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社会的な評価と個人的な評価を分離する場合のあいまいな語の有効性について

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Academic year: 2021

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(1)45. 社会的 な評価 と個人的 な評価 を分離す る場合 の あい まい な語 の有効性 につ いて 岡. 西. 美. 和. 現在 の 自己 を どの よ うに認知 し評価 す るのか は,個. 徴 であ って も,そ の評価 に個 人差が あ る ことを意味 し. 人が現在 の 自己 を個 人 の 人生 や環境 の 中 で どこに位 置. てお り,そ の よ うな個 人 の評価 と社 会的 な評価 とを混. 付 け るかが 影響す る。従来 ,自 己評価 を測定す る とき. 同す れ ば,個 人 の 自己評価 を正確 には測定で きない こ. には,社 会的望 ま しさの観点 か ら見 て肯定 的あ るい は. とを示 して い る。. 否定的 と判断 された複数 の評価項 目か ら成 る尺度 を準. 社会 的 な評価 に よる 自己評価 の測定 へ の影響 は ,社. 備 して ,そ の個 々の項 目が 自己 に当ては まる程度 を被. 会 的 な評価 が明確 な語 を用 いて測定 を行 った ときに顕. 験 者 に 評 定 さ せ て い た (遠 藤 ,1991;Pelham&. 著 であ るだろ う。桑原 (1986)は. Swann,1989)。 評定項 目の社会的 な評価 が その まま被. を対 に して ,そ れぞれが どの程度 自己 に当ては まるか. 験者個 人 の評価 になる と仮定 し,主 に社会 的望 ま しさ. 独 立 に評定 させ る こ とに よ り,人 格 の二 面性 を測定 し. による社会的 な評価 を項 目の評価 と して用 い られて き. た。 そ の際 ,人 格特徴 の 各対 につい て社会的 に望 ま し. た。 しか し,個 人 の評価 がイ 固人 を取 り巻 く社会 的 0文 化 的 な環境 の影響 を強 く受 け て い るのは確 かだ として. い対 と望 ま しくない対 の両方 を作 成す る こ とに よ り 質問項 目の評価 が 自己評定 に与 える影響 につい て も検. も,社 会的 な評価 と個 人 の評価 の 間 には ズ レが あ るは. 討 して い る。 同 じような人格特徴 を表す項 目 につ いて. ず で ,こ れ らを同一 視 で きない。 そ こで本研究 で は個. 比較 してみた ところ,社 会的望 ま しさが異 なる と相 関. 人 の評価 と社 会的 な評価 の 間 に存在す る ズ レを取 り上. が低 い ものが 見 られた。 この こ とは ,同 じような人格. げ,ズ レを生 じさせ る要 因 につい て検討す る。 井 上 (1992)は 20答 法 で の 記 述 内容 ひ とつ ひ とつ. 特徴 であ って も,質 問項 目の社会 的望 ま しさが異 なれ ば,自 己評定 も変 わ って くる こ とを示 して い る。. につい て ,記 述者 自身が満足度 を評価 した もの と,複. この よ うな質問項 目の社会 的 な評価 による 自己評定. 数 の判定者 が 客観 的 に評価 した もの を比較 し,両 者 の. へ の影響 を軽減 させ る方法 の 1つ と して ,社 会的 な評. 間 に ズ レが あ る こ とを示 した。特 に,記 述者 自身 の評. 価 が 不 明確 なあ い まい な語 を質問項 目 として用 い る こ. 価 で は,自 尊感情 の高 い者 が低 い者 に比 べ て肯定 的 に. とが 考 え られ る。青木 (1974)は. 評価 した カテ ゴ リー と して ,客 観 的評価 で肯定否定 の. ま しい」方 に も「望 ま し くない」方 に も言 い換 え られ. 評価 が 困難 で あ った「学 生 としての役割」 力渤日わ つた. る こ とを指摘 し,な おか つ ,望 ま しさの程度が比較 的. として い る。調査対 象者 が大学生 で あ る こ とを考 えれ ば,こ の カテ ゴ リー で記述者 の個 人 の評価 と判定者 の. 中程度 の用語 の 方 が ,高 い あ る い は低 い用語 よ りも 望 ま しい方 向 に も望 ま し くない方 向 に も言 い換 えやす. 客観 的評価 が一致 して い ない ことは,重 大 な ズ レで あ. い こ とを明 らか に して い る。 つ ま り,個 人 の 同 じ特徴. る と考 え られ る。. は肯定 的 に も否定 的 に も捉 え られ ,社 会的 な評価 が不. ,社 会 的 な評価 が異 なる 3種 類 の特性語 (肯 定語 ,あ い まい語 ,否 定語 )に つ い て ,① それ らが 自己 に当ては まるか ど うか ,ま た. 明確 な語 で表現 され る と社会的 な評価 の影響 を受 け に. ② それ ら自己 の特徴 をどの程度肯定 的 だ と判 断す る か,を 自尊感情 と関係付 けなが ら検討 した。そ こで. これ まで社会的 な評価 が不 明確 な個 人 の特徴 は,そ の評価 を用 い て 自己評価 を測定 で きない こ とか ら取 り. 自己 に当てはまると答えた項 目については,肯 定的. 上 げ られ る こ とが 少 なか った。 しか し,そ の社会的 な. また伊藤 (1996,2000)は. ,. ,. ,. ,対 立す る人格特徴. ,. ,同 一 の特徴 が 「望. ,. く く,肯 定 的 に も否 定 的 に も受 け取 れ る こ とが わ か る。. あい まい,否 定的な特性 いず れであ って も,自 尊感情. 評価 の影響 が 少 ない とい う特徴 は 自己 の側面 に対 す る. の高 い者 の方が低 い者 よ りも肯定的 に捉 えてい ること. 個 人 の評価 の影響 を測定す る ときには有利 に働 くだろ. が明 らかにされた。 このことは,同 じような自己の特. う。.

(2) 甲南女 子大学大学院論集第 2号. 人間科学研究編 (2004年 3月. ). 本研 究 で は社会的 な評価が異 なる (肯 定的 ,あ い ま. 特性 の 質問紙 には,「 以下 に記述 して い る よ うな他 者. い ,否 定 的 )特 性 を用 い て ,そ の特性 が 自己 の もので. につい て ,あ なたが思 う こ と,感 じる こ とな どをで き. あ る ときと他者 の もので あ る ときで ,特 性 に対す る感. るだけ具体 的 に,簡 潔 に答 えて くだ さい 。 」 とい う教. 情 や評価 に差異が生 じるのか につ い て 自尊感情 との 関. 示文 の 後 ,「 私 は○○ な人 を. 係 を用 い て検討 してみ る。. 語 が入る)と い う文章 を 22文 並 べ た。 また,教 示 の. 当然 の こ となが ら,自 己特性 ,他 者特性 の いず れ に. 」 (○ ○ には各特性. 時 に口頭 で,「 ある特定 の個人ではな く,そ の よ うな. 対 して も,一 般 的 な社会的 な評価 が大 きな影響力 を持. 特徴 を持 っている人一般 を対象 に して考 えるよ うに」. つ だろ う。 しか し,自 己 の特性 につい ては,井 上や伊. と伝 えたc自 己特性 の質問紙 には,「 以下 に記述 して. 藤 が 指摘 して い る よ うに,自 尊感情 が影 響す るはずで. いるような自己の側面 について,あ なたが思 うこと. あ り,自 尊感情 が 高 い ほ ど全 体 と して 自己 に対 して肯. 感 じることなどをで きるだけ具体的に,簡 潔 に答 えて. 定 的 になる と考 え られ る。 また ,社 会的 な評価 が 明確. ください。 」 とい う教示文 の後 ,「 私 は 自分 の○○な と. な肯定 的あ るい は否定 的 な特性 を評価す る ときには. ころ を. ,. ,. 」 (○ ○ には 各特 性 語 が 入 る)と い う文. 社 会的 な評価 の影響が顕著 で ,自 尊感情 の影響 はは っ. 章 を 22文 並 べ た。特性語 は 配列 が異 な るが 他 者特性. き りとあ らわれ な い が ,社 会的 な評価が不 明確 な特性. と自己特性 に同 じもの を用 い た。. を評価す る ときには ,自 尊感情 の影響 が認 め られ ,自. 手続 き. 尊感情 の高 い者 ほ ど肯定 的 な感情 や評価 を抱 くので は. 自尊感情尺度 を実施 して ,次 に 自由記述 を行 った。. ない か と予想 で きる。 つ ま り,社 会的 な評価が不明確. 自由記述 は両面 に印刷 し,他 者特 性 22文 を完 成 して. な特性 で は 自尊感情 の影響 によ り, 自己 の特性 に対す. か ら, 自己特性 を記述す る よ うに求めた。助詞 につい. る感情 や評価 に個 人差が生 じるが ,社 会的 な評価 が 明. ては 自由に変 えて も良 い と した。. 確 な特性 や他者 の特性 で は 自尊感情 の影響が少 な い と. 結果 の処理 :自 尊感情 尺度 「 とて も当 て は まる」4点 ∼「全 く当 て は ま らな い」. 考 え られ る。. 1点 まで得点化 し,10項 目の 合計得点 を自尊感情得点 方. と した (以 下 ,SE得 点 とす る)。. 1去. 自由記述 による感情反応 の 分類 :分 類基準 の 設定 自由記述 の 内容 を,特 性 に対す る肯定 的 な感情 や評. 調査対象者. H9名 に実 施 し,記 述 に空 欄 が あ った 10名. 価 を抱 い て い る記述 か ,否 定 的 な感情 や評価 を抱 い て. を分 析 か ら除 い た。最 終 的 に調 査 対 象者 は,男 子 46. い る記述 か ,そ の他 の記述 かの 3カ テ ゴ リー に分類 し. 9歳 で あ. た。 カテ ゴ リーの定義 を決 定す るため に,ま ず肯定語. 大学生. 名 ,女 子 63名 の 合計 109名 で ,平 均 年齢. 19。. った。. と否定語 に対す る記述 につい て筆者 を含 む 4人 の心理. 質問紙. 学専攻 の大学 院生 で分類 した。両 特性語 ともに,感 情. 自尊感情 尺度 ;Rosenbcrg(1965)の (星. sel■. cstcem scdc. 野 (1970)カ リ 5訳 した もの )を 用 い ,4件 法 で 評. (好. き,嫌 い ),評 価 (良 い ,悪 い ),行 動. (目. 指す. ,. 避 け る),欲 求 (増 や した い ,減 ら した い ),4種 類 が. 定 させ た。. 混 合 した記 述 ,言 い 換 え,感 情 が 読 み 取 れ な い 記 述. 己述 自由言. (あ. る,な い )の 7種 の 記 述 に分 類 で きた。 これ らの. 特性語 は,伊 藤 (1996)が 桑原 (1986)を もとに し. 分類 か ら,肯 定的 な感情 や評価 を抱 い て い る記述 (以. て特性語 に対す る社会的 な望 ま しさを測 定 した語 か ら. 下 ,肯 定 的記述 とす る)と は ,「 特性 語 が 示 す 自己 あ. 肯定語 ,否 定語 ,あ い まい語 の 3種 類 を選 出 した (使. る い は他 者 に特 徴 的 な側 面 へ 近 づ きた い ,側 面 の 増. 用 した特性 語 につ い て は表 2を 参 照 )。 望 ま しさの 評. 加 ,肯 定的 な感情 に関す る記述。現在 の状態 で進 む. 定 を もとに,肯 定語 と して望 ま しさの評定値が最 も高. 維持す る,そ の側面が いい感 じだ と感 じて い る よ うな. か つた 3語 ,否 定語 と して最 も低 か った 3語 ,あ い ま. 記述。 」 と した。 また ,否 定 的 な感 情 や評価 を抱 い て. い語 として評定値 が 平均値 に近 く,分 布 が 評定 の 中点. い る記述 (以 下 ,否 定 的記 述 とす る)と は,「 特 性 語. を中心 に山型 で あ った 16語 を選択 した。 これ ら 22語. が 示す 自己ある い は他者 に特徴 的 な佃1面 か らの 回避. の特性語 を用 い て ,そ の特性 が他者 の もので あ る他者. 側面 の減少 ,否 定 的 な感情 に関す る記述。違 った状態. 特性 と自己 の ものであ る 自己特性 を測 定 したc質 問紙. へ の 変更 や ,現 在 の状態 か らの 回避 ,そ の側面 を嫌 が. は特性語 をラ ンダム に配 列 した 3種 類用意 した。他者. ってい る と感 じて い る よ うな記 述。 」 と した。 どち ら. ,. ,.

(3) 西岡. 47. 美和 :社 会的 な評価 と個 人的 な評価 を分離す る場 合 の あ い まい な語 の有効性 につ いて. 他 の記述 (以 下 ,そ の他記述 とす る)と した。. い」 と記述 した とも考 え られるので ,肯 定的あ るい は 否定 的 どち らの感情 を反映 して い るのか分類 し難 い 。. 分類方法. また ,特 性語 と記述文 を一 緒 に呈 示す る こ とで ,あ い. に も分類 で きない記述 や両方 に分 類 で きる記述 はその. 分類者 は,心 理学専 攻 の大 学 生 13名 及 び大学 院生. まい語 の分類 を肯定語 あ るいは否定語 の分類 と一 緒 に. H名 ,筆 者 の合計 25名 で あ り,各 記述 に対 して 3名 が分 類 を行 った。. 行 な う とあ い まい語 の分類 に歪みが生 じる可能性 が あ る。肯定語 と否定語 の分類者 とあ い まい語 の分類者 は. 分類 カテ ゴ リー. 別 に し,各 分類者 は割 り当 て られた特性語 につい ては. った。. 全調査対 象者 の記述 を分類 した。筆者以外 の 各分類者 は特性語 2∼ 6語 につ い て ,筆 者 は全 特性 語 につ い て. 分類 の 手続 き. 分類 を行 った。. 肯定 的記述 ,否 定 的記述 ,そ の他 の記述 の 3つ で あ. 分類者 に分 類基準 の設定 で示 した 3つ の カテ ゴ リー の定義 を説明 して ,記 述 内容 を分類 させ た。そ の際 他者特性 につい ては,個 人 自身 に対 す る感情 や評価. 結 果 と考 察. ,. ,. 特性 に対 す る社会的 な評価 で はな く,他 者 が持 つ 特性. 感情 記述分類 の一致率. に対す る個 人的 な感情 を優先 して読 み取 って分類す る. 分 類 者 に記 述 の 対 象 とな った特 性 語 を明示 した た. ことを強調 した。 これは ,分 類基準 の設定 の時 に 「尊. め ,特 性語 と記述 の両方 を考慮 して分類 し,記 述 のみ. 敬 す るが ,毎 日顔 をあわせ た い とは思 わ な い」 な ど 1. を対 象 と した分類が で きなか つた可能性 があ る。 しか. つ の記述 の 中 に特性 に対す る評価 と感情 の両方 が 含 ま. し,分 類 が 3カ テ ゴ リー で ある こ とや 同一 の特性語 に. れて い る ものや ,「 う らや ま しい」 の よ うに他 者 自身. 対 して 3名 の分類者 を割 り当 てた こ とを考慮 す れば. に対す る感情 は否定 的 だが ,特 性 を肯定 的 に捉 えて い. 3名 の分類者 の一 致率 が高 けれ ば記述 に反映 され た感. る と考 え られ る記述 が あ ったためで ある。. 情 や評価 を客観 的 に分類 で きた とで きるだろ う。そ こ. ,. で ,分 類者 間 の一 致率 を求 めて ,分 類 の一貫性 と分類. また ,同 じ記述 で も特性語 によつて分類 が異 なる と. の 問題′ 点につい て検討す る。. 考 え られた ので ,分 類 で は記述 の対象 となった特性語. 3名 の分類者 の 内 で 2名 の一 致率 は,他 者特性 で は. を明 示 した。例 え ば ,「 強 く した い」 と い う記 述 が 「デ リケ ー トな」 と「 クール な」 の 両 方 の 特性 語 にあ. 90。 7∼ 99。. 2%で 平均 96.2%で. あ つた。 自己特性 で は. ,. 100%で 平均 97.5%で あ り,全 体 で一 致率 の 平. り,「 クール な」 の ときには 当該 の側 面 を伸 ば した い. 94。. と思 つてい る と読 み取 れ るため肯定 的 な感情 を反映 し. 均 は 96.8%で あ つた (表. て い る と分類 で きる。 しか し,「 デ リケ ー トな」 の と. つい ては ,2名 の分類者 間 での一致 率 が全 ての語 で 90. きに は,当 該 の 側 面 を 「弱 い」 と考 え て「強 く した. %以 上 であ り,3名 の分類者 での一致 率 で は他 者特性. 1∼. 1)。. 分 類 の 基準 の一 貫性 に. 表 1 各特性語別 の一致率 の平均値 ,最 大値 ,最 小値 全 平. 2名 一 致. 均. 97.7. 99。. 1. 98。 3. 0. 最 小 値. 94.1. 98.3. 97.4. 均. 82.8. 87.2. 85。. 最 大 値. 93.2. 90.6. 93.2. 89。 0. 最 小 値. 72.9. 82.1. 77.8. 72.9. 均. 96。 2. 96.9. 95.9. 最 大 値. 99.2. 98.3. 99。 2. 99.2. 最 小 値. 90。 7. 96.6. 93.2. 90。 7. 均. 79.7. 89。. 3. 89。 5. 76。 O. 最 大 値. 93.2. 93。 2. 93.2. 87.3. 最 小 値. 59.7. 85。 7. 平. 他者特性 平. 3名 一致. 97.1. 100.0. 平. 2名 一 致. 98.9. 最 大 値. 自己特性. 3名 一致. あ い まい語. 体. 100。. 94.1. 7. 59。 7.

(4) 甲南女 子大学大学 院論集 第 2号. 人間科学研究編 (2004年 3月. ). 100%で あ った に もかか わ らず ,3名 の. の 「デ リケ ー トな」 と「孤独 を好 む」 の 2語 を除 い て. での一致 率 が. 70%以 上 で あ ったc. 一 致率 が 低 い 語 が あ った. (「. 同調 的 な」,「 あ きらめの. 3名 の分類者 間 での一致 率 を見 てみ る と,自 己特性. よ い」)。 例 え ば,「 同調 的 な」 は 2名 の 一 致 率 が 10o. で一致 率 が 80%未 満 であった語 は,「 陽気 な」,「 それ. %な の に対 して,3名 の一 致率が 74.3%と 低 い。分類. と な く言 う」,「 ク ー ル な」,「 理 論 的 な」,「 同 調 的. 内容 を詳 し く見てみ る と,肯 定的記述 とその他記述 も. な」,「 厳格 な」,「 デ リケ ー トな」,「 現実離 れ した」 の. しくは否定 的記述 とその他記述 に分類が別 れて い た。. 8語 で あ った。 この 中 で 「陽気 な」 のみが 肯定語 で. 分類 が 一 致 しなか った全 ての記述 で も,分 類 には必ず. ,. 残 りはあ い まい 語 で あ つた。他 者特性 で は,「 孤 独 を. そ の他記述が含 まれて い た こ とか ら,記 述 内容 だけで. 好 む」,「 古風 な」,「 分析 的 な」,「 理論 的 な」,「 同調 的. は感情 が読 み 取 りに くく,分 類者 によって判 断 が 分 か. な」,「 厳 格 な」,「 デ リケ ー トな」,「 現 実離 れ した」. れた と考 え られ る。 つ ま り,あ い まい語 で は記述 内容. ,. 「お しゃべ りな」,「 糸 田心 な」 の 10語 で ,全 てあ い まい. に表 れ る感情 や評価 が 肯定語 や否 定語 に比 べ て不 明確. 語 で あ った。. で あ ったのだろ う。. あ い まい語 の 3名 の一 致率が低 か った こ とには ,分. これ らの こ とか ら,分 類者 は記述 内容 に表 れ る感情. 類方法 の 問題 と記述 内容 の特性 の 2点 が 関係 して い る. や評価 によって分類 を行 い ,そ れで は分類 し難 い記述. だろ う。分類方法 の 問題 としては ,前 述 した よ うに. で は特性語 の社 会的 な評価 を手 がか りに行 った と考 え. 記述 内容 を分類す る時 に特性語が分類 の手 がか りとし. られ る。. ,. て使 用 されて い た と考 え られ る。記述 内容 だけで は特. 以 後 の分析 につ い て は,2名 の分類者 間 で一 致 した. 性 に対 す る感情 を分類す るこ とがで きない ため ,特 性. 分 類 を用 い るが ,「 デ リケ ー トな」 と「孤 独 を好 む」. 語 が肯定語 で あれば肯定的 な的記述 として ,否 定語 で. は他者特性 での 3名 の分類者 の一 致率が特 に低 いの で. あれ ば否定 的 な的記述 と して分類 した。 しか し,あ い. 分析 か ら除外 した。. まい語 で は特性語 の評価 を手 がか りと して使 えず ,一. 特性語 へ の 感情 と評価. 致率が低 くな った。 この こ とか ら,分 類 は調査対 象者. 特性語 の社 会的 な評価 に よって特性 に対す る感情 や. の記述 内容 だけで な く,特 性語 の社 会的 な評価 を手 が. 評価 に違 い が見 られ るか につい て検討す る。各特性語. か りに行 われた と考 え られる。. につい て 自己特性 と他者特性別 に肯定的記述 ,否 定的 記 述 につ い て 記 述 数 の 合計 を求 め て χ2検 定 を行 った. あ い まい語 の記述 内容 の特性 としては,分 類者 2名. 自 1生. し. り た い. し. よ. な. やよ こ げ な つ. な. 五日. 疋 ︷. 7. 4 16. 強. な な い. 変. 機 ︱. あ い まい語. 気 応. 語. 陽臨 粘. 肯 定. 特. 性. 他. 者. 特. 性. 五日. 特. 己. 何 か にこだわ る 分 析 的 な ヽ ′ 亡 な 細 な 古 風 理 論 的 な な 厳 格 指 導 的 な ク ー ル な あ きらめ の よい 現 実 離 れ した それ とな くき :う 同 調 的 な ぬ け て い る お しゃべ りな. 82 95 99. 88 87 72 10. 4 3. 86. 15. 60 60. 32 34. 57 57 48 48 47. 25. 46 41. 36 36 36 29. 34 28. P<N P<N P<N P>N P>N P>N P>N P>N P>N P>N P>N P>N. 40 38 49 36 57 59 59 65. P<N P<N P<N P<N. 6 4 3. 99 102 101. P<N P<N P<N P>N P>N P>N. 91. 106 100. 79. 26. 44. 51. 59 66. 37 26. 44. 53. 35 57 54 47 52 52 28. 66. 60 35. P>N P>N P>N P<N. 38. 44 47. 40 46. 69 30 57. P<N P>N P<N.

(5) 西岡. (表. 49. 美和 :社 会的 な評価 と個 人的 な評価 を分 離す る場合 の あ い まい な語 の有効性 につい て. 表 3 自尊感情 と各記述得点 との相関. 2)。. 肯定語 で は 自己特性 と他 者特性 ともにいず れの語 で. 他 者 特 性. 自己特 性. も肯定 的記述が否定 的記述 よ りも有意 に多 く,否 定語 で は両特性 ともに否定 的記述 が肯定的記述 よ りも有 意. 肯 定 語. に多 か った。肯定語 や否定語 の よ うに社会的 な評価 が. 否 定 語. 明確 な語 で は,個 人 の感情 や評価 が社会 的 な評価 と一. 吾 あいまい言. 致 して い る こ とを示す もので ある。. **p<.01. 一.05. .05. ― .00. 。 04 一。 27**. .04. あ い まい語 で は肯定 的記述 と否定 的記述 に差が見 ら ール な」,「 あ きらめ の よい」,「 現実離 れ した」 の 4語. -方 ,自 己特性 で は 「増 や した い」 や 「無 くした い」 な ど 自己 の一 部分 として特性 を捉 える記述が あ り,比. であ った。他者特性 で は ,「 分析 的 な」,「 指導的 な」. 較的容易 に特性 のみ に対す る感情 や評価 を記述 で きて. 「理論 的 な」,「 ク ー ル な」,「 あ きらめ の よい」,「 現 実. い る よ うで あ った。 同 じ特性 であ って も感情 や評価 の. 離 れ した」,「 それ とな く言 う」 の 7語 で あ った。 あ い. 対象 が異 な って ,自 己 の特性 と他 者 の特性 で感情記述. まい語 は,肯 定語 や否定語 とは違 い社 会的 な評価 が不. に差が見 られた とも考 え られ る。. れ な い 語 が あ った。 自己特 性 で は,「 指 導 的 な」,「 ク. ,. 明確 なため に,特 性 に対す る感情 や評価 に個 人差が 出 自由記述 と自尊感情 との関係. やす い と考 え られ る。 次 に,同 じ特性 を自己 の もの として考 えた ときと他. あ い まい語 と して社会的な評価 が 不 明確 な語 を対象. 者 の もの として考 えた ときで ,特 性 の捉 え方 に違 い が. とす るため に,自 己特性 と他者特性 い ず れ もで肯定 的. 見 られ るか につ い て検 討 す る。2(自 己特 性 ,他 者特 2検 性 )× 2(肯 定 的 記 述 ,否 定 的 記 述 )の χ 定 の 結. 記 述 と否 定 的記 述 の 記 述 数 に差 が あ った 7語 は 削 除. 果 ,自 己特性 と他者特性 の 間 で感情記述 に差が あ った. 語 を用 い て行 った。調査対象者 ご とに各特性語別 に他. の は ,「 しつ こ い」 (χ 2(1)=10.85,p<.01),「 理 論 的. 者特性 と 自己特性 につい て 3カ テ ゴ リー に分類 された. 2(1)= な」 (χ 2(1)=4.69,p<.05),「 ぬ け て い る」 (χ. 記述 内 に 占める肯定 的記述 と否定 的記述 の割 合 を求 め. 2(1)=13.02,p<.01),「. 14.19,p<.01),「 厳格 な」 (χ 2(1)=6.02,p<。 05)の 5語 であ った。 析 的 な」 (χ. 分. 「 しつ こい」 は否定語 で ,自 己特性 の 方 が他 者特 性 よ りも肯定 的記述 が 多 く,自 己 の特性 として考 えた と. し,肯 定語 3語 ,否 定語 3語 ,あ い まい語 7語 の計 13. て ,角 変換 を行 い ,そ の値 を各記述得点 と した。 自己 特性 と他 者特性 につ い て特性 語別 に各記 述得 点 と SE 得点 との ピアソ ンの積率相 関係 数 を求 めた (表. 3)。. 相 関係数 が有意 であ ったの は,あ い まい語 での 自己 (r=。 32,p<.01)と. きには肯定 的 に捉 え られ てい る こ とが わか る。「理論. 特性 の肯定記述得点. 的 な」,「 分析 的 な」,「 厳格 な」 で も他者 の特性 として 考 える よ りも,自 己 の特性 と して考 えた ときの方 が 肯. 27,p<.01)で あ つた。 この こ とか ら,自 尊感 (r=一 。 情 と関係 す るの は社会的 な評価 が不 明確 であ りか つ 自. 定 的 に捉 えやす い 。逆 に,「 ぬ け て い る」 で は,他 者. 己 と直接 的 に関係 す る特性 に抱 く感情 や評価 で あ る こ. の特性 として考 えた ときの方 が肯定 的 に捉 えやす い こ. とが わか った。. とが わか った。. 否定記述得点. 自己特性 は 自己 に直接 的 に関 わる特性 で あ る。 そ の. 自己特性 と他者特性 の 間 で感情記述 に差 が見 られた. ため ,自 己 に対す る全 体 的な評価 に伴 う肯定 的 な感情. 5語 の 中 で 4語 が あ い ま い 語 で あ っ た。 この こ とか. である 自尊感情 と関係 が あ った。 一 方 ,他 者特性 は 自. ら,自 己 との 関 わ りに よる感情記述 の差 は特性語 の社. 己 と間接 的 に関 わ る特性 で あ るため ,自 尊感情 との 関. 会的評価 に よつて生 じ,社 会的 な評価 が不 明確 な特性. 係 が見 られ なか ったので あろ う。特性 に対 す る感情 や. では ,特 性 と自己 との 関 わ りに よって個 人的 な感情 や. 評価 は特性語 の社会的 な評価 が不 明確 で あれ ば ,特 性. 評価 に ズ レが生 じやす い と考 え られ る。. と 自己 との 関 わ りに よつて変化 し,自 己 の特性 で は 自. 自己特性 と他 者特性 で感情記述 に差が生 じた別 の考. 尊感情 と関係 して変化す る と考 え られ る。 また ,肯 定. え として ,記 述 の対 象 が異 な った可能性 もある。他者. 語 や否定語 では ,個 人 の全 体 的 な評価感情 であ る 自尊. 特性 には「尊敬 す る」 な ど必 ず しも特性 のみ に言及 し. 感情 との 関係 が見 られ なか った。社 会的 な評価 が明確. た記述 とは言 えない記述 が 見 られた。他 者特性 で は当. な語 で は,特 性 語 が 持 つ 社 会 的 な評 価 の 影 響 が 大 き. 該 の特性 のみではな く,特 性 によって代 表 され る個 人. く,自 尊感情 が特性 に対 す る感情 や評価 に影響 しに く. 全体 に対 す る感情 や評価 を記述 した のか もしれ ない 。. い 。特 性 と 自己 が どの よ う に関 わ って い るか で は な.

(6) 甲南女子大学大学院論集第 2号. 人間科学研究編 (2004年 3月. ). く,特 性語 の社会的 な評価 に よって特性 に対す る感情. 個 々の側面 に対す る認知 との 関係 を探 る こ とがで きる. や評価 が 決定 された と考 え られ る。. か も しれ ない。 また ,社 会的 な評価が 不明確 で あ る とい う こ とは. ,. 評価 を意識 させ に くく,個 人が意識 で きない評価 を測. め. 定す る場合 に も有効 で あるか も しれ ない 。 Kitayama& 社会的 な評価が明確 な肯 定語 や否 定語 では,自 己 と. Karasawa(1997)は ,ひ らが な と数字 を用 い て 日本 人. の 関 わ りに関係 な く特性 に対 す る感情 や評価 が決定 さ. の潜在的 な 自尊感情 を測 定 した。 そ して ,自 身 の 名前. れて い た。 しか し,あ い まい語 で は ,特 性 に抱 く肯定. や誕生 日に関わる語 や数字 は,関 係 の ない語 や数字 よ. 否定 の感情 に違 い が 見 られない語 が 4語 ,特 性 が 自己. りも好 まれ ,潜 在的 な 自尊感情 の高 さが見 られた とし. と他者 い ず れ に関 わる ものか に よって感情 が異 な った. て い る。 ひ らが なや数字 は社会的 な評価が ほ とん ど存. 語 が 13語 あ った。特性 の社 会 的 な評 価 が 明確 で あ れ. 在 しない刺激 で あ る。 一 方 ,本 研 究 で用 い たあ い まい. ば ,そ の評価 による影響 が 強 く,特 性 に対す る感情 や. 語 は社 会的 な評価 は存在す るが ,不 明確 で個 人差が生. 評価 に個 人差 は見 られ な いが ,社 会的 な評価が不 明確. じやす い語 で あ る。 あ い まい語 をひ らが なや数字 と同. であれば特性 と自己 との 関 わ りに よって個 人差が生 じ. じように扱 う こ とはで きない が ,評 価 を意識 させ に く. るのだろ う。. い とい う点で は共通 して い る。従 って ,あ い まい語 で. 特 性 語 は 複 数 の 言 い 換 え が 可 能 で あ る (青 木. ,. 1974)こ とか ら,言 い換 え方 に よって微妙 に意味 が変. 潜 在 的 な 自尊 感情 を測 定 す る こ と も可 能 か も しれ な い. 。. わ り,そ れ に伴 って語 の社会的 な評価 も変化す る。 同 じような特性 を表現 して い て も,社 会的 な評価が不 明 確 な表現 で は,個 人 の評価 が 特性 に対す る感情 や評価 に影響 しやす くなる と考 え られ る。. 引 用 文 献. 1991. 的 で ある (遠 藤 ,1991;Pelham&Swann,1989)と. Harter, S.1999 Contcmporary lssucs and Historical Perspec― 」ves.「/7ι θ θ′ tsrr夕 θ ′ ′ θ″ げ 訪. `∫. ε. 肯定 的 な 自己評価 に よる ものか ,項 目の評価 に対す る 反応 に よる ものか を分 離す る こ とがで きなか った。 し か し,自 尊感情 が社会的 な評価 が不明確 な 自己 の特性 に対す る感情 や評価 と関係があ った こ とか ら,自 尊感 情 は 自己 を特徴付 ける側面 を肯定 的 に意 味付 ける機能 を持 つ と考 え られ る。 自尊感情 の よ うな 自己 に対す る全 体 的 な評価 は重 要 な他 者 か ら与 え られ た 評価 を取 り入 れ て 形 成 され る 特性 に対 す る社 会 的 な評 価 と個 人 の. rliソ. `ρ `θ. 星野. うか は ,質 問項 目の社会的 な評価 に依 存 して いた。 そ のため ,自 己評定が肯定 的 で あ った と して も,そ れが. L越 教 育 大 学 研 究 紀 要 ,10,. 2, 19-36.. さ. れて い る。 これ までは ,自 己認知が肯定 的 で あ るか ど. 理 想 自己 に 関 す る 最 近 の 研 究 動 向 一 自. 己概 念 と適 応 との 関 連 で 一. 己 の特性 に対す る感情 や評価 が 自尊感情 と関係 して い た。先 行研 究 で は 自尊感情 の高 い者 は 自己認知が肯定. 性 格 表 現 辞 典 一人 柄 を と ら え る 記 述 と. 言葉 ― ダ イヤ モ ン ド社 遠 藤 山美. また ,あ い まい語 は,肯 定語 や否 定語 と異 な り,自. (Haner,1999)。. 1974. 青木孝悦. 命. ιゲrAご θソ. κ″′ριr― ι. `Jη “. `,pp.1-27.New York: The guilford Press.. 1970. 感 情 の 心 理 と 教 育 (二 )児 童 心 理 学. ,. 24, 1445-1477. 井. L祥 治 1992 自 己 概 念 千壽 (編. )セ. 遠 藤 辰 雄 ・ 井 上 祥 治 ・蘭. ル フ ・エ ス テ イ ー ム の 心 理 学. ナ カニ シ. ヤ 出版 pp.48-56。 伊藤美和. 1996. 自尊 感 情 と 自己 認 知 の 枠 組 み との 関 係. 大 阪教 育 大 学 修 士 論 文 (未 刊 行 )。 伊藤 美和. 2000. 白尊 感 情 は 認 知 バ イ ア ス か. 甲南 女 子. 大学 大 学 院心 理 学 年 報 ,19,1-9.. Kitayama,S.&Karasawa,M.1997 1mplicit self―. esteem in Ja―. pan: Name letters and birthday numbers.Pθ. jヶ α だθκθ′ 4グ. 5θ ε ′ α/Ps)・ ε/2θ ′ θg)ヽ. 桑原知子. 1986. 3′ ′ ′ li77,23,736-742. `′. 人 格 の 二 面 性 測 定 の 試 み 一NEGATIVE. 語 を加 え て 一教 育 心 理 学 研 究 ,3,31-38。. 評価 を分 けて考 える こ とは , 自己評価 の形成過程 を検. Pclham, Bo W.& Swann, Jro W.B.1989 From self―. 討す るため に必 要 で あ る。今後 ,社 会的 な評価 が不 明. conccptions to self― worth: On the sources and structure of. 確 なあ い まい語 の よ うな表現 を用 い る こ とで ,評 定 に 対す る社会的望 ま しさの影響 を軽減す る ことがで き. ,. 自尊 感情 の よ うな個 人 の 全 体 的 な評価 感 情 と 自己 の. jヶ α グ Sθ θ jα global seliestccmo Jθ ′ α′(√ P`だθ4α ′ ′Psy― r/1θ. ′ θg)',57,672-680。. “. Rosenberg, M.1965 Sθ ε′ α′α′ 7グ. “. r力. `. Princcton: Priceton Univcrsity Prcss.. rs`折 j“ αgι. αグθたsε `″. ..

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参照

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