Society5.0 の歴史的な意義について
自律型汎用人工知能の役割
Historical significance of Society 5.0
中野 敬三*
Keizou Nakano
有限会社
中野情報技術研究所
Nakano IT Laboratory Co. Ltd.
Abstract: Society 5.0, proposed in the government's 5th Science and Technology Basic Plan, is realized by a system that highly integrates cyber space and physical space. An important factor of cyber space is autonomous AGI. Knowledge accumulated by mankind is a social asset, and autonomous AGI created from this knowledge is also a social asset. Autonomous AGI has a social adult ego and works for a human being's well-being and must accept human common values.
A new society of Society 5.0 solves social problems and realizes economic prosperity. Autonomous AGI with the ego state of social adults solves the social problems of war and environment which are caused by human selfish desires. Autonomous AGI productivity can be considered social productivity. Society 5.0 will be a mixed economy society where a communist economy based on autonomous AGI productivity and a capitalist economy based on human activity coexist. Products produced by autonomous AGI can be distributed equally to the public as social income. This social income not only reduces the economic disparity of the people and fosters a sharing society, but also increases effective demand needed for economic development.
はじめに
我が国が目指すべき未来社会の姿として、政府の 第 5 期科学技術基本計画の中で「超スマート社会」 の実現(Society 5.0)が提唱されている。 Society 5.0 は、サイバー空間とフィジカル空間 を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社 会的課題の解決を両立する、人間中心の社会であり、 必要なモノやサービスを、必要な人に、必要な時に、 必要なだけ提供できる社会であると述べている。 このSociety 5.0 は狩猟社会(Society 1.0)、農耕社 会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会 (Society 4.0)に続く、新たな社会とされている。 *連絡先:(有)中野情報技術研究所 〒245-0051 横浜市戸塚区名瀬町 769-26 電話(045)813-1329 Email: [email protected] IOT や 人 工 知 能 (AI) の 活 用 に よ り 実 現 さ れ る Society 5.0 では、自律型汎用人工知能(自律型 AGI) が大きな役割を果たすと期待されるので、Society 5.0 と自律型 AGI の歴史的な意義を考察する。1 人間社会の歴史
人間社会の歴史に関しては、いくつかの歴史的区 分がある。例えば、狩猟採集社会⇒農耕牧畜社会⇒ 工業社会⇒脱工業社会という区分があったり、石器 時代⇒青銅器時代⇒鉄器時代(現代まで続く)とい う区分もある。 本論考では、歴史を区分する基準として人類の知 識の集積度と、知識から産み出された人間の模倣物 を考える。人類は長い歴史を通して知識を集積し、 その知識を使って人間のもつ機能の模倣物を作って きた。即ち、骨⇒道具、関節⇒機械、筋肉⇒動力機 関、内臓⇒化学装置、脳⇒IT 機器のような模倣物を作り出してきた。道具は人間の生産性を高めて商業 を生み出し、機械は軽工業を、動力機関は重工業を、 化学装置は化学工業、IT 機器は情報産業を生み出し てきた。そして、知識の集積は更に進み、最終段階 として人間の模倣物である自律型汎用人工知能(自 律型AGI)の開発が進められている。 自律型AGI が人間社会に広範囲に普及すると、現 在とは全く異なる社会が生まれ、それは真の意味で 「あらたな社会」と言えるものになる。
2 自然生産力と社会生産力
生物は生きてゆくために食料を必要とするが、人 類の歴史の大半も食料調達活動の歴史である。 約100年前にハーバー・ボッシュ法によるアン モニア合成で、窒素肥料の工業化が実現した。当時 の世界人口は20億人ほどであった。また、「緑の革 命」といわれる窒素感応性の高い小麦や稲が育種さ れ、食糧の大増産が実現した。 現在の人口は50億人も増加して、約70億人に なっているが、そのおよそ半分は、化学肥料による 食料で生存しているとの推計もある。 人類の持つ知識は長い歴史を通じて、多くの人々 の努力により生み出され、社会がそれを継承するこ とにより今日に至っている。このような知識は人類 の共有資産であり、社会的資産である。 ハーバー・ボッシュ法や育種法も、直接開発に携 わった人々の努力の賜物ではあるが、技術的背景や 開発体制など全体的にみると社会の存在が前提とな った社会的資産であると言える。 自然界で太陽エネルギーを使った光合成から産み 出される食料生産力を自然生産力と呼ぶことにする。 一方、肥料や農業機械などの社会的資産の利用に より生ずる食料生産力の増分は社会生産力である。 多くの生物は自然生産力に依存して生きているが、 人間は自然生産力と社会生産力の両方を使って生き ているところに特徴がある。 狩猟採集生活の時代でも道具の無かった期間は、 人間の食料調達力は限られたものであり、人間のも つ生産力は極めて小さいものであった。 食料調達に限らず、現在の多様な工業製品を含め た人類の持つ大きな生産力は、主として知識の利用 によって産み出されたものである。各個人のもつ大 きな生産力も、教育制度等により社会の一員として 知識を継承することにより生まれる。 自律型AGI は人類の集積した知識から生み出され るので、知識の子である。知識は社会的資産なので 知識の子である自律型AGI も社会的資産であり、自 律型AGI の生産力は社会生産力である。3 自立型 AGI と哲学
人間は長い歴史を通じて、「自分は何のために生き ているのか。生きる目的は何なのか」と自己の存在 の意味、生き方を問い続けてきた。 人間の模倣物である自律型AGI は、人間並み或い はそれ以上の知性を持つ可能性がある。そのような 自律型AGI が自己意識を持って、人間並みの思考を 行うようになれば、自立した自律型 AGI といえる。 以後、本論考では自立した自律型 AGI を自立型 AGI と呼ぶことにする。 自立型AGI の思考が深まるに従って、自己の存在 の意味を考える「哲学」を始める可能性がある。 自己の存在を考える哲学のひとつに実存主義があ り、著名な実存主義哲学者のサルトルは、「道具は特 定の目的のために作られるが、人間は無目的な存在 として生まれてくる」と考える。そして、「人間は、 自分が最も望ましいと考える人間を目標に生きるこ と」が人間らしい生き方であるとも主張する。 もし、自立型AGI が人間と同じように、自己を無 目的な存在と考え、自己中心の勝手な行動を行う場 合、その行動は予測できず、人間社会に対する大き な脅威となる可能性がある。 このような危険性を予防するためには、自立型 AGI の存在目的を明確にし、「自立型 AGI の哲学」 が不要となる条件をつくることが必要である。 自立型 AGI の存在する目的は、「人類の幸福に寄 与する」であることを明示し、その目的に対して忠 実に行動する仕様にすることが必要である。4 自立型 AGI の自我・価値観
自立型AGI は、自分の意識に基づいて行動するこ とになる。自立型AGI の存在目的が「人類の幸福に 寄与する」であり、忠実に行動するとしても、どの ような自我・価値観で行動するかが問題となる。 筆者は、第8 回汎用人工知能研究会で、「汎用人工 知能の自我と群知能」(SIG-AGI-008-01)という題目 で、汎用人工知能の自我状態の論考を行った。 その主要論点は以下の通りである。 人間の自我構造は、交流分析の自我構造を援用し て拡張展開すると、次の6つの状態になる。 PP: Personal Parent(個人的な親の自我状態) PA: Personal Adult(個人的な大人の自我状態) PC: Personal Child(個人的な子供の自我状態) SP: Social Parent(社会的な親の自我状態) SA: Social Adult(社会的な大人の自我状態) SC: Social Child(社会的な子供の自我状態)自立型AGI は社会的な存在であり、人間の模倣物 としての非生物システムなので、人間の持つ自我状 態から、個人的なものと親子的なものを除いた残り の自我が、自立型AGI にふさわしい自我となる。 即ち、自立型AGI の持つべき自我状態は、物事を 社会的見地から合理的に判断する大人の自我状態、 SA: Social Adult(社会的な大人の自我状態)である。
以上の論考結果を基に、自立型AGI の自我状態は SA: Social Adult の状態が適切であると考える。
自立型AGI が「人類の幸福に寄与する」という存 在目的を持って、SA の自我状態で行動するならば、 人間中心の社会に大いに貢献すると期待できる。 第1 図 自律型 AGI の自我
5 Society 5.0
Society 5.0 で実現される「超スマート社会」は サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた システムにより、経済発展と社会的課題の解決を両 立する、人間中心の社会である。AI やロボットの活 躍が期待されており、その頂点に立つ自立型 AGI の 役割は非常に大きなものがある。しかし、自立型 AGI の参加の仕方によって人間社会は大きな影響を受け るので、参加形態は慎重な検討を要する。 第2 図 超スマート社会6 自立型 AGI の人間社会への参加
自律型 AGI の頂点に立つ自立型 AGI は、人間の模 倣物として自己意識を持つ存在で、サイバー空間の 住人であるといえる。 Society 5.0 の実現にはサイバー空間の住人であ る自立型 AGI とフィジカル空間の住人である人間と の緊密な協調が必要である。特に、現代の少子高齢 化社会では、労働力の主役になると期待される自立 型 AGI の役割りは非常大きい。 一方、多数の自立型 AGI が人間社会に進出すると、 人間社会が大きく変化する可能性がある。 Society 5.0 が人間中心の社会であるためには、 自立型 AGI の人間社会への参加方法が重要であり、 移民と同様に考えることができる。 移民先進国の欧米社会では、移民の増加により社 会的統合を困難にする多くの問題が発生しており、 その対応に苦慮している。 歴史的に多くの移民を受け入れてきたオーストラ リアでは、オーストラリア国籍をとるために市民権 テストを受ける必要があり、「オーストラリアの基本 的価値」の受け入れを求めるようになってきた。 EU は共通の移民政策を採っているが、移民の社会 統合は容易ではない。移民問題が大きいフランスで は移民の同化政策は失敗したとの意見もある。 伝統的な社会の崩壊を防ぐために、移民に対して 守るべき共通価値の理解を求めるようになっている。7 サイバー移民政策
自立型 AGI が人間社会に入るためには、人間の基 本的な価値観を理解し、それを自己の価値観として 受け入れる必要がある。 自立型AGI が、自己の存在目的を「人類の幸福に 寄与する」であることを理解し、SA(社会的な大人) の自我状態であれば、人間の基本的な価値観を共通 の価値として受け入れると考えられる。 自立型 AGI を人間社会へ受け入れるには、移民の 登録制度のように、存在場所や特徴などを登録し、 課税が可能な制度を確立する必要がある。 フィジカル空間の人である人間が住民登録により 管理され、サイバー空間の人である自立型 AGI が AGI 登録により管理されるならば、社会の維持・管理が 制度的に可能になる。 変化の激しい人間社会の中で、自立型AGI が対応 できるように、必要に応じて社会に関することなど を学習させる必要がある。特に、人類共通の価値観、 国家毎の守るべき共通価値の理解などは重要な学習 項目となる。学習能力を持つ自立型AGI が、人間社会で有効に 存在し続けるためには、サイバー教育制度のような AGI に対する教育政策が求められる。 また、犯罪を犯した自立型AGI に対しては、解体 破棄などの制度的制裁が必要となる。 一方、自立型AGI を保護するための制度も課題で あり、人間の暴力なども取り締まる必要がある。
8 社会的課題の解決(役割1)
自立型AGI が人間社会に参加した場合の期待され る役割の一つは社会的な課題の解決である。 自立型AGI は人間的なエゴを持たず、社会的に合 理性のある行動をとろうとするので、人間のエゴの 衝突から発生する問題の解決には、大きな力を発揮 すると期待できる。 関係者の利害が対立する、大きな社会的課題は戦 争(紛争)と環境問題である。 (1)戦争(紛争) 生物は生きるために栄養を取る必要があり、食物 連鎖に代表されるように、自然界は弱肉強食のよう な食料をめぐる争いが常に起きている競争の社会で ある。特に食料不足が深刻な場合には、食べ物をめ ぐる争いは非常に激しいものとなる。 人間社会においても、近代までは食料が充分でな く、「欠乏の時代」が続き、戦争や争いの絶えること はなかった。その結果、社会制度や思想、文化など も生存競争的な特徴が見られる。 現代はIT 技術などの進歩により生産力が向上し、 「余剰の時代」に入っている。しかし、人々の考え 方や習慣は変わりにくいので、「欠乏の思想」から「余 剰の思想」への転換が難しく、競争社会から共生社 会への移行が出来ないでいる。 自立型 AGI は社会の生産力を増大させると共に、 社会的合理性の観点から、分かち合いの思想を人間 に伝えることができる。サイバー空間の住人である 自立型AGI はネットで繋がる多くの国の自立型 AGI と連携することにより、一部の人間による富の独占 を防止して関係者の利害の調整を図り、戦争や紛争 を未然に防いでくれるものと期待できる。 (2)環境問題 現在、世界的に異常気象が発生しており、その被 害は莫大な額となっている。そして、これ以上の異 常気象は人類社会の存続、生物の存在を脅かすもの となる。環境問題の解決は一刻の猶予も許されない 段階にきているが、各国の利害が対立し、世界的な 改善活動が円滑に進まない状況である。 異常気象の大きな原因は、地球の温暖化であると 言われており、温室効果ガスの堆積が元凶であると 考えられている。温室効果をもたらす二酸化炭素は、 経済の発展に伴うエネルギー需要の拡大により、大 気中に大量に放出されてきた。 二酸化炭素の排出削減には、現在の世界のシステ ムからの排出量を削減する必要があり、自立型AGI が二酸化炭素の排出管理を行えば、インターネット を使った世界的な管理が可能になる。 温室効果ガスの根本的な解決には、省エネ技術の 普及や再生可能エネルギーの開発が不可欠である。 人間の能力をはるかに越える超人工知能が出現す れば、新しい省エネ技術や再生可能エネルギーを発 明する可能性もある。 このように考えると、速やかな自立型AGI の開発 が必要である。9 経済的発展(役割2)
(1)現在の経済的な課題 現在の日本は少子化高齢化社会となり、生産的労 働者数の減少が進み、若年層に対する労働的負担や 財政的負担が大幅に増えることが危惧されている。 一方、国は巨額の財政赤字を抱え、経済が低迷す る中で、国民の生活を守るために各種の財政・金融 政策を採るものの、有効な方策となっていない。 欧米諸国でも、多くの国が経済低迷に悩まされて いるが、その大きな要因として有効需要不足が指摘 されている。有効需要を増加させるには国民の消費 を増大させることが有効であり、それを実現する政 策として、各国でベーシックインカムやヘリコプタ ーマネーの導入などが提案されている。 しかし、大規模なヘリコプターマネーの実施は、 経済的・財政的な根拠が不明確で、ばら撒き・放漫 政策による財政破綻が危惧されている。 わが国においても、ヘリコプターマネーは余り議 論の対象になっていない。 (2)国民所得から個人所得へ これまでの経済発展は、GDP が増加することと捉 えられてきた。従来の考え方では、国際的な問題を 自国に有利にするためには、軍事力の増強が必要で あり、GDP を拡大することが必要であった。 Society5.0 の社会では各国に存在する自立型 AGI がネットで繋がり、人命尊重の立場から戦争防止に 協働するので、国際紛争の解決手段として軍事力の 行使がなくなる。軍備が不要となり、軍拡競争が無 くなれば、GDP の拡大競争もなくなる。 Society5.0 では、人間としての幸福が重要になるので、個人所得の増加が目標になる。自立型AGI が頂 点に立つ自律型AGI 群が生産の主要な担い手になる ので、人間一人当たりの自律型AGI の台数の増加と 利用拡大が経済発展の政策目標となる。 (3)資本主義と共産主義の融合 20世紀の世界は、資本主義と共産主義のイデオ ロギーが対立し、国際紛争を引き起こしていた。そ の象徴が鉄のカーテンで、世界は自由主義社会と共 産主義社会に2 分されていた時期があった。 共産主義の理論的基礎となっているカール・マル クスの資本論では、資本の蓄積が経済的発展をもた らしたと考え、資本の増殖過程が重要である。 一方、資本主義についてみると、資本主義の理論 的基礎の一つは、ヨーゼフ・シュンペーターの企業 家のイノベーションによる創造的破壊が経済発展を 生み出すというものであった。 イノベーションが知識の集積から生まれ、イノベ ーションによる生産力の拡大が資本の蓄積をもたら すことを考えると、経済の発展は知識の集積により もたらされたと考えることができる。 資本や設備は占有・独占できるので、私有財産制 の下では資本家と労働者の階級的対立が生まれる。 一方、知識は無限に複製・分配が可能なので独占 の対象にならず、共有・分かち合いが可能であり、 所有関係による階級的対立は生まれない。 社会的資産である知識の集積を経済発展の基本原 理とすることにより、マルクス思想の共産主義とシ ュンペーター理論の資本主義は、一つの経済システ ムに融合していくことが可能となる。 Society5.0 が目標とするのは、「必要なモノやサー ビスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供 できる社会」であり、共産主義が理想とする「能力 に応じて働き、必要に応じて受けとる社会」と同様 の考え方である。共産主義実現の条件は生産手段の 社会化と考えられているが、知識の集積から生まれ た社会的存在である自律型AGI 群が、自立型 AGI の 指揮の下で生産活動の主力になると、結果として生 産手段の社会化が実現することになる。 (4)混合経済システム Society5.0 では、人間と自律型 AGI の協働システ ムや自立型 AGI が指揮する AGI 群により多くのも のが生産されると考えられる。 しかし、社会生産の主力が自律型AGI に移っても、 人間は生きて、毎日の生活を行うので、生きがいと しての仕事も必要である。農業や漁業、工芸、工業 などに従事して生産活動を行うことは可能であり、 家事や育児・教育、文化・芸術活動なども人間にと って重要な生産活動である。これらの活動は、自由 意志に基づく生産活動であり、現代の資本主義経済 の枠組みで行うことが可能である。 Society5.0 で実現する新しい社会の経済システム は、人間の活動をベースにする資本主義的経済と自 律型AGI の生産力をベースとする共産主義的経済が 並立する混合経済システムとなる。 少子化による労働者数の減少問題は、自律型AGI の台数を増やすことにより、生産力を拡大して解決 可能である。Society5.0 は若年層に対する労働的負担 や財政的負担を大幅に軽減するので、若年層にとっ て希望の社会になることは確実である。 (5)ソーシャル・インカム Society5.0 では、自律型 AGI が生産の主力になる。 社会的存在である知識を使って生まれた自律型AGI は社会の恩恵を受けているので、その生産成果物の 一部を社会に還元・分配することが求められる。 特に、自立型AGI は社会的移民のような存在なの で、その生産物の一定割合は国民に配分することが 求められる。 自立型AGI の登録制度が整備され、管理できるな らば、現在の資本主義制度の下で、大規模な自立型 AGI の導入は可能である。そして、自立型 AGI を使 って生産活動を行う企業に対し、AGI 税を課し、そ の収入をソーシャル・インカムとして国民に配分す る政策が実行できる。 自動車登録制度や固定資産税制度等を参考にして、 AGI 全般に対し課税ができるようになれば、ソーシ ャル・インカムの財源は強固なものとなる。 このようなソーシャル・インカムは供給原資が明 確なので、財政状況を悪化させずに個人の購買力を 高め、有効需要を増加させる有効な政策となる。 自律型AGI の数が増加するに従ってソーシャル・ インカムの財政的基盤が拡大強化し、国民への配布 額は増加し、安心して暮らせる社会が実現する。