と比較して,要介護. に慣れ,徐々に転居のストレスが軽減されることにつな. 者の要介護度に差を認めなかったと報告しているが,今. 指 摘 し て い る。Adler ら. 13). 29). は. 。ただし,ショートス. 回の結果ではショートステイの利用後に,要介護者の要. テイ利用による変化は永続的ではなく一時的なものであ. 介護度が高いと介護者の介護負担が減少する可能性が示. がり得る可能性が推察される.

(6) 328. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 表 3 介護負担の不変減少群と増加群の比較. 要介護者 年齢 †(歳) 要介護度 † MMSE †(点) CDR †(点). 不変減少群(n=32). 増加群(n=18). p値. 86.5(82.3, 93.5). 84.0(72.0, 87.3). 0.105. 3.5(3.0, 4.0). 2.0(1.0, 3.3). 13.5(9.3, 18.0). 12.5(1.8, 23.0). 0.960. 1.0(1.0, 2.0). 1.5(0.5, 2.3). 1.000. 要介護の主要因となった疾患 ‡  脳血管疾患. 0.008 **. 0.466 13. 9.  関節疾患. 2. 1.  骨折. 1. 2.  心疾患. 3. 0.  認知症. 10. 3.  その他 BI †. 3. 3. 35.0(15.0, 71.3). 45.0(25.0, 80.0). 0.459. BI †(利用後−利用前) VI †. 0(0, 0). 0(0, 5.0). 0.316. 7.0(5.3, 9.0). 9.0(6.8, 10.0). 0.095. VI †(利用後−利用前). 0(0, 0.8). 0(0, 0). 0.874. 介護者 年齢 §(歳). 63.5 ± 7.1. 62.7 ± 12.6. 0.799. 介護経験年数 †(年). 4.0(2.0, 9.0). 4.5(3.0, 10.0). 0.653. 性別 ‡(男/女)(人) 同居家族数 †(人) 要介護者との関係 ‡  配偶者  娘  息子  息子の配偶者  その他 仕事の有無 ‡(有/無) J-ZBI_8 †. 4/28. 0/18. 0.283. 3.0(2.3, 4.0). 3.0(2.0, 4.0). 0.644. 6. 8. 10. 4. 4. 0. 11. 6. 1. 0. 0.209. 18/14. 3/15. 11.0(6.3, 15.0). 6.5(3.5, 18.0). 健康状態 ‡ 2. 0.  あまり健康でない. 2. 5. 26. 12. 2. 1. 4.0(3.0, 5.0). 4.0(2.8, 5.3).  大変健康である ショートステイ利用日数 †(日) ショートステイ利用回数 ‡  1 回  2 ∼ 5 回. 0.302 0.153.  健康でない.  まあまあ健康である. 0.008 **. 0.967 0.475. 1. 0. 11. 4.  6 ∼ 10 回. 3. 4.  11 回以上. 17. 10. 26/6. 15/3. 1.000. 13/19. 7/11. 1.000. 通所系サービス利用の有無 ‡(有/無) 訪問系サービス利用の有無 ‡(有/無). ショートステイ中の個別リハ ‡(有/無) 14/18 8/10 1.000 † : Mann-Whitney の U 検定,‡ : X2 検定,§: 対応のある t 検定 ** : p < 0.01 正規分布データ:平均値±標準偏差 非正規分布データ・順序尺度データ:中央値(25%,75%四分位点) MMSE: Mini-Mental State Examination, CDR: Clinical Dementia Rating, J-ZBI_8: Zarit 介護負担尺度短縮版 , BI: Barthel Index, VI: Vitality Index 個別リハ:個別リハビリテーション実施加算の算定 J-ZBI_8, BI, VI の値はショートステイ利用前の値.

(7) ショートステイ利用前後の要介護者の ADL および介護負担の変化. 329. 表 4 ショートステイ利用前後の介護負担の変化に関連する要因 Model 1. Model 2. OR(95% CI). p値. OR(95% CI). p値. 要介護度. 1.83(1.04 ∼ 3.20). 0.036*. 1.85(1.05 ∼ 3.28). 0.034*. 介護者仕事(有). 5.69(1.02 ∼ 31.76). 0.048*. 5.69(1.02 ∼ 31.81). 0.048*. *:p < 0.05 Model 1:要介護者年齢,介護者年齢を調整,Hosmer-Lemeshow 適合度 : 0.867 Model 2:要介護者年齢,介護者年齢,通所系サービス利用の有無,訪問系サービス利用の有無 を調整,Hosmer-Lemeshow 適合度 : 0.581,OR(95% CI): Odds ratio (95% confidence interval). 表 5 精神・身体・排泄・食事・睡眠状況,会話回数の変化 人数(%). 精神状況. 身体状況. 排泄状況. 食事状況. 睡眠状況. 会話回数. おおいに調子がよくなった. 0(0). 0(0). 1(2). 2(4). 1(2). 1(2). ほどほどに調子かよくなった. 3(6). 1(2). 1(2). 1(2). 1(2). 2(4). いくぶんか調子がよくなった. 9(18). 8(16). 1(2). 1(2). 5(10). 6(12). 34(68). 35(70). 46(92). 43(86). 41(82). 40(80). いくぶんか調子が悪くなった. 2(4). 5(10). 1(2). 2(4). 2(4). 1(2). ほどほどに調子が悪くなった. 0(0). 0(0). 0(0). 1(2). 0(0). 0(0). おおいに調子が悪くなった. 2(4). 1(2). 0(0). 0(0). 0(0). 0(0). 変化がない. 表 6 自宅と施設における起き上がる時刻・臥位になる時刻,離床時間 自宅. 施設. p値. 起き上がる時刻(時 : 分). 7:00(6:00, 7:00). 6:00(6:00, 6:30). <0.001*. 臥位になる時刻(時 : 分). 21:00(20:00, 21:00). 20:00(19:30, 21:00). <0.001*. 7.0(4.0, 11.5). 9.0(6.0, 10.8). 0.099. 離床時間(時間) *:p < 0.01 中央値(25% , 75%四分位点). 唆された。要介護度が高い重度な要介護者ほど,ショー. 今回,身体状況で悪化した者が 12%で他の項目より多. トステイを申請した家族に対する否定的な想いが生じに. い傾向であったが,利用前後の BI の得点は悪化よりむ. くいこと,あるいは環境変化への理解が低下しているこ. しろ改善傾向を示している。これは,BI の得点は ADL. とで,利用後の介護者との関係の悪化や困難が生じにく. を包括的に評価する指標であるのに対し,利用後の身体. いことなどが,介護負担が減少する要因のひとつとして. 状況の変化については,身体状況という抽象的な表現に. 考えられる。しかし,要介護状態は,たとえ要介護度が. したため,ADL の他に基本動作や身体の各部位など BI. 同じであってもその状態は多様であるため,今回の結果. の得点には反映されない事象の変化に対する意見が反映. からだけでは解釈に限界があり,今後さらなる検証が必. されている可能性が推察される。そのため,現場では包. 要と考える。. 括的な指標で変化を観察するとともに,個別の変化点に ついても情報を得ることで,より個別的なケア等を提供. 3.利用後の心身状況,生活状況の変化. し,利用者個人に合わせたショートステイでの過ごし方.  心身状況,生活状況でよくなった者の割合は,精神状. を検討していく必要があると考える。. 況・身体状況・会話回数において他の項目より相対的に 多く,先行研究. 13). の結果と同様の傾向であった。これ. までに行われた調査報告. 30). でも身体・精神状況が安定. 4.自宅と施設での離床時間,起き上がる時刻・臥位に なる時刻の比較. したことや会話回数が増えたことなどが肯定的な意見と.  今回の結果では,ベッドや布団から起き上がる時刻,. して報告されている。一方で,ADL の低下や依存的に. ベッドや布団に臥位になる時刻ともに自宅より施設で早. なった,混乱や疲れがみられたなど否定的な意見もある. くなっていた。施設では定時のベッドへの誘導や消灯,. が,肯定的な回答より相対的に少ない回答数である. 30). 。. 朝の起床や排泄の誘導などが行われていることから,利.

(8) 330. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 用者が施設のスケジュールに合わせて生活している可能. る介護者において不変であるか減少する可能性が示唆さ. 性が考えられた。. れた。.  離床時間は,自立度により異なるものの概ね 5 ∼ 7 時 間以上を維持することで日常生活自立度の低下をある程 17). 謝辞:本研究を実施するにあたり,ご協力いただきまし. ,今回の結果におい. た皆様,ならびにご指導いただきました吉備国際大学保. ても自宅・施設ともに日常生活自立度の低下を予防でき. 健医療福祉学部の水谷雅年氏,元田弘敏氏に心より感謝. る目安値に達していた。. いたします。なお,本研究は,日本理学療法士協会の平.  ショートステイでは自宅と施設での連続性が重要であ. 成 26 年度理学療法にかかわる研究助成を受けて実施. 度予防できると考えられており. るといわれており. 12). ,離床時間についても自宅と施設. の間に極端な乖離が生じることは望ましくないと考えら れる。今回の結果では,施設での離床時間が自宅での離 床時間と比べて有意ではないが長い傾向であったこと は,自宅と施設での連続性や離床時間と日常生活動作能 力の自立との関連. 16). の面からみて,肯定的に捉えてよ. いのではないかと考える。しかし,施設では離床してい ても自分の役割をもっている人は少ないとの報告もあ り. 15). ,離床中の活動や参加を含めた検討が今後必要だ. と考えられる。 5.研究限界  今回の研究は対照群を設定しておらず,今回認められ た変化が,転居(relocation) ,介護職員等の専門家の介 入,生活スタイルの変化への適応といった影響の具体性 は指摘できないと考えられる。離床時間,起き上がる時 刻・臥位になる時刻については,自宅と施設との間で評 価期間と評価者が異なっている。また,起き上がる時 刻・臥位になる時刻については,単にベッドや布団から 起きた時刻やベッドや布団に入った時刻であり,実際に 寝ようとしはじめた時刻や睡眠開始時刻,覚醒した時刻 を測定したものでないため,指標の信頼性・妥当性につ いては今後の検討課題である。また,対象者が一介護老 人保健施設のショートステイを利用する要介護者であ り,特別養護老人ホームのショートステイなどを利用す る者や要支援者の場合にも,今回の知見を用い一般化す るには慎重でなければならない。 結   論  ショートステイを利用する要介護者とその介護者を対 象として,ショートステイ利用前後の ADL の変化と介 護者の介護負担の変化に関連する要因,および自宅と施 設の離床時間について検討した。ショートステイ利用後 には,BI 合計得点に有意な改善が認められた。介護負 担の変化に関連する要因として,要介護度,介護者の仕 事の有無が有意に関連する要因として選択された。離床 時間は,自宅と施設の間に有意な差は認められなかっ た。ショートステイの利用に伴い,要介護者の ADL に おいては悪化よりむしろ改善する可能性が示唆された。 介護負担は,要介護者の要介護度が高く,仕事をしてい. した。 文  献 1)厚生労働省ホームページ 介護保険事業状況報告(暫定) 平 成 26 年 6 月 分.http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/ osirase/jigyo/m14/1406.html(2014 年 11 月 24 日引用) 2)立松麻衣子,齋藤功子,他:在宅介護者の介護負担感と ショートステイ利用効果.日本家政学会誌.2001; 52(7): 617‒626. 3)Burdz MP, Eaton WO, et al.: Effect of respite care on dementia and nondementia patients and their caregivers. Psychology and Aging. 1988; 3(1): 38‒42. 4)Hirsch CH, Davies HD, et al.: Effects of a Nursing-home respite admission on veterans with advanced dementia. The Gerontologist. 1993; 33(4): 523‒528. 5)Lee D, Morgan K, et al.: Effect of institutional respite care on the sleep of people with dementia and their primary caregivers. J Am Geriatr Soc. 2007; 55: 252‒258. 6)Scharlach A, Frenzel C: An evaluation of institution-based respite care. The Gerontological Society of America. 1986; 26(1): 77‒82. 7)Adler G, Ott L, et al.: Institutional respite care: Benefits and risk for dementia patients and caregivers. Int Psychogeriatr. 1993; 5(1): 67‒77. 8)Watkins M, Redfern SJ: Evaluation of a new night nursing service for elderly people suffering from dementia. J Clin Nurs. 1997; 6: 485‒494. 9)厚生労働省ホームページ 厚生労働省統計情報・白書平 成 23 年 度 版.http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ kaigo/service11/(2014 年 1 月 18 日引用) 10)瀧澤雄三,鈴木 誠:老人短期入所施設の利用者の属性と 地域分布状況.小山工業高等専門学校研究紀要.2008; 40: 105‒112. 11)久保川真由美,京谷久子,他:ショートステイの実態と問 題点.看護.1998; 50(15): 197‒207. 12)立松麻衣子,齋藤功子,他:居住環境・生活状況における 自宅と施設の連続性―高齢者居宅支援につながるショート ステイのあり方に関する研究―.介護福祉学.2003; 10(1): 49‒59. 13)立松麻衣子,齋藤功子,他:在宅要援護高齢者のショート ステイ利用効果.日本家政学会誌.2002; 53(4): 369‒379. 14)山田紀代美,鈴木みずえ,他:ショートステイ利用による 介護者の疲労徴候の変化とその関連要因についての調査研 究.日本看護科学会誌.1994; 14(1): 39‒47. 15)横山正博,吉田明弘:特別養護老人ホームにおける離床に 関する研究.川崎医療福祉学会誌.1998; 8(2): 271‒277. 16)日本理学療法士協会国庫補助事業調査研究特別班:要介護 高齢者における離床時間と日常生活動作能力との関係.理 学療法学.2009; 36(7): 348‒355. 17)遠藤進一:要介護老人の日常生活自立度と離床時間の関 係.秋田大学医短紀要.1997; 5: 85‒89. 18)佐藤和佳子,柳 久子,他:House-bound にある在宅要介 護高齢者の自立支援に関する検討(第 1 報)― ADL と離.

(9) ショートステイ利用前後の要介護者の ADL および介護負担の変化 床時間との関連―.日本看護科学会誌.1997; 17: 66‒74. 19)Folstein MF, Folstein SE, et al.: “Mini-mental state”. A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. J Psychiatr Res. 1975; 12(3): 189‒198. 20)Gelb DJ, St Laurent RT: Alternative calculation of the global clinical dementia rating. Alzheimer Dis Assoc Disord. 1993; 7(4): 202‒211. 21)Toba K, Nakai R, et al.: Vitality Index as a useful tool to assess elderly with dementia. Geriatrics Gerontol Int. 2002; 2: 23‒29. 22)Mahoney FI, Barthel DW: Functional evaluation: the Barthel Index. Maryland State Med J. 1965; 14: 61‒65. 23)荒井由美子,田宮菜奈子,他:Zarit 介護負担尺度日本語 版の短縮版(J-ZBI_8)の作成:その信頼性と妥当性に関 する検討.日老医誌.2003; 40: 497‒503. 24)熊本圭吾,荒井由美子,他.日本語版 Zarit 介護負担尺度 短縮版(J-ZBI_8)の交差妥当性の検討.日老医誌.2004; 41: 204‒210. 25)Neville CC, Byrne GJA: The impact of residential respite. 331. care on the behavior of older people. Int Psychogeriatr. 2006; 18(1): 163‒170. 26)Neville CC, Byrne GJA: Prevalence of disruptive behavior displayed by older people in community and residential respite care settings. Int J Ment Health Nurs. 2007; 16: 81‒85. 27)Homer AC, Gilleard CJ: The effect of inpatient respite care on elderly patients and their carers. Age and Ageing. 1994; 23: 274‒276. 28)中谷陽明,東條光雅:家族介護者の受ける負担―負担感の 測定と要因分析.社会老年学.1989; 29: 27‒36 29)鷲尾昌一,斎藤重幸,他:北海道農村部の高齢者を介護す る家族の介護負担に影響を与える要因の検討:日本語版 Zarit 介護負担尺度(J_ZBI)を用いて.日老医誌.2005; 42: 221‒228. 30)東京都社会福祉協議会センター部会 ショートステイあり 方検討委員会:ショートステイから見える在宅福祉・介護 保険の今―ショートステイに関する現状調査 報告書―. 東京都社会福祉協議会,2008.12..

(10) 332. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 〈Abstract〉. Changes in Activities of Daily Living among Frail Elders in Need of Care and the Burden on Their Primary Caregivers before and after a Short-term Stay in a Geriatric Health Care Facility. Akio OKAMAE, PT, MSc, Makoto OKADA, PT, Kazuhiro MATSUSHITA, PT, Aiko MURAGISHI, PT, Tomohiro WADA, PT Department of Rehabilitation, Hyogo College of Medicine Sasayama Medical Center Kazuhiro HARADA, PT, PhD Department of Physical Therapy, Graduate School of Health Science, Kibi International University Yousuke WADA, MD Department of General Medicine and Community Health Science, Hyogo College of Medicine Yasuyoshi ASAKAWA, PT, PhD Faculty of Health Sciences, School of Physical Therapy, Tokyo Metropolitan University Kazuhisa DOMEN, MD, PhD Department of Physical Medicine and Rehabilitation, Hyogo College of Medicine. Purpose: The aim of this study was to determine changes in activities of daily living (ADL) among frail elders in need of care and the burden on their primary caregivers before and after a short-term stay in a geriatric health care facility. A comparison of the time absent from bed in home and facility environments was also conducted. Methods: Subjects were short-term residential respite care recipients at a single facility in southeast Hyogo Prefecture and their primary caregivers. Primary caregivers reported on changes in ADL among frail elders in need of care and their degree of caregiver burden before and after a short-term stay in a geriatric health care facility. Staff at the health care facility reported on time absent from bed in facility environments. In addition, primary caregivers also reported on time absent from bed in home. Results: A significant improvement in ADL was observed among frail elders in need of care after a short-term stay. Based on the results of multiple logistic regression analysis, the level of care required and the employment of the primary caregiver were extracted as factors related to significant changes in the burden on primary caregivers. No significant difference was observed in time absent from bed between home and facility environments. Conclusion: Improvement in ADL was found after a short-term stay in a geriatric health care facility. These results also suggest that the burden of primary caregivers who have a work in daily life or care frail elders in need of high level care reduced or did not change. Key Words: Short-term stay, Frail elders in need of care, Burden on primary caregivers, Time absent from bed.

(11)

図 1 対象者決定・調査完了までの流れ
表 3 介護負担の不変減少群と増加群の比較 不変減少群(n=32) 増加群(n=18) p 値 要介護者 年齢 † (歳) 86.5(82.3, 93.5) 84.0(72.0, 87.3) 0.105 要介護度 † 3.5(3.0, 4.0) 2.0(1.0, 3.3) 0.008 ** MMSE  † (点) 13.5(9.3, 18.0) 12.5(1.8, 23.0) 0.960 CDR  † (点) 1.0(1.0, 2.0) 1.5(0.5, 2.3) 1.000  要介護の主要因となった疾患

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