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Academic year: 2021

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まえがき

近代科学の幕開けは,ピサの斜塔から落体の実験を行ったガリレイに始まるといわれている。ではなぜ このことが近代科学の幕開けになったかといえば,自然現象を数理的に捉え,数式で表したことに由来す るからである。この伝統のために,欧米の学問は文科系の学問でさえも具体的な現象に対して,データを あげて,グラフや表を用いて定量的に議論することが当然のようにされている。一方,わが国の数学は江 戸時代に和算が発達したが,それは現象の記述を必ずしも指向するものではなかったために結局すたれて しまった。 現象の記述には必ず,「変化させる値」と「観測値」がでてくる。そして,変化させる量と観測値の対 応を考えることが「関数」なのである。関数は,具体的な現象に基づかないようなことではただの計算ト レーニングとなるのである。 さて,日本の高校までの数学教育を考えてみよう。日本の高校までの数学教育は,形は西洋数学でも精 神は和算なのである。つまり,自然現象・社会現象を記述するためのものではなく,計算術のトレーニン グをやっているにすぎない。悪い意味で和魂洋才である。かつては,大学入試で数学のできない人は入試 に合格できなかったし,文科系は数学を知らなくても専門に関する勉強をすることは可能であった。しか し,情報技術が発達した現在では,文科系でもコンピュータを用いて数値的に分析することは容易になり, 数学を知っていることが大変重要となった。理科系では数学の学力不足で専門の勉強ができなくて困って いる。そこで,本書は高卒者(大学生,短大生,高専生,専門学校生,予備校生,社会人など)や進んだ 高校生が高校の数学をもう一度高い立場から適用事例を通して見直す教科書として執筆したものである。 本書では重要な関数として,2次関数・3次関数,三角関数,指数関数・対数関数を取り上げ,2次関 数・3次関数については微分・積分まで取り上げる。コンピュータ時代を反映して,離散量として関数を 扱うことを考えて,数列も取り上げている。 2005年8月 著者しるす まえがき iii

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