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農村における青年活動の研究(IV) : 農村青年の生活意識

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(1)Title. 農村における青年活動の研究(IV) : 農村青年の生活意識. Author(s). 松下, 覚; 大居, 平一郎. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 17(1): 65-81. Issue Date. 1966-06. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4550. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第 17 巻. 第1 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和4 1年6月. 農村における青年活動の研究 -- lv 農村青年の生活意識 -- 松 下. 覚・大居平 一郎. 北海道教育大学旭川分校教育心理学教室. sat。ru PぬATSUSR1TA He i ichir6 0工: A Study on the , Young Peopl ion in the Rura e’ I Com muni s Associat ty,. lv How the Farm You th th ink of their Lives ,. 現代の農村青年の意識の転換が, 農村青年の離農傾向を強め かつ青年活動の不振をもた らし ,. ていると一般にし ・われている, その点を検討するために, 農村青年 の農業観・生活意識.社会態 度 (職業・家庭.勉学な どに対する態度) 及び生活態度な どについて調査 し これ らが性別,年 , 令及び地区的特性に よっ てどのように規定されているか検討した とくに生活意識及び社会態度 , につい ては, 昭和35年に全国教育研究所連盟において企画実施された勤労青年意識調査i )の一部 を多少 修正 して利用 し, 昭和35年と昭和38年の時間的な変化の様相をも検討 した . 調査方法は, 面接調査の際に調査用紙をわたして適当に記入 しても ら た 調査人員及び調査 っ , ) 地区は第m報の場合と同 じである2 3 ) , 1 , 農村青年の農業観 農業の近代化が叫ばれるとともに, 農業後継者の確保が 農村の大きな問題とな ている 果 , っ .. して 農 業 に 従 事 して い る 青 年 た ち は 農業 に つ い て い か に 考 え , , か つ そ れ に と り く も う と して い. るのであろうか. その点を明 らかにするために (第1表) に示されている 7 つ の 項 目 を 示 して , 自分の気持に近いものを選ばせた,. 全体的に男女青年とも30%前後 のものが 将来に不安はあるが一応継続 したい という気持を 示 している, そ して, 男子青年は女子青年に 比して高い%で 生業と して継続の意志がある を 選び, 他方女子青年は男子青年に比 して高い%で 将来の方針は決 ていない しか し農業は あ っ , まり好きでない を選んでいる すなわち男子の1 / は農業継続 のは きり した意志をも 女子 3 ち , っ , の1 / 3は 離 農 性 を も っ て い る と い え る,. この特徴は地区毎に違っ た傾向がみとめられる, 大沼地区男子青年は , 生業と して継続 の意 が53%, 将来に不安はあるが一応継続 したい が4 7%で, 両方を合 わせると1 00%. 志が ある. 脚註 1) 全国教育 研究所連盟, 勤労青年の生活意識, 昭和3 6年, 東洋館出版社, 2) 大居平一郎, 松下覚 農村における青年活動の研究皿, 青年活動と青年の意識 北教大紀要 第16 , , 巻, 第2号及び第17巻第1号. 3) この研究は, 北海道科学研究費補助による.. - 65 -.

(3) . 覚・大屠平一郎. 松 下. 幽 : 里. 北 野. 観. 業. 第1表 農 北 成. 知遠別. 大 沼. 麓 郷. 西達布. 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 1. ま る 褐( 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 )( )&(5) )( ( 1も( )( )も( )( )( (通)( )( ) ) ( )( &(8)(8)(8)(き)(も(8)(8)(8)(8)も(ゐ)(8)(8)も&. 5 2 4 4 g “)(1吉)(56)(20) 8 8 も(30)( 鞘 髭 をして継続の意志 ( 2 ) ( 5も( ( 1も( )ふ )(40)( ) 2も(. ) 撰桑滋また漆立し 鯖 ’農 一 葉 鷲 ※ 行って p. 5. I 2 曇 登 , ( ら る( も(37)(40)(&(68) ) 璽 厩老婆渋るが に 4ら( 2も( 6も (9)( ( 2も( 2も( 4る( 2も(20)( 4. 鮒 鴎美感讐た ’ 他. 2. 4. 8 8 8 8 も( も(13)( ( ,も(10) (8) & ) )( )(0)( )( (. 2. I. 8 (18 )(22) ) ( 1ぁ(. I. 0. 6. 将来の方針は決まって ㈹ いない, しかし, 農業 はあまり好きでない. I 8 8 8 曇 も き る 8 )(10) & )(25)( 8も ( ( 1 2も(12)( )(28)( ( 4 )( ) 2も( ( ) (る(. 紛 その他・無記. 0 3 I I 0 I 8 8 8 8 ぁ (5) 8 8 )( )( )( ( 1も( ) )(0)(25) (9)( 1も (8)( ( )(0)(10)(. I. 3. 0 2 0 I 8 8 8 8 8 8 8 8 8 も( ◎ 轡 以外の旅 結婚し ( )( )( )(7) (』)( ) )( )(0)(17)( )( )(0)( )(11)(. 計. 6. 5. 9 品 琵 恥{100盗 も(撮{100(齢tloo盗 も盗 品{100盗 も{100( (品(100{100盗 10. 13. 8. 12. 9. 77. (注) ( ) 内数字は%.. のものが一応農業継続の意志を示 している. それに対 して女子青年では, 両方の項目を選んだも のは33%にす ぎず, 他のものは農業か ら離れたい という気持を示 している. さて, この男子青年の 農業継続性について は, 大沼地区がめぐまれた米作地帯で あるというこ とか ら理解できる. しか し女子青年は, そのような好 条件の農村に生活 しなが らもなお離 農的気 持をもつもの が多いということは, 社会的問題として考えなければな らない事実で あろう, 大沼地区と対照的な現在の調 査地区中一番め.ぐまれない 畑地帯の西達布地区では, 男子青年の 56%, 女子青年の20% が 生業として継続の意志がある を選び, 男子青年の33%, 女子青年の 60%が 将 来に不安がある が一応継続 したい を 選 ん で い る, そ して, こ の 二 つ の 項 目 の % を合 わせると, 男子青年は89%, 女子青年は82%となる, すなわち男子青年は, 大沼地区の男子青年 に比 しうるほどの高い農業継続性を示 し, かつ女子青年も, 男子青年ほ どではないが農業継続性 をもっている. 一般的に営農条件は好ましくないとしても, 西達布地区青年は農業継続性をもっ と い え る.. 他方, 西達布地区よりもめぐまれた営農条件にある と考える知達別地区では, 生業として継 続の意 志がある とは っ きり示 した男子青年は 一人もなく, かつ女子青年の82%のものが, 農 業はあまり好きでない と答えている. すなわち全体と して離農的ふん囲気が青年の中に 存在 し , 在村青年の減少の ている といえる. これは, 地区の概況のところで 述べたように (第m報参照) いるとい えるのでは 不安意識を高めて 農意識及び農業 著しさという 地区の状況が, 青年たちの離 な い だ ろう か.. このように 地区の特徴 と青年の農業継 続意志との関係を考察 してくると, 結論的に, 青年の農 業観は地域の営農条件のみによって影響されるものでなく, 地域全体の社会的ふん囲気に規定さ - 66 -.

(4) . 農村における青年活動の研究. れる面が強いということができよう. 農村青年の農業継続傾向についてより深く検討するために, (第1表) の”)◎⑳輪の項目を選 んだも のを農業継続傾向をもつもの, 的的( )の項目を選んだものを離農傾向をも つものと して ト , 地区・性別 ・年令との関係で整理 したも のが (第2表) である. 第2表 継 続 及 び 離 農 傾 向 豊 里. 北 野. 北 成. 知遠別. 大 沼. 麓 郷. 西達布. 計. 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女. ふ も(8)(2琶){.品(る(100(8も(.品{100)島ゐ 高 』)( g 8 8 8 ( 6も( 7る( 7ふ( ( 5も( 7も( 3も( 8も( 4 7 ) ) )(100}( )(83)( (艶偽 低 8 g 8 8 8 8 8 8 4 ( 4る( 4 6 )(33)( ) ( )(50)( )( 7も( )(20)( )(75)( )( ( 1もゐ ) 高 (33)100 8 8 8 )( ) 1も{100 ( ,も(50)(25)(30)( ( 6 )(25)( )(17)(25)( ) 1も偽 低 低. 2 2 2 8 .品(40)(66)(29)( 4 ) (. 5. 2. 13. I. I. 2. ー 高. 4. 5. 5. 繭 6. 一 4. 3. 5. 3. I. 2. 2. 3. 7. 5 20. 2. 7. 2. 4. 5. 7. 4. 8 10. 6. 4 13. 8. 6. 4. 2. I. 2. 5. 3. 2 24 50. 5. 6. 8 53 43. (注) 低一低年令青年 (16才~19才) 高-高年令青年 (20才~25才) ( ) 内数字は調査人員に対する%. 一般的に男子青年の80%程度のものは農業継続傾向をもっている それに対 して 女子青年で . , その傾向をもつものは50%程度である, そ して, その特徴は, 年令的な差に関係なくみとめ られ る,. 今, 現在調査された男子青年 の続柄をみると, (第3表) 全体と して約80%のものは長男であ る, その意味では, 在村する青年は農業後継者と しての長男が主体であり, これ らの長男は一応. 農業継続 の意志を決めてきているといえる. 第3表. 地区 売柄\ 長 男 そ の 他. 計. 豊 里. 北 野. 男 子 青 年 の 続 柄. 北 成1知遠別 大 沼. ≧ ≦ ふ 委 譲 誓 書 き ≧. 9 (8 2) 7 (7 0 ) 2( 18 ( ) 3 30) 1 1(100) 10 (10 ) 0. 綾 郷. 西達布. 12(80 ) 9 (8 2) 9 ( 100 ) 3 ( 20) 2( 18) 0(0) 1 (100) 1 5 1(100) 9 100 ( ). 計 1(79 6 ) 16(21) (100) 7 7. 各地区における農業継続及び離農傾向については, さきに一応考察したので省略する , さて, 以上 のような青年 の農業観に対して, なおより深く青年の意識を検討するために 面接 , の過程において, 農業に不安を感ずる青年, 農業をいやがる青年, 農業を生業と して定めた青年 に分けてそれぞれの理由をたずねた,. 農業に不安を感ずる青年の中には, ただ漠然とした不安をもち, その理由を明確に しえないも のもある. しか し多く のものはその理由をあげている, 述べ られた理由をまとめて示すと, 農 業近代化についての不安 耕作の広さや, 肥沃度などの劣悪条件による営農 の不安定性への不 安 農業政策 (米の統制撤廃な ど) の変更についての不安 な どで ある, 農業をいやがる青年は,. 農業の労働過重性 や 農村の生活条件・生活様式の不満 な どを - 67 -.

(5) . 覚・大居平一郎. 松 下. あげているものと, 農業以外の自己の希 望する職業をあげているものがある. 後者のあげた職業 は, 男子では運転手・農機具工場・サラリーマ ンなどであり, 女子では美容師・洋裁和裁・看護. 婦・水商売・BG な どである, 他方, 農業を生業と して考えている青年は, 農業の意 義及び関心か ら自律的に農業を選んだと 今までは少々ぐらついていたが, 現在は心を決 い う の で は な い. た と え ば, こ れ らの 青 年 は, ミ2・3年前は運転手に なりたかっ たが 今は土地をふやして安定 した農業をしたい 卒業 して町で働いたがいやになり 4年前に機械に興味をもっ たが, 今は農業をやるつもり. めて いる. 今は農業をするつもり. 兄貴の責任と してやっ て行く. な ど述べている, すなわちこの青年た. ちもこれまでの生活の過程で種々の精神的動揺をもち, .それを克服して農業を生業と して考える よう に な っ た と い う こ と が で き よう,. いずれに しても, どの農村青年も積極的に農業を選択するというよりも, 農業についてなん ら かの職業上の不満 や不安をもっている. この気持は, 最近の都市と農村の生活条件の格差 や, 農 業近代化が強調されるとともに高まってくる. その意味で はすべての農村青年 が一度は悩む問題 で あ る.. しか し, このような状況の中にあっ て, 男性の80%程度のものは一応農業継続の意志を示 して いるということは, 農村青年の都市流出 が著 しいといいなが らも, なお最低 一戸に一人の後継者. が 在村 し, 色々の農業問題 をかかえ, 精神的・生活的負担に耐えて生活しようと していることを 示 して い る.. このような後継者に, 近代農業についての知識・技術及 び日標を与え, 希望をもって農業にい そ しみうるようにすることは社 会の責 任である, すなわ ち, こまぎれ的な社会教育 の体系か ら脱 皮 して, より体系的な教 育・学習機関を設置 し充実した指導をおしすすめなけれ ばな らない. 今 回の調査に おいて, 青年活動のリー ダーになっ ているものは高卒者に多く, かつ通信教育や講習 所な どを利用 して自主的に学習 した青年が, はっ きりとした農業観・生活観をもっ て真剣に農業. にとりくもうと している姿をみて, いかに教育が必要であるかを痛感させ られた, 2 . 生活意識. ) を利用 して, 生活意識を, 生活 昭和35年に全国教育研究所連 盟で実施 した勤労青年意識調査4 性 及び安定性について 生活向上の努力・生活向上の可能 状況意識 -仕事の将来性と勉強の条件・ ど の よ う に 考 え て い る か 検 討 した,. (生活状況意識) 生活状況意識を, 仕事の興味・困難度・肉体的負担・収入・家計の側面か ら, つぎの5個の項 目 と して 示 した,. 綴ぎない. 1 ( ) あなたの仕事は. 1 大変面白い. 2 やや面白い. 2 { ) あなたの仕事は. . 大肇さ い、. 2. や隼 さ い、. 3. 3 { ) あなたの仕事は. 1 大変らく. 2. らくな方. 3 つかれる方. ) 今の仕事での収入は 蛭 ( ) あなたの家のくらしは 5. 1. 1. 3. 瀞 かしい. ぁ襲. よし・. 2 まあよい方. らく. 2 ま善くな方 3 苦しい方. 4) 全国教育研究所連盟, 前出.. - 68 -. 3. ない. 4 まっ缶ふくない 4 大変むずかしい 4 大変つかれる 4. わるい. 4 苦しい.

(6) . . 農村における青年活動の研究. それぞれの項目を読んで, あなたの気持に一番近いもの一つだけを選んで その番 , 号に○をつけて下さい という指示を与えて記入させた, その結果 それぞれ の項目について回 , そ して,. 答欄の1か2のいずれかに記入 した人数を, 調査人員に対する百分率で示 し それを棒グラフで , 示 したものが (第1図) である, すなわち (第1図) において (項目) として記されている内容. の度合を棒の長さが示 し, 棒の長さが 短い時には逆の特徴を示す ことになる, 第1図. A B C D E. 生 活 状 況 意 識 低年令男子青年 (19才以下) 24名 低年令女子青年 (19才以下) 50名 高年令男子青年 (20才以上) 5 3名 高年令女子青年 (20才以上) 43名 北海道男子青年 (19才) 7 6名 (昭和3 5年調査). (%). AB DI. 1 } (. B DB. { 2 }. ABCDB ・. ( 3 ). ABCDE. ABCDR. 性 ). あ ( な . , 項 た 面 や. あ な , , た 大 や. あ な ・ , た 大 ら. 今 の . , 仕 よ ま. ( 5 ) 熟ま,, た らら. ). は し し い い. は. 収 入 は. く ら し. 4白書 基誓書 鞭鼻 r愛 〆鼻 は. い. その際に, 年令・性別及び昭和35年の調査結果を比較検討するため A低年令男子青年 (1 9才 , 以下 24名) ・ B低年令女子青年 (1 9才以下 50名) ・C高年令男子青年 (20才以上 53名) ・. D高年令女子青年 (2 0才以上 4 3名) ・E北海道男子青年 (1 9才 76名) (昭和35年調査結果) の 5 つ に 分 け て 示 した,. ま ず, ( 1 )の 仕事の興味 に つ い て み る と, 全 般 的 に 70~80% の も の が 面白い と して い , る. ま た, 昭 和35年 の60% に 比 して, 興 味 を も っ て 農 業 に 従事 して い る も の が わ ず か に ふ え て い. る. とくに低年 令男子青年は92%を示 し, ほとんどのものがある程度興味をもっている . この事実は, 最近の農村青年の農業嫌悪傾向との関係か らみると意外な感 じをうける しか し . これはつぎのように説明できるであろう. すなわち農業に興味をもたない青年は進学や就職に よ っ て農業を離れ, 在村する青年 は程度の違いはあるに しても, 農業に興 味をもつもののみになり つ つ あ る と い う こ と で あ ろ う,. このことは今回同時に行なっ た職業選択動機調査の結果にもみ られる すなわち農業を選択 し , た動機を, 自律的動機 (自分に向いている・将来性がある・生活が安定し気楽である) と他律的 動機 (人にすすめられた・親やまわり の 人の意見によって・家業でしかたがなかっ た・適当な職 - 69 一.

(7) . 松 下. 覚・大居平一郎. がない) に分けて, その割合をとってみると (第4表) のようになる. 第4表 就 農 動 機 (%) 年. 低. 男 54. 自律的動機 他律的動機. 37. 令. 女. 高. 年. 男. 40 54. 令. 女. 29. 21. 44. 55. 79. 40. これをみてもわかるように, 低年令男子青年は自律的動機で農業を選択 したものが多く, この 割合は他のい ずれよりも高い. また低年令女子青年も高年令青年よりも 高い割合の自律的動機を 示 している. これは前述の ごとく, 農業をやりたいものが少人数であっ ても, その後継者と して 従 事 しつ つ あ る こ と を 示 して い る. 2 )の さ て, (. になる と全体的に50%程度 が やさ しい と 感 じて い る. こ の 困 青年に与え られる仕事の 内容・責任・役割が どうなっているかということに関係. 仕事の困難度. 難度の認識は, する. とくに高年令男子青年で. やさ しい. と 感 じて い る も の は13% に しか す ぎず, か つ 昭和35. 6%よりずっ と低い%である. これは, 高年令青年が家庭内で漸次責任のある仕事が与え ら 年の4 れるようになり, かつ農業近代化という問題な どにも直面 し, 現実に農業経営の困難さを感ずる 機会を多くもつことに よるのであろ う.. と感 じており, 昭和35年の20 じる度合は漸次減少 している と感 % と比較すると高い, すなわち逆に解釈 すると, 農業は疲れる といえる. ここで特徴的なのは, 低年令女子青年であり, 農業を らくと感 じているものが72%も ある. すなわちかれ らは, 家庭では補助的な仕事を与え られ, 農機具・農薬の普及が, 女子労働 を軽減 してきているこ とによるのであろう. また男子青年は, 農閑期も出かせぎなどに従事する 圏の. 仕事の肉体的負担 については30%~40%程度が. らく. ものが 多いが, それに対して 女子青年は, 洋裁和裁の ような習いものに 通っているのが普通であ る, いずれに しても近代農業は漸次女子労働を解放 しつつあるといえよう.. については, 低年令青年で70~80%, 高年令青年で60~70%のものが一応 よい方 と感 じて いる. これも昭和35年の54%に比較するとわずかに高く なっている, らく と認識 しているものは60%程度であり, 仕 5 しか し ( }の 家のく らし に つ い て は, 雑の. 仕事の収入. ,. 事の収入 がよいと感ずる%よりわずかに低い. すなわ ち, 収入の面ではよくなっ ているけれ ども 家のく らしについては旧態依然で変りがないというものが多いとい えよう. いずれに しても, 昭和35年当時にく らべ一般的に仕事への興味, 困難度の認識, 肉体的負担, 収入のいずれにおいても好 ましい方向に認識 が変化 している, これは農業の近代化の歩みが少 し ずつでも農村を前進させていることに よるのであろう. また農村青年は農業をむずか しい, 疲れ ると感 じつつも, なお農業に従事 しようと している, この青年たちを農村変革の原動力 として育. 成する指導体制の確立こそ急務であろう.. (仕事の将来性と勉強の条件) 自己の仕事の将来性があるかないか, やりがいを感 じているか, 見通 しを どうもっ ているかな どか ら青年の仕事の将来についての考え方を, また勉強 の機会や条件に めく ま れ て い る か, そ の. 必要性な どの考え方をつぎの5項目で調査 した.. その結果を (第2図) に示 した, (調査方法・結果の整理は前述と同 じである,) - 70 -.

(8) . 農村における青年活動の研究 ) あなたの仕事の将来性は 6 (. 1 大いにある. 2 ある方. 3 ない方. 4 まっ たくない. m 今の仕事のやりがいは. 1 大いにある. 2 ある方. 3 ない方. 4 まっ たくない. ・ 議をなる. 2. 3. まあ ( 8 ) 護 鰭 難 けて行け0 ( 9 ) 際 をするための機会や条 ◎. 鍋義薮 蒙めて行く上. ・. 諮 まれて. 著 ら 豪議さこ 4 轟 巽 重 きき弄れて. 2. 1 大いにある. 3. 議さ芳て. 3 あまりない. 2 ややある. 4. 髭 器くみこみ. 歪ま長渋ぐま. 4 まったくない. 帥 8 0 0. o o. { 6 ). ( 項. ゑ .. 仕に方 将. . ABc ⑦ } 7 今( の 仕事の ・大. { 8 }. 大 いあ いにる あ方 やに り る が いは. 仕なきまう 事た っあ 明 をのと明 つ将明る る づ来るく く な けはくな. ( 9 ) 勉件. 強 に ・・. す めめ . て. なる. 是. だ れ るだ け ろ. た. まま. め れれ の てて 機 いい. 奉 る男 条. ABC 蘭 の 極 の 今種 上 今上 勉強 のに 仕事を ・ やや あ ・ 大いに の に .・. . 仕勉大 の あ をすす の に ある 必要 す必ある る す要る めは. 寿 く. 全体と して70~80%のものが, 仕事の将来性・やりがい・自己の将来について好ましい方向で. 6 }の 仕事の将来性 に つ い て92% の も の が ある 認識している. とくに低年令男子青年では,( 方 とみている, それに対 して女子青年は66%である. すなわち低年令男子青年は, ほとん どの ものが農業の将来性について楽観的な希望をもっ てみている, しかし女子青年は相対的に悲観的. なみかたをするものが多いといえる, この事実が女子青年の農村離脱の傾向をもた らしていると い え る.. )の 8 つぎに特記すべ きことは, {. 明るくなる. 自己の将来性. について, 高年令男子青年の83%のものが,. と み て おり, 他 の グル ー プ の も の よ り 高 い % を示 して い る こ と で ある. 前 述 した. ごとくこの青年たちは, 農業をむずか しい, 疲れる, 収入はあまりよくないと否定的にみる傾向 がある, それにもかかわ らず, 前述のごとき結果がみ られたことは, 高年令青年は, 現在の農業. はどうであろうとも, 将来はずっ とよくなるであろうという希望と期待で農業に従事 していると い う こ と が で きる,. ( 9 }の. 勉強をするための機会や条件. に つ い て は, 60% 前 後 の も の が. めぐまれている方. 考え て い る, しか しこ の 数 値は 満 足 す べ きも の で は な い. そ れ に 対 して, 回 の. と. 勉強の必要性. については90%前後のものがそれをみとめている. このずれは, 青年の必要性に応 じうる教育・ 学習機関がいまだ充分でないことを示 している. - 71 -.

(9) . 松 下. 覚・大居平一郎. (生活向上の努力) l )仕事の腕を上げて行くことに, 凹収入をふやすことに, q却家のく らしを 生活向上の努力を, q よくすることに, 凹社会や政治の勉強にの 4 つ の 側 面 か ら努 力 して い る か どう か を た ず ね, そ の 度合を,. 1 大 ※ 努力している12 努力している. 13 まあ努力している. 14 別に考えたことがなし、. の4つの 選択肢か ら選ばせた, その結果を示 したものが (第3図) である, 第3図 生 活 向 上 の 努 力. 楓 価 概 収 仕と 勲 入を 事に・・ の 腕 の 大努 を 大 努 ふや 腕をい力 上 げふい力. 項. を. にし. やすに し. 行 る 寿 くそ. と し ろ と にしろ . ABCDE. ) 鰯 家と. 沈 ) こ. ・ を. く 大努 ら し ・ ブ い力 フ し. にし. A 社会や 社’. ‘ キ . ,. や政大 努. 政 治い 力 治のに し メ の 努 て 勉強に 勉 力 い 強 し ろ. ず こ努 とて 力 い こ て . く こい こ. る. も づ とも著 しい特徴は, 回の. お る. を 努て よ 力い く しろ る. ; そ. 蓬を こ て を. る. お る. ‐ を 乞 こ. 社会や政治についての勉強. に つ い て で あり, 30% 程 度 の も の. しか 努 力 して い る と 述 べ て い な い. ま た 昭 和35年 の42% に 比 して も 低 い,. 回収入をふやすこと. q 勘家のく らしをよくすること についての項目は, ブぐ体70%~80%程度のものが努力 していると している. また低年 令青年では 男子と女子の差は著 しく, 女子の方がいずれの項目でもその%は低い. しか し. 回仕事の腕をあげること. 要するに農村青年 の多く のものは, 仕事の腕を上げ, 収入をふやし, 家のく らしをよく しよう と努力 している. しか し, 社会や政治の勉強に関心をもっ て努力 しているものはラド常に少ない.. この傾向は昭和35年の青年についても同 じであるが, しかしその度合は大きくなり, とくに現在 の青年は社会や政治への関心が低くな っているといえる. この事実は, 最近の農村青年の関心が 農業技術や生産学習にむき, 広い視野か ら農業を位置 づけて考える傾向を失わ しめてきているこ とを示 している. ここに農村青年教育について配慮しなければな らない点が存在する,. (生活向上の可能性及び安住性). 生活向上の可能性を, Q執仕事の腕をあげること, 鵬 )収入をふやすこと, 節 地域や部落をよくす. る こ と の 3つの側面か らその可能性をたずね, その度合を, 1. 努力すれば 必ずできる 12. 努多熟々 妾 だろう13. 警 香美いだろう14. - 72 -. 努力してもできない.

(10) . 農村における青年活動の研究. の4つの選択肢か ら選ばせた. また安住性を, 園今の仕事及び◎今の住居について それを継 続 したいか どうかをたずね , ,そ の度合を, も “ つまでも続けたい12 そのままで 変 てもよい13 できねま変りたい 1 4 どうしても変りたし、 の4つの選択肢か ら選ばせた, これ らの結果を示 したも のが (第4図) である , 第4図 生活向上の可能性及び安住性 . , 五 十 韮甘薯丑. 骸 ・ 旧 = 川” = . . . , , ,. 〆た 脳- 間 酬 軸 誌 . -面 畑. 圃. ABCDE. 閥 ) 仕事 娠 仕 ・・ 収 , ・努 事 , . 入 ・ ・ ( の 努努 項 の 努 努 を 腕 力力 努 努 力 を すす す 響字字 牽字字 あ れ ればたぶ れ 目 あげる ればれ ばた. ). Z 1 r r - - l r ! 開 r - 山 i i L , , , 伽. ABCD食 ,. AB D:. 回. 回 今 ・ ・ その の , , その の . ・ や 努 努 仕 い そ 力 住 いメ 部力力す 事っの ま 居っ まま 落 す す を ま ま れ に ま ま ば で で ご養 益 空嚢護 至毛 至 も 必 ず げばば たぶ も 必 る た と 必 た く 必 た 続 も ぶ い 変 こ か ことずでぶ は ず ぷ す ず ぷ き ん け か ん た ‘っ ん わ とは で んで で んで き る で んで た わ い ても っ は き で き で こ き で き い っ きる ても る重 る と るき るだ るだ て も よい 妻 は だ よい ほ 多多 ろう ろ ろ う う 地. ・. 域 ・ ・ 努. 今. 生活向上の可能性については, 一般にいずれの項目についても 90%程度のものがそ のように , 感 じている, そ して年令・性別などによる差はみとめられない . それに対 して, 仕事の安住性の面か ら, い つ ま で も つ づ け た い と いう も の の % を みる に , 男子が50%前後であるに対して, 女子は30%程度で低い かつ そ の ま ま で も 変 て も よ い の , っ 回答を加えると, 低年令男子青年は79%となり 高年令男子青 年の66%よりもず と多くなる , っ , すなわ ち前述したごとく, 低年令男子青年は一応現在の農業をや て行こうとしているが 高年 っ , 令男子青年では, なお変りたいという気持を幾分でも残 しているものが半分程いることを示 して い る,. つぎに住居の安住性については, 高年令女子青年のみ30%程度のものが い つ ま で も い た い と 回 答 し, 他 に 比 して 低 い. 他 の も の は50% ~60% が そ の よう に 答 え て い る ,. いずれに しても, 青年たちは農村の生活向上の可能性を多く のものが感じているにもかかわ ら. ず, 全体的に安住性の意識は低く, そこに矛盾 した青年の意識が現われているとともに 不安定 , な青年の意識を示 している, - 73 -.

(11) . 松 下. 覚・大居平一郎. この結果の中で, 低年令男子青年に安住性が他に比して多くみとめ られた. そこに, 農村後継 ,が感じと られ, 明るい見 者と しての安住的な気持が漸次 農村青年の中に現われは じめていること 通 しをもちうる.. (生活意識と地区的特性). 以上述べてきた生活意識が地区的特性とどのよう な関係にあるかを検 討するために (第5表) の ごとく整理 した, 第5表は, 年令差及 び性差による影 響をのぞく ために, 20才以上の男子青年 1 )あ についてのみ検討 した. 表中の数字は, それぞれの質問項目の 4つの選択肢, たとえを , ( なたの仕事は と い う 項 目 に つ い て の 4つの選択 肢を, それぞれ3点・ 2点・1点・0点と して 各個人の回答に したがっ て点数化 し, 各地区の調査人員によって平均値を算出 したものである. 0に近いほど反対の意識 その意味で数値が3 .0に近いほど, 表に示 した項目の意識 内容を示 L, 内 容 を示 して い る こ と に な る,. 項 目 1 ( } 2 ( 1 3 ( ) ) 柊 ( 5 ). \. 地 区. 仕事は面白い 仕事はやさしい 仕事はらく 収入はよい くらしはらく. { 1 将来性がある ( 6 X 7 ) 8. 馳鵬鰯氾劣 生活向上の努力をしている 蝦紙)節 生活向上の可能性がある. 鰹贈り 生活の安住性がある. 識. 意. 活. 第5表 生. 沼 ゴも 野 コも 成 キ3 老 名 名 2.O 1.9. 1.5 1.9. 2.O 2.1. 1.9 2,6. 2.2. 2,2 1.3. 1,0 1.8. 1.8 3 2. ・ 2,1 2,6 2.4. 1.7 1.0. 1.4 1,6. 1 .9 2.O 1,5. 2.2 1.7. 豊 里 5名 1.8 0,8. 知遠別 麓 も郷 6名. 2.O 0,5. 名. 2,O 0.2. 1.2 1,0. 1.0 1.7. 1,0 1.7. 2.4 2,4. 2.I 2,3. 2,6 2,1. 1.6 1.8. 1,2 2.O. 1.7 2,3. 1.7. 1,8. 2,5. 四憲訪日. 6名. 2.O 0,0 L2 1,7 1,3 2.4 1.8. 2.6 2.1. }の項目は将来性の見通 しについて, 回回回回の項目は 生活向上の努力の しかた とくに, 岡野H8 性の気 について, 鰯鰯側の項目は 生活向上の可能性の感じ方について, 鰯唖の項目は 生活の安住 持について示 すものと してふ それぞれをまとめて平均値を求めた. 一応地区的特性によって, 大沼・北野・北成地区を水田平地地区, 豊里・知遠別地区を水田山 べ 間地地区, 麓郷,西達布地区を畑地山間地地区と して分類 し, その結果をその 順序にな ら て示 し た.. 2 )の 仕事は やさ しい の項目で このような地区的特性に応 じて一貫 した傾向を示すものは, ( ある. 一般的には 仕事はむずか しい との認識であるが, その度合は水田平地地区か ら畑地山 ・る. すなわち土地条件が悪く, 畑地帯にな ればなるほど営 間地地区にわたって漸次強くなってし 農の困難性を強く意識 しているので ある. それ以外の項目は, それぞれの地区でそれぞ れの特徴を示 しているので, つぎに地区的特性と の関連か ら生活意識の特徴を考えてみよう. まず水田平 地地区の大沼 地区の青年は, 他地区の青年に比して, 仕事は やさ しく, そ して らく 生活向上可能性を信 じ であり, 収入及びく らしもよい と考 えており, かつ農業の将来性を感 じ, 安住性もある. その意味では, ある程度現在の 農業に希望と興味をもって生活 している. るけれ それに対 して北野・北成地区は, 客観的な営農・ 生活条件については大沼 地区と似てい は仕事は やさ ども, 前者では仕事 はやさ しい, 仕事は らくとの認 識は大沼 地区より低く, 後者で しい, 生活向上に努 力 しているとの認識 が低い,. - 74 -.

(12) . 農村における青年活動の研究. すなわち北野地区青年は, 旭川市に隣接 し, 都市の職業との比較において自己の職業を評価 し それが農業 の労働のきびしさを強く意識させる のであろう, しか し, 農業に将来性を感 じ, 生活. 向上の努力をな し, 可能性を信 じ, 安住性も高く, その意味では農業にある問題性を認識 しつつ も, それに希望をもっ て生活 している青年たちだとい える. ・ 他方北成地区の青年は, 前述したごとく青年活動も活発でかつ学習意欲も高いにもかかわ らず 営農に困難性を強く感 じ, 生活の向上に努力 しているという認識も, 生活の安住性も他地区に比 して低い. すなわち北成地区青年は, 色々の機会を通 じて農村の前近代性について認識 し, かつ 問題点について意識 し, それが青年たちに農業や農村の近代化への要求水準を高くさせ, 現実の. 農業について不満を強く し, 上述のごとき特徴を示すのであろう, そ して青年活動及び学習活動 への意欲も, いかに して現実の問題か ら脱皮 しようかという青年たちの意識の現われであり, こ の気持が新 しい農業 づく りの原動力になるものであろう.. つぎに豊里・知遠別地区は, ともに水田山間地であり, 営農及び生活 条件は大体同 じよう であ る. その点で全体的傾向は両方ともよく似ている, そ して, いずれも 生活の安住性が他に比 して 低い. こ の 二 つ の 地 区 の 違 い は, 前者 で は 収 入 は あ まり よく な い と 認 識 しつ つ も, く ら しは らく. な方と認識 し, それに対 して後者では収入は まあよい方と認識 しつつも, く らしは苦 しい方と認 識 しているということである, その意味で同 じ離農的ふん囲気をもつ二つの地区も, それを規定. する条件には違いがあるといえよう, すなわち豊里地区は旭川市の郊外にあり, 都市的生活感情が強く影響し, とくに農業と他の職 業の所得格差を強く意識 し, それが青年の離農意識を高めているのであろう. それに対 して知遠. 別地区では, 収入の面よりも現実の生活の苦 しさか ら脱皮するために離農を意識 しているといえ る. しか し, いずれも農業に ある程度の将来性 や生活向上の可能性を感 じており, そこにのぞみ を託して生活 している. そ して, これ らの地区では, 積極的な農村 づくりの意欲や活動は生 じに. く い と い え る か も 知 れ な い,. 最後に, 畑地山間地にある麓郷・西達布地区の青年は, いずれも仕事はむずか しい, 疲れる方 と営農の困難性を強く認識している, しか し収入はまあよい方と他の水田地区と同 じ程度の認識. をしており, また農業に面白さを感 じ, 将来性・生活向上の努力及 び可能性・安住性も, ある程 度好ま しい方向で認識 している, すなわち, この地区の青年たちは営農条件・生活 条件のいずれ. にお いても, その悪条件を認識 しているけれども, 農業を自分の職業と して, その向上を信 じて. 努力 して行こうとする傾向をもっ ている.. とくに麓郷地区の青年は, 生活向上の努力及び生活の安住性を強く示 している. これは, この 地区の部落振興会を中心と した新しい村 づくりの意欲及び造田の進行が, 青年の意識を高め, 生. 活への安住性を強めているのであろう. さて今まで, 各地区の特性との関係か ら生活意識の特徴について考察してきた, 結論的にいえ. ることは, 青年の生活意識を規定するものは, 単なる営農条件や生活条件ではなくて, 地区全体 のふん囲気であるということである. 地区または村全体が農村 づくり・農業づくりに意欲的であ る場合には, 青年も意欲的になってくるであろう, そ して青年活動は, そのふん囲気を生み出す きっ かけを作るものでなければな らない, かつ青年教育はそれを果た しうる知識・技能・能力を. 青年に体系的に培っ て行くものでなければな らない. 3 , 社会態度 一 75 -.

(13) . 覚・大居平一郎. 松 下. 職業及び仕事・勉強・リクリ ェー ショ ン・家庭などについての 一般的な考え方を, (第5図) に 示 さ れ て い る 8項目に示 し, 会. 第6図 社. 態. 度. 靴の. (%). .. BC ABCD .β. ABCDE. ① { 2 { 1 ) ) 個 に せこェの ( 収 個性や趣味を生 項 入 性 つ っつ1が. ABCDE. ( 3 ) 仕 読 た 事 む え. A蹴 伽. ABCpE. 筋C. ABCDE. cDE F E ABCDE O ABCDE ABCDE ABCDE ) { Ix u m m w n. 掛 ◎ 4 ) 6 ) ( ( ) ( 5 多 自 家 ば き 汗や泥に ま 仕 多い 職 自分家のを れ汗 の い けき . 事 い 分 の や 方 がぎ こ い れいな 業 とを ない ま 仕事 っ 業につ せいに な 事務の せ を ら に まい 事 まみう 務 み く っ い まず く れち 考 て の 働 が っえ 、 えな 事 がよい っ ても よ働く る け り 仕事 ・ 、れ. { 8 1 勉 そ 下 勉 ど学 下 積 強そ、 強は 、 ん 歴 積 ね み 金 う で もう ちがあ 一 実 故 一生を も ち う 力 の 生 けが 終 るも にな るもの な も っ も る っ のだ て だ こ 、 、 ⑦. ぎ主裳 表選藍 は職 蓬養老 墓参 募遮ら 溜 警 を舌鋒 、. 目 な 味 が ) く を よ か せ 、せ る 職 業. のすソ 休るで. 、 の 業. は. く. . 1 本当にそう思う. つりす. て る い 実 の. . . . . は 経 番. を き. 、れ. ▲2 そんな気がする. 、事. の. 13 あまり,思わない. だ. 14 ぜんぜん思わない. の4つの選択肢を与えて, 自分の考えに近いと思うところに○印をつけさせて, 青年の社会態度 を検討 した. (第5図) は選択肢の中で賛成的気持を表明している1と2に回答 した人数を%で. 示 したものである, (表中のA・B・C・Dは, 生活意識調査の結果の第1図~第4図と同 じで ある.) 全体的に大体多くの青年 (70%~80%) によっ て賛成的に受けと られているものは, や趣味を生かす仕事がよい. の経験が大切. )休 み に は リ クリ ェ ー シ ョ ンで す ごす 2 (. 1 ( )個性. 御仕事をするには実際. (以下の叙述は, このようにそれぞれの項目の内容を簡略化して示す) という考 え 方 で あ る. そ れ に 対 して, { の学歴や縁故で一生が支配される 8 }勉強は金もうけになる べ が高 い, きだ という考え方については反対するものの割合. 収入は少なくても, 自分の個性や趣味を生かせる職業につき, 休みに は リ ク リ ェ ー シ ョ ンで 楽 しみ, 実 際 の 経 験 を 積 み 上 げ る こ とに よ っ て 自 分 を き た え て 行 こ う と 一 般 的 に ま と め る と,. いう考え方を, 多く の青年がもっているといえる.. しか し, このような考え方も年令や性差によっ て違いがみとめ られる, とくに著 しい特徴を示 }汗や泥にまみれて働く仕事にねう ちがあ しているのは, 低年令男子青年である. すなわち, 『5. という二つの項目に, 相対的に高く賛成の態度を示 し 6 }に83%). これは, 低年令男子青年 が自律的動機で農業を選択 したことと関 ( 5 }に76%・( ている ( 連 し, 自己の選択 した農業に自尊心をもとうとする現われである, しか し, かれ らの農業観は, る. (御収入の多い職業につくのがよい. - 76 -.

(14) . 農村における青年活動の研究. 過去の節倹主義・勤労主義か ら脱皮 して, 経済主義・生活主義に移行 しつつある ことは認め られ. る.. つぎに性別との関連 でみると, 男子に比 して女子は ( 1 )個性や趣味を生かす職業がよい. 自. 分が ぎせ い に な っ て も 家 の こ と を 考 え る. という項目で低い%を示 している, 前者は女子の結婚 ということとの関連か ら理解出来よう. しか し後者については新 しい思想の芽生が 感 じられる , すなわち, 女子は家族ぎせいという古い思想か ら脱皮 して 個人の生活を大切にする考え方 をも , ちは じめ て い る と い え る.. 社会態度 の形成に地区 の特性が, どのよう に影響 している力も検討するた めに示 したものが (第 6表) である, 生活意 議の際の (第5表) と同じよう に 高年令男子青年51名につ いて それぞ , , れの項目 の4つの選択 肢の段階に3・2・1・0点 を与えて 平均値を求めたも のが表中 の数字 , ・ である. ,すなわ ち, 3に近いほどそ の項目に賛成の度合が高い , 第6表 社. \ 項 日 1 ( }個性や趣味を生かす仕事がよい. 地. 区. 2 { }. 休みには, リクリエーショ ンですごす ( 3 )仕事をするには, 実際の経験が大切 性 )自分がぎせいになっても, 家のこと考える ( 5 )汗や泥にまみれて働く仕事がねうちある ( )収入の多い職業につくのがよい 6 ( 7 )学歴や縁故で一生が支配される { 8 }勉強は金もうけになるべきだ. 会. 態. 大沼 鰐 ) 名. 北 野. 2.9 2.4. 2.2 2,2 2,2. 2,1 1.9 1,5 1,5. 0 .9 0,5. ( 6 ). 1,8. 1,6. 1,5 1,4. 1,4. 度. 北 成 豊 里, 知遠別 麓 郷 西達布 ( 9 ) ( 5 ) 6 ( ) ) ( 6 ( ) 6 2.3 2,2. 2.1 1,6 1,3. 1.6 1.1 1,I. 2,2 2,4. 2.O 1.8 , 1.8. 1 ,4 1,2 1 .4. 2,2 2,2 2.4. 2,4 一 1,6 1.8 1 .5. 2.O. 2,5 1,8 1,3 L7 1,5 1,0. 1.2 0,8. 2,8 1.2 2.5. 2,1 2.4 1.3 1,0 0.8. 水田地帯の大沼 ・北野・北成 ・豊里地区は, 多少 の違いはあるに しても 大体 同 じような考え , 方 を して い る, す なわ ち, 個性や趣味を生か した職業につき, 休みにはリクリ ーショ ンを楽 ェ しみ, 実際の経験を積み上げることによっ て自分を きたえあげる という考え方を主体と してい る. これは, 前述の農村青年一般の考え方を示 している , それに対 して, 知遠別・麓郷・西達布のような山間僻遠地 区では それぞれ の特徴がみとめ ら , れ る.. まず知遠別地区では,. 4 { }自分かぎせいになっても家のことを考える ミ ( )勉強は金もう けに 8 という項目に, 他地区に比して多くの賛成 の態度を示 している この地区は 水田 . , 地帯とはいっ ても土地条件が悪く, 経済的にもめ ぐまれず 離農傾向も強いと述べてきた この , . ような状況が, 青年た ちに自分のこと よりも家のこと を考えさせ また収入に強い関心をもたせ , なるべ きだ. て い る ので あ ろう,. 麓郷地区は,. 1 仕事をするには実際の経験が大 切 ( 3 ′. という項目に, 他に比して低い数値を示. して い る. こ れ を 逆 に い う と, 色 々 の 学習 が 必要 で あ る こ と を 強 調 して い る こ と に な る す な わ ,. ち麓郷地区青年の多くが通信教育を利用 し 修養日なども設定され 学習の機会を積極的に求め , , ている, これが, 単に経験だけでなく, 色々の形の知識の吸収や学習の必要性を認識せ しめてい. る の で ある,. 西達布地区は, 『5 }汗や泥にまみれて働く 仕事にねうちがある″ に高い数値を示 し 2漸くみ , ( に は リ ク リ ェ ー シ ョ ンで す ご す という項目 に低い数値を示 している , すなわち, 自己の農業労 働に プライ ドをもっとともに, 畑作地 帯と しての 条件が勤勉な精神をつくり 少 しの機会をと ら , -7 7一.

(15) . 松 下. 覚・大居平一郎. えても学習をすすめたい という希望を示 しているので あろう. 4 . 生活態度 農村青年 が, どのよう な生活態度をもっ ているか知るために, (第6図) に示されているごと き9個の 生活態度を述べ た短文を示 し, この中か ら自分の 考えに近いものを3つ選択 して○印を B・ つけさせ, その各々の項目の選択 された数を調査人員に対する%で示 した. (第6図のA・ ) C・Dは, これまでの生活意識・社 会態度についての場合と同 じである.. 0. 0 0. B. 1 } ( こ実持 のによ. 世おく は互送 肋いり けのた 目 合生い ) い活も のをの 世助だ . ( 項. 界け であ. 誠気. 9) ( { 8 1 々て 岬 終れ 心が 世の のらす方 吋 朝 人わ心 岡 伽こ々 で 世縛き終 生たが ばよい あ のをみ 中あ のすなれ. D A鴎D A鵜D A総D A . { ◎ ④ 飼. 勘斌 政いに を感ず わた ために 治る努 妙 ため感 が 。力 し 聴 世あた に しにず は、、る わょし はるが 中る仕ば のしあ 静 っい る にも事よ しはる る は、 健 たりたい な 。よい 雄 、鰹 ャ 康 しよい る毎日 しあわ 団 繍 仲 桝 し康働に たち政 ようを わな味 せ金 れわ 触 以 靴 せく の治を に楽 ししく 触 り 生 眺 な家 こ 纂 活作 か と 獄 なのん の 庭をつ だ をり う糠 議 難 詠ま 議 叡 規出す 泌 ら け 卵 、 配こ らん 岡 をけに き 自白 定 ない れ 勝 価価 世と なき 惣一 すと つに 値 く 人生 しよ に 由分 ば 動 韮 のを をの生 いに 刺 るに く人 もく てう る な 乱 がを o関 人し 束好を もく る生 あ求. 3 2 { ) ( ) 世 たい 人るめ 世らよた の 中の 仕組は 0て の な りい 生 o にわ生 中いよ また活 はた活 のこい を なしす 仕と世 んはる 組での 一中 ら、 は、 、 かそ 杯に 改 のの 改でな 善 意意 善ある し なけ. . 1 )助け合いの 生活 を述べた項目である, とくに高年 全体と して 一番多く選を れ た も の は, ( 1人生の意味・ 3 t 2 }世の中の改善 令女子青年の93%がこれ を選んでいる. ついで多いのが, ( 以下であり 0 , 選択さ )幸せな家 庭形成 の項目である. その他の項目は大体2 % 性 価値の追求 れる度合は少ない. すなわち前述の 4つの生き方 が主なる生活態度で あるといえよう. )人生の意味・価値の追求 という生き方は高年令青年に 多くみ ら 3 年令との関連でみると, ー 多 れる. また 『掛毎日を楽 しく のんきにく らす という生き方は, 低年令男子青年 が他に比して O%) 選んでいる. 高年令になるにつれて人生そのもの を考えようとする態度ができてくる く C I に対 して, 低年令では 現実主義的・小市民的考え方 が渉透 していることを示 している. さて地区的特性との関連か ら生活態度を検討するために示 したものが, (第7表) である. こ れは高年令男子 青年51名の結果であり, 各地区の調査 人員が少ないた めに結論的 なことはいえな い が, 一応特徴的な傾向について考察 しよう. 大沼・北野・ 豊里・麓郷,西達布地区は, いずれも 助け合いの生活 を強調する項目を多く 一 78 一.

(16) . 農村における青年活動の研究 第7表 生. 項. 地. \. 目. 区. ・ ( }諸 讐学芸象?蜜だか’誠実に助 よりよい世の中になるよう努力 {劾 鞠 でも’. 活 大 沼. ) 鵬 名. 度. 態. 北 野 北 成 豊 里 知遠別 麓 郷 西達布 6 ( 5 ) ( ) } 6 } { 6 ( 6 ) ( ) ( 9. 10 10 (77) 6( 0 ). 3 (33). 4 (80). (33) 6 (100) 2. ( 5 83). 38) 5 (. 4 (6 7). 4 (44 ). 4 ( 80 ). I. 4 (67). 5 ( 83). 10 ( 77). (33 2 ). 6(67). 3 (60). 3 2(3 ). (83) 5. 3 (50). 5 (3 8). 2(3 3 ). 3 (33 ). I. 3 ( 5 0). 0. 0. 5 ( )よりよい政治を作り出すように努力する. (31 4 ). 3 2 (3 ). 4 (44). 0. I. 3 (5 0). 2(3 3). 6 )毎日を楽しくのん気にくらす方がよい (. I. 0. I. 2(4 0). 2 (33). U. 0. ”)自由に自分の仕事や趣味をして一生を終る. 2. I. 2( 22). 0. 0. 0. 0. { 8 }お金をもうけることに関心がある. 2(1 5). I. I. 0. I. 0. I. { 3 )人生の意味や価値を求めて生活する. は没 あわせな家庭をつくるように,. 健康で働. .恕人々をあっといわせるようなことをし 9 ) (. …. 馴. 0. (注) ( ) 内数字は%.. 2 }世の中の改善 ( 1 )助け合い生活 のものが選択 している. なお, 麓郷・西達布地区では, ( ・る, 3 )人生の意味・価値の追求 及び 総政治の改善 などが大体同 じような%で選ばれてし. すなわち畑地山間地地区という同 じような条件が 生活態度の同質性をもた らしているかも しれな. し、.. それに対 して北成地区は,. 『3 )人生の意味・価値の追求. に63%も 集中 している. そ して付随. 的に他の項目にちらを って選 ばれている, すなわちこの地区の青年は生活態度の分化が著 しいと い え よう,. いずれに しても, 農村青年は, 大人たちがよく批判的に述べているような虚無的・享楽的・功 9 (剛7 } ( 8 ) ( )の項目) ではなくて, 前述 した ごとき堅実な生活態度で生活 利的・特異的な生活態度 ( して い る と い え よう.. 5 . 青年の意識と青年活動 よく. 近頃の若い者は. め られ て い る.. ということばで, 現代青年の行動が, 大人たちか ら批判的な眼でなが. しか し, こ の こ と ば は, い つ の 時 代 に も 吐 か れ た こ と ば で あり, こ の 大 人 た ち か. らみれ ば批判の対象になる行動が, 往々に してつぎの時代や社会を作り出す原動力になっ ている 場合さえある, 今回の調査の結果か ら考えても, 農村青年は, そのような大人たちの批判と違っ た堅実な生活態度をもっているように 思われる, すなわち, 多く の農村青年は,. 活態度. を も っ て い る. そ して,. 社会協同意識をもち, 人生価値追求的であり, 社会改善の 生 自分の個性や趣味を生かせる職業につき, 休みにはリクリ ェ. ーショ ンを楽 しみ, 実際の経験を積み上げることによって, 自分をきたえ上げようという気持 を示 して い る.. しか し, 低年令青年の中には, 大人の批判の対 象になりやすい功利的・現実的・享楽的 生き方 が芽生えていることはみとめられる. この考え方も, 過去の農村社会の封建的な 義理人情主義・. 勤労主義・節倹 主義か らの脱皮の芽 生えであり, 合理的・ 経済的・個人的生活主義の現われであ るといえよう. そこ ・に, 新しい農村社会の息吹きが感ぜ られるのである, そ して, このような新 しい青年の感覚や生活態度が, 時折大人たちと問題をおこ し批判の対象 - 79 一.

(17) . 松 下. 党・大居平一郎. となる. しか し, 多くの青年は堅実な意識・態度をもって自分たちの生活を作り出そうと してお り, このような青年の姿を理解するとともに, それを伸ばす努力と援助こそ大人たちの役割でな ければな らない. つぎに大人たちを悩ませている問題は, 農村 の離農及び農業嫌悪傾向 である, 現実に農村を離 れる青年は多く, 在村青年の減少によっ て, 青年活動 (青年団・青年学級・青少年クラ ブ) は質 的 転 換 を 強 い られ て き てし・る, しか し, こ の 調 査 で み と め られ た こ と は, 農村の後継者と して 在村 している男子青年の多くは, 農業の将来に希望をもち, 営農を続けて行こうという意志 を. もっているということ である, とくに低年令青年にこの傾向は強い, すなわち, かれ らは, 過去 の農村青年の ごとく 家業だか らとか, 家を助けるためとかの理由で農業を選択 したのではなく,. 自分に向 いているとか, 将来性があるなどの前向きの態度で農業にとりくみ, かつ農業労働に対 して も, 興味をもち, 仕事は らくで, 収入はよい方 などと仕事に対 して好ま しい態度で接 し ている. 要するに, 農業を嫌悪する青年は就職・進学などによっ て他の職業を求め, 在村青年は 農業後継者と しての意識をもって従事するよう になってきている, このようにみてくると, 現在 までの過剰人口の矛盾性を解消 し, 少人数に よる生産性の高い, 近代農業への移行がみとめられ る,. また, この農村の変貌及び近代化の歩みは, 昭和3 5年の調査よりも, 農業労働に興味をもち, 労働負担も軽く収入もよくなっ たと認識する青年を多く している. すなわち, 農機具の導入・農 薬の発達・農休日 の設置・生活改善の普及などが, 農業を楽 しみつつ生業と して営むという変化. の姿がうかがわれる, しか し, この農業近代化の嵐は, 色々の不安を青年にもたらしている, すなわち この近代化 の流れに自分たちだけが残されるのではないか. 自分の営農 条件は果た して近代化に対応 しう. 高度の農業技術や知識を どう して身につけるか 農業政策はどうなるであ など多く の不安をもっている. そ して, 多くの青年に 不安はあるが一応農業を継続 し. るもので ある か. ろうか たい. と い う 気 持 を も た せ て い る, とく に マ ス ・ コ ミ は, 農 村 社 会 の 遅 れ を 強 調 し, 新 しい 農 業. のあり方をとく けれ ども, 現実の農業の姿との ギャッ プは大きい, そこに焦りを感 じ, なお一層 不安な気持に追いこ まれる傾向にある,. 青年活動は, それ らの問題に解答を与える場と して, 受けとめられは じめている. すなわち過 去の青年団の伝統的な年中行事中心 のあり方に対 して, 青年たちはマ ンネリ ズムと批判 し, 役に 立たない と失望する, そ して, かれ らは, 青年団への学習活動・生産活動の積極的導入を求め,. 青年学級に対 しては, 中途半端な施設設備の運営ではなく, 体系的・徹底的な学習機関への発展 的 解消を求めている.. そ して, 青年活動は単なる地域青年の親睦・修養・社会奉仕の機能か ら脱皮 して, 積極的・自 主的に自 らを高め, 生活を高め, 農村を高めるものへの転換を求めてきている, ここに新 しい青 年活動の方向性がみとめられるととも に, その生みの苦しみに青年幹部は悩んでいるのである, しか し, このような青 年活動への理 解をもち, それを積極的にお しすすめようと しているもの は, 新 して農業の姿に目覚めた高 年令青年であり, 青年幹部である, それに対 して低年令青年は 青年活動に対しての認識は非常に低 い. すなわち多くのものは青 年活動の必要性はみとめている. けれども, なぜ必要であるか, またどう改善すべきかなどについてはほとんど考えはもっていな い. ただ今までに活動 してきた青年組織に愛着を感じ, それに所属 し, 色々の不満をそ の活動に 抱いているにすぎない. そこに, 低年令青年と高年令青年の間に意識のずれが生じ, また時には. - 80 -.

(18) . 農村における青年 活動の研究. 青年活動の中に分裂が生 じたり, またその集団の組織を守るために 所属員が共通 して楽 しめる , リクリェーショ ン活動に逃避する傾向や, 過去の伝統的な行事・事業にあまん じる 傾向も出て い る.. いずれに しても, 青年た ちは新 しい農業を作り出そうとする意欲をもち 将来に希望をも て , っ 生活 している, しか し, それを具体的に自分たちの力で作り 出すとなると いかにあるいはどう , とりくんでよいかわか らない, とくに低年令青年は, 学校卒業と同時に家事労働に従事し 農業 , についての基本的な知識・ 技術を身につける余裕もなく ただ色々 の社会教育機関が企画する行 , 事に参加することによって, 少 しずつ身につけるのみで 体系的に大きな視野で農業に従事する , 基礎的な素養さえも身につける機会を与えられていない, また青年活動についての認識も白紙の 状態にあり, そこで何をな し, 何を求める のかと いうことも理 解しない そこに青 年活動の問題 , 点 が ひ そ ん で い る.. すなわち, 青年活動を高める唯一の方策は, 青年教育の拡充にあるといえるであろう 農村後 , 継者の育成が叫を れているが, そのための教育的施策 は不充分である 設備,施設 ,講師などの . 完備 した教育機関を設置 し, 集中的・継続的・体系的にこれ らの青年を学習させ 指導すること , が緊急のこと であろう. そこに青年たちが, 青年活動に対する深い認識をもっととも に 農業 の , 近代化にとりくむ力が 育成されるものと思われる. 青年活動の振興は青年教育の拡充にあること を述べて結論とする .. - 81 -.

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参照

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