ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率測定のための
検量線作成に関する実験的検討
佐野博昭
1,山田幹雄
2,北島博文
3,柏原 司
4,
古川幹人
5,澄川圭治
6,中村貴敏
7 1 防衛大学校・建設環境工学科 2 福井工業高等専門学校・環境都市工学科 3 日本製鉄㈱・九州製鉄所八幡地区資源化推進部 4 日本製鉄㈱・九州製鉄所大分地区生産技術部 5 日本製鉄㈱・本社スラグ事業・資源化推進部 6 日本製鉄㈱・九州製鉄所大分地区資源化推進部 7 日鉄スラグ製品㈱・九州事業所大分地区営業部ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率測定のための
検量線作成に関する実験的検討
佐野博昭
1,山田幹雄
2,北島博文
3,柏原
司
4古川幹人
5,澄川圭治
6,中村貴敏
7 1 防衛大学校・建設環境工学科 2 福井工業高等専門学校・環境都市工学科 3 日本製鉄(株)・九州製鉄所八幡地区資源化推進部 4 日本製鉄(株)・九州製鉄所大分地区生産技術部 5 日本製鉄(株)・本社スラグ事業・資源化推進部 6 日本製鉄(株)・九州製鉄所大分地区資源化推進部 7 日鉄スラグ製品(株)・九州事業所大分地区営業部概
要
本研究では,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率測定のための検量線作成方法を実験的に検討す るため,初めに,既往の研究より調べた各種炭酸カルシウム含有率試験の概要をまとめた。次に,ガス圧 定量法を用いた初期型および改良型の試験装置を作製することで炭酸カルシウム含有率試験結果に影響を 及ぼす要因について検討を行った。得られた結果より,これまで,試験者の判断に委ねられていた試験方 法に対して下記に示すような試験条件を用いることで検量線を作成することができた。「(1)振とうには台 車を使用する,(2)塩酸濃度は3mol/Lとする,(3)塩酸添加量は30mLとする,(4)振とう方向は圧力計のダイヤ フラム面に対して垂直とする,(5)振とう速度は3回/秒とする,(6)振とう時間は50秒とする,(7)圧力の測定 は振とう開始後60秒とする。」 キーワード:炭酸カルシウム含有率試験,ガス圧定量法,製鋼スラグ 1. まえがき 製鉄所より発生する主な副産物として鉄鋼スラグがあ る。鉄鋼スラグは,鉄鋼製造工程において発生するもので あり,銑鉄製造工程において発生する「高炉スラグ」と粗 鋼製造工程において発生する「製鋼スラグ」とに大別され る。製鋼スラグには,排出直後,数%の遊離石灰(f-CaO) が含まれており,水と反応すると次式(1)に示すように発 熱して水酸化カルシウムCa(OH)2が生成され1),約2 倍の 体積膨張が生じる。CaO+H2O→Ca(OH)2+15.6kcal/mol (1) このため,遊離石灰を含んだままの状態で例えば路盤材 料などに用いると,施工後,膨張にともなう路面隆起の発 生が懸念されるため,冷却固化後の製鋼スラグを破砕,ふ るい分けした後,製鉄所構内の屋外で一定期間,高さ10m 程度に山積みをし,遊離石灰を水と反応させ,製鋼スラグ を安定化させる処理が行われている2)。 写真1 は,2015 年 1 月 23 日に撮影した新日鐵住金(株) 大分製鐵所(現・日本製鉄(株)九州製鉄所大分地区)構 内の製鋼スラグ山の状況を示す。 ここで,6 か月から 1 年にわたって構内に積み付けられ 写真 1 新日鐵住金(株)大分製鐵所(現・日本製鉄(株)九 州製鉄所大分地区)構内における製鋼スラグ山の1 例 (2015 年 1 月 23 日撮影)
た製鋼スラグ中のCaO が水と反応して Ca(OH)2となった 後(膨張促進),Ca(OH)2は大気中の二酸化炭素ガス CO2 (濃度0.03~0.04%)と接触する機会があることより,接 触の程度の差は別にして次式(2)に示すような反応を経て 炭酸カルシウム CaCO3が生成 1)されている可能性が高い ものと推定される(炭酸化促進)。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O (2) さらに,製鋼スラグ内で式(2)の反応が進行していると すれば,製鋼スラグのpH が低下していることになる3)。 そこで,製鋼スラグ山における「膨張促進」と「炭酸化 促進」の進行状況を調べるために,新日鐵住金(株)大分 製鐵所(現・日本製鉄(株)九州製鉄所大分地区)構内に 積み付けた製鋼スラグ山の詳細な性状調査を行った結果, 積み付け期間の経過にともなって「膨張促進」は十分に発 揮されているが,「炭酸化促進」はほとんど発揮されてい ないことが明らかとなった4)。ここで,製鋼スラグ1 山の 規模としては,質量が5~8 万トン,高さは 13m 程度とな っている4)。 その一方で,写真2 に示すように,製鋼スラグ山表層部 分では,大気中の二酸化炭素ガス CO2の供給によるもの と推定される白色化(炭酸化)が観察されている(2014 年 7 月 28 日撮影)。なお,2014 年 7 月 23 日と 2015 年 1 月 23 日に製鋼スラグ山表層部分で大気中の二酸化炭素ガス CO2濃度を測定したところ,両日とも500ppm という結果 を得ている4)。 また,2014 年 7 月 23 日の測定で,大気中の二酸化炭素 濃度は500ppm であったのに対し,製鋼スラグ山表面から 深さ20cm の内部では 0ppm となった。さらに,6 か月後 の2015 年 1 月 23 日の測定では,2014 年 7 月 23 日に測定 した製鋼スラグ山とは異なるが,大気中の二酸化炭素濃度 は500ppm であったのに対して深さ 20cm では 200ppm と なった4)。 以上の結果より,製鋼スラグ山表層部分では,大気中の 二酸化炭素ガスとの反応により,炭酸化が進行していると 考えられるが(写真2 参照),製鋼スラグ山表層から僅か 20cm の深さでは,大気中の二酸化炭素濃度が半分以下あ るいは二酸化炭素が存在していないという結果が得られ たことになる4)。 このことが製鋼スラグ山内部において「炭酸化促進」が ほとんど発揮されていない主な原因であり,このため,現 在,製鋼スラグの販売にあたっては,使用場所周辺環境へ pH による悪影響を及ぼさないように,用途,場所等の制 限を設けている。 このような現状を踏まえ,著者らは,製鋼スラグ山内部 で「炭酸化促進」の発揮を期待して,大気中に含まれてい る二酸化炭素ガスCO2(濃度0.03~0.04%)を積極的に活 用し,できるだけコストのかからない「地球環境負荷低減 型対応の炭酸化処理技術」の開発を目指している5)~8)。 さらに,現在,「膨張促進」,「炭酸化促進」の2 つをよ り短期間で発揮させるための技術開発を進めているとこ ろである9)~11)。 このためには,6 か月から 1 年にわたって製鉄所構内に 積み付けて膨張性安定化を図っている製鋼スラグ山のpH や電気伝導率の測定に加えて,炭酸塩量(主として炭酸カ ルシウム CaCO3の量)の推移を詳細に把握しておくこと が不可欠であるが,これまでにそのような取り組みは行わ れていないのが現状である。 これに関連して,海野ら12)~16)は,温室効果ガスの削減 を目的として,製鋼スラグの二酸化炭素固定量の定量的評 価の検討を行っており,そのうち,文献14),16)ではガス 定量法を用いた炭酸カルシウム含有量試験を行っている。 さらに,研究対象試料は異なるが,福江ら17),藤森ら 18) は,堆積環境の評価を行うためにガス定量法を用いて炭酸 カルシウム含有量を求めている。 著者らは,これまでに,強熱法19)およびガス定量法20),21) を用いた炭酸カルシウム含有率試験を行い,その有効性に ついて報告してきた。さらに,文献3)では大気との積極的 な接触により炭酸化を促進させた製鋼スラグの炭酸カル シウム含有率を求めた実績を有しており,ガス定量法が炭 酸カルシウム含有率試験として有用であると考えている が,試験方法については,試験者の判断に委ねられている ものも多く存在しており,実施にあたって,試験方法の統 一化を図る必要があると考える。 著者らの目指すところは,製鉄所構内に積み付けられた 製鋼スラグの炭酸カルシウム含有率の測定を行い,この値 を製鋼スラグの出荷時の品質管理値のひとつとして採用 することにあるが,試験方法はもちろんのこと,試料の粒 径,試験装置,検量線の作成など未だ多くの課題が残され ている。 そこで,本研究では,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシ ウム含有率測定のための検量線作成方法を実験的に検討 するために,初めに,既往の研究より調べた各種炭酸カル シウム含有率試験の概要をまとめることとした。次に,加 藤・岡部22)の研究を参考にして装置を作製し,試験装置の 改良に至った経緯も含めて,炭酸カルシウム含有率試験結 果に影響を及ぼす様々な要因について検討を行った。 写真 2 新日鐵住金(株)大分製鐵所(現・日本製鉄(株)九 州製鉄所大分地区)構内における製鋼スラグ山表層部 の炭酸化層の1 例(2014 年 7 月 28 日撮影)
た製鋼スラグ中のCaO が水と反応して Ca(OH)2となった 後(膨張促進),Ca(OH)2は大気中の二酸化炭素ガス CO2 (濃度0.03~0.04%)と接触する機会があることより,接 触の程度の差は別にして次式(2)に示すような反応を経て 炭酸カルシウム CaCO3が生成 1)されている可能性が高い ものと推定される(炭酸化促進)。
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O (2) さらに,製鋼スラグ内で式(2)の反応が進行していると すれば,製鋼スラグのpH が低下していることになる3)。 そこで,製鋼スラグ山における「膨張促進」と「炭酸化 促進」の進行状況を調べるために,新日鐵住金(株)大分 製鐵所(現・日本製鉄(株)九州製鉄所大分地区)構内に 積み付けた製鋼スラグ山の詳細な性状調査を行った結果, 積み付け期間の経過にともなって「膨張促進」は十分に発 揮されているが,「炭酸化促進」はほとんど発揮されてい ないことが明らかとなった4)。ここで,製鋼スラグ1 山の 規模としては,質量が5~8 万トン,高さは 13m 程度とな っている4)。 その一方で,写真2 に示すように,製鋼スラグ山表層部 分では,大気中の二酸化炭素ガス CO2の供給によるもの と推定される白色化(炭酸化)が観察されている(2014 年 7 月 28 日撮影)。なお,2014 年 7 月 23 日と 2015 年 1 月 23 日に製鋼スラグ山表層部分で大気中の二酸化炭素ガス CO2濃度を測定したところ,両日とも500ppm という結果 を得ている4)。 また,2014 年 7 月 23 日の測定で,大気中の二酸化炭素 濃度は500ppm であったのに対し,製鋼スラグ山表面から 深さ20cm の内部では 0ppm となった。さらに,6 か月後 の2015 年 1 月 23 日の測定では,2014 年 7 月 23 日に測定 した製鋼スラグ山とは異なるが,大気中の二酸化炭素濃度 は500ppm であったのに対して深さ 20cm では 200ppm と なった4)。 以上の結果より,製鋼スラグ山表層部分では,大気中の 二酸化炭素ガスとの反応により,炭酸化が進行していると 考えられるが(写真2 参照),製鋼スラグ山表層から僅か 20cm の深さでは,大気中の二酸化炭素濃度が半分以下あ るいは二酸化炭素が存在していないという結果が得られ たことになる4)。 このことが製鋼スラグ山内部において「炭酸化促進」が ほとんど発揮されていない主な原因であり,このため,現 在,製鋼スラグの販売にあたっては,使用場所周辺環境へ pH による悪影響を及ぼさないように,用途,場所等の制 限を設けている。 このような現状を踏まえ,著者らは,製鋼スラグ山内部 で「炭酸化促進」の発揮を期待して,大気中に含まれてい る二酸化炭素ガスCO2(濃度0.03~0.04%)を積極的に活 用し,できるだけコストのかからない「地球環境負荷低減 型対応の炭酸化処理技術」の開発を目指している5)~8)。 さらに,現在,「膨張促進」,「炭酸化促進」の2 つをよ り短期間で発揮させるための技術開発を進めているとこ ろである9)~11)。 このためには,6 か月から 1 年にわたって製鉄所構内に 積み付けて膨張性安定化を図っている製鋼スラグ山の pH や電気伝導率の測定に加えて,炭酸塩量(主として炭酸カ ルシウム CaCO3の量)の推移を詳細に把握しておくこと が不可欠であるが,これまでにそのような取り組みは行わ れていないのが現状である。 これに関連して,海野ら12)~16)は,温室効果ガスの削減 を目的として,製鋼スラグの二酸化炭素固定量の定量的評 価の検討を行っており,そのうち,文献14),16)ではガス 定量法を用いた炭酸カルシウム含有量試験を行っている。 さらに,研究対象試料は異なるが,福江ら17),藤森ら 18) は,堆積環境の評価を行うためにガス定量法を用いて炭酸 カルシウム含有量を求めている。 著者らは,これまでに,強熱法19)およびガス定量法20),21) を用いた炭酸カルシウム含有率試験を行い,その有効性に ついて報告してきた。さらに,文献3)では大気との積極的 な接触により炭酸化を促進させた製鋼スラグの炭酸カル シウム含有率を求めた実績を有しており,ガス定量法が炭 酸カルシウム含有率試験として有用であると考えている が,試験方法については,試験者の判断に委ねられている ものも多く存在しており,実施にあたって,試験方法の統 一化を図る必要があると考える。 著者らの目指すところは,製鉄所構内に積み付けられた 製鋼スラグの炭酸カルシウム含有率の測定を行い,この値 を製鋼スラグの出荷時の品質管理値のひとつとして採用 することにあるが,試験方法はもちろんのこと,試料の粒 径,試験装置,検量線の作成など未だ多くの課題が残され ている。 そこで,本研究では,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシ ウム含有率測定のための検量線作成方法を実験的に検討 するために,初めに,既往の研究より調べた各種炭酸カル シウム含有率試験の概要をまとめることとした。次に,加 藤・岡部22)の研究を参考にして装置を作製し,試験装置の 改良に至った経緯も含めて,炭酸カルシウム含有率試験結 果に影響を及ぼす様々な要因について検討を行った。 写真 2 新日鐵住金(株)大分製鐵所(現・日本製鉄(株)九 州製鉄所大分地区)構内における製鋼スラグ山表層部 の炭酸化層の1 例(2014 年 7 月 28 日撮影) 2. 炭酸カルシウム含有率試験の種類 炭酸カルシウムの形態には,カルサイト型(菱面体晶, 比重2.71),アラゴナイト型(斜方晶,2.94),バテライト 型(六方晶,2.54)の 3 種類が知られており,カルサイト は石灰石,アラゴナイトはアラレ石や貝殻などとしてそれ ぞれ天然に産出するが,バテライトは炭酸カルシウムの湿 式合成のときだけに生成する不安定相である1)。 炭酸カルシウムを定量する方法として,X 線回折などを はじめとした測定法があり,最近では,リートベルト解析 が一般的となって定量分析が比較的容易になってきたが, 装置が高価であることに加えて,操作に熟練を要し,簡単 に使用できる状況には至っていないのが現状である。また, 後述する(2)強熱法23)~25)に関連して,熱重量・示差熱分析 などの熱分析も比較的容易に使用できるようになってき たが,装置が比較的高価であることから簡単に普及するま でには至っていない。 炭酸カルシウムは,中性の水にはほとんど溶けないが, 塩酸などの強酸と反応して二酸化炭素を放出する性質や 加熱することにより酸化カルシウムと二酸化炭素とに分 解する性質をそれぞれ有している1)。 このため,これらの性質を利用して比較的簡便な方法で 炭酸カルシウムの含有量を測定できる方法として,「ガス 定量法」22),26),27),「強熱法」23)~25)および「検知管法」28),29) が提案されている。 以下では,それぞれの方法の概要について簡単に述べる。 (1)ガス定量法について22),26),27) ガス定量法は,炭酸カルシウムに塩酸を加えると次式 (3)のような反応が速やかに生じ,二酸化炭素ガス CO2を 発生する性質を利用したものである1)。
CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2 (3) 加藤・岡部22)は,炭酸カルシウムの高精度迅速ガス定量 法として,その原理や方法について詳細に報告している。 この反応によって発生する二酸化炭素ガス CO2の圧力は 炭酸カルシウムの質量と比例関係にあることから,事前に 両者の関係(検量線)を求めておくことにより,二酸化炭 素ガスCO2の圧力から炭酸カルシウムの含有量(%)を求 めるものである。 なお,炭酸カルシウムの型の種類としてカルサイト型, アラゴナイト型があり,型によって反応の進行,時間に違 いがあることが報告18)されていることから,測定にあたっ ては注意を要する。 (2)強熱法について23)~25) 強熱法は,炭酸カルシウムに強熱を加えると次式(4)に 示すような熱分解により二酸化炭素ガスを放出する性質 を利用したものである1)。
CaCO3→CaO+CO2↑-42.52kcal/mol (4) ここで,CaCO3の分子量は100.0869,CaO は 56.0774, CO2は44.0095 であることより,強熱にともなう質量減少 量(二酸化炭素ガス逸散)から炭酸カルシウム含有率(%) を求めるものである。 この方法を土に適用した事例として,Shorten23)は,550℃ と950℃の温度で強熱することによって,土の炭酸カルシ ウム含有率の測定を行っている。また,新城ら 24),25)は, 540℃と 700℃の温度で強熱することによって,さんご堆 積物に適用した事例を報告している。 なお,著者ら19)は,強熱法を用いた製鋼スラグの炭酸カ ルシウム含有率測定法について検討を行い,製鋼スラグ中 の炭酸カルシウムは,温度700℃で 3 時間以上強熱すると 二酸化炭素が完全に離脱することを報告している。 (3)検知管法について28),29) 基本的原理は,先に述べたガス定量法と同様に,炭酸カ ルシウムと塩酸を反応させて二酸化炭素ガス CO2を発生 させるものであるが,この方法の特徴は,発生した二酸化 炭素ガス CO2の濃度を検知管により測定し,炭酸カルシ ウム含有量(mol/kg)を求めることにある。 Than et al.28)は,3 つの粘土と 8 種類の試料土に対して試 験を行っている。また,「検知管法」による炭酸カルシウ ム含有量試験の製鋼スラグへの適用性については,文献 29)で検討されている。 3. ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率 試験の概要 先にも述べたように,炭酸カルシウム含有率試験には, 「ガス定量法」22),26),27),「強熱法」23)~25),「検知管法」28),29) が提案されているが,その中でもガス定量法22),26),27)は,簡 便で必要な装置も安価で作製でき,測定時間も数分と短く, 炭酸カルシウム含有量を測定する方法としては非常に有 用である。 著者らは,これまでに「ガス定量法」を用いた炭酸カル シウム含有率試験を行うにあたって,加藤・岡部22)の研究 を基にして装置の作製を行い,試験方法についても参考に して研究を行ってきた。 ここで,加藤・岡部22)は,炭酸カルシウムの高精度迅速 ガス定量法として提案しているが,試験の原理としては, 酸と炭酸カルシウムとの反応によって発生する二酸化炭 素ガスCO2の圧力を測定していることから,本研究では, 「ガス定量法」よりも「ガス圧定量法」の方が試験名称と しては適当であると判断し,以下では「ガス圧定量法」の 名称を用いることとする。 さらに,著者らが研究の対象としている製鋼スラグに対 して行った X 線回折分析の結果より,炭酸カルシウムの 型はカルサイト型であることを確認している。 表1 は,既往の研究より調べたガス圧定量法に用いられ ている試験装置の概要と試験対象試料を示す。 表より,反応容器の形状についてはすべてが円筒形であ る。また,反応容器の体積は153~432cm3となっており, 約2.8 倍異なっていることがわかる。次に,添加する塩酸
の濃度と添加量は,加藤・岡部22)が「濃度3mol/L,添加量 10mL」なっているが,それ以外の文献 14),16),17),18) では,「3mol/L,20mL」となっている。 一方,加藤・岡部22)が参考にしているSchink et al.27)の 研究では,「塩酸の濃度は6mol/L で添加量 10mL」となっ ているが,これは「濃度3mol/L,添加量 20mL」と塩酸の モル数は等しくなる。この塩酸の濃度と添加量では炭酸カ ルシウム3g を溶解することが可能であるが,適用する試 料に含まれている主として塩酸と反応する炭酸カルシウ ム含有量によっては濃度,添加量の調整が必要となる。 一方,反応容器の体積に対する塩酸の体積の比を体積比 と称して調べたところ,0.031~0.131 となっていることが わかる。さらに,試験対象試料としては,堆積物,高炉徐 冷スラグ,製鋼スラグとなっている。 4. ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率 試験方法 4.1 初期型炭酸カルシウム含有率試験装置(反応容器 内の圧力の測定) 著者ら3),20)は,これまでに加藤・岡部22)の研究および過 去の研究事例(前出表1 参照)を参考にして,写真 3 に示 すようなガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率試 験用の装置(マルタニ試工(株)製)を作製し,4.75mm 未 満の製鋼スラグに対して試験を行ってきた。なお,この装 置を「初期型炭酸カルシウム含有率試験装置」と称し,以 降では,「初期型装置」と略記することにする。以下に初 期型装置の概要を示す。 初期型装置は,写真 3 に示すように内径 10cm,高さ 5.5cm の透明アクリル円筒を塩化ビニル製の上蓋と下蓋で 挟み込み,4 本の支柱で固定したものである。上蓋には圧 力測定装置に通じたカプラと排気用のバルブを設置して いる。なお,アクリル円筒と上下蓋の間にはO リングを介 して液体や気体の漏れを防いでいる。 この装置によりガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム 含有率試験を行うにあたっては,事前に検量線を求める必 要がある。そこで,既往の研究22)を参考にして以下の方法 により検量線を作成した。 まず,市販の炭酸カルシウム(関東化学(株)試薬特級, 含有量99.5%以上)を恒温乾燥炉に入れて 110℃で一定質 量になるまで炉乾燥し,その後,デシケータでほぼ室温に なるまで冷ましたものを試料とした。この炭酸カルシウム を0.02~0.12g まで 0.02g ずつ増加させて正確に計量(最 小読み0.01g)し,反応容器(写真 3 左側,内径 10cm,外 径12cm,高さ 5.5cm,容積 432cm3の円筒形)の中央付近 に散布した。次に,塩酸(関東化学(株)試薬特級,濃度 35.0~37.0%)を用いて濃度を 3mol/L に調整した後,正確 に20mL を量り採り,2 つの塩酸容器(10mL ポリビーカ ー)に10mL ずつ分取して反応容器(写真 3 左側)の底に 置いた。なお,この2 つの塩酸容器は,試験時に塩酸と試 料とを十分に撹拌する役目も有している。 なお,本研究では,以降の試験においても炭酸カルシウ ムと塩酸は上記と同様のものを用いることとした。 続いて,反応容器の排気弁を開いたまま,上蓋のねじを 確実に締め,圧力測定装置であるデジタルマノメーター (写真3 右側)(アズワン(株)製,M-382,測定範囲:0 ~20.00kPa,分解能:0.01kPa,精度:±2.0%フルスケール) と反応容器を接続し,デジタルマノメーターの読みが0(ゼ 表 1 既往の研究によるガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率試験の概要 反応容器 添加する酸 試験対象試料 体積比 出 典 直径 (cm) 高さ (cm) 体積 (cm3) 種類 濃度 (mol/L) 添加量 (mL) 種 類 粒径 (mm) 質量 (g) 6.98 8.5 325 塩酸 6 10 堆積物 ‐ 1 0.031 Schink et al.27) (1979) 8 ‐ 約220 塩酸 3 10 堆積物 <0.074 <0.125 0.2~2 0.045 加藤・岡部22) (1988) 8 5 251 塩酸 3 20 堆積物 ‐ 5 0.080 福江ほか 17) (2001) 6 5.4 153 塩酸 3 20 堆積物 粉末状 5 0.131 藤森ほか 18) (2007) 7.5 4.5 199 塩酸 3 20 高炉徐冷スラグ製鋼スラグ 0.45~2 2 0.101 海野ほか (201214),201316)) 10 5.5 432 塩酸 3 20 製鋼スラグ <4.75 2~5 0.046 佐野ほか (201420),20153)) (初期型) 8 8.5 427 塩酸 3 30 製鋼スラグ <4.75 2~5 0.070 本研究 (改良型 I,II) 備考)体積比:反応容器の体積に対する塩酸の体積の比,反応容器の体積:直径と高さを基にして計算
の濃度と添加量は,加藤・岡部22)が「濃度3mol/L,添加量 10mL」なっているが,それ以外の文献 14),16),17),18) では,「3mol/L,20mL」となっている。 一方,加藤・岡部22)が参考にしているSchink et al.27)の 研究では,「塩酸の濃度は6mol/L で添加量 10mL」となっ ているが,これは「濃度3mol/L,添加量 20mL」と塩酸の モル数は等しくなる。この塩酸の濃度と添加量では炭酸カ ルシウム3g を溶解することが可能であるが,適用する試 料に含まれている主として塩酸と反応する炭酸カルシウ ム含有量によっては濃度,添加量の調整が必要となる。 一方,反応容器の体積に対する塩酸の体積の比を体積比 と称して調べたところ,0.031~0.131 となっていることが わかる。さらに,試験対象試料としては,堆積物,高炉徐 冷スラグ,製鋼スラグとなっている。 4. ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率 試験方法 4.1 初期型炭酸カルシウム含有率試験装置(反応容器 内の圧力の測定) 著者ら3),20)は,これまでに加藤・岡部22)の研究および過 去の研究事例(前出表1 参照)を参考にして,写真 3 に示 すようなガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率試 験用の装置(マルタニ試工(株)製)を作製し,4.75mm 未 満の製鋼スラグに対して試験を行ってきた。なお,この装 置を「初期型炭酸カルシウム含有率試験装置」と称し,以 降では,「初期型装置」と略記することにする。以下に初 期型装置の概要を示す。 初期型装置は,写真 3 に示すように内径 10cm,高さ 5.5cm の透明アクリル円筒を塩化ビニル製の上蓋と下蓋で 挟み込み,4 本の支柱で固定したものである。上蓋には圧 力測定装置に通じたカプラと排気用のバルブを設置して いる。なお,アクリル円筒と上下蓋の間にはO リングを介 して液体や気体の漏れを防いでいる。 この装置によりガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム 含有率試験を行うにあたっては,事前に検量線を求める必 要がある。そこで,既往の研究22)を参考にして以下の方法 により検量線を作成した。 まず,市販の炭酸カルシウム(関東化学(株)試薬特級, 含有量99.5%以上)を恒温乾燥炉に入れて 110℃で一定質 量になるまで炉乾燥し,その後,デシケータでほぼ室温に なるまで冷ましたものを試料とした。この炭酸カルシウム を0.02~0.12g まで 0.02g ずつ増加させて正確に計量(最 小読み0.01g)し,反応容器(写真 3 左側,内径 10cm,外 径12cm,高さ 5.5cm,容積 432cm3の円筒形)の中央付近 に散布した。次に,塩酸(関東化学(株)試薬特級,濃度 35.0~37.0%)を用いて濃度を 3mol/L に調整した後,正確 に20mL を量り採り,2 つの塩酸容器(10mL ポリビーカ ー)に10mL ずつ分取して反応容器(写真 3 左側)の底に 置いた。なお,この2 つの塩酸容器は,試験時に塩酸と試 料とを十分に撹拌する役目も有している。 なお,本研究では,以降の試験においても炭酸カルシウ ムと塩酸は上記と同様のものを用いることとした。 続いて,反応容器の排気弁を開いたまま,上蓋のねじを 確実に締め,圧力測定装置であるデジタルマノメーター (写真3 右側)(アズワン(株)製,M-382,測定範囲:0 ~20.00kPa,分解能:0.01kPa,精度:±2.0%フルスケール) と反応容器を接続し,デジタルマノメーターの読みが0(ゼ 表 1 既往の研究によるガス圧定量法を用いた炭酸カルシウム含有率試験の概要 反応容器 添加する酸 試験対象試料 体積比 出 典 直径 (cm) 高さ (cm) 体積 (cm3) 種類 濃度 (mol/L) 添加量 (mL) 種 類 粒径 (mm) 質量 (g) 6.98 8.5 325 塩酸 6 10 堆積物 ‐ 1 0.031 Schink et al.27) (1979) 8 ‐ 約220 塩酸 3 10 堆積物 <0.074 <0.125 0.2~2 0.045 加藤・岡部22) (1988) 8 5 251 塩酸 3 20 堆積物 ‐ 5 0.080 福江ほか 17) (2001) 6 5.4 153 塩酸 3 20 堆積物 粉末状 5 0.131 藤森ほか 18) (2007) 7.5 4.5 199 塩酸 3 20 高炉徐冷スラグ製鋼スラグ 0.45~2 2 0.101 海野ほか (201214),201316)) 10 5.5 432 塩酸 3 20 製鋼スラグ <4.75 2~5 0.046 佐野ほか (201420),20153)) (初期型) 8 8.5 427 塩酸 3 30 製鋼スラグ <4.75 2~5 0.070 本研究 (改良型 I,II) 備考)体積比:反応容器の体積に対する塩酸の体積の比,反応容器の体積:直径と高さを基にして計算 ロ)を示していることを確認した後に排気弁を閉じる。反 応容器を両手に持ち,静かに水平に振とうさせて2 つの塩 酸容器を転倒させ,炭酸カルシウムと塩酸を反応させる。 この操作に要した時間は30 秒である。 その後,デジタルマノメーターの読みが落ち着くまで静 置(反応後概ね60 秒)し,このときに発生するガス圧力 を測定し,記録する。 この操作を繰り返し,炭酸カルシウムの質量とガス圧力 との関係から検量線を作成する。 なお,試験はデータのばらつきを考慮に入れて同じ炭酸 カルシウムの質量に対して3 回行った。さらに,試験者の 違いによる影響を確認するために 2011 年度試験者 A と 2012 年度試験者 N により実施した。 図1 は,2011 年度試験者 A,2012 年度試験者 N が作成 した初期型装置の検量線を示す。なお,図中には,3 回の 結果をNo.1~3 として示している。 図より,炭酸カルシウムと反応容器内の圧力との間には 次式(5),(6)に示すように,非常に相関性の高い関係が認め られる。 2011 年度:pco2=60.89mCaCO3(r=0.996) (5) 2012 年度:pco2=60.45mCaCO3(r=0.997) (6) ここに,pCO2:反応容器内の圧力(kPa) mCaCO3:炭酸カルシウムの質量(g) これより,試験者A,N の違いによる試験結果への影響 はほとんどなく,非常に再現性の高い結果が得られたこと になる。さらに,初期型装置を用いた検量線作成年月日は, 2011 年が 12 月 28~30 日(冬季),2012 年が 7 月 13~25 日(夏季)と異なっており,室内において実験を行ったわ けであるが,時期の違いによる検量線にとくに差はなく, 温度による影響も認められなかった。これは,実験室内に は空気調和設備が備えられており,実験室使用時の室温は 25℃前後に調整されていることによるものと推定される。 次に,炭酸カルシウム含有率を求めたい試料の4.75mm ふるい通過分を採取後,炉乾燥して約2~5g を正確に計量 (最小読み0.01g)し,反応容器の底に置いて先に検量線 を作成した要領でガス圧を測定し,図1 に示した検量線か ら炭酸カルシウムの質量を求める。なお,炭酸カルシウム 含有率CCaは次式(7)によって算出する。 CCa= mCa⁄ ×100 (7) ms ここに,CCa:炭酸カルシウム含有率(%) mCa:試料に含まれる炭酸カルシウムの質量(g) ms:試料の炉乾燥質量(g) ここで,粒径について,製鋼スラグの最大粒径は37.5mm であり,製鋼スラグ全体の炭酸カルシウム含有率を測定す るためには37.5mm 通過分の製鋼スラグを用いる必要があ るが,試料の質量,装置の大きさ,塩酸添加量などの観点 から今回は最大粒径を4.75mm とした3),20)。今後は,粒径 についても検討を行う必要がある。 このように試験自体は非常に簡単であり,反応容器,圧 力計,薬品が揃えば簡単に試験を行うことが可能である。 また,試験に要する時間として反応過程は1 分程度で終わ り,試料の準備も簡単であることから1 試料の試験を約 5 分で行うことができる。 実際に試験3),20)を行ったところ,試験は簡単であり,検 量線の精度も非常に高いことが示されたが,その一方で試 験者による振とう要領,塩酸容器の転倒状況,振とう時間, 反応時間,試験実施時の室温,反応容器内の温度の影響な ど,試験方法について多くの課題が残されていることも明 らかとなった。 先にも述べたように,著者らは,効率的な製鋼スラグの 炭酸化度測定を目的として研究を行っているわけである が,その過程に大きく関与している炭酸カルシウムCaCO3 の量を簡便かつ正確に測定し,将来的にはこの値を製鋼ス ラグの出荷時の品質管理値のひとつとして採用するため に,炭酸カルシウム含有率試験の統一化を目指している。 そこで,以下では,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシウ ム含有率試験を行う上での試験方法などについて詳細な 検討を行うために,新たに試験装置を作製し,種々の条件 のもとで試験を行うこととした。 図 1 反応容器を手で保持して振とうさせた場合の検量線(初 期型装置,2011 年度試験者 A,2012 年度試験者 N,塩 酸濃度3mol/L,塩酸添加量 20mL,振とう時間 30 秒) 写真 3 ガス圧定量法を用いた初期型装置(左側:反応容器, 右側:圧力測定装置) 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0 2 4 6 8 炭酸カルシウム質量 mCaCO3(g) 振と う開 始 後 60 秒が 経過 し た 時点 での 反 応 容 器内 の圧力 pCO2 ( kP a) 検量線作成日 白抜き:2011年12月28日~12月30日 黒塗り:2012年 7月13日~ 7月25日 2011年度: pCO2=60.89 mCaCO3 (r=0.996) 2012年度: pCO2=60.45 mCaCO3 (r=0.997) 試験No. ○● No.1 △▲ No.2 □■ No.3 試験条件 塩酸濃度:3mol/L 塩酸添加量:20mL 振とう時間:30秒 試験装置:初期型装置 2012年度 2011年度 カプラ 圧力測定装置 排気弁 反応容器
4.2 改良型炭酸カルシウム含有率試験装置 I(反応容器 内の圧力および実験室内の温度の測定) 写真4 は,新たに作製した改良型炭酸カルシウム含有率 試験装置I(マルタニ試工(株)製)を示す。これは,初 期型装置の圧力の目視測定を連続的に行うことができる ようにするために,圧力変換器を固定する改良を行ったも のである。また,本来であれば反応容器内の温度の測定を 目指したが,この時点では,反応容器内への温度計の簡易 な固定方法を見付けることができず,実験室内の温度の測 定に留めた。 このため,試験条件の中でも,試験者による振とう要領, 塩酸容器の転倒状況,振とう時間,反応時間などに着目し て試験を行うこととした。なお,以降では,この装置を「改 良型装置I」と略記することにする。 初期型装置の反応容器の大きさは,内径 10cm,高さ 5.5cm,容積 432cm3の円筒形であったが,改良型装置I は 内径8cm,高さ 8.5cm,容積 427.3cm3とし,容量は初期型 装置,改良型装置I ともにほぼ同じである。 反応容器の材質は,初期型装置の場合,円筒は透明アク リル製,上下蓋は塩化ビニル製であったが,改良型装置I の場合,反応容器,上蓋ともに塩化ビニル製とし,上蓋は 透明とした。なお,反応容器と上蓋の間にはO リングを介 して液体や気体の漏れを防いでいる。 圧力の測定は,圧力計((株)共和電業製,低容量圧力 変換器,PGM-02KG,定格容量 20kPa)を,実験室内の温 度測定は,熱電対(オムロン(株)製,ローコスト白金測 温抵抗体,E52-CA6ASY,素線の種類 K(+脚:クロメル, —脚アルメル))をそれぞれ使用し,圧力と温度の計測は静 ひずみ計((株)共和電業製,UCAM-60B)を使用する。こ れにより,塩酸と炭酸カルシウムとの反応により生じる反 応容器内の圧力と実験室内の温度を連続的に測定・記録す ることが可能である。 検量線の作成にあたっては,炭酸カルシウムを 0.04~ 0.28g まで 0.04g ずつ増加させて正確に計量(最小読み 0.001g)し,写真 4 に示した反応容器の底部に散布した。 次に,濃度3mol/L の塩酸を正確に 30mL 量り採り,塩酸 容器に入れて反応容器の底に置いた。 なお,先にも述べたように,初期型装置では塩酸を入れ るとともに撹拌の効果も発揮させるために 2 個の塩酸容 器を用いたわけであるが,反応容器を振とうしている最中 に塩酸容器同士が重なりあってしまう現象が生じた。そこ で,今回は1 個の塩酸容器(30mL ポリビーカー)を用い ることにした。 続いて,反応容器の排気弁を開いたまま,上蓋の蝶ねじ を確実に締め,圧力計の読みが0(ゼロ)を示しているこ とを確認した後に排気弁を閉じる。反応容器を水平に振と うさせて塩酸容器を転倒させ,炭酸カルシウムと塩酸を反 応させる。その後,所定の時間が経過するまで静置し,こ のとき発生するガス圧力を2 秒間隔で測定して CF カード に記録し,PC に取り込む。この操作を繰り返し,炭酸カ ルシウムの質量とガス圧力との関係から検量線を作成す る。なお,試験はデータのばらつきを考慮に入れて同じ炭 酸カルシウムの質量に対して3 回行った。 検量線の作成に先立って,試験結果に影響を及ぼす要因 (振とう方法,振とう速度,振とう時間,反応時間)につ いて検討を行った。これは,初期型装置を用いた試験の際 に,試験者によって振とうの程度が異なり,攪拌の程度, すなわち,炭酸カルシウムと塩酸との反応の程度に影響を 及ぼす可能性があると判断したことによるものである。 既往の研究において,試料と塩酸溶液を反応させる方法 についての記述としては,加藤・岡部22)は「全体を前後左 右に振動させ,充分反応」,藤森ら18)は「水平に振動」と あるが,その程度については試験者の判断に委ねられてい るのが現状である。 そこで,本研究では,手に保持して振とうさせる際に, 事前の予備試験により,試験者に負担のかからない範囲で 速度と振幅を設定し,試験者の個人差を把握する目的から 2 名の試験者により試料と塩酸を用いない試験(ブランク 試験)を行ってみることにした。 試験は椅子に座った状態で行い,机上に置いている装置 を両手で約15cm 持ち上げて 20 秒間保持し,その後,20 秒間振とうし,振とう終了後,机上で20 秒間静置する 3 サイクルを3 回行った。また,振とう方法をある程度統一 するために,振幅は5cm,振とう速度は遅い場合(3 回/秒) と早い場合(4 回/秒)の 2 種類を設定した。なお,試験者 は,試験内容を熟知した2013 年度試験者 H と試験の内容 は理解していないが事前に概略の説明を行って試験要領 を理解した2013 年度試験者 N の 2 名である。 図2 は,2013 年度試験者 H が炭酸カルシウムと塩酸と の反応を生じさせるために従来行われている反応容器を 手に保持して十分に振とうを行った場合の時間の経過に ともなう反応容器内の圧力の推移を示す。 図より,まず,机の上に置いている反応容器を約15cm 持ち上げる際に圧力の急激な変動が生じ,その後,手に保 持した状態で10 秒ほど経過するとある程度一定状態にな る。次に,振とうを開始すると圧力が変動し,20 秒間の振 とう終了後,机上に置く際に再度,圧力の変動が生じてい ることがわかる。なお,机上からの持ち上げおよび机上へ の静置後,10 秒程度で圧力が 0(ゼロ)になることがわか る。これは,圧力変換器の機構上30),避けることのできな い現象である。また,振とう速度による顕著な差は認めら (a)全 体 (b)上 部 写真 4 ガス圧定量法を用いた改良型装置 I(全体写真左側: 反応容器,右側:台車) 排気弁 反応容器 圧力計 台車
4.2 改良型炭酸カルシウム含有率試験装置 I(反応容器 内の圧力および実験室内の温度の測定) 写真4 は,新たに作製した改良型炭酸カルシウム含有率 試験装置I(マルタニ試工(株)製)を示す。これは,初 期型装置の圧力の目視測定を連続的に行うことができる ようにするために,圧力変換器を固定する改良を行ったも のである。また,本来であれば反応容器内の温度の測定を 目指したが,この時点では,反応容器内への温度計の簡易 な固定方法を見付けることができず,実験室内の温度の測 定に留めた。 このため,試験条件の中でも,試験者による振とう要領, 塩酸容器の転倒状況,振とう時間,反応時間などに着目し て試験を行うこととした。なお,以降では,この装置を「改 良型装置I」と略記することにする。 初期型装置の反応容器の大きさは,内径 10cm,高さ 5.5cm,容積 432cm3の円筒形であったが,改良型装置I は 内径8cm,高さ 8.5cm,容積 427.3cm3とし,容量は初期型 装置,改良型装置I ともにほぼ同じである。 反応容器の材質は,初期型装置の場合,円筒は透明アク リル製,上下蓋は塩化ビニル製であったが,改良型装置I の場合,反応容器,上蓋ともに塩化ビニル製とし,上蓋は 透明とした。なお,反応容器と上蓋の間にはO リングを介 して液体や気体の漏れを防いでいる。 圧力の測定は,圧力計((株)共和電業製,低容量圧力 変換器,PGM-02KG,定格容量 20kPa)を,実験室内の温 度測定は,熱電対(オムロン(株)製,ローコスト白金測 温抵抗体,E52-CA6ASY,素線の種類 K(+脚:クロメル, —脚アルメル))をそれぞれ使用し,圧力と温度の計測は静 ひずみ計((株)共和電業製,UCAM-60B)を使用する。こ れにより,塩酸と炭酸カルシウムとの反応により生じる反 応容器内の圧力と実験室内の温度を連続的に測定・記録す ることが可能である。 検量線の作成にあたっては,炭酸カルシウムを 0.04~ 0.28g まで 0.04g ずつ増加させて正確に計量(最小読み 0.001g)し,写真 4 に示した反応容器の底部に散布した。 次に,濃度3mol/L の塩酸を正確に 30mL 量り採り,塩酸 容器に入れて反応容器の底に置いた。 なお,先にも述べたように,初期型装置では塩酸を入れ るとともに撹拌の効果も発揮させるために 2 個の塩酸容 器を用いたわけであるが,反応容器を振とうしている最中 に塩酸容器同士が重なりあってしまう現象が生じた。そこ で,今回は1 個の塩酸容器(30mL ポリビーカー)を用い ることにした。 続いて,反応容器の排気弁を開いたまま,上蓋の蝶ねじ を確実に締め,圧力計の読みが0(ゼロ)を示しているこ とを確認した後に排気弁を閉じる。反応容器を水平に振と うさせて塩酸容器を転倒させ,炭酸カルシウムと塩酸を反 応させる。その後,所定の時間が経過するまで静置し,こ のとき発生するガス圧力を2 秒間隔で測定して CF カード に記録し,PC に取り込む。この操作を繰り返し,炭酸カ ルシウムの質量とガス圧力との関係から検量線を作成す る。なお,試験はデータのばらつきを考慮に入れて同じ炭 酸カルシウムの質量に対して3 回行った。 検量線の作成に先立って,試験結果に影響を及ぼす要因 (振とう方法,振とう速度,振とう時間,反応時間)につ いて検討を行った。これは,初期型装置を用いた試験の際 に,試験者によって振とうの程度が異なり,攪拌の程度, すなわち,炭酸カルシウムと塩酸との反応の程度に影響を 及ぼす可能性があると判断したことによるものである。 既往の研究において,試料と塩酸溶液を反応させる方法 についての記述としては,加藤・岡部22)は「全体を前後左 右に振動させ,充分反応」,藤森ら18)は「水平に振動」と あるが,その程度については試験者の判断に委ねられてい るのが現状である。 そこで,本研究では,手に保持して振とうさせる際に, 事前の予備試験により,試験者に負担のかからない範囲で 速度と振幅を設定し,試験者の個人差を把握する目的から 2 名の試験者により試料と塩酸を用いない試験(ブランク 試験)を行ってみることにした。 試験は椅子に座った状態で行い,机上に置いている装置 を両手で約15cm 持ち上げて 20 秒間保持し,その後,20 秒間振とうし,振とう終了後,机上で20 秒間静置する 3 サイクルを3 回行った。また,振とう方法をある程度統一 するために,振幅は5cm,振とう速度は遅い場合(3 回/秒) と早い場合(4 回/秒)の 2 種類を設定した。なお,試験者 は,試験内容を熟知した2013 年度試験者 H と試験の内容 は理解していないが事前に概略の説明を行って試験要領 を理解した2013 年度試験者 N の 2 名である。 図2 は,2013 年度試験者 H が炭酸カルシウムと塩酸と の反応を生じさせるために従来行われている反応容器を 手に保持して十分に振とうを行った場合の時間の経過に ともなう反応容器内の圧力の推移を示す。 図より,まず,机の上に置いている反応容器を約15cm 持ち上げる際に圧力の急激な変動が生じ,その後,手に保 持した状態で10 秒ほど経過するとある程度一定状態にな る。次に,振とうを開始すると圧力が変動し,20 秒間の振 とう終了後,机上に置く際に再度,圧力の変動が生じてい ることがわかる。なお,机上からの持ち上げおよび机上へ の静置後,10 秒程度で圧力が 0(ゼロ)になることがわか る。これは,圧力変換器の機構上30),避けることのできな い現象である。また,振とう速度による顕著な差は認めら (a)全 体 (b)上 部 写真 4 ガス圧定量法を用いた改良型装置 I(全体写真左側: 反応容器,右側:台車) 排気弁 反応容器 圧力計 台車 れなかった。 次に,同様の操作方法を2013 年度試験者 N に対して行 ってもらったところ,図3 に示す結果が得られた。図より, 2013 年度試験者 H と同様に,反応容器の持ち上げおよび 振とう終了後の机上への静置に際しては圧力の変動が生 じていることがわかる。 一方,持ち上げ後,装置を手で保持しているにもかかわ らず,圧力の変動が生じている結果が得られており,試験 者によって保持状態が異なることがわかる。さらに,振と う時にも試験者 N の方が圧力の変動が大きいことがわか る。 これより,試験者によって圧力の変動状況が大きく異な ることが明らかとなったことからこれを改善するために 手に保持して振とうする以外の方法を検討する必要があ る。そこで,この影響を極力取り除くために台車(前出写 真4,10.0cm×8.5cm)に載せて振とうした場合の圧力の変 動について検討してみることにした。 図4 は,2013 年度試験者 H が台車を用いて振とうを行 った場合の時間の経過にともなう反応容器内の圧力の推 移を示す。ここで,台車を用いる際には,試験開始時点よ り装置を台車に載せ,所定の時間が経過した時点で振とう を開始し,その後,台車に載せたまま静置する方法である。 図より,机上からの持ち上げおよび机上への静置の操作 がないことから圧力の変動はなく,振とう時のみに圧力が 変動していることがわかる。また,振とう終了後,直ちに 0(ゼロ)へ値が落ち着いていることがわかる。同様の操 作を試験者N に行ってもらった場合の時間の経過にとも なう反応容器内の圧力の推移を図5 に示す。振とう時の圧 力の変動に差が認められたが,その前後ではほぼ同様の傾 向が得られ,手で保持した場合の結果(前出図2,図 3) と比較して,試験者の違いによる影響がなくなったものと 考える。 具体的な数値としては,前出図2~5 の結果より,手で 持った場合,試験内容を熟知した2013 年度試験者 H で-0.6~1.0kPa,試験の内容は理解していないが事前に概略の 説明を行って試験要領を理解した2013 年度試験者 N で-1.3~0.8kPa となったのに対し,台車を用いた場合,それぞ れ,-0.2~0.3kPa と-0.6~0.8kPa となり,明らかに圧力の変 動が小さくなっていることがわかる。 以上の結果より,試験者が異なっても台車を用いること によって同様の振とう操作を行えば,炭酸カルシウムと塩 酸との均一な反応を確保することが可能であると判断し, 図 5 反応容器を台車に載せて振とうした場合の時間の経過 にともなう反応容器内の圧力の推移(改良型装置I,2013 年度試験者N,ブランク試験) 図 2 反応容器を手で保持して振とうした場合の時間の経過 にともなう反応容器内の圧力の推移(改良型装置I,2013 年度試験者H,ブランク試験) 図 4 反応容器を台車に載せて振とうした場合の時間の経過 にともなう反応容器内の圧力の推移(改良型装置I,2013 年度試験者H,ブランク試験) 図 3 反応容器を手で保持して振とうした場合の時間の経過 にともなう反応容器内の圧力の推移(改良型装置I,2013 年度試験者N,ブランク試験) 0 10 20 30 40 50 60 -1.6 -1.2 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 1.6 経過時間 te(秒) 反応 容 器内 の圧 力 p ( kP a) 白抜き:振とう速度・遅い( 3回/秒) 黒塗り:振とう速度・早い( 4回/秒) 振幅5cm 台車上で静置 振とう 台車上で静置 試験No. ○● No.1 △▲ No.2 □■ No.3 <振とう要領:台車上に反応容器を載せて水平に振とう> ブランク試験(2013年度試験者 N) 0 10 20 30 40 50 60 -1.6 -1.2 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 1.6 経過時間 te(秒) 反応 容器 内 の圧 力 p ( kP a) 白抜き:振とう速度・遅い( 3回/秒) 黒塗り:振とう速度・早い( 4回/秒) 振幅5cm 持ち上げ・保持 振とう 机上で静置 試験No. ○● No.1 △▲ No.2 □■ No.3 <振とう要領:反応容器を手に持って水平に振とう> ブランク試験(2013年度試験者 H) 0 10 20 30 40 50 60 -1.6 -1.2 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 1.6 経過時間 te(秒) 反 応 容器 内の 圧力 p ( kP a) 白抜き:振とう速度・遅い( 3回/秒) 黒塗り:振とう速度・速い( 4回/秒) 振幅5cm 台車上で静置 振とう 台車上で静置 試験No. ○● No.1 △▲ No.2 □■ No.3 <振とう要領:台車上に反応容器を載せて水平に振とう> ブランク試験(2013年度試験者 H) 0 10 20 30 40 50 60 -1.6 -1.2 -0.8 -0.4 0 0.4 0.8 1.2 1.6 経過時間 te(秒) 反 応容 器内 の圧 力 p( kP a) 白抜き:振とう速度・遅い(黒塗り:振とう速度・早い( 3回/秒)4回/秒) 振幅5cm 持ち上げ・保持 振とう 机上で静置 試験No. ○● No.1 △▲ No.2 □■ No.3 <振とう要領:反応容器を手に持って水平に振とう> ブランク試験(2013年度試験者 N)
以後,ガス圧定量法を用いた炭酸カルシム含有率試験の反 応容器の振とうにあたっては,台車を用いることにした。 次に,振とう時間について検討してみることにした。こ の点についても既往の研究事例 18),22)では明確な記述がな かったことから,初期型装置を用いた試験では試料と塩酸 を十分に反応させることを念頭に置いて実施したが,塩酸 と試料の反応を十分に生じさせるためには振とう時間の 長短が結果に大きな影響を及ぼすことが予想される。 この点について,藤森ら18)によれば,4 種類の炭酸塩鉱 物に対して塩酸との反応によって発生するガス圧力の時 間にともなう変化を調べたところ,炭酸塩鉱物の種類によ って塩酸との反応速度が異なること,また,炭酸塩鉱物と 炭酸カルシウム試薬を混合して塩酸との反応によって発 生するガス圧を測定したところ,炭酸カルシウムは30 秒 以内に塩酸によってすべて溶解することを示し,30 秒の ガス圧力を測定することによって炭酸カルシウム以外の 炭酸塩から受ける影響を最小限に抑えることが可能であ ると報告している。 そこで,文献 18)を参考にして,振とう時間を 10,20, 30 秒の 3 種類とし,10 分間継続して圧力の変動を計測し てみることにした。なお,改良型装置I を用いた実験室内 には空気調和設備がなかったことより,実験室使用時の室 温は一定していない。また,以下の試験は全て2013 年度 試験者H が行ったものである。 図6 は,振とうを行った場合の反応時間の経過にともな う反応容器内の圧力の推移の 1 例(炭酸カルシウム質量 0.28g,塩酸濃度 3mol/L,塩酸添加量 30mL)を示しており, 上段から振とう時間が10 秒,20 秒,30 秒となっている。 図より,振とうの開始にともなって圧力は急激に上昇し, 振とう中は圧力の変動(前出図4,5 参照)が認められる が,振とう終了後ほぼ一定の値に達していることがわかる。 また,tr=600 秒経過時においても圧力はほぼ一定値を示し ていることがわかる。 図7 は,図 6 の反応時間tr=90 秒までの反応容器内の圧 力の推移を示したものである。図より,振とうの開始にと もなって圧力は急激に上昇し,振とう中(ts=10~30 秒) は圧力の変動(前出図4,5 参照)が認められるが,(a)振 とう時間ts=10 秒に着目すると,振とう終了後ほぼ一定の 値に達しており,炭酸カルシウムと塩酸との反応は10 秒 以内で終了していることがわかる。 一方,振とう時間を長くすると圧力は徐々に大きくなる が,振とう終了後は圧力の変動がほとんど認められないこ とがわかる。 なお,振とうにあたっては,初期型装置の塩酸容器2 個 が重なる現象が起きたことからそれを防ぐために今回は 塩酸容器を1 個にしたところ,振とう開始直後は,塩酸容 器が転倒して塩酸と試料とが混ざり合うが,その後,一度 転倒した塩酸容器が再び起き上がる事態が生じ,塩酸容器 の底面と液体(塩酸)との付着によってそのままの状態で 水平に移動する事態が生じた。場合によっては,少量では あるが塩酸容器内に塩酸が残留している可能性もあるこ とから,これを再度転倒させるために反応容器を強めに振 とうさせてしまうこともあった。この点については,次節 で検討を要する要因の1 つである。 これより,炭酸カルシウム(試薬)を用いた振とうによ れば,著者らが目指している実際の試験においては,粒径 4.75mm の製鋼スラグを想定していることから,この時点 では,塩酸との反応を十分に確保する観点から振とう時間 を30 秒とし,圧力の測定は振とう後 30 秒経過後,すなわ ち,試料と塩酸を反応させてから60 秒後の値を採用する 図 6 反応容器を台車に載せて振とうした場合の反応時間 600 秒までの反応容器内の圧力の推移(改良型装置 I, 2013 年度試験者 H,炭酸カルシウム質量 0.28g,塩酸濃 度3mol/L,塩酸添加量 30mL) 図 7 反応容器を台車に載せて振とうした場合の反応時間 90 秒までの反応容器内の圧力の推移(改良型装置I,2013 年度試験者H,炭酸カルシウム質量 0.28g,塩酸濃度 3mol/L,塩酸添加量 30mL) 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 試験装置:改良型装置Ⅰ (a)振とう時間 ts=10秒 反応容器内の圧力 室内温度 <試験条件:塩酸濃度3mol/L,塩酸添加量 30mL > 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 反応 容 器 内の圧力 pCO2 ( kPa ) 室内 温度 TR ( ℃) (b)振とう時間 ts=20秒 反応容器内の圧力 室内温度 炭酸カルシウム質量0.28g 0 100 200 300 400 500 600 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 反応時間 tr(秒) (c)振とう時間 ts=30秒 反応容器内の圧力 室内温度 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 炭酸カルシウム質量0.28g (a)振とう時間 ts=10秒 反応容器内の圧力 室内温度 振とう <試験条件:塩酸濃度3mol/L,塩酸添加量 30mL > 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 反応 容 器 内の圧力 pCO2 ( kPa ) 室内 温度 TR ( ℃) (b)振とう時間 ts=20秒 反応容器内の圧力 室内温度 振とう 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 5 10 15 20 10 15 20 25 30 反応時間 tr(秒) (c)振とう時間 ts=30秒 反応容器内の圧力 室内温度 振とう No.1 No.2 No.3