【翻訳】ニックリッシュ経営共同体構想
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(2) ノ ル テ(Ernst . Nolte,1926-)は. Vergangenheit)3)、 と し4)...ナ (Jurgen . 講 演 に お い て、. この 過 去 を. ドイ ツ ・ナ チ ズ ム の 過 去(national . 「〔他 の 過 去 と 〕 同 等 に 取. sozialistische. り扱 う べ き パ ー ス ペ ク テ ィ ブ を 示 そ. う. チ ス を 一 つ の 歴 史 と し て 相 対 化 し よ う と した 。 しか し これ を 批 判 す る ハ ー バ ー マ ス Habermas,1929-)に. よれ ば 、 今 日の修 正 主 義 者 た ち は 、. テ ィ テ ィ の 伝 統 的 な 形 態 へ と 連 れ 戻 そ う と す る 者 で あ り5)...特 こ と が で き る 、 と い う 考 え か ら 出 発 す る の な ら6)..歴. に 都 合 の よい 歴 史 像 を 選 択 す る. 史 記 述 が 有 す る啓 蒙 的 効 果 を 恐 れ 、 広 範. 囲 に 力 を も つ 歴 史 解 釈 の 多 元 主 義(beitenwirksamer 拒 否 し て い る の に 違 い な い7)、. ドイ ツ 人 を 国 民 的 ア イ デ ン. Pluralismus . der Geschichtsdeutungen)を. と す る 。 こ の 論 争 は 、 わ が 国 で もす で に 広 く紹 介 さ れ て 来 て い る. と こ ろ で あ る8)。 それ ゆ え、. ドイ ツ. 「歴 史 家 論 争 」 を 想 起 す る 時 、 今 な ぜ 、 ガ ウ グ ラ ー が 、 ニッ. ク リッ シ ュ の 経. 営 共 同 体 を 構 想 す る の か 、 と 言 う問 題 は 、 大 き な 意 味 を もつ 、 と考 え られ る と 言 っ て よ い で あ ろ う。 ま た 経 営 共 同 体 が 、 社 会 科 学 的 に 様 々 に 論 じ ら れ て 来 た に せ よ 、 ガ ウ グ ラ ー に よ れ ば 、 ニ ッ ク リッ シ ュ に は. ドイ ツ 理 想 主 義 の 哲 学 的 基 礎 付 け が な さ れ て い る 、 と言 う こ と で あ る 。. な お 、 翻 訳 は 、 ガ ウ グ ラ ー 教 授 博 士 の2000年3月7日 増 田 正 勝 教 授 ・(現広 島 経 済 大 学)・. 森 田 明 教 授(現. 付 に よ る同意 の下 に 行 った 。 同 意 に 際 し、 名 古 屋 市 立 大 学)の. 協 力 を 得 た 。感謝 の意 を表. す る次 第 で あ る 。. 注 1)本. 文 に 関 連 す る わ が 国 先 行 諸 研 究 に は 、 例え ば 、 次 の よ う な 文 献 が 挙 げ ら れ る 。. 藻 利 重 隆(1956):『. 経 営 学 の 基 礎 』 森 山 書 店 、 東 京 、 改 定 版(1961)。. 型 的 研 究 』 森 山 書 店 、 東 京 、 改 定 増 補 版(1961)。. 栗 田 真 造(1958):『. 市 原 季 一(1982):rニ. ヅ ク リ ッ シ ュ 経 営 学 一 人 と 学 説. 一 』 同 文 舘 、 東 京 。 ガ ウ グ ラ ー ・カ ー デ ル ・佐 護 誉 ・佐 々木 常 和(1991):『 社 、 東 京 。 増 田 正 勝(1996):「E.ガ 口 経 済 雑 誌 』 第44号. 第5.6号. 、45-68頁. (経 営 学 史 学 会 年 報 、 第5号)文. 2)エ. 。 大 橋 昭 一 編 著 ・渡 辺 朗 監 訳(1996):『. ニ ック リ ッシ ュ の 経 営. ニ ッ ク リ ッ シ ュ 経 営 学 変 容 の 新 解 明 」 『経 営 学 研 究 の フ ロ ン テ ィ ア 』. 眞 堂 、 東 京 、88-102頁. ド ワ ル ト ガ ウ グ ラ ー は 、1928年. 講 師 、1967年. ドイ ツ の 労 使 関 係 』 中 央 経 済. ウ グ ラ ー の 経 営 学 説 一 パ ー ト ナ ー シ ャ フ ト的 共 同 決 定 論 の 展 開 一 」 『山. 学 』 同 文 舘 、 東 京 。 森 哲 彦(1998):「 . 経 営構 造 の類. レ ー ゲ ン ス ブ ル ク 大 学 正 教 授 、1972年. 76年 マ ン ハ イ ム 大 学 学 長 、1989-1991年. 。. 生 、 商 学 士 、博 士 、マ ン ハ イ ム 大 学 名 誉 教 授;1966年. ミュン ヘ ン大 学. 以 降 マ ン ハ イ ム 大 学 正 教 授 。 そ の 間 、 教 授 は 、1973-19. 大 学 経 済 科 学 部 設 立 学 部 長 、1991年. 以降 マ ンハ イ ム大学 中央 研 究 所. 長 を 勤 め る。 専 攻 は 、 一 般 経 営 経 済 学 、 企 業 政 策 、 経 営 管 理 、 組 織 論 、経 営 人 事 制 度 で あ る 。 主 要 業 績 に つ い て は 、 本 文8 . 文 献 一 覧Gaugler, Eduardの. に、 次 の もの が 挙 げ られ る。論 文 経 営 経 済 学 」1988年 論文集 . 「人 事 管 理 」1989年. 、 ガ ウ グ ラ ー 生 誕65年 特 別 号. 「人 事 」1993年. die nicht vergehen . konnte. Quelle:Frankfurt . refit", Die Dokumentation Judenvernichtung, . 、論 文. 「日 本 と ドイ ツ に お け る. 、 ガ ウ グ ラ ー 生 誕65年. 記念. 記念論 文集. 。. Ernst(1986):Vergangenheit, . gehalten werden . 「日 本 人 は 我 々 を 追 い 越 し た か?」1981年. 。 ま た ガ ウ グ ラ ー 博 土 記 念 論 文 集 に 、次 の も の が 挙 げ ら れ る 。 ガ ウ グ ラ ー 生 誕60年. 「報 酬 シ ス テ ム 」1993年. 3)Norte, . 項 を 参 照 さ れ た い 。 他 に タ イ トル に 日 本 の 名 の 付 い た 論 文. Allgemeine . der Kontroverse . um . will, Eine Rede, die geschrieben, . Zeitung,6. . Juni 1986. in(1987):"Historikerst-. die Einzigartigkeit . Verlag, Ernst Reinhard Piper, Munchen. . S,39,(清. aber nicht. der nationalsozialistischen. 水 多 吉/小. 野 島康 雄 訳 、エ ル ンス ト.
(3) ・ノル テ 憲 一/辰. 「過 ぎ 去 ろ う と し な い 過 去 書 か れ は し た が 、 行 な わ れ な か っ た 講 演 」、 徳 永恂/清 巳 伸 知/細. 見 和 之 訳(1995):J・. ハ ー バ ー マ ス/E・. ノル テ 他. 水 多 吉/三. 島. 『過 ぎ 去 ろ う と しな い 過 去 ナ チ. ズ ム と ドイ ツ歴 史 家 論 争 』 所 収 、 人 文 書 院 、 東 京 、39頁)。 4)Ebd., . S.43.(ノ. 5)Habermas, . ル テ 、 前 掲 訳 、44頁)。. Jurgen . deutschen . (1386):Eine . Art Schadensabwirkung, . Zeitgeschichtsschreibung, . MUnchen. . S.76.(辰. Quelle:. Die apologetischen . Tendenzen . in der. Die Zeit, 11. Juli 1986, in (1987): "Historikerstreit",. 巳 伸 知 訳 、 ユ ル ゲ ン ・ハ ー バ ー マ ス. 「一 種 の 損 害 補 償 ドイ ツ に お け る 現 代 史 記 述 の. 弁 護 論 的 傾 向 」 『過 ぎ 去 ろ う と しな い 過 去 』 所 収 、68頁)。 6)Ebd., . S.74.(ハ. ー バ ー マ ス 、 前 掲 訳 、66-67頁)。. 7)Ebd., . S.73,(ハ. ー パ ー マ ス 、 前 掲 訳 、65頁)。. 8)近 . 年 で は 、 例 え ば 、 次 の よ うな 文 献 が あ げ ら れ る 。 Nolte, Ernst(1997):War . :ノ ル テ 第4号. der sogenannte . Historikerstreit ein. 「『歴 史 家 論 争 』 と は ドイ ツ だ け の 問 題 だ ろ うか?」. "deutscher Streit'?.(別. 所 良 美 訳(1998). 『研 究 紀 要 』(名 古 屋 市 立 大 学 人 文 社 会 学 部). 、171-182頁)。. 凡例 1)訳. 文 は 、 原 文 の 構 文 や 意 味 を 崩 さ な い 限 りで 、 原 文 に な い 字 句 を 一 部 補 っ た 。本 文 に 注 は な く、 訳 者 の 注. は1)で 2)原. 示 し、 末尾 に 一 括 した 。. 文 の" . "は. 「 . 」で、著書の場合は. 『 . 』 で 示 す 。 〔 . 〕 内は 、訳 者 の補 足 的 な 語. 句 で あ る。 3)小. 見 出 しの 算 用 数 字 は 、訳 者 が 付 した もの で あ る 。. 1 ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 経 営 共 同 体 構 想. . 「 経 営 共 同 体(Betriebsgemeinschaft)は. る」(Curt Sandig,1956, . Sp.786;vgl. . 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ経 営 経 済 学 で は...根 本 的 概 念 で あ Gerhard Volker,1961, . に 由 来 す る こ の 見 解 は 、 〔SandigやVolkerか 百年 の 回顧 に 際 して. S.59 f f.)。 ニ ッ ク リッ シ ュ 学 派. ら数 え て 約 〕40年 後 に 「 新 し い 」経 営 経 済 学 の 最 初 の. 〔次 の よ うに 〕 承 認 さ れ る と 同 時 に 、 中 心 的 に 批 判 さ れ る:す. なわち. 「 経 営. 共 同 体 の 理 念 は 、 ニッ ク リッ シ ュ 著 書 の 実 質 的 な 主 要 表 象 と し て 、 再 構 成 さ れ る と 言 っ て 良 い で あ ろ う。 こ こ で. 〔Schanzが 〕 展 開 し た 意 図 は 、 倫 理 的 な 規 範 主 義(ethischer . が 、 い か な る 袋 小 路(行. き詰 ま り)に. 導 き 得 る か を 同 時 に 論 証 す る:す. Normativismus). な わ ち 、利 害 相 違 と緊 張. 状 態 が 、 経 営 的 な 事 象 の 現 実 に お い て 、 日 常 的 に 存 在 す る よ うに 、 そ の 利 害 相 違 と緊 張 状 態 は 、 症 候 と解 釈 され 、 理 想 の た め に 争 い の な い 共 同 体 と して 様 式 化 され る。 この 理 想 は 、 事 実 に 即 し た 現 実 科 学 的 な 考 察 様 式 か ら 全 く遥 か に 遠 ざ け ら れ て い る 。 そ れ で も ニッ ク リ ッ シ ュ が 、 相 変 ら ず 注 目 に 値 し、 あ る い は そ れ ど こ ろ か 、 専 門. 〔経 営 経 済 学 〕 の 歴 史 に お い て す ら栄 光 の 座 に 値 す. る と す る な ら 、 そ の 場 合 は 、 全 く別 の 理 由 に よ る も の で あ る:す. な わ ち 、 ニ ック リ ッシ ュの 著 書. ハ イ ン リッ ヒ ニ ック リッ シ ュ(Heinrich Nicklisch〔1876-1946〕)は、1911年 夏学 期 か ら1921年 夏 学期 に 至 る ま で 、経 営経 済 学 の 教 授 と して 、 当時 の マ ンハ イ ム商 科 大 学 で活 動 して いた 。1914/15年 冬 学 期 か ら1918年 夏 学期 に 至 る まで 、 ニ ック リ ッシ ュは 、1907年 に 設 立 され た 同 商 科 大 学 の 第 二 代 学 長 で あ った 。.
(4) は 、 経 営 経 済 学 が 社 会 哲 学 的 な 基 礎 付 け を 必 要 と す る 社 会 科 学 的 な 学 科 目 を 表 わ す と い う見 解 に よ っ て 形 作 ら れ て い る 、 と い う理 由 に よ る も の で あ る 。 ニ ッ ク リ ッ シ ュ は 、 こ の こ と に よ っ て 全 く現 代 の 思 考 様 式 の 先 駆 者 な の で あ る 。」(Gunther ニ ッ ク リ ッ シ ュは 、 か れ が に 位 置 付 け た 最 初 の 人(で. Schanz,1999,S.35)。. 「 経 営 を 経 済 的 な 単 位 と経 済 的 な 全 体 と し て 、 か れ の 研 究 の 中 心 点. あ っ た)」(Sandig,1960,Sp.4103)と. い う こ と 、そ し て そ の 際 、人 間. 的 労 働 に か れ の 特 別 の 注 意 を 払 っ た とい う こ と を 、 承 認 す る で あ ろ う。 ニ ッ ク リ ッ シ ュ 自 ら詳 論 した よ うに 、 か れ の こ の 経 営 に 関 す る 研 究 の 開 始 は 、 第 一 次 大 戦 前 の (Heinrich Nicklisch,1920,Vorwort)時. 「1912年 か ら1915年. 代 に まで 遡 る ので あ る。 ニ ック リ ッシ ュの 同 時代 人 達. が 、 ま ず 私 経 済 学 な い し 商 業 学 、 そ の 後 さ ら に 経 営 経 済 学 と 名 付 け ら れ た(vgl. Loitlsberger,1999,S.34)、. の」. Erich. 新 し い 学 科 目 の 樹 立 の た め に 貢 献 し た 研 究 領 域 は 、 ニ ッ ク リッ シ ュ. に 無 縁 で は な か っ た 。 ニッ ク リッ シ ュ 自 身 は 、 次 第 に 安 定 した 専 門 の こ の 部 分 領 域 上 で 、 認 識 進 歩 を か な り豊 か な も の に し た(vgl.. Hans. Seischab,1936,S.46ff.)の. で あ る 。 「ニ ッ ク リ ッ. シ ュ に と り本 質 的 な こ と は 、 人 間 の 形 成 活 動 に よ っ て 給 付 価 値 と実 質 価 値 が 相 互 に 結 び 合 わ さ れ 、 経 済 的 財 貨 が 製 造 さ れ る 経 営 を 、 か れ が 社 会 的 な 単 位 と 見 な す こ と で あ る 。」(Karl. Rossle,193. 6,S.4)。 ザ イ フ ェル ト(Rudolf. Seyffert,1922)や. フ ィ ッ シ ャ ー(Guido. 研 究 書 が 示 し て い る よ う に 、 ニ ッ ク リッ シ ュ は. Fischer,1929)の. 「社 会 的 な 単 位 」 と し て こ の. 初 期 の個 別. 〔よ うな 〕 経 営 の 見. 解 で 、 単 に 経 営 経 済 学 の 領 域 内 に 留 ま る も の で は な い の で あ る 。 も し こ の よ うな. 〔社 会 的 な 単 位. と して の〕 経 営 の理解 が 、第 二 次 大 戦 後 の経 営 経 済 学 に お い て 幅広 い普 及 を 見 出 し、 経 営 経 済 的 な 部 分 学 科 目 の 成 立 を 共 に 形 作 る と す る な ら 、 ニッ ク リッ シ ュ の 同 時 代 人 Fischer〕. の 立 場 は 、 依 然 と して 顧 み られ る 必 要 が あ る:す. 学 的 研 究 に お い て 、 強 く対 立 す る 意 見 と 論 争1)す. 〔z.B., Seyffert. u.. な わ ち 「ニ ッ ク リッ シ ュ は 、 か れ の 科. る こ と に な っ た の で あ る 。 ニッ ク リ ッ シ ュ 学 説. は 、 こ の 抗 争 に お い て 、 従 来 の 学 説 と 比 較 し え な い 緊 密 な 構 成 に 成 長 した の で あ る 」(Sandig,1 960,Sp.4104)。. ニ ッ ク リ ッ シ ュ に 対 し、 一 部 の 強 く拒 絶 す る 立 場 は 、特 に 、 ニッ ク リッ シ ュ の 有. 機 体 と し て の 経 営 の 表 象 に 関 係 した も の で あ り、 そ の 有 機 体 と密 接 に 結 び 付 い た 経 営 共 同 体 の 理 念 、 な ら び に ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 規 範 一 倫 理 的 な 科 学 の 構 想 に 関 係 した も の で あ る。 ニ ッ ク リ ッ シ ュ は 、 私 経 済 学 な い し経 営 経 済 学 の 初 期 の 主 張 者 達 の 下 で 、 さ ら に 別 の 観 点 で も 特 異 な 位 置 を 占 め て い た 。 ニ ッ ク リ ッシ ュ は 、 国 民 経 済 学 に 対 す る 明 確 な 関 係 を 取 る か な り数 少 な い 著 者 の 一 人 で あ る ど こ ろ か 、 恐 ら く ほ と ん ど唯 一 の 著 者 で あ る 。 そ の 際 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ は 、 ブ レ ン タ ー ノ(Lujo. Brentano〔1844-1931〕)の. 批 判2)に 対 し 、 新 し い 経 済 科 学 的 な 学 科 目 〔私. 経 済 学 〕 の 樹 立 を 擁 護 しな か っ た だ け で な く、 そ の 結 果 、 恐 ら く専 門 に つ い て の 名 称 学 〕 を も 共 に 形 作 っ た の で あ る(Isabel. Eidenmuller,1995,S.214. 〔 経営経済. ff.)。 「 講 壇 社 会 主 義 と ニッ ク. リッ シ ュ学 派 との 間 の科 学 的 な 同 質 性」 に 関す る新 しい研 究 、 な らび に. 「 利 害 調 整 と経 営 共 同 体. と の 間 の 類 似 性 」 に 関 す る 新 しい 研 究 は 、 確 か に こ れ ら の 新 し い 研 究 が 、 今 ま で 引 用 文 で 証 明 し う る こ と な く、 む し ろ 内 包 す る 一 つ の 関 係 を 指 摘 し て い る(Eidenmuller,1995,S.222)。.
(5) 2 構 想 の 構 成 要 素. ニ ッ ク リッ シ ュ の 経 営 共 同 体 に つ い て の 構 想 は 、 か れ の 経 営 の 定 義 に 基 づ い て い る 、 す な わ ち 、 ニッ ク リ ッ シ ュ は 「人 間 が 、 人 間 の 欲 求 充 足 の た め に 設 定 し た 諸 目的 を 実 現 す る た め に 、 道 具 や 材 料 の活 動 で装 備 され た そ の職 場 で の人 間」 に経 営 の最 小 の 単位 を認 め る の で あ る。 この経 営 の 定 義 は 、 経 営 を 投 資 の 実 施 と し て 、 優 先 的 に か ま た は 全 く排 他 的 に 考 察 す る こ と を 拒 む も の で あ る 。 さ ら に 、 ニッ ク リ ッ シ ュ は 、 か れ の 経 営 の 見 解 か ら 「す べ て の 純 粋 技 術 を 出 来 る だ け 排 除 」 し よ う と努 め た 。 ニ ッ ク リ ッ シ ュ 以 降. 「 人 は 、 理 想 主 義 、 人 文 主 義 、 キ リス ト教 社 会 学 、 カ ル ビ. ニ ズ ム 、 そ の 後 、 国 家 社 会 主 義 な ら び に 科 学 的 社 会 主 義 に 基 づ く人 間 を 中 心 点 に 位 置 付 け よ う と す る 、 人 智 学3)的. な 考 察 様 式 を 、 ドイ ツ 経 営 経 済 学 の 内 に 見 出 す の で あ る」(Rolf Wuonderer,19. 95,.Sp.668), ニッ ク リッ シ ュ は 、 人 間 に 集 中 し た こ の 経 営 の 理 解 に つ い て 、 一 方 で 総 括 的 に 把 握 し 、 そ し て そ の 諸 経 営 の 細 胞 の 構 造(Gefuge)と. 「全 体 経 済 を 諸 経 営 か ら. 生 活(Leben)か. ら 〔全 体 経 済. を 〕 説 明 し 、 理 解 す る た め に 、 そ し て ま た そ の 諸 経 営 に 影 響 を 及 ぼ す こ と に よ っ て 学 ぶ 」(Seyffert,1936, S.1)た. め に 、全 体 経 済 的 な 諸 関 係 に お け る 個 々 の 経 営 の 結 び 付 き を 認 識 し 、取 り扱 う. こ と に 同 意 す る 。 ニ ッ ク リッ シ ュ の 定 義 は 、 他 方 で 、 経 営 の 社 会 的 な 次 元 と 密 接 に 関 わ り あ う こ と を 、 可 能 に す る 。 ニ ッ ク リッ シ ュ は 、 そ の 社 会 的 な 次 元 を 個 々 人(Einzelperson)に 「 人 間 は 、 共 同 体 な し に は 考 え ら れ え な い:人 先 行 者 と して. 〔共 同 体 の 〕 肢 体(手. 足)な. 関 わ らせ て. 間 は 、 始 め か ら、後 継 者 と して 、参 加 者 と して 、. の で あ る」 と 既 に 気 付 い て い る の で あ る 。 経 営 の 社 会. 的 な 次 元 は 、 経 営 の 中 で 多 数 の 人 間 が 共 同 し て 働 く場 合 に 、全 面 的 に 有 効 で あ る 。 「 経 営 共 同体 と い う用 語 は 、 人 間 が 統 一 的 に 結 合 し て 、 経 営 の 生 活 を 遂 行 す る こ と を 意 味 し 、 こ の よ う に し て 人 間 が 経 営 の 機 構 か ら一 つ の 有 機 体(Organismus)を. もた らす こ とを意 味 す る。 人 間 は 、そ の 人 間. の 権 利 と義 務 で も っ て そ の 有 機 体 の 内 に 存 続 す る し、 経 営 の 福 祉 と そ れ 自 体 は 、 こ れ ら 人 間 の 権 利 と義 務 が 果 され る こ と に 依 存 し て い る 」。 多 く の 同 時 代 の 著 者 達 と異 な り、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ は 、 始 め か ら 、 経 営 に お け る 共 同 労 働(Zusammenarbeit)の. 問 題 に 気 付 い て い る 。 し か し ニ ッ ク リッ シ ュは 、 管 理 的 労 働 と執 行 的 労 働(a-. usfuhrende Arbeit)と. の 間 の 対立 の 内 に. い;む. 「共 同 体 労 働(Gemeinschaftsarbeit)に. しろ この 対 立 は. 「 少 しも本 来 的所 与 や 不 可 避 的 な こ と」 を 認 め て い な よ って克 服 され うる。 そ の結 果 、. 規 範 的 思 考 は 、 そ の 共 同 体 労 働 に 内在 し 、 そ し て 外 部 か ら で な く 、 外 部 経 済 的 領 域 か ら こ の 共 同 体 労 働 に 持 ち 込 ま れ な い 、 経 営 的 な 創 造 活 動(Schaffen)か 現 わ れ る 。」(Sandig,1960, . ら生成 して くる経 営 経 済 学 の視 野 に 、. Sp.4103)。. ニッ ク リ ッ シ ュ経 営 共 同 体 の 経 営 経 済 的 な 見 解 は 、 そ の 経 営 共 同 体 の 二 つ の 部 分 局 面 に お い て 、 す な わ ち 、 給 付 共 同 体(Leistungsgemeinschaft)と. 収 益 共 同 体(Ertragsgemeinschaft)に. て 、 明 か に な る 。 しか も 幾 人 か の 私 経 済 学 の 代 表 者 達 、 特 に リ ー ガ ー(Wilhelm . お い. Rieger〔1878一.
(6) 1966〕)4)は 、 経 営 と経 営 共 同 体 と の 給 付 理 論 的 な 局 面 を 、 最 初 に 強 く拒 絶 し た 。 し か し 経 営 経 済 学 は 、 給 付 理 念 を 比 較 的 速 か に 受 け 入 れ た;実. 際 の と ころ 、 関 連 す る全 て の 著 者 達 が 、 経 営 的 な. 給 付 共 同 体 を ニ ッ ク リ ッ シ ュ と 同 じ様 式 で 強 調 す る こ と が な い に し て も 、 給 付 の 製 造 と 給 付 の 活 用 は 、 第 二 次 大 戦 後一. 価 値 創 造 、 生 産 性 お よ び 要 素 投 入 と結 び つ い て 一. 範 例 と な る(vgl. Josef Kolbinger,1960, . 経 営経 済 学 の 中心 的. Sp,3777 ff.)。. ニッ ク リッ シ ュ 経 営 経 済 学 は 、 収 益 共 同 体 に つ い て の 構 想 を 、 経 営 共 同 体 の 給 付 次 元 と 同 じ素 早 さ や 同 じ程 度 で な い に せ よ 、着 手 し 、受 け 入 れ る 。 経 営 収 益 の 分 配(Verteilung)に. 関するニ ッ. ク リッ シ ュ 学 説 は 、 ニッ ク リ ッ シ ュ経 営 共 同 体 の 見 解 の 論 理 的 帰 結 と 思 わ れ る 。 と りわ け 収 益 分 配 に つ い て の ニ ッ ク リ ッシ ュ学 説 の 二 つ 〔給 付 と収 益 〕 の 局 面 は 、 別 の 専 門 主 張 者 達 の 部 分 的 で は あ る が 、 激 し い 抵 抗 に ぶ つ か っ た 。 私 経 済 学(お. よ び 別)の. 益 分 配 構 想 を 、 公 正 性(Gerechtigkeit)の. 準)で. 要 請(公. に お け る 全 て の 協 働 者(Mitarbeiter)達. 代 表 者 達 は 、 ニ ッ ク リッ シ ュ の 収. あ る 、 と して 拒 絶 し た の で あ る 。 「 経営. は 、経 営 収 益 に 向 け て 創 造 活 動 す る 。 経 営 共 同 体 は...一. つ の 給 付 共 同 体 で あ り、 そ の 経 営 共 同 体 の 給 付 は 、 共 同 体 収 益 と 一 致 す る 一 つ の 共 同 体 給 付 で あ る 。 そ れ ゆ え 給 付 共 同 体 は 、 同 時 に 収 益 共 同 体 で あ る 。」(Sandig,1956, . Sp.1697)。. 収 益 分配 に. つ い て の ニ ッ ク リ ッ シ ュの 表 象 を 批 判 し た 幅 広 い 反 論 は 、 一 定 期 間 の 間 に 協 働 者 達 に 支 払 わ れ た 賃 金 と 給 料 に つ い て の ニッ ク リ ッ シ ュ の 見 解 の 内 に 、 す な わ ち 一 定 期 間 の 終 りに 従 業 員(Belegschaft)の. た め に 確 か め ら れ た 収 益 の 分 け 前 の た め の 分 割 払 い と み な す ニッ ク リッ シ ュ の 見 解 の. 内 に 、 か の も の(公. 正 性)を. 認 め た も の で あ る(Robert . Schweitzer,1936, . S.28)。 労 働 を 付 与 し. た 企 業 の 経 済 的 成 果 へ の 協 働 者 達 の 経 済 界 に 広 ま っ た 参 加(Beteiligung)は 半 期 に 、 た と え アッ ベ(Ernst Abbe〔1840-1905〕)の. 、 す で に19世 紀 第 二. よ うな 個 々 の 企 業 者 の 人 間 性 や シ ス テ ム の. 必 然 性 補 完 と し て 団 体 で 取 り決 め た 労 働 報 酬 と し て の 収 益 参 加 を 、 宣 伝 し 、 実 施 す る と し て も 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 批 判 者 の 拒 絶 を 進 ん で 修 正 さ せ よ う と し な か っ た(Eduard 110 f.)。 ア ッベ は 、す で に1897年1月28日. Gaugler,1982, . S.. で の か れ の 講 演 「大 工 業 で の 労 働 者 の 利 益 参 加 に つ い. て」 に お い て、 労 働 所 得 を 、 個 々 の 企 業 の繁 栄す る営 業 状 態 に 関 与 させ な い こ とを. 「は な は だ 不. 正 当 な こ と」 と見 な し て い た の で あ る 。. 3 構 想 の 基 礎 付 け. ニ ッ ク リッ シ ュ の 門 下 生 達 は 、 す で に1936年. に 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ 生 誕60年 記 念 論 文 集 を か れ に. 献 呈 し た 、 そ の 著 者 達 は 、 ニ ッ ク リッ シ ュ の研 究 〔著 書 〕 『前 進 へ の 道! . 組 織 一基 礎 付 け の た め. の 試 み 』 の 意 義 を 、 一 般 に は 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュの 科 学 的 著 書 の 理 解 の た め 、 特 殊 的 に は 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 経 営 共 同 体 構 想 の 理 解 の た め に 、 強 調 す る 。 そ の 第 一 版 は1920年 く も1922年. に 刊 行 され た。 第 一 版 の 序 文 で、 ニ ック リ ッシ ュは. 領 域 上 で は 、 組 織 問 題 で 満 さ れ て い る 」 と書 い た 。1922年7月 言 で は 、 か れ の 憂 慮 が 認 め られ る:す. なわ ち. 「 私の父国. に、第二版は、はや. 「 現代は、人間的生活のすべての の 第 二 版 で の ニ ック リ ッシ ュの 序. 〔ドイ ツ 〕 に お い て は 、 そ の 時 代 を 理 解.
(7) しな い 子 供 の 時 期 か ら何 も言 わ な い 多 数 の 紳 士 淑 女 が 依 然 と して 存 在 して い る 。 そ れ ど ころ か 、 や は り こ の 事 態 は 、 ま す ま す ひ ど くな っ た 。 諸 政 党 は 、 良 く解 ら ず に 対 立 し て い る 。 そ の 諸 政 党 が. 「政 治 を 行 う こ と 」 は 取 る に 足 ら な い と 、 い つ か 学 ぶ で あ ろ う と す る な ら 「一 部 の 国 民 は 、 対. 立 に 向 か う」 も の と な る 。 生 活 の 要 求 は. 「対 立 」 で な く、 む し ろ 「共 同 」 と い う内 容 で あ る 」。. ニ ッ ク リ ッ シ ュは 、 か れ の 基 礎 と な る 著 書[『 前 進 へ の 道!組 を 示 す5つ. の 章 に:す. 織 』]を 、 か れ が 次 の よ うな 表 題. な わ ち 、 物 質 、 人 間 、 組 織 と組 織 原 則 、 有 機 体 の 限 界 お よ び. 民 」 に 区 別 す る 。 ニ ッ ク リ ッ シ ュは 序 論 で 、 は や く も 〔以 下 の よ うに 〕 強 調 す る:す 織 と い う概 念 は 、 こ こ(著. 書)で. 「組 織 の 国 なわち. 「組. は 人 間 的 活 動 存 在 の 意 味 お い て 、 人 間 的 生 活 の 構 造 と 内 容 と解. さ れ て お り、 有 機 体 一 般 の 構 成 と生 活 と 解 さ れ て お ら ず 、 さ ら に 世 界 全 体 の 秩 序 付 け ら れ た 存 在 と決 し て 解 さ れ て い な い 。」(1922,S.1)。 い る:す. なわ ち. ニ ッ ク リ ッ シ ュは 、 か れ の 人 間 像 を 次 の よ うに 書 い て. 「 人 間 は 有 機 的 に 作 用 す る 力 で あ る;こ. の力 とは、 人 間 の 内部 に お い て 自己 活 動. 的 に そ れ 自身 で 自覚 し て い る こ と で あ る 、 そ れ ゆ え 人 間 は 精 神 で あ る 、 と 当 然 言 っ て 良 い で あ ろ う。 人 間 と は 、 精 神 で あ る 。 す べ て の 人 間 は 、 精 神 で あ り、 そ れ ゆ え す べ て の 人 間 は 一 つ 、 す な わ ち 人 類(Menschheit)で. あ る 、 とい う こ と を 、 人 間 は 、 人 間 自 身 自 ら 自 覚 し て い る 」(S.17)。. ニッ ク リッ シ ュ は 、 こ の 自 覚(Selbstbewusstsein)を. 人 間 の 良 心(Gewissen)と. み な す 。 ニッ ク. リッシ ュは 、 そ の よ うに理 解 した 良心 に つ い て 、 か れ の基 礎 とな る著 書 で、 そ の 良心 が 決 定 的 に 重 要 で あ る(S.18)、 (Einheit)の. と い う の で あ る 。 「人 間 は 、 良 心 に お い て 、 人 間 自 ら 、 よ り 大 き い 統 一 体. 肢 体 と し て 、 よ り大 き い 全 体 の 部 分 と し て 、 そ れ と 同 時 に 、 多 数 性 の 統 一 体 と し. て 、 異 な る 他 の 全 体 と 並 ん で 一 つ の 全 体 と し て 、 自 覚 し て い る 。」(S.17)。 ニッ ク リッ シ ュ は 、 人 間 の 欲 求 を 欲 求 充 足 の 叙 述 に つ き 、 次 の よ う に 確 認 さ せ る:す 「三 つ の 個 別 の 欲 求 は. なわ ち. 「人 間 」 と い う精 神 的 存 在 の 発 展 に と っ て は 、 他 の 何 よ り も ま ず 重 要 で あ. る 。 第 一 の 欲 求 は 、わ れ わ れ 人 間 を わ れ わ れ の 精 神 的 存 在 と して 維 持 す る 欲 求 で あ る 。_第 欲 求 は 、 人 類 に お い て(そ. れ と 同 時 に 宇 宙 に お い て)統. 欲 求 で あ る 。...第 三 の 欲 求 は 、 人 類 に お い て(ひ. 二 の. 一 的 に作 用 す る欲 求 、 す な わ ち 一 体 化 の. い て は 宇 宙 に お い て)秩. 序 的 に 作 用 す る欲 求 で. あ る 。 人 間 は 、 人 間 が 公 正 で あ る こ と に よ っ て 、 そ の 欲 求 を 充 足 し、 秩 序 的 に 作 用 す る 。 公 正 で あ る とい うこ とは 、 人類 の肢 体 と して 、 そ れ に ふ さわ しい事 物 が 、 人 間 に 関係 付 け る こ とを 意 味 し 、 そ れ が 人 間 的 意 識 で も っ て 人 間 的(道 -37). 徳 的)生. 活 の 基 礎 を 形 成 す る こ と を 意 味 す る 。」(S.35. 。 ニ ック リ ッシ ュは、 人 間 の欲 求 に 対 す る 考 え とそ の 人 間 の 欲 求 と結 び 付 い た そ の 動 機. (Motiven)に. 対 す る 考 え を 、1920年. と1922年 に 〔以 下 の 〕 言 明 で 解 説 す る:す. な わ ち 「わ が 国 の. 心 理 学 者 達 は 、 従 来 よ りか れ ら の 専 門 の 中 心 で あ る そ の 動 機 の 領 域 を 、 始 め か ら 、 そ の 人 間 に 向 け ら れ る べ き 注 意 を 払 う こ と な く、 取 り扱 っ て き た 。」(S.39)。. ニ ック リ ッシ ュ 自 ら、人 間 の動 機. 付 け に つ い て の か れ の 表 象 を 、 人 間 の 自 由 の 問 題 と結 び 付 け る 。 ニッ ク リ ッ シ ュは 、 シ ョ ー ペ ン ハ ウ ア ー(Arthur . Schopenhauer〔1785-1860〕)5)と. 引 き合 い に 出 し 、 な ら び に ニ ー チ ェ(Friedrich udolf Steiner〔1861-1925〕)6)の. カ ン ト(Immanuel Nietzsche〔1844-1900〕)と. Kant〔1724-1804〕)を シ ュ タ イ ナ ー(R-. 言 明 に 限 定 し て 、事 実 と して 〔次 の よ うに 〕確 認 す る:す. なわち.
(8) 「 人 間 は 、欲 求 と欲 求 の動 機 を 良心 に お い て評 価 す る ことに よ って人 間 とな る ので あ る。...わ れ われ 人 間 は 、 良 心 を 有 してい るが ゆ え に 、 自 由 で あ る;わ れ わ れ は、 良 心 を 有 して い る限 り、 自 由 で あ る。...人 間 は、人 間 が 人 間 の良 心 に お い て 、人類 行 為 の た めに 欲 求 と動 機 を 評 価 し うるの で 、 自 由で あ る。」(S.45)。 人 間 の 欲 求 と動 機 に つ いて の ニ ック リ ッシ ュの 考 え は 、 良 心 につ い て か れ に よ って 強 調 され た 自由 の結 び 付 き と同 じ く、 多 か れ 少 な か れ 、 個 人 主義 的 に形 作 られ た 人 間像 の 見方 と して解 釈 さ れ るか も知 れ な い 。 ニ ック リ ッシ ュは 、 人 間 的 行為 の諸 目的 の あ り うる多 様 性 を事 例 的 に表 象 す る こ とに よ って 、 上 の よ うな種 類 の 解 釈 に 反 対 す る;そ の こ とは 「社会 的有 機 体 に導 くこ とを統 合 し、共 同 して実 現 され る と言 って 良 い」(S.57)多 数 の 人 間 に あ って 、同様 の諸 目的 が存 在 す る こ とを排 斥 す る もの で は な い の で あ る。 「 比 較 的 多 数 の 、あ る い は きわ め て 多 くの人 間 」が共 同 し て活 動す る こ とに な る な ら 「 個 々の 有機 体 の拡 大 ま た は強 化 は 、 もはや 問題 で な く、 む しろ共 同 体 の 拡大 ま た は強 化 が 問題 とな る 。...こ こで は 共 同 体 の 意 志 は 、 原 因 が 目的 作 用 を 根 本 に お い て 、 そ して いか な る範 囲 に お い て果 す べ きか ど うか を 決 定 す る。 この意 志 は 、 構 成 員 の意 志 の総 和 で は な い が、 しか し全 く別 の意 志 で もな く、 この意 志 か ら異 な った も ので な く;む しろそ の 意 志 は 、似 た よ うな も の で あ る。...個 々 の意 志 は 、類 似 あ る い は 同様 の諸 目的 が 共 同 的 に 設 定 され る こ とに よっ て、 共 同体 の意 志 で あ る こ とを示 す 。」(S.58 f.)。 ニ ック リッ シ ュの経 営 共 同体 につ い て の表 象 の解 明 の た め に は、 か れ の 〔著 書 の 〕 一 般 的 な基 礎 付 け のそ の あ との一 節 が役 に 立 つ と思 わ れ る:す な わ ち 「共 同体 が 有 機 体 で あ るか 否 か とい う 論 争 が、 今 日文 献 上 に あ るが 、 そ れ は無 駄 な論 争 で あ る。 同 じ土 地 に 生存 し、 同 じ空 気 を 吸 うが 、 そ の外 に は 相 互 に 少 し も関 係 を 有 しな い人 間 の 偶 然 的 な 相 互 存 在 は 、 何 ら共 同 体 で は な い 。... 共 同体 は 、 と もか く究 極 的 な 肢 体 と して、 個 々人 か らな る有 機 的 な 全 体 と考 え ら れ うる の で あ る。...こ の よ うに して あ らゆ る共 同 体 は 、有 機 体 で あ る こ とが 明 らか に な る。」(S.60)。 ニ ッ ク リッシ ュは この 言 明に 、 も と よ りニ ック リッ シ ュの経 営 共 同 体 の 構 想 を巡 る議 論 に 際 して観 察 さ れ うる所 感 を 〔以 下 の よ うに 〕 付 け 加 え る:す な わ ち 「しか し 「共 同 体」 とい う用 語 の 多義 性 か ら依 然 と して 異 議 が 唱 え られ た 。 そ れ ゆ え この 共 同体 の表 現 に 用 い られ る諸 関 係 は 、 どれ ほ ど多 様 で あ る こ とで あ ろ う。」(S.60)。 ニ ック リッ シ ュの こ の論 評 は 、 ニ ック リ ッシ ュの共 同体(そ. れ と共 に ま た経 営 共 同体)の 表 象. を二 つ の 専 門 的様 式 で 補 完 す る こ とを 思 い 付 か せ る。 まず 第 一 に 、 ニ ック リ ッシ ュは 、か れ の共 同体 構 想 の厳 密 な 関 連 付 け を 「分業 とい うか な り重 要 な問 題 」(S.85)と. して強 調 す る、そ れ ゆ え. ニッ ク リッシ ュは そ の 関 連 付 け を 「分 業 は 、共 同体 生 活 の現 象 で あ り、 しか も最 も重 要 な現 象 の 一 つ で あ る」(S .87)と 特 徴 付 け て い る。 そ の際 、 ニ ッ ク リッ シ ュは 「人 間 的活 動 の 限 界」 を... 「機 械 の王 国 に」 関 連 させ る:す な わ ち 「た い て い の場 合 に労 働 速 度 を も決 定 す る機 械 との 結 合 に お い て さ らに い つ もす で に行 わ れ て い る一 部 の動 作 のみ を 多 数 の人 間 が な お 遂 行 しな け れ ば な らな い とす る な ら、 そ の 場合 、労 働 の この最 終 の余 剰(letzter Rest)を. も、人 間 の 身 体 か ら機 械. へ 移 転す る設 備 を設 計 す る技 術 者 に と って の全 盛 期 が 存 在 す る こ とに な るの で あ る。」(S.87)。.
(9) ニ ック リッシ ュが 「 有 機 体 の限 界 」に つ い て の 章 に お い て 「(精神 的 存在 と して の)自 己 自 身 に 対 して 、家 族 、 国民 お よび 人類 に対 して」 個 々人 の諸 義 務 を 強調 す る こ とは 、や は り注 目に 値 い す る;そ の義 務 は 「人 間 の も とで一 致 す る...に 違 い な い」(S.110)。 ニッ ク リッシ ュは 「 苦 難の時 代 に お い て も」 そ の よ うな諸 義 務 の間 に争 い が 発 生 し うる こ とを 事 例 を挙 げ て説 明す る(S.111)、 そ して そ の後 で 〔次 の よ うに〕 続 け る:す なわ ち 「 諸 義 務 の 争 い の筋 道 は 、 良心 に見 出 され る。 そ の よ うに して様 々 な共 同体 に対 して、 人 間 の帰 属 を指 し示 す 境 界 は 、個 々人 の意 識 に あ り、 そ の 人 間 の 良 心 を通 して 現 れ る。 そ の境 界 は、 良心 が存 在 す る と こ ろは ど こに で もあ る;人 間 に は、 義 務 の 争 い な しで は全 く済 ま され な い 、 そ の争 い に お い て、 精 神 的存 在 と して 自己 を主 張 しな い 者 は 誰 で も、そ の 人 間性 を失 うの で あ る。...個 々人 の意 識 の 中 で 、義 務 と権利 が対 立 して い る こ とは 、 共 同 体 の徴 候 で もあ る 。」(S.112)。. 4 構 想 の 対 立 と見 通 し. ニ ック リ ッシ ュの 基 本 著 書 の 幾 つ か の 本質 的 と思 わ れ る見 方 につ いて 既 に 前 も って 行 った 概 観 は 、 か れ の経 営 共 同 体 に つ い て の 構 想 が 、 か れ の 多方 面 に わ た る学 問 的 諸 活 動 に あ って 、 少 し も 偶 然 的 な 産 物 で な か った こ とを 、 気 付 か せ る。 人 は 、 この著 書 の(副 題)『 基 礎 付 け の た め の 試 み 』 の中 に、 ニ ック リ ッシ ュの 著 書 の 成 立 期(立 憲 君 主 政 の最 終 段 階 、第 一 次 大 戦 、 戦 後 数 年 、 ワイ マル 共 和 国)の 間 、 政 治 的 、 社 会 的 お よび 経 済 的 な 混 乱 と忌 ま わ しい事 態 に お いて 、 新 しい 経 済 的 な部 分 学 科 目に つ いて の基 礎 、 つ ま り経 営 経 済 学 に つ い て の 基 礎 を 見 出 そ う とす る 著 者 〔ニ ック リ ッシ ュ〕 の努 力 を 見 て取 る こ とが で き る し、〔しか も〕そ の基 礎 は 、個 別 経 済 的 な 事 態 に尽 き た もの で な く、 む しろ社 会 的 、 全 体 経 済 的 な実 情 に 対 応 した もの で あ る 。私 経 済 学 の 構 想 との対 立 は 、 そ の よ うな性 質 に規 定 され た発 想 に とっ て、 避 け られ な か った 。 そ の 上 「1933年 に …経 営 共 同 体 の理 念 が 、政 治 的 領 域 に 引 き出(さ れ)...そ 験 した)」(Sandig,1956, . Sp.788)と. して そ の 際 〔理 念 が 〕浅薄 性 を(経. して も(か また は 正 し くそ うで あ った の で?)、 この 発 想 の. 倫 理 一規範 的 な 次 元 を 単 に批 判 的 に取 り扱 わ な か った学 者 の数 が 、 依 然 と して 限 られ て い た こ と が 、容 易 に 推 測 で きた の で あ る 。「経 営 共 同 体 」 とい う用 語 の本 物 の理 念 と軽 率 な使 用 とは 、至 る 所 で...互 い に 対決 した。 そ の た め そ の経 営 共 同体 の理 念 は、 不 信 の 状 態 に 陥 った の で あ る。 ニ ック リ ッシ ュ と経 営 経 済 的 な 大 学 教 授 の 職 に あ る幾 人 か の ニ ッ ク リ ッシ ュ門 下 生 達 は 、 第 三 帝 国 の開 始 数 年 に おい て 、 ニ ック リ ッシ ュ生 誕60年(1936年)の. た め の記 念 論 文 集 で の寄 稿 が 示. す よ うに 、 国家 社 会 主 義 の世 界 観 や 経 済 解 釈 と ニッ ク リ ッシ ュ学 説 との一 致 を強 調 し よ う と努 め た(vgl. Dieter Schneider,1985, S.144 f..; Eduard Gaugler,1998, S.23)。 確 か に それ は そ う だ が、 そ の場 合 で も 、 例 え ば 、1934年1月20日 nationalen Arbeit)に. の 国 民 労 働 秩 序 法(Gesetz zur Ordnung der. おけ る経 営 共 同 体 の概 念 は 、 ニ ック リ ッシ ュの 理解 と一 致 しな か っ た こ と. を示 した の で あ る。 概 念 的語 彙 の この食 い違 い と多 くの経 営 に おけ る共 同 体 体 験 の 実 際 的 な 経 験 とは 、 第 二 次 大戦 の崩 壊 に 際 して と戦 争 直 後 数 年 の再 建 に 際 して 、 経 営 共 同 体 の 概 念 と ニ ッ ク.
(10) リッ シ ュ に よ っ て そ の 概 念 と結 び 付 け ら れ た 一 連 の 表 象 と が 、 国 家 社 会 主 義 の 崩 壊 後 、 経 営 経 済 学 か ら全 く消 滅 し な か っ た こ と に 、 役 立 っ た と 言 っ て 良 い の で あ る 。 言 うま で も な く、 そ れ に 相 応 し い 著 者 の 数 は 、 依 然 と し て 少 な か っ た の で あ る;そ. の 際 、20年 代 や30年 代 に お け る科 学 的 経. 営 経 済 学 の対 象 と し て の 経 営 共 同 体 に つ い て の ニ ッ ク リッ シ ュへ の 指 摘 や か れ の 門 下 生 達 の 取 り 組 み に つ い て の 指 摘 も 、 第 二 次 大 戦 後 の10年 間 に お い て は 、 ほ と ん ど存 在 し な か っ た 。50年 代 半 ば か ら、 人 は 、 経 営 経 済 学 の 歴 史 的 発 展 を 取 り扱 う専 門 文 献 中 に 、 再 び 通 常 的 に ニ ッ ク リ ッ シ ュ に 出 会 う よ う に な っ た;そ. の 際 し ば し ば 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ経 営 共 同 体 の 構 想 も 指 摘 さ れ る 。 ニ ッ. ク リッ シ ュ の 門 下 生 達 は 、 第 二 次 大 戦 後 と1946年. の ニ ック リ ッシ ュの死 後 に、 経 営 共 同体 の学 説. を 異 な っ た 強 度 で 手 掛 け た 。 ニ ッ ク リ ッ シ ュ 生 誕60年 記 念 論 文 集 へ の 寄 稿 に お い て 国 家 社 会 主 義 思 想 へ の 関 連 を 特 に 強 調 し た レス レ(Karl Rossle)は. 、か れ の教 科書. 『一 般 経 営 経 済 学 』 に お い. て 、 か れ の 大 学 の 先 生 〔ニ ッ ク リッ シ ュ 〕 を 経 営 経 済 学 の 歴 史 の 叙 述 に 際 し て の み 言 及 す る(19 48,S.12 . f.);従. っ て 人 は 、 経 営 共 同 体 と い う見 出 し語 を こ の 教 科 書 に 捜 し て も 無 駄 で あ る 。. 一 方 そ れ に 対 し て 、 ザ ン デ ィッ ヒ(Curt Sandig)は 論 文 集 で、経 営 を. 「 経 営 共 同 体 の 組 織 単 位 」 と み な し た(1936,S.40)、. よ っ て 創 刊 さ れ(ザ 集 さ れ)た. イ シ ャ ー プ(Seischab)と. I,1956, . の定 評 あ る著 書. か れ は ニッ ク リッ シ ュに. シ ュ ヴ ァ ン タ ー ク(Karl Schwantag)に. 『 経 営 経 済 辞 典 』1926-1929年. は な い(Band . 、既 述 の 記 念 論 文 集 に 同 じ く参 加 し 、そ の. よ って編. の 第 三 版 で 、 関 連 す る 見 出 し語 の み を 取 り扱 った の で. Sp.786, Band Ⅲ,1960,Sp.4102ff.);〔. 『経 営 経 済 政 策 』(2. Auflage . 1966)の. そ の 後 〕 ザ ン デ ィッ ヒ は 、 か れ 中 の 多 数 の箇 所 で 、 ニ ッ ク リッシ ュの. 著 書 へ の 関 連 を 明 確 に 取 り上 げ た し、 経 営 共 同 体 の構 想 の 一 方 の 見 方 に つ い て 繰 り返 し 意 見 を 述 べ た の で あ る 。 〔しか し〕 サ ン デ ィッ ヒ は 、 グ ー テ ン ベ ル ク(Erich Gutenberg〔1897-1984〕)に 譲 歩 し て 〔以 下 の よ う に 〕 容 認 す る 、 す な わ ち 「労 働 す る 人 間 の 集 団 は 、 そ の 集 団 が 非 公 式 な 種 類 の 人 間 の 関 係 に お い て の み 認 め られ る 限 りで は 、 経 営 経 済 学 の 一 貫 し た 構 築 の た め の 中 心 的 な 基 準 点 を 自ず と 形 成 す る こ と は で き な い 。 経 営 共 同体 を 出 発 点 や 基 準 点 と し て 選 択 す る と い う、 1938年 の ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 労 働 に 関 す る 独 特 の 試 み7)は 、 や は り不 適 切 で あ る こ と が 判 明 し た 。」 (1966,S.42)と. す る 。 ザ ン デ ィッ ヒ は 、 別 の 箇 所 で 、 様 々 な 労 働 諸 力 の組 み 込 み を. 「個 々 の 人. 間 の 自 由 な 人 格 に 強 制 を 加 え る こ と な し に 、 人 事 政 策 の 経 営 に 向 け ら れ た 目標...」(1966,S.15 8)と. み な す 。 そ れ か らザ ン デ ィ ッ ヒ は 〔以 下 の よ うに 〕 付 け 加 え る:す. なわち. 「そ の こ と か ら 、. 共 同 体 、 経 営 共 同 体 が 成 立 す る か ど うか は 、 主 と して 共 同 目 標 へ の 経 営 構 成 員(Betriebsangehrigen)の. 同 じ方 向 に 働 く意 志 の 問 題 で あ る 」。 人 が も し、 ザ ン デ ィッ ヒ の 意 見 o 表 明の内に、ニ ッ. ク リッ シ ュの 経 営 共 同 体 に つ い て の 一 層 自 主 的(spontan)に を認 め よ うとす る場 合 、 ザ ンデ ィ ッヒが も って 、 かれ の 先 生. 作 用 す る 叙 述 に 対 し て 、一 定 の 留 保. 「共 同 目標 へ の 経 営 構 成 員 の 同 じ 方 向 に 働 く 意 志 」 で. 〔ニ ッ ク リ ッ シ ュ 〕 の こ の 経 営 共 同 体 に 関 す る表 象 に 直 接 的 に 結 び 付 け る こ. とを 、 人 は 見 落 して は な ら な い の で あ る 。 ニッ ク リ ッ シ ュ門 下 生 仲 間 の 外 で は 、 と りわ け メ レ ロ ヴ ィ ッ ツ(Kondrad 1984〕)と. フ ィ ッ シ ャ ー(Fischer〔1899-1983〕)が. Mellerowicz〔1891-. 、す で に 終 戦 後 の早 期 に 、 か れ ら の経 営 経 済.
(11) 学 へ の構 想 に お い て、 経 営 共 同体 の思 考 に特 別 の注 意 を 払 って い た 。 メ レロ ヴ ィ ッ ツは 、 か れ の 教科書. 『一 般 経 営 経 済 学 』(1948)の. 第六 版 に お い て. 「 三 つ の 経 営 的 生 産 諸 要 素 」:す な わ ち 、 人. 間 、 資 本 、 組 織 を 表 象 す る(Erster Band, S.92)。 か れ は そ れ に つ い て 説 明 す る:す. なわち 「 経 営. と は 、 も は や 必 ず し も 職 場 の み で な く、 給 付 生 産 の た め の そ の 経 営 の 活 動 に お け る 共 同 体 の す べ て で あ る 。」(S.93)。 批 判 す る;か. れは. か れ は 、 資 本 主 義 と 社 会 主 義 の 〔関 係 〕 理 解 を 、 企 業 者 と労 働 者 の 役 割 か ら 〔次 の 〕 言 明 で も っ て 、 ニ ッ ク リッ シ ュ の 理 解 に 非 常 に 近 く な る:す. 「経 営 の 共 同 体 は 、 確 か に 大 規 模 な 国 民 共 同 体 の 一 部 分 に 過 ぎ な い;本. なわ ち. 物 の経 営 共 同体 は 、 さ ら. に 真 実 の 国 民 共 同 体 の 最 も 確 実 な 基 礎 付 け で も あ る 。 そ の こ と は 、 経 営 か ら、 そ の 最 終 的 な 意 義 を 国 家 に 有 し て い る 有 機 的 な 単 位 を 作 っ て い る 。」(S.94)と フ ィ ッ シ ャ ー も 、 既 に1929年. に個別研究書. す るの で あ る。. 『経 営 に お け る 人 間 と 労 働 』 に お い て 、 経 営 的 給 付. 過 程 の中 へ の人 間 の投 入 で も っ て、 か れ の特 別 の方 向付 け を表 現 した し、か れ の教 科 書 営 経 済 学 』(6,Auflage . 1952)に. の 〕 確 認 が 見 出 さ れ る:す れ て い る)信. おいて. 『一 般 経. 「 経 営 共 同 体 」 と い う独 自 の 章 を 設 け た 。 そ の 章 に は 〔次. な わ ち 「(職員 の 内 部 お よ び 職 員 と企 業 者 の 間 、欧 州 共 同 体:が. 考 え ら. 頼 関 係 と 共 通 の 共 同 責 任 は 、 本 物 の 経 営 共 同 体 の 根 本 的 な 支 柱 で あ る 。」(S.99)。. フ ィッ シ ャ ー は 、 か れ の 教 科 書 の 後 の 諸 版 に お い て 、 そ の 章 を 拡 大 し 、 こ の 章 を 二 つ の 節:「 営 に お け る人 間 的 関 係 」 と. 「 共 同 決 定 と 経 営 協 議 会 」 に 区 分 し た(10. . Auflage . 経. 1964)。 フ ィッ. シ ャ ー は 、 こ の 二 つ の 節 の 第 一 節 に お い て 、 と りわ け 人 間 尊 厳 、 友 愛 、 集 団 形 成 、 人 間 管 理 、 経 営 的 パ ー トナ ー シ ャ フ ト(労 使 共 同)の. よ う な 見 出 し 語 を 取 り扱 っ た 。 フ ィッ シ ャ ー は 、 か れ の. 「経 営 に お け る パ ー トナ ー シ ャ フ ト」 の 構 想 を 、 同 一 名 の 個 別 研 究 書 に お い て 包 括 的 に 表 象 し た;そ. の際 か れ は. た(1955,S.33)。. 「経 営 共 同 体 の 精 神 的 紐 帯 を 経 営 的 パ ー トナ ー シ ャ フ トの 基 礎 付 け 」 と み な し フ ィ ッ シ ャ ー の い う パ ー トナ ー シ ャ フ ト構 想 は 、 一 方 で 、 ニ ッ ク リ ッ シ ュ の 経. 営 共 同 体 の 理 解 に た び た び 非 常 に 近 付 く の で あ る; 上 で 書 き 留 め る よ う に ニッ ク リ ッ シ ュ は 、 と く に ドイ ツ理 想 主 義 を 拠 り所 と す る(vgl. Tetsuhiko Mori,1999, . S.221 ff.)の. し て 、 フ ィ ッ シ ャ ー は 、 他 方 で 、 か れ の 経 営 経 済 学 に カ ト リ ッ ク 社 会 学 の 社 会 諸 原 理(人 連 帯 性 原 理 お よ び 補 完 性 原 理)の. 受 容 を も っ て 、 レ ー エ ル マ ン(Thomas . 存 在 論 的 な 発 想 」 と み な す(1999,S.171 . ff.;. vgl. auch Thomas . Rehermann)が. Langner,1996)基. に対 格原理、 「社 会. 礎 を与 える. の で あ る。 フ ィ ッシ ャー とニ ッ ク リ ッシ ュは かれ らの社 会 哲 学 的 な 基礎 付 け に お け る相 違 に も か か わ ら ず 経 営 共 同 体 な い し経 営 的 パ ー トナ ー シ ャ フ トで の か れ ら の 取 り扱 い が 示 す よ う に 、 経 営 経 済 学 の 倫 理 一 規 範 的 な 方 向 な い し 共 同 体 志 向 的 な 方 向 に(Gertraude 128)関. 係 付 け られ る(Fritz Schonpflug,1932/1954)。. Krell,1999, . S.. ニッ ク リッ シ ュ と の 関 係 付 け は 、 こ の 意. 味 に お い て 、 依 然 と し て 大 き な 矛 盾 で あ る(vgl. Schneider,1985, . S.140)。. フ ィ ッ シ ャ ー の 経 営 的 パ ー トナ ー シ ャ フ トの 理 解 と ニッ ク リ ッ シ ュ の 経 営 共 同 体 構 想 と の 部 分 的 一 致 は 、 は っ き り と し て い る 。 ク レ ル(Krell)は 関 す る研 究 に お い て. 、 彼 女 の 『共 同 体 化 す る 人 事 政 策 』(1994)に. 〔次 の よ うに 〕 説 明 し た 、 す な わ ち 、80年 代 初 頭 以 降 、 強 ま る 普 及 を 見 出 す. 「 企 業 文 化(Unternehmenskultur)一. 発 想 も、 さ らに. 「労 使 共 同 体(Werksgemeinschaft)」. ない.
(12) し 「経 営 共 同 体 」 の 構 想 と一 致 す る 一 連 の 構 成 要 素 を 持 っ て い る 、 と 。 彼 女 は 、 た だ し 〔次 の よ うに 〕 確 認 す る:す. なわ ち. 「「企 業 文 化 」 の 演 出 は 、 「 パ ー トナ ー シ ャ フ ト」 構 想 か ら の 脱 落 、 後. 退 と 評 価 さ れ る 必 要 が あ る 」(1994,S.285)。. 企 業 一 文 化 な い し 組 織 一 文 化 の 構 想 が 、 ニ ッ ク リッ. シ ュの 経 営共 同体 の表 象 に比 べ て、 さ ら に ど の程 度 まで 劣 って い て 当 を 得 な い か が 、吟 味 され る で あ ろ う。 同 様 の 反 省 は 、 数 年 以 降 、 新 た に 討 論 さ れ た 「 共 同 企 業 者(Mitunternehmer)」. −構想. に 対 して も 、 望 ま し い で あ ろ う(vgl, Gaugler,1999)。. 5 労 働 法 に お け る 経 営 共 同 体. ニッ ク リッ シ ュ 自 ら 既 に 上 で 述 べ る よ う に 一. 共 同 体 概 念 の 多 義 性 に 言 及 した し 、 そ の 際. と りわ け 、 法 律 上 の 次 元 を も 〔次 の よ う に 〕 論 じ た:す 体 」(物 権 と同 じ く債 権)で. も 変 わ ら な い:法. なわ ち. 「そ の こ と は. 「 法 律 に 関 す る共 同. 律 に 関 与 す る 人 々 は 、 そ の よ うな 意 味 で 、共 同 体 を. 少 し も 形 成 し な い が 、 こ の 特 別 な 場 合 の 法 律 関 係 を も秩 序 づ け た 人 々 の 構 成 員 は 、 そ の 共 同 体 で あ る 。」(1922,S.60)。. と りわ け 労 働 法 が と く に 第 二 次 大 戦 後 の 時 期 に ドイ ツ 連 邦 共 和 国. に お い て 、 た い て い は そ れ で もや は り ニッ ク リッ シ ュ の こ の 経 営 共 同 体 に 関 す る 構 想 を 参 照 す る こ と な く、 経 営 共 同 体 の 概 念 を 繰 り返 し 取 り扱 う こ と は 、 そ れ ほ ど 意 外 で は な い 。 個 別 労 働 法 (Individualarbeitsrecht)と. 経 営 組 織 法(Betriebsverfassungsrecht)と. の 間 の相 違 は 、 経 営 共 同. 体 に つ い て の 法 律 上 の 言 明 が 、 ニッ ク リッ シ ュ の 表 象 と ど の 程 度 ま で 一 致 す る か とい う再 検 査 に ょ っ て 、 示 され て い る 。 使 用 者 と個 々 の 被 用 者 と の 間 の 労 働 協 約 が 、 個 別 労 働 法 の 中 心 に 位 置 し て い る 。 ツ ェ ル ナ ー (Wolfgang Zollner)は と 同時 に. 、 雇 傭 関 係(Arbeitsverhaltnis)の. 〔次 の こ と を 〕 強 調 す る:す. なわち. 「 人 的性 格」 を強 調 して 示 す が 、そ れ. 「雇 傭 関 係 は 、 あ る 種 の 従 属 の 性 格 を 有 し て い る 。. そ れ で 、 被 用 者 は 、 多 く の 別 の 法 律 関 係 の パ ー トナ ー よ り一 層 強 く 、 使 用 者 の 一 方 的 な 決 定 権 に 従 属 さ せ ら れ て い る こ と が 、 意 味 さ れ て い る 。」(1983,S.129 . f.)。 人 は 、 こ の 被 用 者 の 服 従 を 、. ツ ェル ナ ー の い う よ うに 、 確 か に 過 大 評 価 し て は な ら な い が 、 そ の 服 従 は 、 雇 傭 関 係 を 共 同 体 関 係 とみ な す こ と を 、 不 適 切 と 思 わ さ て お く 「典 型 形 成 の 実 体 」 で あ ろ う。 ツ ェル ナ ー は 、 使 用 者 と 被 用 者 が 「一 連 の 共 同 利 害 関 係 に よ っ て 」結 び 付 け ら れ て い る こ と を 無 視 し な い 。 「しか し こ の 共 同利 害 関 係 は、 雇 用 関 係 の対 象 か また は 目的 で は な いの で、 共 同体 の法 律 概 念 を 根 拠 付 け る こ と に 役 立 た な い 」。 ツ ェ ル ナ ー は 、 こ の 考 え を 次 の よ うに 補 足 す る:す. なわち 「 被 用 者 が 、通 常 の. 場 合 の よ うに 、 経 営 に 参 加 す る 限 り で は 、 被 用 者 に と っ て も 、 経 営 の 肢 体 と し て の 地 位 は 重 要 で あ る 。 そ の 地 位 は 、 経 営 組 織 法 の 規 定 に よ っ て 、法 律 上 、 形 成 さ れ て い る 。...こ の 法 律 上 の 規 制 は 、(使 用 者 を 含 む 、 か ま た は 使 用 者 を 含 ま な い)経. 営共 同体 につ い て述 べ る こ とを、 どの 程 度 ま. で 正 当 化 す る か は 、 疑 わ し い 。」(1983,S.130)。 幾 人 か の 著 者 達 は 、 こ の 慎 重 さ を 、 集 合 労 働 法(kollektives Arbeitsrecht)で い に 際 して 、1952年. の か れ ら の 取 り扱. の経 営 組 織 法 の注 解 で 、 既 に 弱 め たか 、 な い しは止 めて しま った 。 この こ と.
(13) は 、 ガ ル ペ リン(Hans Galperin)が. 、 も し経 営組 織 を 「 全 体 の利 害 と欲 求 に 関 連 させ た 経 営 的価. 値 創 造 共 同 体 の 法 秩 序 と」 理 解 す るな ら、 ニ ック リッシ ュの構 想 にず っ と近 付 くガル ペ リンに 、 特 に 当 て は ま る。(1953,S.71)。 ガル ペ リンが 、 か れ の 注 解 に お い て 、 次 の よ うに 定式 化 す る場 合 、 ニ ック リ ッシ ュの表 象 との 一 致 が さ らに 明 か に な る:す な わ ち 「経 営 共 同 体 は 、運 命共 同性 、利 害 共 同 性 、 目標 共 同性 、 そ して もち ろ ん 労 働 共 同 性 に よ って結 び 合 わ され た 多数 の 人 々 で あ る。 人 は 、 そ の経 営 共 同体 を 、 法 律 教 義 的 に新 種 で 独 自の 法 的 な 利 害 共 同 体 、 危 険 共 同体 お よび機 能 共 同体 と して 理 解 して 良 い で あ ろ う...そ して この意 味 に お い て 、法 律 関 係 と理 解 して 良 い で あろ う。」(1953,S.72)。 ペ リンは 、1952年 の ドイ ツ経 営組 織 法 の 一 定 の 規 定 に 関 して 〔次 の よ うに 〕 続 け る:す. ガル なわ ち. 「仮 に 人 が 、経 営 共 同 体 を 、 この よ うな 意 味 で 、 自律 的 に法 制 定 で き る共 同 体 とみ なす つ も りで な く、 む しろ 経 営 の 共 同 体 秩序 を 双 方 の 経 営 パ ー トナ ー の幾 つ か の意 志 に よ って 生 じる規 則 に還 元 す るつ も りか...ま た は独 自 の法 的 な合 意 の方 法 で 契 約 に よ らな い 二者 の構 成 員 の 共 働 に 還 元 す る つ も りで あ る と して も、 そ れ で も 〔以 下 の こ とを〕 見 落 す こ とは で きな い、 す なわ ち 、経 営 共 同 体 に お い て 、使 用者 の た め に立 法 者 の 意志 に従 っ て、お よび経 営 の全 被 用 者(Arbeitnehmerschaft)の 機 関 に 従 って 、経 営 と一 般 性 の 福 祉 の た め の 共 働(49条1項)な 係 の調 整 の た め の 共 働(72条2項)が. らび に そ れ ら の利 害 関. 、 そ れ らの 分離 運 動 の徹 底 した 制 限(49条2項)が. び 特別 の経 営 的 な 協 調 地 位 の承 認(50条)が. 、 必 要 とさ れ る。」(1953,S.72 . 、お よ. f.)。 ガル ペ リソは 、. 連邦 議 会 印 刷物3585号 の 指 示 で も って 、 そ こに 「 通 常 の法 律 関係 を下 回 る共 同(仲 間)に. おける. 経 営 組 織 の パ ー トナ ーに 、共 同 体 を 示 す パ ー トナ ー地 位 」 に つ い て の証 拠 を 認 め る(1953,S. 73)。 ニ ッ ク リ ッシ ュの経 営 共 同体 に 関 す る 構 想 との 本質 的 な一 致 を ドイ ツ連 邦 共 和 国 に お け る集 合 労働 法 の経 営 に 関 係 した 部 分 に お い て 、 今後 も認 識 す る こ とを可 能 に す る経 営 組織 の 基 礎 付 け は、 1972年 の経 営 組 織 法 の追 加条 項 に あ っ て 、逆 方 向 に進 も うとす る企 てに もか か わ らず 、 維 持 され 続 け た の で あ る 。 そ れ ゆ え この意 味 に お い て 、 ガ ル ペ リンも ま た、1972年 の経 営 組 織 法 の注 解 に 際 して 、 か れ の 以 前 の経 営共 同体 の考 え を 〔次 の よ うに〕 補 足 し 、 深 め る こ と が で き る の で あ る:す なわ ち 「 経 営 共 同体 の概 念 は 、 そ の 頃大 い に議 論 され た ドイ ツ帝 国裁 判 所 〔1879-1945〕 の部 分 ス トライ キ判 決 文 に お い て初 め て 姿 を現 わ し、...さ らに ドイ ツ帝 国労 働 裁 判 所 〔1926-1 945〕 か ら生 じた 「社 会 的 な 労 働 共 同 体 と経 営 共 同 体」 の 法律 思 想 の 基礎 付 け に な った」(1975, S.72)。 ガル ペ リ ンは、 経 営 共 同 体 を 「 統 合 理 論 」 に 基 づ い て展 開 した指 導 像 」 とみ な し、そ の経 営 共 同体 は 「 法 律 上 の個 人 で もな く、私 法上 の意 味 に お い て 、権 利 能 力 もな く、 さ らに 財 産 能 力 も な い」 と書 き留 め る。 「そ の経 営 共 同体 の法 律 上 の本 質 は、教 義 的 に 盛 ん に 議 論 の 対 象 とな っ て い る。」。 1972年 の経 営 組 織 法 の そ の他 の注 解 者 達 は 、仮 にか れ らが 前 述 の ガル ペ リンの よ うに 同 じ方 法 と強 度 で 、 そ の経 営組 織 法 に意 見 を述 べ な い と して も、 この見 解 を確 認 す るの で あ る。 デ ィー ツ (Rolf Dietz)は 、1952年 の経 営組 織 法 に 対 す るか れ の注 解 に お い てす でに 〔次 の よ うに 〕強 調 す.
(14) る:す なわ ち 「経 営 は 、経 営共 同体 と同 一 で は な い が...経 営 は 、労働 法上 、経 営 共 同 体 の 基礎 付 け と枠 組 み と して の み 重 要 で あ る に過 ぎな い。 そ れ ゆ え 経 営 が前 もっ て存 在 す るか ど うか は 、全 く疑 わ しい 問題 で あ り、 単一 の経 営 共 同 体 、 す なわ ち 単 一 の従 業 員 が 存 続 す るか ど うか が 、決 定 的 に 重 要 で あ る」(1953,S.64)。 人 々(Personen)(を. デ ィ ー ツは 「経 営 共 同 体 は 、 経 営 に お い て 活 動 す る す べ て の. 包含 す る)」 と補 足 して書 き留 め る(1953, S.87)。 デ ィー ツ と リ ヒアル デ ィ. (Reinhard Richardi)は. 、1972年 の 追 加 され た 経 営組 織 法 に対 す る 注 解 に お い て 「経 営 協 議 会. は 、従 業 員 の代 表 者 に過 ぎず 、 経 営 の機 関 な い し経 営 共 同体 の機 関 で もな い 」 と引 用 した 箇 所 を 明確 に す る(1973,S.73)。. デ ィー ツ と リ ヒア ル デ ィは、経 営 組 織 〔法 〕の 他 の注 解 者 達 と一 致 し. て 〔次 の よ うに〕 確 認 す る:す な わ ち 「 使 用 者 と経 営 協 議 会 に機 関 と して 嵌 め 込 まれ て い る よ う な上 位 に 置 かれ た経 営 団体 は、 しか し法 律 上 存 続 しない 」。デ ィー ツ と リヒア ル デ ィは 、そ れ で も や は り、 経 営共 同体 は 「経 営 に お い て活 動 す る すべ て の人 々を 、従 業 員構 成 員 の 他 に 、 この 〔経 営 組 織 〕 法 の意 味 にお い て 使 用 者 を も、 そ して そ の法 律 上 の代 表 者 を 、 な らび に5条2項. で述 べ. られ た 人 々を 、 そ して と りわ け 指 導 的 な雇 傭 者 を も」 包 含 す る、 と明確 に 言 及 す る(1973,S.18 0)。 ホ イ ニ ン ゲ ンー ホ イ ネ(Gerrick von Hoyningen-Huene)は 教 科 書 に お い て、 注 目す べ き指 摘 を さ ら に 〔次 の よ うに〕示 す:す. 、経 営 組 織 法 に つ い て の かれ の なわ ち 「た とえBAG(連. 邦労. 働 法 、 欧州 共 同体)が 、 す で に 早期 に被 用 者 相 互 の責 任 と関連 して、 同 じ経 営 に お け る労 働 が 、 単 に 社 会 学 上 の現 象 と して で な く、被 用 者 相 互 の多 か れ 少 なか れ 密 接 な共 同体 関係 を、 一 定 の法 律 効 果 で もって 達 成 し、 また は被 用 者 相 互 の連 帯 性 を存 続 す る とい う こ とを 施 行 した と して も、 この施 行 は 、実 行 可 能 な 市 民法 的責 任 に と って のみ 相 互 に有 効 で あ るが 、 経 営 組織 法 的 意 味 に お いて は有 効 でな いの で あ る」(1993,S.63)。 経 営 共 同体 の 概 念 は 、新 しい 労働 法 上 の 文 献 に お い て は、 一 般 に 今 だ ほ と ん どあ ま り注 目され て い な い。 〔しか し〕 ヴ ィ ーゼ(Gunther Wiese)は に1996年2月. 、例 外 を成 して い る、す なわ ち、 かれ は 、特. の マ ンハ イ ム 大学 に おけ るか れ の退 任講 義 に おい て 、 労 働 法 的 な 視 点 の 下 で 、 経 営. 共 同 体 を詳 し く取 り扱 った し、 そ の際 、50年 代 の ガ ル ペ リンの 意 見 発 表 に 対 して 、 看 過 しえ な い 対 比 を 際立 た せ た(vgl. Wiese,1996, S.449)。 ヴ ィ ーゼ は、国 家 社 会 主 義 の 時 代 に お け る労 働 法 の生 成 に 関す る一 節 に お い て、 国民 労 働秩 序 法(1934)を 営 の 指 導 者 は、全従 業 員(Gefolgschaft)の. 参 照 す る よ う指 示 す る:す な わ ち 「 経. 福 祉 につ い て そ れ相 応 に配 慮 しな け ば な らな い し、こ. の こ とは 、経 営 共 同体 に根 拠 の あ る忠 誠(Treue)を. 指 導 者 に 捧 げ ね ば な ら な い 」。 ヴ ィー ゼ は. 〔次 の よ うに 〕 問題 を指 摘 す る 「 個 人 法 的 な共 同体 関 係 の概 念」 は 、 第 二 次 大 戦 後 も さ らに 「連 邦 労 働 法 、連 邦 裁判 所 、 オ ー ス トリア最 高裁 判 所 、審 級 裁 判所 、 そ れ ど ころ か 連 邦 憲法 裁 判 所 の 判 決 の 中 に、 お よび雇 傭 関 係 か ら権利 と義 務 の根 拠 に つ い て の文 献 の 中 に 、 引 き合 い に 出 さ れ た。 〔しか し〕 批 判 は 、 よ うや く次 第 に 生 じた の で あ る」(S.451)。 個 人 的 な 共 同 体 関 係 の 概 念 は 、 ヴ ィ ー ゼが 確 認 す る よ うに 、最 近 の 時代 に お い て は、 判 決 に お い て も 、 文献 に お い て も、 もはや 使 用 され てい な い と思 え る し、 そ の た め の 「良 き根 拠 」 を 〔次 の よ うに 〕 言 い 表 す:す. なわ ち. 「仮 に こ の個 人 的共 同体 関 係 の概 念 とそ の概 念 諸 要 素 が 、 国家 社 会 主 義 よ り以 前 に 、ず っ と長 く.
(15) 展 開 され 、 使 用 され て い た と して も、 しか しな が らそ れ らの イ デ オ ロギ ー的 な 負 担 は 、 明 白 で あ る。...個 人法 的 な 共 同体 関 係 の概 念 は 、 内容 的 に も雇 傭 関 係 の本 質 に関 す る 今 日的 な 理 解 に ふ さわ し くな い 。」(S.452)。 ヴ ィーゼ が 労 働 法 に お け る共 同 体 概 念 の 使 用 に 対 して 提 起 す る様 々 な 論 証 は 、 経 営 共 同 体 の 概 念 内容 が 、 国 家 社 会 主 義 の 影 響 の 下 で 特 に 受 け 入 れ た 特 徴 に 非 常 に強 く 自 らを 合 わ せ る。 そ れ ゆ え、 人 が 、 ニ ック リッ シ ュの 構 想 に 注 意 を 集 中 す る な ら、 経 営 共 同体 概 念 の 整 理 が 、 労 働 法 に と って も、 依 然 と して 基 礎 付 け られ るか ど うか 、 どの程 度 まで い つ ま で も 基 礎 付 け られ るか 、 とい う疑 問 が 成 立 す る。 経 営 共 同 体 の この 〔ニ ック リッ シ ュの 〕 経 営 経 済 的 な 理 解 は 、 全 体 主 義 的 国 家 に お け る指 導 者 原 理 と一 致 しな い し、 使 用 者 に よ る支 配 的 な 権 力 行 使 に 対 す る被 用 者 の 服 従 義 務 と一 致 しな い 。 ニ ック リ ッシ ュは 、 経 営 の 本 質 を 「人 間 の 権 利 と義 務 で も って そ の 経 営 に 存 在 す る」 自 由な 人 間 の 共 同 体 の 内 に 認 め る(1932,S.296)。. ヴ ィー ゼ は、. 少 な くと も、 雇 傭 関 係 の 契 約 パ ー トナ ー の間 の 経 営 に お い て 存 続 す る利 害 関 係 の 相 違 と並 ん で 同 一 方 向の 利 害 関 係 も存 在 す る こ とを 既 に 指 摘 した 。 ヴ ィーゼ は 、 そ の こ とに よ って 、 経 営 に お い て 「対 立 す る協 同(Kooperation)」. の 、 社 会 科 学 に お い て 普 及 した表 象 に近 付 くの で あ る。. 6 社 会 科 学 的 批 判. ニ ック リ ッシ ュの多 数 の発 表 論 文(刊 行 物)に お け る様 々な 原 典 の 所 在 は 、 社 会 学 の 取 扱 い が、 か れ に 、 テ ン ニ エ ス(Ferdinand T6nnies〔1855-1936〕)に. よって1887年 に 始 め られ た 利 益 社 会. と共 同 社 会 の 概 念 な らび に そ の多 種 多 様 な概 念 内容 に つ いて 、 周 知 の 事 柄 で あ った こ とを 、 推 測 させ る。 しか しな が らニッ ク リ ッシ ュが 、か れ の生 きて いた 時 代 に この 論 題 設 定 の た め に、 す で に 刊 行 され て い た 広 範 囲 に 渡 る社 会 学 者 達 の文 献 を 、 どれ ほ ど徹 底 的 に 取 り扱 った か とい う疑 問 は 、 少 な くと も今 の と ころ未 解 決 の ま ま で あ る(vgl. u. a. Alfred Vierkandt,1959,な Vierkandtに 含 ま れ て い るTheoder Geigerの 寄 稿, S.173 ff.,お. らび に. よ びTonniesの 寄 稿, S.180 f. f.)。 社 会 学 に お け る この一 部 非 常 に対 立 す る論 議 は 、ニ ッ ク リッシ ュに、か れ の構 想 を 「 経営共 同体 」 とみ な す こ と、そ して この経 営 共 同体 の概 念 を 「 経 営 利 益 社 会 」 の名 称 と取 り替 え な い こ とを 、 は っ き り と思 い と どま らせ なか った。 テ ンニ エ ス に よる 区別 にお いて 、 最 後 に挙 げ た(任 意 の社 会 形 態 や 目的保 留 の社 会 形 態 につ い て の)概 念 は 、 ニ ッ ク リッ シ ュに よっ て意 図 され た 実 情 に、 十 分 よ り良 く相 応 しい の で あ る が 。 社 会 科 学 上 の文 献 は一. 特 に ニッ ク リ ッシ ュに しば しば言 及す る こ とな く 経 営 共 同体 とい. う概 念 を 「 様 々 な 局面 に お い て...そ の 文 献 の専 門 用 語 の 中 で 多 か け 少 な か れ 厳 密 な 解 釈 で も っ て使 用 した」(Otto Neuloh,1975, Sp.620)。 この概 念 と結 び 付 い た規 範 的 な術 語 に対 す る批 判 と 拒 絶 が 、1945年 の後 に社 会学 の 中 に 現 れ た 。 新 しい経 営 社 会学 上 の文 献 は 、 ノイ ロ ー(Neuloh) に よれ ば 、 そ の よ うな 「非経 営 的 な表 象 」 を 大 幅 に 敬遠 した;ノ イ ロー は そ の こ とに つ いて 三 つ の理 由 を挙 げ る。 テ ン ニエ ス の 分析 は 〔次 の 第 一 の 理 由を 〕 提 示 す る、 す な わ ち 、 経 営 は 「 利益 社 会 の社 会 形 態」 で あ り、 「一 定 の利 害 関 係 の追 求 のた め の制 度 」で あ る。第 二 の 理 由は 、労 使 共.
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