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自分のしたいことを伝えて一緒に遊ぼう

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Academic year: 2021

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小学部重複学級○組 自立活動 学習指導案 1 題 材 自分のしたいことを伝えて一緒に遊ぼう 2 指導観 ○ 児童観 対象児(以下、A児とする。)は、知的障がいに肢体不自由を併せ有する小学部○年生の児童で ある。学校生活での行動や学習の中の簡単な指示は、口頭のみで理解することができる。登校後の 着替えや荷物整理、給食準備等、繰り返し取り組み習慣化したことを一人で行うことができ、行動 の終わりを「てんてい(先生)、終わった。」と決められた言葉で伝えることができる。毎日の繰 り返しの中でA児が習得した言葉であり、現在A児から自発的に表出することができる二語文の言 葉である。休み時間に遊ぶ内容を選択する場面では、担任の「何かしたいことはありますか。」の 問い掛けに対し、指差しなどの身振りで応えようとするが、伝わらず諦めてしまうことが多い。普 段あまり行くことがない教室や担任外の教師が担当する授業に参加した際には、不安げな表情にな り活動に消極的な様子が見られる。担任外の教師や友達からの言葉掛けに対しては、担任を介して 応じている。担任の仲介がない場合、担任外の教師の言葉掛けに対しては、自分の意思を伝えるこ とは難しい。また、自立活動の区分に即して実態を整理した結果、担任外の教師との授業にも安心 して参加し、自分の要求を言葉で伝えることが中心的な課題として導き出された。 ○ 題材観 本題材は、遊びの活動を通して、教師からの言葉掛けを受けて、A児が要求を達成するために自 分の言葉で要求を伝えることができるようになることを目標としている。A児は、今後様々な人と 関わりながら生活をしていく。その中で、自分の要求を正確に伝えることができるようになること は、自己選択・自己決定の意思を人に伝えるために必要な力だと考える。さらに、言葉の理解があ り、表出に期待ができるA児に言葉を獲得させることは、今後の生活の質を豊かにするために必要 自立活動6区分27項目に即した実態 [健康の保持] ・食事はゆっくりだが、給食を完食することができる。 ・排泄の有無は、担任から聞かれると教えることができる。 [心理的な安定] ・新しい環境や知らない人から話し掛けられると泣くことがある。 ・失敗経験のあることは、自信がなく消極的だが、できることや楽しめることには意欲的に活動す ることができる。 [人間関係の形成] ・担任からの言葉掛けは受け入れて応じることができているが、関わりが少ない人からの言葉掛け は受け入れることは難しい。担任が仲介することで、意思の表出をすることができる。 [環境の把握] ・興味、関心のあるものを見たり、手で持ったりすることができる。 ・担任に触れられた身体の部分を意識することができる。 [身体の動き] ・四つばいや尻ばいで移動することができる。 ・座位で衣服の着脱をしたり、遊んだりすることができる。バランスを崩して後ろに倒れそうにな ると両手をついて姿勢を保持することができる。 ・平坦で設置物のない廊下などを自分で車いすを操作して進むことができる。 [コミュニケーション] ・関わりが多く信頼感のある担任の言葉に応じて、視線、指差し、表情、発声(不明瞭)で意思の やりとりができる。 ※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。

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な素地になると考える。 目標を達成するために、特別支援学校学習指導要領解説自立活動編の自立活動の内容から「2心 理的な安定」(2)状況の理解と変化への対応に関すること、「3人間関係の形成」(1)他者と のかかわりの基礎に関すること、「6コミュニケーション」(2)言語の受容と表出に関すること の内容を関連させて構成している。遊びの中で、教師に要求を言葉で伝えることができるようにな るためには、遊びをしたい要求があること、要求を達成するためには教師に言葉で伝えることを理 解する必要がある。そこで本題材は、A児にとって活動内容が分かりやすく要求を喚起しやすい場 面を設定する必要があり、興味・関心が高く、A児が経験したことがある好きなボール遊びやカー ド貼りを題材にすることで、意欲的に活動に参加することができると考える。 遊びの内容は、「キャッチボール」「的当て」「ボールボウリング」「りんご運び」の4つの活 動で構成する。「キャッチボール」と「的当て」は、6月の授業で経験しており、ボールのやりと りと一緒に言葉のやりとりを取り入れ、人の言葉を受け入れて応じたり、自分の言葉に人が応じた りすることを経験している。本題材では、さらに「ボールボウリング」と「りんご運び」を取り入 れて遊具と言葉のやりとりを行いながら遊びを進める。遊びを楽しんでいる最中に、要求を促す働 き掛けを設定することで、自然な流れで要求を言葉にすることができるようになると考える。 遊びの中に、自分の言葉で要求を伝える学習を仕組むことは、コミュニケーションの楽しさを味 わわせるとともに、教師との言葉と行動のやりとりを通して要求が相手に伝わる経験を重ねること ができ、コミュニケーション力を培わせることにつなげるために意義深いと考える。 ○ 指導観 本題材の指導に当たっては、「知る」「使う」「伝える」の三つの段階により、計8時間の授業 を行う。全ての段階で「キャッチボール」「的当て」「ボールボウリング」「りんご運び」の4つ の遊びからA児が選択した遊びを行う。遊びの中に要求場面を設定して教師からの「どれにする」 や「どうする」の言葉掛けを受けて、A児が「する」や「とって」の決められた言葉で要求を伝え る。A児の言葉に教師が応じることで、A児が要求を達成するという一連の行動を繰り返す。第1 時~第2時の「知る」段階では、遊びの中で要求を伝える言葉について知る。「知る」段階のみ、 指導者(T1)と担任(T2)の学習形態とする。言葉と行動のやりとりを見聞きすることを促し T1の「どれにする」や「どうする」の言葉を受け、T2が「する」や「とって」の模範を示す。 自分の要求をT2が仲介してT1に伝えている様子を見聞きする。T1が言葉に応じて行動するこ とで要求が達成し遊ぶことができる。このことを繰り返すことで、要求を伝える言葉と言葉が伝わ り要求が達成することを学べるようにする。第3時~第4時の「使う」段階では、設定された要求 場面で「どれにする」や「どうする」の言葉を受けて、「する」や「とって」の言葉を教師と一緒 に使えるようにする。「知る段階」と同じ活動内容で行い、A児の様子に合わせて、音声や口形の 模範を示したり、頭文字を伝えたりする。模範をする際は、一音ずつゆっくり丁寧に言葉を発する ように心掛ける。要求を伝える言葉に応じて教師が遊びの準備をしたり、遊具を手渡したりするこ とで言葉が伝わり、選択や要求が達成したことを実感できるようにする。第5時~第8時の「伝え る」段階では、要求場面で、自分から「する」や「とって」を伝えることができるようになるため に、A児からの言葉の表出を待ち、自分から言葉で伝えることができる経験を大切にする。言葉の 表出が難しい場合は、一音ずつ模範を示すことで言葉の表出を促す。A児の変容に応じて教師から の要求を促す言葉は、具体物のみの提示や表情(うなずき)、目線などに変化させ、自発的な言葉 の表出を目指す。 全ての活動に遊びや遊具を選択し、要求する場面と遊具を要求する場面を設定する。 4つの遊びから自分の遊びたい活動を選択して要求する場面では、教師の「どれにする」の言葉 掛けに「(遊びの名前)する」の言葉で応じ、自分の遊びたい活動を伝えることができるようにす る。遊具を選択する場面の「キャッチボール」では、大きさの違うビーチボールを提示して教師の

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「どれにする」の言葉掛けに「(大きさ)する」と言葉で応じ、使いたいボールを伝えることがで きるようにする。「的当て」では、赤色、黄色のカラーボールを提示して、「どれにする」の言葉 掛けに「(色)する」と言葉で応じ、使いたいボールを伝えることができるようにする。「ボール ボウリング」では、ビーチボールとカラーボールを提示して、教師の「どれにする」の言葉掛けに 「(大きさ)する」と使いたいボールを伝えることができるようにする。「りんご運び」では、移 動に使うコースを赤色、青色のマットで提示して、教師の「どれにする」の言葉掛けに「(色)す る」と言葉で応じて、移動したいコースを伝えることができるようにする。遊具を要求する場面の 「キャッチボール」「的当て」「ボールボウリング」では、要求が促される場面で、教師の「どう する」の言葉掛けに、「(ボール)とって」と言葉で応じて、要求を伝えることができるようにす る。言葉に応じ、教師がボールを投げたり、手渡したりすることで遊びを継続したい要求を達成す ることができるようにする。「りんご運び」では、教師の「どうする」の言葉掛けに「(りんご) とって」と言葉で応じて要求を伝えることができるようにする。言葉に応じてりんごカードを手渡 すことで遊びを継続したい要求を達成することができるようにする。これらの一連の活動でフォー マット化したやりとりを繰り返し行うことで、設定された要求場面に合った「する」や「とって」 の要求を伝える言葉の獲得を目指す。遊びの名前や遊具の選択の意思表示(大きさ、色など)は、 A児の表出可能な表現方法で意思を確認する。 3 目標 〇 教師の模範を見聞きして言葉と行動を繰り返し、「する」と「とって」の言葉について知るこ とができる。 〇 教師と一緒に「する」と「とって」の言葉を使うことができる。 〇 教師の言葉に応じて、自分から「する」と「とって」を伝えることができる。 4 指導計画 〇 全8時間(本時8/8) 段階 知る(1時間) 使う(3時間) 伝える(4時間) 学 習 活 動 ・自分が選んだ遊びや遊具等 を担任に伝える ・担任の「する」の言葉を聞 き、自分が選んだ遊びを要 求するときの言葉を知る ・担任の「とって」と遊具を 要求する言葉を聞いて遊具 を要求するときの言葉を知 る ・指導者の「どれにする」を聞き、 指導者と一緒に「する」と言うこ とで自分の選んだ遊びをしたり、 選んだ遊具を使ったりする ・指導者の「どうする」を聞き、遊 びに必要な遊具を要求する「とっ て」の言葉を指導者と一緒に言う ことで遊具を受け取る ・指導者の「どれにする」を聞き、 自分の選んだ遊びや遊具等を「す る」の言葉で伝える ・指導者の「どうする」を聞き、遊 びに必要な遊具を要求する「とっ て」の言葉で伝える ・指導者の具体物の提示や表情(う なずき)、目線などに応じて要求 する言葉を伝える 主 な 手 立 て ・担任が場面に合った言葉と 行動のやりとりの模範を示 す ・音声や口形の模範を示したり、頭 文字を伝えたりする ・模範は、一音ずつゆっくり丁寧に 言葉を発する ・A児の言葉の表出を待つ ・言葉の表出が難しい場合は、一音 ずつ模範を示す ・フォーマット化したやりとり場面を設定する ・必ずできる活動内容を選定する ・投げる回数などの難易度を変化させる ・励ましや称賛の言葉掛けのタイミングや指導者の表情や声の大きさを工夫する 5 本時 平成◯年◯月◯日(◯曜日) 第◯校時 於:◯◯◯ (1) 本時の考え方 本時は、本題材の8時間目である。前時は、遊びや遊具を選択し、要求する場面で、教師からの 「どれにする」の言葉と具体物の提示を受けて、意思の表出の後に「する」の言葉を伝えることが できるようになることを目標にした。A児の表出可能な表現方法(指差し、言葉)での意思表示と ※A児が2~4つ選ぶ キャッチボール ・ 的当て ・ ボールボウリング ・ リンゴ運び 【選定した遊び】

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「する」の言葉を伝えることができるように、教師は「どれにする」の言葉掛けと絵カードや遊具 を提示してA児からの「する」の言葉の表出を待った。初めは、「する」の言葉の表出ではなく、 遊びや遊具の名前の言おうとして「する」の言葉が出てこない様子が見られた。これは、第6時ま で、教師が遊びや遊具を言葉で確認した後に、A児が「する」を表出して言葉を伝えることを学ん でいるため、教師の言葉での確認がなくなったことで教師の代わりに言おうとしていたと考えられ る。そこで、本時の選択場面では、表出可能な方法でA児が選択の意思を表出した後「する」の言 葉を使い選択を伝えることができるようになるために、意思の表出を確認した後、教師が即時的に 「す」の口形模範をする。口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。そこで、本時では、教 師からの「どれにする」の言葉と具体物の提示を受けて、A児が意思表出の後に「する」の言葉を 使い選択を伝えることができるようになることをねらう。前時の遊具を要求する場面では、教師の 「どうする」の言葉掛けをなくし待つことで、自分から言葉で「とって」を伝えることができるよ うになることを目標にした。キャッチボールや的当て、ボールボウリングでは、要求場面になると 「とって」と自発的な言葉を表出することができた。「とって」の表出場面では、対象物のボール を見たり、依頼する教師を見たりする様子が見られた。声が小さかったり、聞き取りづらかったり した時に、時間を掛けて待つと「とって」の後に「ボール」の言葉を表出することができた。りん ご運びでは、競争相手の教師がりんごカードを手に取る様子を見ることで、りんごカードを指さし ながら教師を見て「とって」の言葉を伝えることができた。これは、遊具を要求する場面に合った 「とって」の言葉を伝えることで要求が達成することを理解していると考えられる。さらに、教師 が要求を依頼する人であり、使用する遊具が要求の対象であることを理解していると考えられる。 そこで本時は、要求場面になった時にA児の「とって」の言葉にすぐに応じず待つことで、自発的 な「とって」の言葉の表出と要求の対象である遊具を言葉で表出することができるようになること をねらう。遊具を言葉で表出することが難しい場合、場面の提示(・キャッチボール:転がってい るボールを指さす。・的当て、ボールボウリング:ボールがなくなったかごを見せる。・りんご運 び:ホワイトボードに貼られているりんごカードを指さす。)を行うことで言葉の表出を促す。ま た、言葉にこだわらず指さしなども対象物を表す表現方法とする。 指導に当たっては、はじめに授業の流れを知らせることで、見通しや学習への意欲をもつことが できるようにする。また、活動をする際には、安全面への配慮や活動の場所を明確にするために、 A児の活動する場所はマットの上に設定する。次の活動にスムーズに移行できるように、キャッチ ボールとりんご運び、的当て、ボールボウリングの活動場所を分ける。各遊びに対する見通しをも つことができるように、活動の始まりと終わりを明確に提示する。A児の自発的な言動を促すため に、言葉掛けのタイミング待ったり、A児が手に取れる位置に具体物を提示したりする。感想発表 の時には、インタビュー形式にすることで、気持ちの表出がしやすくなるようにする。できたこと への称賛や遊びでの様子を振り返り、楽しい雰囲気で授業が終われるように心掛ける。 (2) 本時の目標 〇 教師の「どれにする」の言葉に応じて、表出可能な方法で自分の選択の意思を表出した後に 「する」の言葉を使い選択を伝えることができる。 〇 要求場面において、自分から「とって」と遊具の名前を言葉で伝えることができる。 (3) 準備 ①ホワイトボード ②活動カード ③絵カード ④CD ⑤CDデッキ ⑥ビーチボール ⑦ピン ⑧カラーボール ⑨的 ⑩リンゴの木 ⑪リンゴカード ⑫トンネル ⑬設置物 ⑭マット ⑮デジタルタイマー

(5)

(4) 展開 配 時 学習活動 指導上の留意点 教材 教具 導 入 5 分 1 始めの挨拶をする 2 学習内容を確認する ・提示されたカードと遊具を確 認する ・活動場所を確認する 〇 号令を掛けることを知らせて発声を促す。 〇 学習に対する見通しをもつことができるよう、本時の流れ を示した活動カードと使用する遊具を提示する。 〇 的当てとボールボウリングの活動場所を見せる。 ①② ③⑥ ⑦⑧ ⑨⑩ ⑪⑫ ⑬⑭ 展 開 5 分 6 分 × 5 3 触れ合い遊びをする (いっぽんばし、ひげじいさ んの2曲を行う) ・教師の関わりを受け入れて笑 顔で遊びに取り組む 4 活動①②③④⑤をする [4つの遊びの選択] ・教師の「どれにする」に応じ て、遊びを選択する ・選択した遊びを表出可能な方 法で教師に伝える ・選択した遊びを伝えた後に 「する」の言葉を使い選択を 教師に伝える 〇 触られることに対する期待感がもてるように、歌に合わせ て触ったり、くすぐったりいろいろな触り方をする。 〇 楽しい雰囲気で参加できるように、表情や声色を代える。 〇 A児の表情や発言から安心して活動できているのかを読み 取る。 〇 A児が4つの遊びから選ぶことができるように、「どれに する」の言葉掛けをする。 〇 表出しやすい表現方法(指差し、言葉)で選ぶことができ るように、4枚の絵カードを提示する。 〇 A児が意思を表出した後に「する」の言葉を使い選択を伝 えることができるようになるために、意思の表出を確認した 後、即時的に「す」の口形模範をする。 ※ 口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。 ④⑤ ⑭ ③

【教師】

【A児】

①要求場面

②「どれにする」

【4つの遊びから選択する】

③「(名前)する」

キャッチボール・・・・(ボール) 的当て・・・・・・・・・・・(まと) ボールボウリング・・(ピン) りんご運び・・・・・・・・(りんご) ※ 本人の発声しやすい言葉 を選択(言葉にこだわらない)

絵カード

10/30

④遊びの準備

⑤遊びの確認

(6)

『キャッチボールをする』 ・キャッチボールの約束を確認 する ・キャッチボールの始まりと終 わりを確認する ・投げる、転がす、叩くなどの 好きな方法でキャッチボール をする [遊具の選択] ・教師の「どれにする」に応じ て、遊ぶボールを選択する ・選択した遊具を表出可能な方 法で教師に伝える ・選択した遊具を伝えた後に 「する」の言葉を使い選択を 教師に伝える [遊具の要求] ・「とって」の言葉と表出可能 な方法で遊具を示して要求を 教師に伝える 〇 マットが活動場所であることを意識できるように、床の色 と違うマットを使用し、簡潔に説明する。 〇 始まりと終わりを確認できるように、デジタルタイマーの スタートボタンを押したり、アラームを鳴らしてストップボ タン押したりする。 〇 教師が移動をしてA児との距離や投げ方(転がす、弾ませ るなど)を変えて行うことで活動に変化をつける。 〇 常に言葉を掛け、楽しい雰囲気作りを心掛ける。 〇 A児が使用するボールを選ぶことができるように、「どれ にする」の言葉掛けをする。 〇 表出しやすい表現方法(指差し、言葉)で選ぶことができ るように、大きさの違うボールを提示する。 〇 A児が意思を表出した後に「する」の言葉を使い選択を伝 えることができるようになるために、意思の表出を確認した 後、即時的に「す」の口形模範をする。 ※ 口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。 〇 自発的な「とって」の言葉と遊具を言葉や指さしなどで表 出できるように、教師が前時より時間を掛けて待つ。 ※ 言葉や指さしなどの意思の表出が難しい場合、転がってい るボールを指さしする。 ⑥⑭ ⑮ 【要求場面】 〇 A児が投げたボールが転がっている場面

【遊具を要求する】

A児が投げたボールが転がっている場面 ≪伝える段階≫ 自分の要求を「(ボール)とって」の言葉で伝える。

③「ボールとって」

①要求場面

キャッチ

ボール

※ 遊具名はA児の表出 可能な方法とする

【A児】

【教師】

②指さし

④遊具を手渡す

⑤遊具を受け取る

時間を掛けて待つ ※ 必要に応じて

【2つの遊具から選択する】

②「どれにする」

①要求場面

③「(大きい・小さい)

する」

キャッチボール

ボールボウリング(10/30)

【A児】

【教師】

ボール

④遊具の準備

⑤遊具の確認

※ A児の可能な表現 方法とする。

(7)

『的当てをする』 ・的当ての約束を確認する ・的に貼り付けるボールの数を 決める ・的当ての終わりを確認する ・的に決められた数のボールが 貼り付くまで投げる [遊具の選択] ・教師の「どれにする」に応じ て、遊ぶボールを選択する ・選択した遊具を表出可能な方 法で教師に伝える ・選択した遊具を伝えた後に 「する」の言葉を使い選択を 教師に伝える [遊具の要求] ・「とって」の言葉と表出可能 な方法で遊具を示して要求を 教師に伝える 〇 マットが活動場所であることを意識できるように、床の色 と違うマットを使用し、簡潔に説明する。 〇 的に貼り付いたボールは外さないことを確認できるように 見本を示しながら簡潔に説明する。 〇 的に貼り付ける数を選べるように、1~5までの数字カー ドを提示する。 〇 終わりを確認できるように、実際に決めた数のボールを付 けて説明する。 〇 決めた数のボールを的に貼り付けることができるように、 投げやすい位置への移動を促したり、的を移動したりする。 〇 A児が使用するボールを選ぶことができるように、「どれ にする」の言葉掛けをする。 〇 表出しやすい表現方法(指差し、言葉)で選ぶことができ るように、色の違うボールを提示する。 〇 A児が選択の意思を表出した後に「する」の言葉を使い選 択を伝えることができるようになるために、意思の表出を確 認した後、即時的に「す」の口形模範をする。 ※ 口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。 〇 自発的な「とって」の言葉と遊具を言葉や指さしなどで表 出できるように、教師が前時より時間を掛けて待つ。 ※ 言葉や指さしなどの意思の表出が難しい場合、ボールがな くなったかごを見せる。 ⑧⑨ ⑭ 【要求場面】 〇 全てのボールを投げて、指定された数のボールが付いていない場面

【2つの遊具から選択する】

②「どれにする」

③「(赤・黄)する」

①要求場面

的当て10/30

【A児】

【教師】

ボール

④遊具の準備

⑤遊具の確認

※ A児の可能な表現 方法とする。

【遊具を要求する】

全てのボールを投げて、決めた数のボールが付いていない場面 ≪伝える段階≫自分の要求を「(ボール)とって」の言葉で伝える。

的当て

【A児】

【教師】

②かごを見せる

③「ボールとって」

①要求場面

※ 遊具名はA児の表出 可能な方法とする

④遊具を手渡す

⑤遊具を受け取る

時間を掛けて待つ ※ 必要に応じて

(8)

『ボールボウリングをする』 ・ボールボウリングの約束を確 認する ・ボールボウリングの終わりを 確認する ・ピンがすべて倒れるまで投げ る、転がす [遊具の選択] ・教師の「どれにする」に応じ て、遊ぶボールを選択する ・選択した遊具を表出可能な方 法で教師に伝える ・選択した遊具を伝えた後に 「する」の言葉を使い選択を 教師に伝える [遊具の要求] ・「とって」の言葉と表出可能 な方法で遊具を示して要求を 教師に伝える 〇 マットが活動場所であることを意識できるように、床の色 と違うマットを使用し、簡潔に説明する。 〇 ピンはボールで倒すことを確認できるように、見本を示し ながら簡潔に説明する。 〇 終わりを確認できるように、実際に全てのピンを倒して説 明する。 〇 投げたり、転がしたりして、全てのピンを倒すことができ るようにA児の投げる位置やピンを移動する。 〇 A児が使用するボールを選ぶことができるように、「どれ にする」の言葉掛けをする。 〇 表出しやすい表現方法(指差し、言葉)で選ぶことができ るように、大きさの違うボールを提示する。 〇 A児が選択の意思を表出した後に「する」の言葉を使い選 択を伝えることができるようになるために、意思の表出を確 認した後、即時的に「す」の口形模範をする。 ※ 口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。 〇 自発的な「とって」の言葉と遊具を言葉や指さしなどで表 出できるように、教師が前時より時間を掛けて待つ。 ※ 言葉や指さしなどの意思の表出が難しい場合、ボールがな くなったかごを見せる。 ⑥⑦ ⑧⑭ 【要求場面】 〇 全てのボールを投げてピンが残っている場面

【2つの遊具から選択する】

②「どれにする」

①要求場面

③「(大きい・小さい)

する」

キャッチボール

ボールボウリング(10/30)

【A児】

【教師】

ボール

④遊具の準備

⑤遊具の確認

※ A児の可能な表現 方法とする。

【遊具を要求する】

全てのボールを投げてピンが残っている場面 ≪伝える段階≫自分の要求を「(ボール)とって」の言葉で伝える。

ボール

ボウリング

【A児】

【教師】

③「ボールとって」

①要求場面

※ 遊具名はA児の表出 可能な方法とする

④遊具を手渡す

⑤遊具を受け取る

時間を掛けて待つ

②かごを見せる

※ 必要に応じて

(9)

『りんご運びをする』 ・約束を確認する ・りんご運びの始まりと終わり を確認する ・設置物を避けて進む ・りんごの木にりんごカードを 貼る [遊具の選択] ・教師の「どれにする」に応じ て、移動用マットを選択する ・選択した遊具を表出可能な方 法で教師に伝える ・選択した遊具を伝えた後に 「する」の言葉を使い選択を 教師に伝える [遊具の要求] ・「とって」の言葉と表出可能 な方法で遊具を示して要求を 教師に伝える 〇 マットが活動場所であることを意識できるように、床の色 と違うマットを使用し、簡潔に説明する。 〇 りんごカードを運ぶたびにスタートラインとゴールライン を越えることを確認させ、すべてのりんごを木に貼ると終わ りだと説明する。 〇 設置物の素材や配置を工夫して安全面を配慮する。 〇 りんごカードを貼るときに、支える手の位置や支え方を見 て必要に応じて言葉を掛けたり、支えたりすることで安全面 に配慮する。 〇 A児が移動するマットを選ぶことができるように、「どれ にする」の言葉掛けをする。 〇 表出しやすい表現方法(指差し、言葉)で選ぶことができ るように、色の違うマットを提示する。 〇 A児が選択の意思を表出した後に「する」の言葉を使い選 択を伝えることができるようになるために、意思の表出を確 認した後、即時的に「す」の口形模範をする。 ※ 口形模範は、A児の変容に応じて無くしていく。 〇 自発的な「とって」の言葉と遊具を言葉や指さしなどで表 出できるように、教師が前時より時間を掛けて待つ。 ※ 言葉や指さしなどの意思の表出が難しい場合、ホワイト ボードに貼られているりんごカードを指さしする。 ①⑩ ⑪⑫ ⑬⑭ 【要求場面】 〇 教師が手渡すりんごカードを1枚ずつホワイトボードから取り外す場面

【遊具を要求する】

教師が手渡すりんごカードをホワイトボードから取り外す場面 ≪伝える段階≫自分の要求を「(りんご)とって」の言葉で伝える。

③「りんごとって」

りんご運び

【A児】

【教師】

①要求場面

※ 遊具名はA児の表出 可能な方法とする

④遊具を手渡す

⑤遊具を受け取る

時間を掛けて待つ

②指さし

※ 必要に応じて

【2つの遊具から選択する】

②「どれにする」

③「(青・赤)する」

①要求場面

りんご運び10/30

【A児】

【教師】

マット

④遊具の準備

⑤遊具の確認

※ A児の可能な表現 方法とする。

(10)

ま と め 5 分 5 本時の振り返りをする ・楽しかった遊びを教師と一緒 に決める ・教師の言葉に応じて、表出し やすい表現方法で感想を発表 する 6 終わりの挨拶をする 〇 楽しかった遊びを決めることができるように、教師と相 談したり、絵カードを提示したりする。 〇 自分の表出しやすい表現方法(指差し、うなずき、言葉) で感想を発表できるように、言葉掛けする。 〇 言葉で表出できそうな場合は、一音ずつ模倣を促す。 〇 最後に、A児の良かった点を称賛する。 〇号令を掛けることを知らせて、発声を促す。 ①② ③ (5) 配置図 活動場所 【プレイルーム】

出入り口

活動用マット

(キャッチボール)

(りんご運び)

教師の立ち位置

(教師活動場所)

ホワイトボード

遊具棚

斜面台

遊具

ボール

プール

トラン

ポリン

活動用マット

(的当て)

(11)

(6) 評価 【評価の基準・・・◎(できた)、○(教師の支援を受けてできた)、△(難しかった)】 評価項目 教師の「どれにする」の言葉に応じて、表出可能な方法で自分の選択を表出した後に「する」の言葉 を使い選択を伝えることができたか。 4つの遊びの 選択 活動①遊具の 選択 活動②遊具の 選択 活動③遊具の 選択 活動④遊具の 選択 活動⑤遊具の 選択 評価 備考 評価項目 要求場面において、自分から「とって」と遊具の名前を言葉で伝えることができたか。 活動① 遊具の要求 活動② 遊具の要求 活動③ 遊具の要求 活動④ 遊具の要求 活動⑤ 遊具の要求 とって 遊具 とって 遊具 とって 遊具 とって 遊具 とって 遊具 評価 備考

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