帝塚山大学アド ベンチ ャーカ ウンセリ ング体験会
実 施 報 告
I は じ め に担当:小 西 浩 嗣
帝 塚 山大 学 心 理福 祉学 部心 理学 科で は、2004 年 の学 部 学 科 開 設 と と も に心 理 実 習 室 に 屋内 型 の アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ( 以 下 AC ) 専 用 コ ー スを 設 置し 、 以 来 A Cを 取 り 入 れ た学 部生 教 育 を 行 っ てい る。 ま た、 同 時 に 現代 GP の一 環 と して 、 小 学 校 ヘ フ ァ シ リ デ ー タ ーを 派遣 して A C の手 法 を 使 っ た 授業 の実 施 や 内部 の み な ら ず広 く地 域 に 紹介 す る た め の体 験 会等 を 開 催 して い る。 AC は、 大 自 然 が 生 み 出し た とい っ て も 過言 で は ない 。 アド ベ ン チ ャ ー 教育 の一 つ で あ る 匚プ ロ ジェ クト アド タ ンチ ャ ー(Project Adventure : P A )」 が そ の ベ ー ス で は あ る が 、 P A の起 源 は 匚ア ウ ト ワ ード バ ウ ンド ス ク ー ル(Outward Bound School : OBS)」 で あ る。 登 山 、 ロ ッ ク ク ラ イ ミ ン グ、 沢 登り など 、 大 自然 に立 ち向 か う こ と によ り自 己 の可 能 性 やあ り 方 に気 づ き、 個 人 と グ ル ープ が 成 長 を 遂 げ てい く 絶 好 の 機 会 に な る。 つ ま り アド ベ ン チ ャ ーに は、 匚自 分 を み つ め、 変 え てい く力 」 匚人 と 協 力 し あ う 力 」 匚学 び創 造す る力 」 な ど人 の成 長 を 助 け る エ ッ セ ン ス が 溢 れ てい る の であ る。n 。 実 践 事 例 報 告
1。 事 業 の 概要 出 事 業 名 : 帝 塚 山 大 学 アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ 体 験 会 (2) 実 施 日時 : 平 成18 年12 月25 日( 月 )∼27 日( 水 ) 各 日10-16 時 (3) 実 施 場 所 : 帝 塚 山 大 学 学 園 前 キ ャ ン パ ス10号 館心 理実 習 室 ほか 朏 目 的 : アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ の 考え 方 と手 法 を 広 く紹 介し 、 大 学 ( 学 生 ) と 地 域で の指 導 者 ・ リ ー ダ ー育 成 を 目 的 とす る。 (5) 参 加 者 : 9 名 中 学 校教 員 1 名、 大 学 教員 3名 、 大 学 生 1名 、 大 学 院 生 3 名、 看護 学 生 1名 ㈲ フ ァ シ リ デ ー タ ー: 小 西 浩 嗣( 帝 塚 山 大 学 非 常 勤 講師 ) −382。 実 施内 容 ( プ ロ グラ ム) 【 第 1日 目 】 ● テ ー マ 匚学 校教 育 の 現状 理解 と アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ実 践 の報 告 」 ● 内 容 ○ アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ関 連 V T R 鑑 賞 お よ び 自由 討 議 ○ 中 学 校 にお け る教 員 ・ 生 徒 の現 状 お よ び情 報 交 換 ○ アド ペ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ ロ ープ ス コ ー ス体 験( ウ ォ ー ル ク ラ イ ミ ン グ の デ モ ン スト レ ー シ ョ ン) 【 第 2 日目 】 ● テ ー マ 匚アド ベンチ ャ ーカウ ンセ リ ング体験 一 出会い から相 互理 解、 グル ープ、 チ ー ム形 成 へ」 ● 内 容 ○ 帝 塚 山大 学 にお け る ア ド ベ ンチ ャー カ ウ ンセ リ ン グ の実 践 紹介 (資 料 配 布 ) ○ 体 験 か ら学 ぶ 意 味 匚ア イ ン シュ タ イ ンの言 葉 」 匚指 の 運動 」 匚白 く ま 調査 」 ○ メ ンバ ー の相 互 理 解 : ア イ ス ブ レ イ ク (FUN = 楽 し さ の 要 素 を 含 む ゲ ー ム的 な 活 動 を 通 して 参加 者 の 緊張 を解 き ほ ぐ し、 親 密 な 環境 形 成 を行 う) か ら コ ミ ュ ニ ケ ー ショ ン( 考え や感 情 を 表 現 す る能 力 強化 の チ ャン ス提 供) ア ク テ ィ ビ テ ィを 使 っ て ・ ネ ー ム ト ス …お 互 い の名 前を 呼 び なが ら フ リ ー ス ボ ー ル をパ スす る。 徐々 に ボ ー ル を増 や す。 1個 が 2 個 に、 3 個 ・ 4イ[拒 ‥ ・ ヘ リ ウ ム フ ープ 【写 真 ① 】 … 円 に な っ た状 態 で フ ラ フ ープ を 真 ん 中 に い れ、 全 員が (片 手 の) 人 差 し指 を フ ラ フ ープ の下 に く っつ け る (人 指 し指 だ けで フ ープ を 支 え てい る状 態 )。 こ の ま ま 全 員 の 指 を フ ープ か ら 離 さ ず に 地面 ま で お ろ す ○ イ ニ シア テ ィ ブて グ ル ープ に よ る課 題 解 決 や コ ミ ュ ニ ケ ー ショ ン能 力 を 高 め る活 動 ) ・ フ ープ リ レ ー… 円 に な っ て手 をつ な ぎ 途中 に フ ラ フ ープ を入 れ、 全 員 手 を つ な いだ ま ま 1 周 さ せ る。 ク勹レープ で の目 標 タ イ ム を設 定 し チ ャ レ ン ジす る。 ○ ロ ー エ レ メ ン ト( 膝 の高 さ∼ 4 m程 に設 置 さ れ た 冒険 性 の高 い 装 置 を使 って の グ ル ープ に よ る 課題 解決 ) ・ ニ ト ロ ク ロ ッ シ ング … タ ー ザ ンロ ープ につ か ま り、 全 員 が ス タ ー ト地 点 か ら離 れ た ス チ ップ に渡 る課 題 解 決。 ・ モ ホ ー ク ウ ォ ー ク… 高 さ50cm、 幅4cm 位 の板 の上 を メ ンバ ーと 協力 し なが ら渡 って い く。 〔 グ ル ープ と メ ン バ ー の 様子 〕 こ の手 法 ・ プ ロ グ ラ ム が ま っ た く初 めて の体 験 とい う メ ン バ ー もい て多 少 緊 張 気 味で の ス タ ー ト で はあ っ たが 、 ア イ ス ブレ イ ク か ら ネ ー ム ア ク テ ィ ビ テ ィ と行 う う ち に 解 れ てい き、 午前 最後
の フ ープ リ レ ー で グ ル ープ と して の形 がで きあ が っ たよ う に感 じ ら れ た。 午後 か ら は、 メ ン バ ー同 士 が相 互 に 尊重 し合 い 課 題 に挑 戦 、 ク リ ア して 行 っ た。 個人 のふ りか え りか ら も みて も満 足 度 は高 か っ たよ うで あ る。( 以下 参 照 ) *適 度 な 協力 関 係 が と て も心 地 よか っ た でず 。 個 人 で 頑張 る と ころ は そ れを 尊重 して 応援 し、 み ん な で協 力 す る と ころ は協 力 し てい て、 とて も楽 し く活 動 で き まし た。 *自 分か こん なふ う に初 め て 会 っ た人 た ち に 自分 の こ とを 言 う こ と がで き る んだ と新 しい 自分 が 見つ け ら れ た のが とて も う れし い し、 満 足 し てい る。 ま た、 初 めて 会 う人 だ ち な の に、 こ ん な に短 時 間で 自分 の言 い たい こ とを 言 い 合 え 、 笑 い 合 って 匚楽 し く」 過 ごせ る と は思 って もい な か っ た。 名前 を 呼 ぶ こ と、 呼 ば れ る こ と で と て も 牛 ヨ リが 短 く な っ てい く気 がし た。 *本 当 に チ ャ レ ン ジす る こ とを 楽し ませ て く れ る グ ル ープ だ っ た と思 う。 い い 意 味で サ バ サ バ も して い て 、 う ま く 自分 たち の役 割を 果 た そ う と し てい た と思 う。 そ れが 達 成 す る こ と に も つ なが っ た と思 う。 支 え て も ら っ た時 に変 な遠 慮を し な か っ た の もよ か っ た。 力 を かけ ない と 進 め ない ので 。 *失 敗し て も安 心 して チ ャ レ ン ジで き る 環境 があ っ た のが 自分 の モ チ ベ ー シ ョ ン につ なが って で き た。 * アド ベ ンチ ャー が心 の発 育 に 深 く 関 係 し てい る様 に 感 じ ま し た。 心 に ゆ と りを も ち たい で す。 *日 頃 の 運動 不 足 や腰 痛か ら体 を 動 かす のが お っ く う に な って い た が、 今 日 の取 り組 みで ま た 頑 張 っ て み よ う とい う気 持ち が 出 て き た。 た ま って い た スト レ ス が軽 減し てい る。 【 第 3 日目 】 ● テ ー マ : ア ド ベ ンチ ャー カ ウ ンセ リ ン グ体 験 一 目分 の挑 戦 は 自分 が決 め る ー ● 内 容 ○ 目標 設 定 と ハ イェ レ メ ント チ ャ レ ン ジ ○ 前 囗 のふ りか え り と目 標∼ グ ル ープ に必 要 な こ と を共 有 す る シ ンボ ルづ くり(Being) ○ ス タ ート は ウ ォ ー ム ア ップ か ら ・ キ ャッ チ… 全 員 で円 に な り、 左 手 の手 の ひ らを 上 に向 け 左 隣 の人 の方 へ差 し 出 す。 右手 は人 差 し指 で串 をつ く っ て、 指 先 を立 て た状 態 で右 隣 の人 が だし てい る左 手 の真 ん中 に 乗 せ る。 ゛キ ャッ チ ( つ か まえ ろ ! )4 の か け 声 で左 手 は 右 手 を つ か み、 右手 はつ か ま れ ない よ う に逃 げ る こ と を同 時 に 行 う。 ○ ト ラ スト (身 体的 ・感 情 的 リ ス クを 伴 う活 動 を通 して 他者 と の 信頼 を実 感 す る) ・ ト ラ スト リ ーン 2人組 ・ 3人 組 …身 体 的・ 感情 的 リス クと 安全 、 他者 を 信頼 す る チ ャ ンス。 2人 :真 っ 直ぐ後 ろ に 倒れ、 受 け止 め る/3 人 :前 後 に受 け 止め る人 がい る形 で 倒 れ る。 ○ ハ イェ レ メ ン ト ∩ ∼ 8m の高 所 にお い て仲 間 に身 体 の安 全 を 確保 さ れ て自 分 な り の チ ャ レ ン ジを 行 う心 身 リ ス ク の高 い 活 動 ) −40 −
・ ク ラ イ ミ ン グ ウ ォ ー ル【 写真 ②】 … 7m 位 の高 さ の壁 を 壁 面 に設 置さ れ た ホ ー ルド を 手 が かり に登 る。 ・ ジ ャ イ ア ント ラ ダ ー【 写 真 ③ 】 … 巨大 な木 製 の 梯子 を 2人 で 協力 しな が ら 登 る。 ○ ふり かえ り と シェ ア ・ シ ン ボ ル(Being) の 完成 【 写 真 ④ 】 ・ ポ スト カ ード を 使 っ て今 の気 持ち を 表 現 〔 グ ル ープ と メ ン バ ー の 様子 〕 2日 間 を 通 し て さ ら に 関 係 が 深 ま り 、 気 づ き ・ 学 び が 得 ら れ た よ う で あ る。( ふり かえ り参 照 ) * ア ド ベ ンチ ャー をす る こ と に より 、 心 ・身 が一 つ に も、 別 々 に も感 じ まし た。 ど っ ちか が末 熟 だ と くず れて し ま う こ と も …。 こ こ に書 け な い位 の こ とを 考え ら れ た。 何 よ り、 今 感 じ る こ とが 日常 に 置 き換 え て も感 じ ら れ る気 が し ま し た。 * と て も楽 し か っ たで ず。 そし て心 地 よ か っ たで ず。 ク勹レープ の雰 囲気 が自 然 に ただ そ こ にい る こ と を容 易 に させ て く れ、 自然 な姿 で チ ャレ ンジ、 応 援 が で き た よ う に思 い ます 。 * や はり 、 や る こ とが 大 事 。 や ら な い と 出来 る こ と、 努 力 し た こ と、 悔 しか っ た こ と、 他 人 か ら 得 た こ と が見 え な い と思 っ た。 久 し 振り に本 能 が 騷 い だ。 *自 分 の中 で 押 し こ め てい る感 情 や思 い を素 直 に表 現 す る こ と で自 分 の思 い に新 た に気 づ く こ と がで き た。 人 間関 係 や 様々 な ス ト レ ス の中 で 視野 がせ ま く なり 、 新 た な こ と に挑 戦し たり 頑 張 っ て み る こ とを あ き ら め てい た自 分を も う一 度 ふ る い た たせ て み よ う と思 え た。 * グ ル ープ の良 さ。 何 を し て も 楽し め る こ の 環境 は本 当 に安 心 感 を 得 ら れ る も の だ っ た。 自分 が まだ や れ る と い う こ と が わ か っ た。 *自 分 の思 い 描い てい る こ とを 言 葉 にし て伝 え る こ と が難 し い の と、 伝 え る こ と (共 有 す る こ と) が 個人 ・ グ ル ープ の成 長 につ なが る の か な と思 っ た。 思 って い る こ と を伝 え る こ と に よ り 、 自 分 の思 い 悩 ん でい る こ とが 整 理 さ れ る よ う に思 っ た。 3。 所 感 企画 自体 の立 上 げ が遅 か っ た た め広 報 活 動 が 十 分 に行 え ず 、 参 加 数 が非 常 に少 な い 中 で の実 施 で はあ っ た が、 参加 し た方 々 は、 チ ャ レ ン ジで き る 環境 ( グ ル ープ ) 形 成 の重 要 性 、 結 果 で はな くプ ロ セ ス、 ト ラ イ& エ ラ ー等 々 、 実 際 に 体 験 か ら学 ぶ こ とを 通 して アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ の可 能 性 や心 地 よさ など を 実 感 で き た よ う に思 う。 帝 塚 山 大 学 の 院生 と教 員 の 参加 はあ っ た が 、 学 部生 の参 加 が なか っ た の は残 念 だ っ た。 4。 今 後 の課 題 につ いて
事 業 プ ロ グ ラ ム とい う 点 か らい え ば、 広 報 面 の不 足 につ き る。 今 回 は ス タ ー トが 遅 か っ た こ と や時 期 的 な問 題 もあ り多 数 を 集 め ら れ なか っ た が、 来 年 度 につ い て は早 期 の起 案 お よ び 企画 、 広 報 を 進 めて 行 く よ う にし たい 。 ま た、 昨 年 か ら の懸 案 で あ る アド ベ ン チ ャ ー カ ウ ン セ リ ン グ の理 論 面 の 強化 ・ 確 立 につ い て、 テ キ スト や理 論 書 の 作成 、 さ ら に は普 及 ・実 践 の た め の人 材 ( ス タ ッ フ ・フ ァ シ リ デ ー タ ー) 育 成 は急 務 で あ る と考 え る。 写 真 ①