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アルフアルファ新品種「キタワカパ」の地域適応性

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北 海 道 草 地 研 究 会 報 第20号 :231-234 (1986)

アルフアルファ新品種「キタワカバ」の地域適応性

植 田 精 一 ・ 我 有 満・津井 晃 (農林水産省北海道農業試験場) 緒 員 北海道におけるアノレファノレファの栽培は,最近,高栄養粗飼料としての認識が高まり,広く全道で 利用されるようになった。昭和60年末の栽培面積は,約 9,500 hαに達し,全道酪農家の16%が栽培し l戸当り面積は3.4halと及んで、いる。昭和58年までの北海道の奨励品種は「サラナック

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,準奨励品 種は「アルファ

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ヨーロッパ

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ソア」の計

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品種で, いずれも外国からの導入品種であり, 広域適応性や耐病性などに不満な点もあり寒地向き多収性品種の育成が要望されていた。(昭59 「サイテーション」 昭60

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リュテス

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が準奨励品種として追加された)

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キタワカパ」は乙のよ うな情勢に応じて育成された品種であり,多収性,広域適応性等について改良されている。特に従来 北海道で育成された牧草品種の東北地方への適応性の拡大は困難であったが,本品種は乙の点が顕著 に改善されている。本報告では,系統適応性検定試験についての結果について記載するD 系統適応性検定試験を担当していただいた天北農試,北見農試,根釧農試,新得畜試,青森畜試お よび山形畜試の関係者に深謝する。 供試系統および試験方法 供試した系統は「キタワカパ」のほか,育成系統5,標準品種として「ソア」を用いて地域適応性 を検討した。系統適応性検定試験の実施場所は,北海道は天北農試,北見農試,新得畜試,北海道農 試の4場所で,根釧農試は混播条件での検討を担当したが,今回の報告には省略する。東北地方では 青森畜試,山形畜試の2場所で実施した。試験期間は昭和55年から 57年の 3カ年間である。各場所に おける試験方法および耕種概要は,系統適応性検定試験実施要領2)に準じ, 1区面積6--10nt, 4反 復,年間刈取り回数は北海道の場所では初年目 2回刈, 2 --3年目は 2--3回刈,東北 2場所では初 年目 2--3回, 2年目以降は 4--5回であった。年間施肥量は各場所の慣例によった。試験はし、ずれ の場所も単播で実施された。調査項目と方法は前記,

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系適実施要領」に準じた。 結果および考察 今回試験を実施した場所は最北地点の天北農試北緯450 06'から山形畜試の380 25'まで南北に広い地 域であり,年平均気温においては天北農試の4.90 Cから山形畜試の 10.80 Cまでに分散し, 降水量に おいても北見農試の年間817捌から青森畜試の1, 457卿までと環境条件の大きく異なる地域で実施さ れた。乾物収量の地域別比較を図 lに示した。乙の結果によると「キタワカパ」は試験期間中の各年 次 (3カ年)別合計乾物収量および 3年間の年間平均値が標準品種「ソア」に対して,北海道農試 108* 北見農試96ns,天北農試109ペ 新 得 畜 試 119**を示し北海道地域の全平均は 106**で、あったロまた東 北地域では青森畜試 120ペ 山 形 畜 試 106ns, 2場こみでは 110**であり,北海道・東北全場所を総 括した場合108林の収量比を示し,北見農試を除いて,いずれの場所でも多収を示している。したが 4 E i 円 ベ U つ ム

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第20号 (1986) 北海道草地研究会報 北海道農試 103ns --キタワカパ ソア(標) 108* 天 北 農 試 100 D M k / a 50 114* 150 100 DM ・ ( k / a ) 平均 初年目 2年目 3年目 平均 初年目 2年目 3年目 新 得 畜 試 北 見 農 試 115** D 100 M K / a 50 96ns 100ns 95ns 85ns 100 D M ・ ( K / a ) 均 均即庁内 平場町山 円 Lti ヨ 北 暗 唱 東 ぽ 円 ベ U 4 1 4 R 口 年 内 / ω 初年目 平均 (k/a) 150 2年目 3年目 初年目 110** 北海道内4場平均 青 森 畜 試 平均 初年目 2年目 3年目 平均 初年目 2年目 3年目 平均 初年目 2年目 3年目 104ns 山 形 畜 試 108** 全場所平均 107** 112** D

~

100 n u ( k / a ) 150 D M ,,-.,100 k / a 、ーノ 50 平均 アルフアルファ新品種「キタワカパ」の地域別収量 (1980~83) 円 / μ 円 ベ U つ 臼 2年目 3年目 初年目 平均 初年目 2年目 3年目 図1

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北 海 道 草 地 研 究 会 報 第20号(1986) って「キタワカパ」は北海道の道北,十勝,道央,道央以南,東北地方北部にまで適応性が拡がり, 収量が優れると考えられる。北見地域については,前述のように3カ年平均96nsの収量比で、あったが, 年次推移をみると初年目85ns,2年目95ns,3年自には 100nsとなり年数経過とともに標準品種「ソ ア」と同程度の収量になる点を考慮すると,適応地域に含めても問題はないと考えられる。 暖地むき育成品種と「キタワカパ」の比較結果を表1に示した。乙の試験は北海道農試(札幌)で 実施した。

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キタワカパ」はし1ずれの年次も暖地むき品種「ナツワカパ

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タチワカパ

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(いずれも 表1 札幌におけるキタワカパと暖地向き育成品種の乾物収量比較 年次 キタワカノて タチワカノイ ナツワカノイ ソ ア 有意性 LSD (比較) (比較) (標準) (5

%)

初年目 113 99 96 56. 1 ns 2年目 114 99 90 105.4 * 13.3. 3年目 103 94 97 140. 2 ns 5十 108 97 95 301. 7 6. 6 注)北海道農試1980--82年成績「ソア

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100に対する比率, 「ソア」は実収kg/ a, L S D労表示。 表2 東北地方におけるキタワカバと流通品種の乾物収量比較 場 所 年次 キタワカノイ デ、ュピュイ ヨーロッノマ ソ ア 有意性 LSD (比較) (比較) (標準) (5

%)

初年目 116 104 103 36.0 ns 2年目 122 103 110 81. 6

*

*

9. 6 青森畜試 3年目 120 110 103 83. 5

*

*

8.8 計 120 106 105 201. 1

*

*

6.0 初年目 100 109 95 101. 3 ns 山形畜試 2年目 112 114 118 149. 2 ns 3年目 104 111 106 176.8 ns 5十 106 112 108 427. 3 ns 愛知県農総試育成)より多収を示し,特に2年目, 3カ年合計収量は有意に多収であった。乙の暖地 むき 2品種は春期の低温時に生育が劣る反面,夏期の高温時から秋にかけては比較的良好な生育を示 す乙とが観察され,特に晩秋まで生育するため,越冬性が低下し,早春の萌芽,伸長が劣る。しかし 「キタワカパ」には乙のような点はなく,寒地での適応性は高い。東北地方の

2

場所においては現在 流通している「デュピュイ

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ヨーロッパ」との比較が同時に行なわれた。その結果青森畜試におい ては「デュピュイ」収量比106,

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ヨーロッパ

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105に対して「キタワカパ」は120料の多収を示し た。しかし山形畜試においては「デュピュイ

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112,

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ヨーロッパ

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108に対して「キタワカパ」は 106nsで、あった。乙の結果から考えると「キタワカパ」の適応地域を東北地方中部以南の地域にまで 拡大する乙とは困難のようにみうけられる。 一般的に作物品種の遺伝的特性はそれが育成された立地条件と密接な相関があり,牧草品種におい ても例外ではない。特に北海道は,ブレーキストン線(又は津軽海峡線)と言われる生物分布の境界 線で区分され3),植物相でもほぼこの考え方が支持されている。乙の点から考えると北海道内で育成 円 ベ υ 円 ペ u n ノ u

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北 海 道 草 地 研 究 会 報 第20号(1986) された品種が津軽海峡線を乙えた東北地方に適応性を拡大する乙との困難さが予想される。今回育成 された「キタワカパ」が東北地方部にまで適応性を示した理由は,合成母材栄養系14のうち 2が東北 地方の岩手県小井岩農場および,青森県畜試(野辺地町)の生態型集団から選抜されたエリートクロ ーンが組込まれている乙とが一つの理由と考察される。従来からの種生態学的な考え方をとり入れた 生態区の中心地における育種は卓越した効果をあげたが,牧草育種は新品種々子増殖上一つの生態区 を乙えた,より広域適応性が要求される。乙の意味で本品種が北海道,東北地方の広大な地域に適応 性を示した乙とは注目すべきであって,今後の育種上の方法論として,異なる地域l乙生存する生態型 を母材とする乙とにより,広域適性品種育成の可能性を実証した意義は大であると考えられる。 要 約 育成品種「キタワカパ」の地域適応性を北海道内4場所,東北地方 2場所で検討した結果,乙の品 種は生態条件の大きく異る両地域で適応性が高く広域適応性品種であることが判明した。乙の理由は 北海道内の生態型集団からの7栄養系,導入品種からの 5栄養系に加えて東北地方収集生態集団に起 源する 2栄養系が合成に利用された乙とが一つの理由と考察された。北海道内で育成された品種が東 北地方まで適応性を拡大できた意義は大である。 参 考 文 献 1 )植田ほか:アルファノレファ新品種「キタワカパ」の育成とその特性,北海道農試研究報告143. 1 --21. 1985. 2 )農林水産技術会議事務局・草地試,験場編;牧草飼料作物系統適応性検定試験実施要領,草地試験 場No.52-14資料1978. 3 )生物学辞典,岩波書庖・東京, 1983. AUI nベ U つ ' U

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